『大人の発達障害』を読む
精神科医の書いたPDD(広汎性発達障害)のいくつかの症例と対処法の話。
この本で取り上げられているPDDは、〝空気を読めない〟とか〝こだわりが強い〟とかで起こるコミュニケーション上の不都合について。
本書では、それを他者との関わり合いの〝不適応〟と表現している。
義務教育の現場などでは、〝困ったチャン〟扱いされていることが多いのでは。
本書は、それより年齢が上、オトナの話。
いわゆる〝ちょっと変わったヒト〟。
大人の〝困ったチャン〟。
キミ、アナタ、そしてボクのこと(^^;
こんな喫茶店で読み始め。
集団生活の場、社会生活の場において、PDDはマイノリティ。
対する大方のヒトたちを〝定型発達〟と呼ぶ。
〝不適応〟とされるPDDだが、それは定型発達者がそう思うだけのこと。
PDDのヒトは、なぜ自分が〝ちょっと変わったヒト〟・〝困ったチャン〟扱いされなければならないのか分からない。
だから、自分自身が〝異星〟にいるような強い違和感をおぼえて生活しているらしい。
PDDには、秀でた才能・特異な才能の持ち主が多いという。
しかし、定型発達者より出現する割合が多いというだけで、その才能の出現者はやはり少数者だろう。
症状を認識しているのに診断が付かないというのは、気持ちの落ちつかないもの。
だから、PDDと診断名が付いて「ホッとする」ことがあるというのは分かる。
といって、診断名が付いても特効治療法があるわけではない。
関係する周りの者たちがPDDを理解し対応することが療法。
つまり、定型発達が個性なら、PDDも個性であると理解すること。
『民主主義とは議論を尽くし、最後は多数決』と言う定型発達型政治家がいる。
しかし、時には、『議論は尽さねばならないが、最後は少数決』が必要なこともある(と思うのだが)。
本夕、読了。
本書では、アスペルガー症候群もPDDに含めて説明している。
秀でた才能・特異な才能を出現させた有名なアスペルガー型PDDに、スティーブ・ジョブズ 、アインシュタインらがいる。
釣師なんかは典型的なPDDだろう。
なぜなら、潮の流れは読めても、〝空気は読めない〟。
かつ〝こだわりが強い〟。
そして、そんな釣師のキミ、アナタ、そしてボクはスティーブ・ジョブズにもアインシュタインにもなれない。
そんな釣師のキミ、アナタ、そしてボクだけれど、気付いていないだけで、周りのヒトたちが、キミ、アナタ、そしてボクのことを理解し対応してくれているようだ。
いや、全然 相手にしていないのかも(^^;
それはそれで、感謝すべきことのような・・・(^^;
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