『酒味酒菜』を読む
白紙に、フリーハンドで大きく〝〇〟をひとつ。
それに、『まる』だか『えん』だか『冬眠』だか『宇宙』だか『人生』だか何だかという題名を付けて一編の詩とする。
その作者は草野心平だと、何かで読んだような記憶がある。
以上は、私の記憶違いかもしれない。
こんな喫茶店で読み始め。
本著者の草野心平は、詩人として高く評価されたヒト。
また、料理人としての才にも恵まれ、中国、横浜、新宿で居酒屋や焼き鳥屋を経営していたこともある。
畑も持っていたようで、本書中にもそこで育てた野菜を使って酒の肴を作るページがある。
長い話もあるが、5行、10行で終わる話もある。
2行で終わる話さえある。
呑ン兵衛の詩人。
だから、その短い文章に、鋭さ・ヒラメキ・酩酊が見えるかというと、言葉の使い方は平凡。
書いているのが、食う飲む話。
詩才を散らすほどの話ではないと考えていたのだろう。
本夕、読了。
本書を書くにあたって、草野心平は筆に全く力を込めていない。
解説が料理家の高山なおみ。
文筆家という肩書きも持っているヒトのようだが、この草野心平の力の抜け方を受け止めたような力を抜いた文章。
それが作りモノめいていてイヤらしい。
私は、そういうイヤらしさが大好き(^^;
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