『ヒトの中の魚、魚のなかのヒト』を読む
釣師が読みたくなる題名ではないか。
しかし、題名こそ釣師が読みたくなるものだが、内容は釣りとは全然関係ない。
こんな喫茶店で、読み始め。
初めのほうで著者の経歴が語られる。
解剖学者としてキャリアを積み上げ、その延長線上に古生物(化石となった生物)へと研究を進めてきた人。
研究目的は、この逆。
古生物から今の動物を考える。
そのために、解剖学・発生学(動物の誕生前段階(胚:はい)を研究する学問)・遺伝学・分子生物学が使われる。
話は腕から始まる。
上腕には骨が1本、上腕骨。
前腕には骨が2本並行に、尺骨(しゃっこつ)と橈骨(とうこつ)。
長さのことを別として、肩に近いほうに1本、その先に2本という骨の組み合わせは、ヒトのみならず、トカゲもトリも同じ。
水中から陸に上がった(だろうと思われる)古代魚のヒレの化石に、1本・2本の組み合わせが見える。
原題は〝YOUR INNER FISH〟。
すなわち、『内なるサカナ』。
著者はそれを、『内なるハエ』あるいは『内なるゴカイ』、さらには『内なる酵母菌』とするべきだったと書く。
歯
鼻
耳
目
それらの発生は、そこまでさかのぼることができる(らしい)。
現生人は、二足歩行し、飢餓から逃れ、しゃべることができる。
それに適応した体には、しかし、できあがっていない。
二足歩行を行うことで痔・高血圧・ヘルニア
飢餓から逃れたことによって、糖尿病
しゃべることで、睡眠時無呼吸症候群・しゃっくり
等々に悩まされる。
全体を貫くのは、進化論。
進化を示す証拠だとされる化石の写真・図。
裏付けの参考文献リストだけで、24ページ。
さて、ンな進化は本当にあったのか。
少なくとも釣師は退化している(^^;
太古、角や骨で作られた遺跡の釣り針を見よ。
多分、釣り糸は、草木の繊維、人・動物の毛だ。
刺さりの悪い針に強度のない糸を使う古代人より、我々の釣りのウデが上だと はたして言えるだろうか・・・
今夕、読了。
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