『怖いクラシック』を読む
クラシック音楽史、クラシック音楽のトピックス。
本書内で扱われるのは、ショパンとかベートーヴェンといったクラッシック界の有名人。
こんな喫茶店で読み始め。
いわゆるクラシック音楽は、聞いて心地よいものでオペラは喜劇に決まっていたそうな。
モーツアルト作曲の、プレイボーイの貴族が地獄に落ちる結末のオペラ『ドン・ジョバンニ』が、〝怖い〟音楽の最初というのが、著者の見解。
モーツアルトは18世紀後半の人。
もっとも作曲はモーツアルトだが、その台本はシナリオライターの手による。
録音も放送もない時代だ。
全ての音楽はライブ。
劇場に聴衆をよび、興行として成り立たせねばならない。
だから、〝怖い〟話をオペラとして成功させたショービジネスの才にたけた興行者こそが、一番音楽を知っていたのかもしれない。
クラシック音楽史で、モーツアルトに続くのはベートーヴェン。
ベートーヴェンの『田園』の嵐の楽章を、著者は〝怖い〟音楽だと書く。
そして、ベートーヴェンから、クラシックが難しい音楽へとなってゆく。
ところで、タイトルの〝怖い〟とは、「父」・「自然」・「狂気」・「死」・「神」・「孤独」・「戦争」・「国家権力」のこと。
この流れでいくと、「貧困」も〝怖い〟に含まれるように思うが、それは取り上げられていない。
まァ確かに、『貧困のクラシック』というものは、あり得ない・・・
ベートーヴェンに続くショパン・ブラームス・チャイコフスキーは19世紀の人。
人は何も100年を単位に変わるわけでも、キリスト生誕年をスタートとする紀元が人の歴史のスタートであるわけでもない。
しかし、クラシック音楽史においては、19世紀と20世紀で〝怖い〟音楽が変わる。
19世紀までは、〝怖い〟ものがあって、それを音楽で表現する。
それが20世紀になった途端に、具体的タイトルのない、ただただ〝怖い〟音楽が生まれる。
クラシックからは離れるが私見を言わせてもらえば、20世紀後半、レッド・ツェッペリンやディープ・パープルがそれまでとスタイルを変えた〝怖い〟音楽を作ったと思う。
本書内で話題にされる楽曲は、その気になれば全てネットで聞ける(はず)。
〝その気〟にならなかったけれど(^^;
本夕、読了。
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