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2019年2月 3日 (日)

『USAカニバケツ』を読む

書いたのは、週刊文春に連載中の『言霊USA』の著者。
弊ブログでも、このヒトの著書を記事 ( 『マリファナも銃もバカもOKの国』を読む) にしたことがある。

副題は、『超大国の三面記事的真実』。

米国のあれやこれやを書いたもの。
著者の滞米期間が7年となる頃、20世紀の終わりから21世紀初頭の米国を書いている。

 

Usa_2こんな喫茶店で読み始め。

This is very, very, American.
(実にまさにアメリカ的だ。)
というフレーズが出てくる。

ホワイトトラッシュ(プアホワイト:貧乏白人)
ドラッグ
教会
音楽
ギャンブル
映画
雑誌
犯罪
プロスポーツ
等々・・・

〝very, very, American〟を本著者は、
〝何もかも派手で、バカでかくて、実は全部にせもので、裏側はカラッポ〟
と訳す。

本夕、読了。

ダメな環境から逃れられず、ダメな環境に居続けなければならない者が多いのは、別に米国に限らない。
こんな環境を〝カニバケツ〟と表現するようだ。(注)

〝カニバケツ〟では、〝足の引っ張り合い〟、〝出る杭は打たれる〟が行われているらしい。

(注)
〝カニバケツ〟という日本語はない(と思う)。

〝カニバケツ:crab bucket〟は米語。

以下は、 Urban Dictionary(米国人が運営している俗語辞書サイト)からの抜粋。

A crab bucket is what it is: crabs in a bucket.
When a single crab is put into a lidless bucket, they surely can and will escape.
However, when more than one share a bucket, none can get out.
If one crab elevates themself above all, the others will grab this crab and drag'em back down to share the mutual fate of the rest of the group. 

 

〝カニバケツ〟とは、バケツの中のカニのことをいう。
フタのないバケツに1匹だけ入れられたカニなら、確実に逃げることができるし、逃げることだろう。
しかし、バケツの中に何匹も入れられた場合は、1匹も逃げ出すことができない。
1匹のカニが他のカニの上に乗り上がろうとすると、ほかのカニがこのカニを引きずり下ろし全部のカニが同じ運命を共有することになるのだ。

〝カニバケツ〟とは、
足の引っ張り合い
出る杭は打たれる
キジも鳴かずば撃たれまい
みたいなことの比喩のようだ。

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