『江戸人の老い』を読む
著者は歴史学者。
よって、江戸人と現代人の〝老い〟を、医学的・生理学的に どうたらこうたらと書かれてはいない。
取り上げられているのは わずかに3人で、江戸人全体を扱ってもいない。
その3人とも日記や側近の記録が現在に残り、原典の紹介が豊富で書かれていることの信ぴょう性は高いが、本書名にある〝老い〟とは大して関係ないことの記述が大半。
3人の江戸人の、隠居後の生活の記録といったところ。
こんな喫茶店で読み始め。
書かれている3人とは、
・質屋を営んでいた男(隠居時63歳、73歳没)
・八代将軍吉宗(隠居時60歳、66歳没)
・住職だった男(隠居時51歳、82歳没)
元質屋経営者と元将軍吉宗は、隠居間もなく中風(ちゅうぶ・ちゅうふう:脳血管障害)を患っての生活をおくる。
現在でも、これぐらいなら中風にアタッてもおかしくない年齢。
恵まれた環境にある2人だから、世話をやいてもらえる生活を続けられるのだが、さて庶民はどうだったのか。
介護の問題は、古今を問わない。
吉宗はかなり重い後遺症を背負い、右半身不随に言語障害。
が、今の言葉でいうリハビリに努め、やがて鷹狩りに出向くことができるほどまでになる。
中風からの回復にリハビリが重要なことも、やはり古今を問わない。
本夕、読了。
3人目の隠居僧は、隠居後もいたって元気。
茶道師範でもあった彼は、月に一度 茶会を催す。
時に、20里(80キロ)を15時間で歩き切るほどの健脚ぶりを見せて旅に出る。
50そこそこで隠居の身となり、その後、特にわずらわされるようなこともなく年を重ねていくことは、現在では難しいことだろう。
隠居せずに,社会の構成員の一人として、生きるのが幸せか。
早くに社会から身を引き、趣味に生きるのが幸せか。
いずれも幸せだろうと思う。
コメント
今晩は、
以前定年後は老後か?ってのを読みました。
私は定年後、きっぱり再任用もせず
遊び呆けております。
おかげで肩こりも無くなり、乱視も治り
身体的には絶好中です。
ただ、どこに魚がいるかが、いまだに
見えません。
投稿: キーさん | 2019年5月16日 (木) 21:28
キーさん、こんにちは
私はもう少し仕事。
今のところ、これが一番面白く、二番目にサカナ釣りと山歩き。
頭はすっかりボロボロ。
体力も落ちました。
元々、大したことやってません。
その程度の頭と体力でこなせる仕事を一番面白がっているのですから、幸せというかお目出度いというか。
サカナがどこにいるかは、分かるようになれる気がしません。
簡単に分かるようでは、サカナ釣りの面白さが減じるように思います。
こんなんでいいのでは、って気分でいます。
投稿: KON-chan | 2019年5月16日 (木) 22:33