『大作曲家の死因を探る』を読む
本書で取り上げられている〝大〟作曲家で最も時代の古いのはヘンデルとバッハで、いずれも1685年の生れ。
活躍時期は1700年代、18世紀前半。
この時代は、治療法はともかくとして、症状からその病をかなりの確度で診断することができるところにまで医学が到達していたのだそう。
すでに白内障・緑内障の手術もできるところにまで医学レベルは上がっていて、実際、ヘンデルとバッハは同じ眼科医に手術を受けている。
音楽の評価は移ろう。
油の乗り切っていた頃のヘンデルとバッハのドイツの有名新聞の評価は、ヘンデルが5位、バッハは7位。
しかし、ヘンデルとバッハの上をいくと評価された当時の1位から4位の作曲家を知る人は、今はいない(^^;
【画像:上】
こんな飯屋で読み始め。
本書で取り上げられている作曲家の最初はモーツァルトで1756年-1791年、18世紀の人。
モーツアルトは若死にするのだが、当時より水銀中毒が疑われ、それは誰かに盛られたものだという説が根強い。
本書の副題は『音楽ミステリー』。
ミステリーだから、証拠と事実によってモーツアルトを死に至らせた犯人を突き止めるのかというと、そんなことはない。
モーツアルトの周辺にいた人物をリストアップして、動機を考えて犯人を絞り込むのだが、かなり感覚的。
そんな手法で、モーツアルトを死まで追い込んだ3人を絞り込む。
動機といえるほどのものはないのだが、このうちの2人がモーツアルトを死の寸前まで追い込む。
で、最後に止めを刺すのが、モーツアルトその人自身。
まァ、ミステリー的と言えば言える、何という安っぽい結末(^^;
【画像:下】
ガラでもないことに、成り行きで札幌交響楽団の演奏を聴くことに。
演奏されているのはモーツアルト最後の交響曲第41番(ジュピター)。
本夕、読了。
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