『知の逆転』を読む
初版が'12年12月。
私の購入したのは、'17年9月発行版。
5年の経過で、すでに21刷。
今どき、〝知〟を標榜した本がこれほど増刷されているというのはちょっと意外。
〝痴〟が服を着ている私が、この本を手にしたというのは、ちょっとどころでなく大いに意外(^^;
こんな喫茶店で読み始め。
・ジャレド・ダイアモンド (生物地理学)
・ノーム・チョムスキー (言語学)
・オリバー・サックス (神経医学)
・マービン・ミンスキー (認知科学)
・トム・レイトン (応用数学)
・ジェームズ・ワトソン (分子生物学)
私が名前を知っていたのはジェームズ・ワトソンのみだったが、本書によれば6人は現代の最高知性。
それぞれが専門分野の常識を大きく変えたということを、『知の逆転』という題名で表現している。
本書は、この6人の知の巨人たちへのインタビューを収録している。
インタビュアーが優秀でなければ、これら6人の知の巨人たちから言葉を引き出せない。
インタビュアーは優秀。
元NHKディレクターで、脳科学・認知科学を修め、現在はコンピュータグラフィックスを研究している人。
知の巨人たちに「いい質問だ」、「素晴らしい質問だ」と言わせるほどに、よく勉強してインタビューに臨んでいる。
質問の質が高く、質問への回答に対する受け答えの切れもいい。
聞かれるほうも、ストレートなモノの言い方。
答えられないことには、「それは私には分からない」と。
優秀なヒト同士の語りなので、洗練された言葉が並ぶが、文章は平易。
再読しないと理解できないような文章は一行もない。
『知の逆転』という題名にそぐわず、知の巨人たちの口からは特別変わった話や驚ろかされるような話が出てくるわけではない。
着想の深さ、ヒラメキの鋭さが語られるわけでもない。
それぞれの見解が180度異なるテーマもある。
しかし、帯に書かれた『かくもゼイタクな教養書がこれまであったか?』は、うなずけるキャッチコピーだ。
優秀な知性が時間をかけて到達した立ち位置・見方・考え方の、何と整理されて穏やかなことか。
この世界にはとても頭のいい人がいるもンだなァと、ウンウンうなずきながらの読書はとてもゼイタクな時間だった。
本夕、読了。
この世界には、とても知性の優れた人がいるように、
この世界には、とても運動神経の優れた人がいる
この世界には、とても音楽の才の優れた人がいる
この世界には、とても美術の才の優れた人がいる
この世界には、とても演技の才の優れた人がいる
この世界には、とても料理の才の優れた人がいる
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この世界には、とても釣りの才の優れた人がいる
経験・教育・訓練は大事だが、持って生まれた〝才〟がやはり大きく影響するのは、どの世界でも同じ。
努力は報われると言うが、そういうフレーズは私のような〝才〟のないボケには無益な期待を持たせるだけ。
経験や勉強を積むくらいのことでは、釣才のあるヒトに追い付くことは絶対にできない。
それが現実。
開き直るわけではないけれど、それはそれでいいではないかというのが私の気分。
ってことで、私の釣りは気分・気まぐれ。
ンで、チョボチョボ掛けては、「食った」・「バレた」と。
それで楽しいンだなァ(^o^)
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