『河童のスケッチブック』を読む
著者は妹尾河童(せのお かっぱ)。
『河童の何とか』というシリーズものが何冊かあり、いずれもイラストに文が付けられた体裁。
本書は、ページのめくり方が単行本と異なる文庫版が有名だが、私が購入したのは単行本の方。
こんな喫茶店で読み始め。
天は二物を与えず。
が、著者は天から何ブツも与えられたヒト。
イラストレーターとしても、
舞台美術家としても、
作家としても、
旅行家としても、
女たらしとしても、
一流。
女たらしというより、女の方から寄ってくる雰囲気のヒト。
別れぎわがきれいそうで、女を泣かすヒトではないように見える。
自身も女で泣くようには見えない。
ンなことは、どうでもいいことのようだが、本書と全然関係がないわけではない。
モテるヒト、そしてきれいに別れられるヒト。
こういうヒトは、間違いなくほかのヒトに勝る芸才、あるいは運動神経、あるいは資力、あるいは知性を持っている。
余裕、広がりのある男前。
そういう人の書いた本を読んでいると、体が軽くなる気分。
ケチなヒトの文章は、どうも いかん(^^;
ボーズを食らった釣り師の文章も、どうも いかん(^^;
このヒトの職業人としてのスタートは、舞台美術から。
舞台美術は、観客席から見える面を考える仕事だから、その視線はほぼ水平。
本書のイラストは、あらゆる方向から。
この本の著者は、天井のはるか上から見下ろした写実イラストを描くこともできる。
床に立ってグルッと見回した部屋の様子を、身長5メートルになったヒトの目で見た風景に頭の中で変換できるのだ。
本夕、読了。
これこそが、女たらしの目だ。
若い頃、同年輩の女たらしの友人に、
「コンちゃん、女性をモノにしようと思ったら、上から見るンだ。 同じ高さで見るな。 同じ高さで話をするな。 無視しろ。 相手にするな。 むこうから来る。 いいか。 来たら腰に腕を回し、グッと引き寄せるンだ。 それでいいンだ。 オレなんか自分のカネで車を買ったことがない。」
と教わった。
ンで、女たらしを志したオイラはヒールの高い靴を買った(^^;
視線を上げた。
無視した。
相手にしなかった。
むこうから来るハズだった・・・
が、しかし、
無視された(^^;
相手にされなかった(^^;
むこうから来るヒトは一人もいなかった(^^;
車は自分のカネで買った(^^;
女たらしになれなかったオイラ(^^;
上から下へと、船上から仕掛けを落とす。
時々しか、サカナが掛からない。
サカナたらしにもなれないオイラ・・・(^^;
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