『同時通訳者の頭の中』を読む
江戸期。
ウソかマコトか、津軽藩士と薩摩藩士間でコミュニケーションを取るには通訳が必要だったという。(注)
こんな喫茶店で読み始め。
単純なことを伝えるだけなのに、伝言ゲーム化する。
また、言った・言わないの水かけ論争は、しばしば。
著者は、英・日同時通訳者。
どのような頭の働きで、話し手の言っていることを聞き手に伝えているのか。
その伝えるスキルを磨くために、筆者の実践している準備・勉強法が書かれている。
例えば、ネイティブの言葉を聞いて、それをそのまま再現する練習。
聞きながら話す。
ただ再現するだけ。
なのだが、日本語でさえ大変にむずかしい。
日本語のラジオニュースを聞きながら、15秒でいい、それをそのまま再現できる人は、もうそれだけで同時通訳者の才がある。
初めて聞く曲に合わせて、ギターやピアノで付いていける人を知っている。
同じような頭の働き方かと。
訓練でどうにかなるという頭の使い方ではないと思う。
少なくとも、私の頭ではない(^^;
本夕、読了。
平方メートルは平米、〝へいべい〟。
立方メートルは立米、〝りゅうべい〟。
が、〝へいべい〟は〝へえべえ〟と発音するのが普通。
そして、〝りゅうべい〟は、〝りゅうべ〟、〝りゅーべ〟と発音するのが普通。
病院は〝びょういん〟だが、〝びょおいん〟、〝びょーいん〟と発音するのが普通なのに似ている。
アポロ11号の月面着陸のTV中継を同時通訳した松村増美が、ダム建設に関する通訳をした際のこと。
日本人技術者の言う〝りゅーべ〟を、ついに英語に通訳できなかった話を読んだことがある。
松村は〝りゅーべ〟が、立方メートル・立米を示す日本語だということを知らずに、自分の知らない英語の専門用語だと思い込み、〝LUBE〟とか〝RYUBE〟とか〝LYUVE〟とかあらゆる発音を試みたらしい。
『同時通訳者の頭の中』の著者は書いている。
通訳の前の予習、単語帳作り、辞書の読み込みが大切だと。
一応、海域を考え、仕掛けを考えみたいなことは私もする。
何の功も奏しないけれど(^^;
(注)
ウソかマコトか。
ウソだろう。
江戸期の武士はインテリ。
他藩の武士同士がコミュニケーションを取れなかったということは考えにくい。
私の調べた範囲では、通訳がいた、必要だったという根拠のある資料を見つけることはできなかった。
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