『京都の裏社会』を読む
法治、法の支配を正義だというヒトが多いが、
法とは何ぞや。
正義とは何ぞや。
裏社会、ヤクザの世界。
表社会、カタギの世界。
裏・表とは何ぞや。
〝仁義なき戦い 広島死闘篇〟。
監督の深作欣二は、賭場を仕切る大友組々長(千葉真一)に次のセリフを言わせる。
のう、オヤジさん。
テキヤじゃろうとバクチ打ちじゃろうとよォ。
ワシら、うまいモン食ってよォ、マブいスケ抱くために生まれてきとるンじゃないのォ。
それもゼニがなけりゃナンもできゃせンので。
ほじゃけん、ゼニにカラダはろういうンが、どこがわるいン。
こんな喫茶店で読み始め。
ヤクザといえば、切った張った。
指を詰める、命のやり取りをする世界。
てな、認識だけではとうに古い。
〝カラダはる〟だけじゃァ、今の世、うまいモン食って、マブいスケ抱くなんてところまでは稼げない。
使うのはアタマ。
〝京都の〟となっているが、人脈・金脈は全国に散る。
人脈は官僚・政界・学界にまでつながり、金脈は、地方の信用金庫からメガバンク・大手信託銀行にまでつながる。
人脈相関図が掲載されているが、そのつながりは複雑。
金を得ていく手段はさらに複雑で、飲み食い・挨拶料の単位が〝マクラ〟と称する1千万円。
口利き料が50億円。
メガバンク・大手信託銀行から融資させる手段は巧妙。
バカではできない。
融資された金が、十億の単位で見事に焦げ付き裏社会に流れていく。
利権を得るための動きは早い。
かと思うと、3年も5年もじっと待つ。
殺される者が出てくる。
行方知れずになる者が出てくる。
著者は新聞記者出身のフリージャーナリスト。
取材は深い。
深い分、身のすくむ思いもしている。
本書の副題は、『山口組と王将社長射殺事件の聖域』。
2013年、京都市内で〝餃子の王将〟社長が射殺された事件は未決。
本書のスタートは、それを追う取材記録。
本書内に書かれているのは、
企業・財界・同和団体・宗教界・民族団体・法曹・政党・金融・学界・コンサルタント・行政・ジャーナリズム。
再び言う。
法とは何ぞや。
正義とは何ぞや。
裏・表とは何ぞや。
本夕、読了。
随分以前の話。
職業別電話帳で数え上げた飲食店数を人口で割った数値の大きい町、つまり人口当たりの飲食店の多い町の一位と二位は新宿でも大阪でもなく、北海道にあった。
一位、釧路市。
そして、二位が室蘭市。
室蘭市内の某町は、夜の飲食繁華街。
毎晩飯をその町で食べ、飲みもしないのに、夜な夜なその町をウロ付いていたのが私(^^;
そこの大きな通りを1本入ってすぐに、白地に黒文字の大きな横長の看板を掲げた平屋の建物があった。
夜になるとパトカーが張り付き監視の対象になっていた建物だった。
あれは裏社会への表玄関だったのか。
表社会への裏口だったのか。
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