『日本の名河川を歩く』を読む
〝渓相〟とは、〝手相〟・〝人相〟などのつながりから生まれた言葉だろう。
こんな喫茶店で読み始め。
著者(天野礼子:あまのれいこ)は、渓流釣りを趣味にする人。(注)
釣りとしては最高に難しい部類とされるアユの友釣りもやる。
本書内でもアユ釣り・漁・料理にあちらこちらで触れている。
書かれている河川数は全部で46。
内、北海道を流れるのは、以下の6川。
釧路川
歴舟川
猿留(さるる)川
西別川
美々川
茂漁(もいざり)川
これらを、
第一章「名河川私的セレクションベスト10」で第8位として釧路川
第二章「日本縦断 名河川20選」で歴舟川
この川は、日本の川風景としてベスト3に入ると。
第四章「秘川&湧水10選」で
秘川として猿留川
湧水として西別川・美々川・茂漁川
を紹介している。
第五章が「川漁師のいる風景」なのだが、そこには道内河川の紹介はない。
第三章全部を使って書かれているのは長良川。
ただし、〝日本の名河川〟として長良川を評価する章ではなく、長良川を〝日本の名河川として選べない〟ことを書いている章。
読み出してから分かったのだが、著者は自然保護活動家。
だから、自然保護活動家としての行動・思いを表現した文章が多い。
私としては著者の考えに同意できない部分も多いが、まァ、私ごときがああこう言う話でも・・・(^^;
ということで、ここではそんな話には触れない。
冒頭の話の続き。
〝渓相〟は、ほぼ川釣師に限って使われる言葉で、広辞苑には採録されていない。
〝溪相がいい〟とは、〝サカナが釣れそうだ〟と同義。
あるいは、〝こんな所でサカナに出てほしい〟の意味。
目の届く範囲に護岸など人の手が入っていたりすると、〝溪相がいい〟とは言わない。
また、川の全域どこでも〝溪相がいい〟とは言わない。
例えば、河口、海に注ぐ寸前は、〝溪相がいい〟とは言わない。
多分、釣師が〝溪相〟を使った一番多い言い方は、「溪相はいいのだが、サカナが出なかった」だろう(^^;
釣師というのは、川・海問わず大変に勝手な人種。
川釣師が言うサカナは、ウグイじゃダメ。
アユも含めて必ずアブラビレを持つサカナ。
沖釣師の言うサカナは、ちと許容範囲が広い。
が、カジカじゃイヤ(^^;
カバー写真は、西別川。
溪相も良く、サカナの出もいい川である。
本夕、読了。
(注)
天野礼子を略して〝アマゴちゃん〟が著者のニックネームで、名付けは開高健。
そのニックネーム通りの人のようで、アマゴ(南西日本の太平洋に注ぐ河川に生息するヤマメのごく近種魚)にアユ、アメマスを追って全国の川に立ち込んでいる。
何年か前のANAの「翼の王国」で、本著者がアマゴ釣りについて書いた文章を読んだことがある。
今も企画されているのかは知らないが、ANAにはアユ釣りのパッケージツアーがあった。
コメント