『響きの科学』を読む
原著者は英国人の音楽家(作曲家・ギタリスト)。
また、物理学者でもある。
現在は、一つの大学で音楽を、二つの大学で物理学を教授している。
〝響き〟とは、〝音楽〟のこと。
こんな喫茶店で読み始め。
本書の対象読者は、音楽にも物理学にも素人。
だから、使われている音楽用語は、ドレミファソラシ・♯・♭まで。
物理用語は、振動・共鳴・周波数まで。
数学用語は、1/3・1/2・2倍・3倍まで。
と、平易。
なお、本書内には多くの楽曲名が出てくるが、翻訳に当たって、一部は日本人になじみのある曲に置き換えられている。
本書、しかし、相手が素人なのをあまりにも意識しすぎて、説明の言い換え・繰り返しが多く、無駄に本を厚くしているように思う。
日本の出版社の編集者なら、三分の一くらいにまでページを減らすのでは。
ということで、三分の二は退屈なページだった(^^;
モーツァルト(1756-91)が使っていた音叉は、現代のものより半音低いのだそう。
だから、モーツァルトの書いた楽譜を現代の楽器で演奏すると半音高くなる。
そう、我々が今聞いているモーツァルトの楽曲は、モーツァルトの意図した音楽ではない。
彼の意図したより半音高い旋律を聞いて、我々はモーツァルトに酔っているわけだ。
ハ長調の〝ラ(A)〟を決めるために国際会議が開かれていて、それが1939年とごく最近のこと。
標準音としての〝ラ〟音は440ヘルツ。(注)
ヒトが最初に出す音、〝うぶ声〟が万国共通・男女別なく〝ラ〟だというのは有名。
本夕、読了。
(注)
〝ラ〟を440ヘルツとするというのは国際会議での決定事項。
芸術はそんなこととは無関係。
オーケストラは、オーボエの〝ラ〟で音合わせをする。
このオーボエの〝ラ〟は、440ヘルツよりやや高め(らしい)。
いよいよ、モーツァルトの意図から離れていく(^^;
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