『山はどうしてできるのか』を読む
大陸移動説が唱えられたのは20世紀初頭だが、正当な学説としては扱われなかった。
半世紀近くを経た1960年頃になって大陸移動説が再評価され、プレートテクトニクス理論へと発展。
それを補完する観測事実・理論が世に出てきたが、日本の地球(地質)学者の中には、1970年代に入ってもプレートテクトニクス理論を認めない人がいたようだ。
さらに、1990年を過ぎてから提唱されたプルームテクトニクス理論で、プレートの動く方向を説明できるようになる。
これらの理論を使うと、どのようにして山ができたかという造山過程の説明が、それ以前の学説による説明とガラッと変わる。
現在の高校の地学の教科書には、そのガラッと変わった造山理論が記載されているらしい。
こんな喫茶店で読み始め。
噴火による造山は理解しやすい。
マグマが地表に出て山ができる、マグマが抜けた分だけ どこかが陥没する。
対して、ヒマラヤ・アルプス、日本の中央アルプス・南アルプス・日高山脈などは、山体から海底由来の化石が出たりするし、地質学的にも噴火によって造山したのではないことが分かっている。(注1)
すぐ上で、〝噴火による造山は理解しやすい〟と書いた。
しかし、それでは理解したつもりだけのこと。
噴火の原動力はどこからくるのか。
ヒマラヤや日高山脈はプレートの衝突で造山されるというが、どのような原理でプレートが衝突するのか。
本書は、それらを証拠をを示しながら説明してくれる。
地球学者の時間のスケールは長い。
万年、億年。
我々の1日の何と短いこと。
朝起きて・・・
もう、こんな時刻だ・・・(^^;
本夕、読了。
今の高校生の学ぶ数学は、せいぜい17世紀までの成果。
物理だと、20世紀の初め頃までの成果。
対して、地学の教科書には、プレートテクトニクス理論とかプルームテクトニクス理論といった、今現在まさに研究対象となっている最新の情報が記述されているらしい。
『新編 中学校社会科地図(発行:帝国書院 '16年)』は、文科省検定済教科書。
主だった山の頂は▲で、火山頂は▲で記されている。
私の歩いた山々をこの地図で見ると、ほとんどが▲。
ニセコの山々も羊蹄山も尻別岳も大雪山系の山々もホロホロ山も室蘭岳も▲。
ところが、昆布岳(1045メートル)は▲マーク。
産業技術総合研究所地質調査総合センターが'12年に発表したデータ集に当たってみた。
それによれば、昆布岳は火山。(注2)
高校の地学の教科書には最新の知見が記述されているようだが、義務教育の教科書の記述は何か特別な基準に基づいてされているようだ(^^;
(注1)
日本アルプスは富山から静岡にかけて、彡 形に並び、上から北アルプス(飛騨山脈)・中央アルプス(木曽山脈)・南アルプス(赤石山脈)。
北アルプスには穂高岳・焼岳・乗鞍岳・御嶽山と火山が並ぶが、中央アルプス・南アルプスには火山がひとつもない。
日高山脈にも同じく火山がない。
(注2)
『新編 中学校社会科地図』には、伊達紋別岳(715メートル)や稀府岳(654メートル)や徳舜瞥山(1309メートル)はマイナーな山過ぎて記載されていない。
地質調査総合センターの資料で調べると、これらも火山。
ということで、本ブログでGPSログを掲載した山はすべて火山だということが分かった。
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