『とんでもなく役に立つ数学』を読む
著者は、大学の数理物理学教授。
その著者が、男女各6名、計12名の高校1年生に4日間の特別授業を行う。
本書は、それをベースに編まれたもの。
こんな喫茶店で、読み始め。
著者によると、数理物理学とは数学と物理学の間の学問とのこと。
って言われて数理物理学が何なのかが分かるヒトは、すでに数理物理学を知っているヒト(^^;
社会への反映が100年先か1000年先か、あるいは社会への応用が利かないかもしれないのが純粋数学や理論物理学で、研究動機・研究目的は〝知〟。
その純粋理論の世界に進もうと考えていた著者だが、進路を変更。
今 起こっている現象を数学の目で解きくだく数理物理学に進む。
著者の現在の研究課題は、〝渋滞〟を数学的に考察しその解消を考えるというもの。
著者は小学2年生で、理数に興味を持つ。
その彼が、教師に質問した。
彼の担任教師は、「私にも分らない」・「とにかく覚えなさい」と言ったようだ。
それに反発、以降、独学で数学を身につけてゆく。
教室では、机を後ろ向きにして授業を受けていたという。
という話をマに受けてはいけない。
こんなことを話せるのは、成功者のみ。
お茶目な自慢話だ。
私も、ほんの一瞬でも前を向いて授業を受けた記憶がない。
窓の外を見ているか、天井を見ているか。
で、バカができ上がった(^^;
「私にも分らない」・「とにかく覚えなさい」と言う教師がいてもいなくても、彼は数理物理学者になったはず。
彼が数理物理学者になったのは、ひとえに独学で数学をモノにできる資質を持ち合わせていたから。
それを持ち合わせていない者が、机を後ろ向きにして授業を受けたところで、生産されるものは何もない。
窓の外を見、天井を見、アンタはンな子供だったから、やはりバカになったと言われるのがオチ。
これ、オイラのこと(^^;
著者が言うには、現在の最先端科学の研究でも、考察の始めに結論のアタリをつけるのに使う数学は高校までの範囲なのだと。
『アンタらは高校1年生だからまだ知らないだろうけれど、数学はこんな風に使えるンだよ。 3万人が参加する東京マラソンのスタート地点での選手の最適な並べ方、高速道路の渋滞を軽減させる車間距離の考え方、これらに使う数学は、ホレ、高校の範囲内だろ』みたいなことを著者は言う。
昆虫学者は昆虫のスバラシサを言い、植物学者は植物のスバラシサを言う。
文学者は文学のスバラシサを言い、音楽家は音楽のスバラシサを言う。
それと同じ、数理物理学者は数学のスバラシサを言う。
究めている人のみが〝とんでもなく役に立つ〟スバラシサを言える。
釣師が釣りで人生を語る。
登山者が登山で人生を語る。
それと、同じ・・・・では、ないだろうなァっと(^^;
本夕、読了。
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