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2019年6月 3日 (月)

『魚と日本人』を読む

題名から我々釣師が期待する本書の内容は、いかにサカナのいるところを知るか、どうやってサカナを得るか。
しかし、ンなことは書かれていない。

著者は、水産経済学者。

副題は『食と職の経済学』。
〝食〟とは、消費者のこと。
〝職〟とは、漁業者・扱い者(仲買・加工・流通・漁協・行政)・商い者のこと。

本書に書かれているのは、海産物の消費量・消費額が減り続け、漁業者も減り続ける日本の現状と、その理由。
そして、消費者・扱い者・商い者の三者にとって、どうあるべきが望ましいのか。

Fishjapanese

こんな喫茶店で読み始め。

日本における漁業生産量(養殖も含む)のピークは、1984年。
1282万トン、2兆9772億円。
1人当たり年間100キロ、23000円。

その30年後の2013年には479万トンと、ピーク時の4割以下に落ちている。
金額だと そこまでは落ちずに5割弱。
ということは、低価格帯海産物の生産量が大きく減少しているということ。

本書には輸入海産物についての統計は記されていないが、実際に市中に出回っている海産物の総量が減っているのは確かだろう。

サカナは食卓に上げるまでが面倒。
誰もが丸のままのサカナをさばけるわけではないし、スピード料理の定番の炒め物の材料にならない。
骨の付いたままのサカナ料理だと、食べること自体を嫌がるヒトも多い。
そんな点が現代人の食材とは言いにくいところ。

上で、本書には、〝消費者・扱い者・商い者の三者にとって、どうあるべきが望ましいのか〟が記されていると書いた。
望ましいと思われる姿は書かれているが、実現性は乏しい(^^;

ヒトの食う量には限りがあるし、人口が減り続ける日本。
サカナを〝職〟としているヒトたちは、人口減少の右肩下がりのグラフと同じ程度の勾配で海産物流通量が減っていくのならば、マァマァだと納得しなければならないのかもしれない。

本夕、読了。

釣り人口も減った(と思う)。

2月に亡くなったベルーガ船長と話をしたことがある。

遊漁船乗船者の年齢が上がり、
 ・客層が薄くなってきた
 ・体を使うマス時期には声をかけにくくなってきた

若い釣り人が減っているとの認識。

対策として、若いヒトに竿を持ってもらえるように
 ・子供(ファミリー)を対象にした釣り塾を開催している
  (釣り具メーカーも同じ危機感を持っているので協賛
     する)
 ・ジグやルアーを使う新しい釣りを勉強している
  (ジグやルアーを使って釣りをするヒトは、釣り上げ
     る過程を楽しみ量にこだわらない。若いヒトにそう
      いう釣り人が多いから)

といったような話だった。

世に面白いこと楽しいことはイッパイある。
その面白いこと楽しいことは増える一方。
釣り人だけが増えるというのは、考えづらいこと。

ということで、将来は、釣り人ひとり当たりの釣果が増えるような気がする(^o^)

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コメント

こんばんわ。
倶楽部にも〝職人〟が数多くおります。
もちろん、船長もその中に入っておりますが。
いち早く大物を掛ける職人。
コンスタントに揚げる職人。
すごい数を掛ける職人等など。
当倶楽部はその方々の塊?。
そして、方々の話は参考になる話ばっかり。

私、近いうち大物掛けます。

投稿: キーさん | 2019年6月 3日 (月) 20:51

キーさん、こんにちは

私なんかが職人なんてとんでもありません。
げっぱ・げれっぱ・びり・どんけつ

釣ってりゃ楽しい、釣れればなお楽しいという人間ですから、釣れない日でも楽しいですが。

大物は誰にも公平に掛かってくれます。
キーさんの竿が大曲がりする日が楽しみです。

投稿: KON-chan | 2019年6月 3日 (月) 22:53

おはよございます。
釣り人口は、減ったように感じていますか?
私は釣り歴自体が長くないし、おかっぱりも早々に離脱したので、あまり気がつきません。
ただ、船釣り人口は多くなさそうですね。
魚を丸でもらってくれる個人は少ないです。うちも、居酒屋がもういらないと言ってきたら、ほぼリリースすることになります。
釣り人口が減って魚が増えてひとり辺りの釣果が上がるのか。
魚が減って釣果が下がったので釣り人口が減ったのか。
釣り人口の高齢化が利いているような気がすごくしますけど。
とはいえ、クラブの皆さん元気ですよねー(笑)
未来は明るい、と感じます。

投稿: めりー | 2019年6月 5日 (水) 04:09

めりーさん、こんにちは

室蘭市内に限っては、という条件付きですが、釣具店が減りました。
防波堤で竿を出す人も減りました。
チカ釣りなんか、子供たちがワイワイと随分いたものですが、少なくなりました。

釣り雑誌が減りました。
釣り番組が減りました。

ロッド1本だけを持って、ビュッ・クリクリッ・ビシッてカッコいい若い釣り人の割合は増えましたが、釣り人の全体数は減っているように見えます。

サケのシーズンだけは、相変わらず、たくさんの竿が並びますが。

若い頃、ちょっとだけフライフィッシングをかじりましたが、あの世界の今はどんな感じでしょうねェ。
ザックにパックロッドをくくり付けて山に入っていた頃もありましたが、歩く方に気持ちがいって、山で竿を出すことがなくなりました。

見るもの・聞くもの・食べるもの・行くところ。
用意されているやりたいことやれることが増えました。
それぞれは専門性をいうほど深くもなく、あまり大きくもないけれど、気軽に入っていける世界というか集まりというかがたくさんできましたね。

めりーさんのおっしゃる通り、未来は明るい。
私にも明るい未来が見えるンです(^o^)

投稿: KON-chan | 2019年6月 5日 (水) 08:15

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