『異能の画家 小松崎茂』を読む
著者は小松崎茂の弟子。
間近で かつ長年にわたって小松崎茂の人となりに触れていたヒト。
朝日新聞朝刊で連載中の小説は『ひこばえ(重松清)』
読売新聞朝刊で連載中の小説は『流人道中記(浅田次郎)』
それには、毎回 挿絵が入る。
小松崎茂の仕事のスタートは、そんな新聞連載小説の挿絵家として。
こんな喫茶店で読み始め。
今風に言うなら、小松崎茂はイラストレーター。
その仕事で身を立てるのは戦前から。
生まれが1915年だから、若くしてデビューし、その後の道を定めたヒトだと言える。
物語作者としても優れた才能を持つ彼は、絵物語で戦後のブームメーカーとなる。
彼はその才能で、30人近くを食わせていたという。
プラモデルメーカーの田宮模型(現社名:タミヤ)の社長が書いた『田宮模型の仕事』を以前に読んだ。
それには、木製モデルメーカーだった田宮模型が、プラモデルメーカーとして成功する大きな起点となったのは、1962年に発売したドイツの戦車の〝パンサー〟が好評だったことが書かれている。
その〝パンサー〟のパッケージの絵(箱絵・パッケージアート・ボックスアート)を描いたのが小松崎茂。
で、その絵が〝パンサー〟の成功に導いたと。
題名の〝異能〟は、日本画家を目指して画技を磨いていた小松崎茂が、エンターテインメント画家として大成功したことから来ている。
本夕、読了。
小松崎茂は、今井科学(廃業)のヒット商品の〝サンダーバード〟シリーズのプラモデルのボックスアートでも有名。
機能・効果よりも、デザイン・雰囲気が優先する世界は多い。
そんな世界のほうが、居心地が良さそう。
〝カタチから入る〟なんていうのもそうだろう。
それも気持ちが良さそう。
化粧品は、デザイン・雰囲気優先、カタチから入る典型。
パッケージ・容器で売っているようなもの。
いいじゃないの、それでキレイになった気分になれるなら。
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