『食べ方上手だった日本人』を読む
宮澤賢治の『雨ニモマケズ』には、
一日二玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲ食ベ
と書かれている。
生きていくのに必要な栄養の摂取先のほとんどがコメ。
それゆえ、四合の玄米を毎日食わねばならなかった。
帝国陸軍の兵士への給食は、
精米600グラム(4合)
精麦186グラム(1合強)
主食だけで、3000キロカロリー。
このほかに、副食・おやつ。
こんな飯屋で読み始め。
家業は継がなかったが、著者は割烹料理店の息子。
近代日本人の食文化への並々ならぬ関心から、大変な数の古い婦人雑誌や料理本を集め、読み込んでいる。
本書はそれをもとに組み立てられている。
副題は、『よみがえる昭和モダン時代の知恵』。
以下、本書内の表記に従い昭和年で記述する。
本書でいう〝昭和モダン時代〟とは、昭和10年前後のこと。
宮澤賢治が『雨ニモマケズ』を作詩したのは昭和6年。
〝昭和モダン時代〟の詩といえる。
この頃から、婦人雑誌の料理紹介ページのレシピに食材・調味料の重さ・量、加熱時間が定量的に書かれるようになり、一般家庭に新しい料理が広まっていくことになる。
本夕、読了。
著者は実際にそのレシピに従って調理してみる。
冷蔵庫を使えなかった時代のレシピなので、食材には塩蔵・干物が多用され、出来上がった料理も塩っ気が強いようだ。
で、著者はこう書く。
「これをひとなめするだけで、ご飯を3杯食べられる」
とは言え、〝昭和モダン時代〟の食事は、我が家の毎日の食事よりズッと豊か。
我が家の毎食はしかし、先端を走っていると思う。
冷蔵庫のドアを1回開けて閉めて。
その後、完了までに、レンジのチン音を1回聞くだけ(^^;
コメント
ん?宇宙食? ですか、・・?
投稿: 夫婦釣り | 2019年7月11日 (木) 20:43
夫婦釣りさん、こんにちは
1回の冷蔵庫のドアの開け閉めもなく、レンチン音を1回も聞くことなく、食事の用意が整うこともあります。
テンプラも焼きサンマもポテトサラダも揚げ出し豆腐も卵焼きも茶碗蒸しもスーパーの惣菜コーナーに並んでいます。
デザートはカットフルーツ。
我が家に住んでいるのは、人間の皮をかぶった宇宙人です(^^;
投稿: KON-chan | 2019年7月11日 (木) 22:48