『仏独伊 幻の空母建造計画』を読む
帝国海軍の〝大和〟・〝武蔵〟は7機の偵察・観測機を搭載できたようだが、空母とは言わない。
戦艦。
海自の〝いずも〟・〝かが〟はヘリコプターを14機搭載できるが、空母とは言わない。
ヘリコプター搭載護衛艦。
古代進の操縦する〝ヤマト〟搭載のコスモゼロは、宇宙艦上戦闘機。
が、〝ヤマト〟を空母とは言わない。
宇宙戦艦ヤマト。
こんな喫茶店で読み始め。
第二次世界大戦時、空母を実戦に使ったのは、米・英・日。
大戦の主要参戦国の仏・独・伊も、空母の建造を行ったのだが運用に至るまでには進捗しなかった。
その仏・独・伊における空母の運用意図・建造計画・経緯が書かれている。
計画された艦の平面図と側面図、それとスペックが並べられている。
新造もあれば、商船からの改装もある。
艦載機の開発にモタつく話もある。
読後感は満足感に乏しい(^^;
例えば、
基準排水量 2万3350トン
・・・・・・
全長 231.4メートル
・・・・・・
・・・・・・
航続力18ノット 5500海里
航続力29ノット 1580海里
・・・・・・
・・・・・・
と、スペックが示される。
そして、スペック要目の最後3行は、
搭載機 51機
乗員 1532名
航空要員 337名
この最後の3行だけでも、100行は書き足さなくてはならないンじゃないかと私は思う。
示されているだけでは、航空要員が乗員の内数なのか外数なのかさえ分からない。
搭載機種の内訳も分からない。
稼動機が何機で、予備が何機なのか。
乗員内訳も分からない。
書かれていなくても、
艦長 1名
副長 1名
機関長 1名
航海長 1名
砲術長 1名
軍医長 1名
主計長 1名
くらいは分かるが、機関点検整備担当員が何名で、何シフト乗り組むのか。
見張り員数・医務員数・司厨員数・工務整備員数・通信員数等々は。
1532名とか337名とかと下1桁の数字まで書いていながら、それらは示されない。
対象が外国のことなので、取材先が限られたということだろう。
データの拾い上げは文献から。
本書は、月刊誌に隔月で足掛け5年、26回にわたって連載されたものを1冊にまとめたもの。
1冊とする時に加筆訂正したとの記述はあるが、全体を一覧・比較できるようにデータを表にするとか、時系列を追えるような年表形式に整理するとかされているわけではない。
26編のデータ集を読んでいるようなもの。
読み終えるまでに、ポストイット50枚強、A5メモ用紙6枚を必要とした(^^;
本夕、読了。
空母(に限らないけれど)はシステム。
技術。
その使いこなしがキモ。
空母が重要な役割を持った海戦が、帝国軍と米国軍間において太平洋上で何度かあった。
引き分けとなった海戦もあったが、同戦力同士の海戦でも、結局は米国軍が帝国軍にワンサイドゲーム。
米国は伝統的にシステムに強い国だ。
仏・独・伊の空母建造の進捗が、もう少し早かったとして、米国並みに使いこなせたか。
同じ海域に浮かび、同等のタックルを握っても、釣果に大差がつく。
特に、マガレイとブリ。
釣りは、システムではない。
ポストイットを何枚使ってもメモを何千文字とっても、ダメ。
釣りは、ウデ(^^;
コメント
これからの闘いは〝空だ〟と見極めた国と
何時までも巨艦主義の国の違いは大きい。ですわ。
最後っぺの文章ですが、釣りはやはり
〝ウデ〟なんでしょうね。
もうひとつ〝ねばり〟ってのは、如何でしょう?。
いやいや、今日は駄目だの〝見極め〟って
どうでしょうか?。
わたくしには、その三つが不足している
ようです(--〆)。
投稿: きーさん | 2017年9月15日 (金) 22:17
きーさん、こんにちは
私は〝見極め〟が良すぎます。
早い話、すぐに動いてしまいます。
〝ねばり〟がないんでしょうね。
でも、我々は恵まれています。
海に近いところに住んでいますから。
休みなら、出ようと思ったらすぐに出られますから。
やはり、〝ウデ〟でしょう。
〝ウデ〟がなァ。
〝ウデ〟がほしいです。
〝アシ〟には自信があるんですが(^^;
投稿: KON-chan | 2017年9月15日 (金) 23:15