« これでいいってことに | トップページ | 少し体を冷やして血のめぐりを増やそうか・・・ »

2019年3月 8日 (金)

『軍艦開発物語』を読む

副題は、「造船官が語る秘められたプロセス」。

ここで言う〝造船官〟とは、船の研究・調査・開発・設計・建造に関わった帝国海軍々人のこと。
身分は軍人だが、実体はエンジニア。

造船官で最も有名なのは、平賀譲(ひらが ゆずる)で、彼のことは、以前に記事にした。

また、〝秘められたプロセス〟とは、モノ造りのブレークスルー。

 

Shiping_2こんな喫茶店で読み始め。

本書は、
 ・強く
 ・速く
 ・航続距離の長い
戦艦・空母・駆逐艦・輸送艦・潜水艦を、
 ・短期間で
造船することを仕事にした8人の造船官によって書かれている。

帝国の艦艇は、初期は英国からの輸入。
のち、先進諸外国から技術を導入、自力で建造を始める。

じき、先進造船国の上を行く艦艇を建造できる力が付いたつもりになるのだが、それは思い上がり、幻想だったことが分かる。
日米開戦6年前。
波に もまれて船体が変形したり折れたりの事故が発生。
その対策をほどこすと、先進造船国の上を行く艦艇だったはずが ごく平凡な艦となってしまった。

技術とは、そういうものなのだろう。

本夕、読了。

本書を読む随分以前に、
『造艦テクノロジーの戦い』(副題:科学技術の頂点に立った連合艦隊軍艦物語)
と、
『軍艦メカ開発物語』(副題:海軍技術かく戦えり)
を読了済み。

最終的に作り上げるものは軍艦なのだが、上記2冊も含めて書かれているのは技術者の頭の使い方。

ヒトの頭の中は国を問わず人種を問わず同じ。
日本人が特別に頭の使い方がうまいわけでなく、だから日本にだけ技術のブレークスルーが起こるわけもない。

夢を追わずして、夢を得ることはできない。
しかし、技術を追い、技術を得たのは日本人のみではなかったという技術の歴史。

« これでいいってことに | トップページ | 少し体を冷やして血のめぐりを増やそうか・・・ »

コメント

こんにちは。
わが街からТ屋が無くなります。
私は一生懸命購入したのですが・・・( 一一)。
力及ばずです(笑)。
本を買うにも不便になります。
中古本屋さんならありますが。
本は、やはり新しいのが読んでいて気持ちが
良いです。
まあ、あまり気にしない人もおりますが。
"(-""-)"残念。

投稿: きーさん | 2019年3月 9日 (土) 17:26

きーさん、こんにちは

フィッシュランドのすぐ近くのT屋ですね。
町から本屋がめっきり減りました。

本にお金を使うヒトが減りましたし、そもそも、本を読むヒトが減りました。

ヒトの歴史において、芸能・芸術のスタートはリズム、音楽だと思います。
次が絵画・彫刻。
その前後あたりに舞踏。
文字を使うようになったのは、ほんの最近のことですから、文学というのは人間の本能的創作物ではないのでしょう。
言語の壁がありますから、全人類的創作活動でもありませんし。

本を読まなくなったというのは、人間本来の姿に戻っていく過程なのかも知れません。

私自身も、読まなくなりました。
これは、加齢のせい。
根気が続きません(^^;
そういう意味では、人間本来の姿に戻っていく過程にいるのかも知れませんね(^^;

投稿: KON-chan | 2019年3月 9日 (土) 19:12

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『軍艦開発物語』を読む:

« これでいいってことに | トップページ | 少し体を冷やして血のめぐりを増やそうか・・・ »