『会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ』を読む
冷凍マグロより、冷蔵(氷温)マグロのほうが格段に高い商品価値を持つ。
マグロの冷蔵可能日数は、獲ってから30日前後とのこと。
これを何日かでも延ばすことができれば、漁場滞在日数を延ばせる分 漁獲量を増やせる。
そのための鮮度保持剤の開発が著者の仕事。
で、マグロ漁船への乗り組みを命じられる。
喫水長20メートル船。
乗組員は、著者を含めて10名。
航海速度は毎時20キロ。
漁場は東京の真南、赤道。
大分の漁港から漁場までは9日間の航海。
漁獲法は延縄(はえなわ)。
2000本のハリを付けた100キロメートルのロープを流す操業を20日間。
冷蔵可能日数は獲ってから30日前後だから、ここで終漁。
9日間かけて北上し、九州の水揚げ港に入る。
ひと航海40日。
ひと航海の水揚げ高1000万円。(注)
こんな喫茶店で読み始め。
本書は、実はマグロ漁にかこつけた、コミュニケーションスキル向上ノウハウ本。
乗り組んでいる親方(と呼ばれる船のオーナー)、船長、機関長、コック、漁師らとの会話で、著者は〝考え方〟、〝思い方〟、〝話し方〟、〝伝え方〟を得てゆく。
本夕、読了。
のち、著者は企業研究員の職を辞し、会議活性化研修会社を起業することになるのだが、その原点となるのが、このマグロ漁船での40日間。
親方、船長らの著者への語らいは、うま過ぎる、でき過ぎ。
作り話が多いのでは。
例えば、本書中、6秒ごとにハリを海中に投入していくと書いてある。
100キロメートルのロープに2000本のハリなら、約50メートル間隔。
時速20キロの船だから、6秒ごとだと33メートルとなり50メートル間隔と整合しない。
6秒ごとが正しいのなら、ハリの間隔は33メートルだから、ロープに30キロ以上の遊びができる。
ンな漁具があろうか。
ということで、初めから疑ってかかって読むものだから、私の身には少しのノウハウも付かなかった(^^;
(注)
船や漁具の整備もあるから、年に せいぜい5航海か6航海しかできないだろう(と思う)。
だから、この1000万という数字は小さすぎる(と思う)。
ひと航海40日なら、計算上は年に8航海が可能ではある。
そこで、仮に年に8航海するとしてはじいても、年間水揚げ高は8000万。
漁船償却費・燃料・漁具をはじめとする経費の何もかも含めて、一人1000万に届かない。
このあたりも大いに疑問あり。
コメント
僕の主食はマグロの刺身です。
烏賊釣りに出た時、〝小さくても良いから、
間違っても良いからマグロが釣れないかなぁ~〟と
いつも思っております(* ̄ー ̄*)。
投稿: きーさん | 2017年6月 9日 (金) 16:58
きーさん、こんにちは
マグロの刺身が主食とは、豊かな食卓ですねぇ。
噴火湾がマグロの大漁場だったことがあるのですから、何かのきっかけで、大黒島沖でマグロが跳ねるかもしれません。
海の様子が変わってきています。
我々の竿にも掛かることがあるかもしれません。
明日はシケ。
仕掛けを作るつもり。
マグロ用ではありませんが(^^;
投稿: KON-chan | 2017年6月 9日 (金) 20:55