『相対性理論』を読む
初版が'88年。
今年の2月発行の本書が44刷目。
2年で3刷というペースのロングセラーかつベストセラーでもある。
こんな喫茶店で読み始め。
書かれているのはアインシュタインの第1論文。
それは、
Ⅰ運動学の部
Ⅱ電気力学の部
で構成され、特殊相対性理論の成立を示すもの。(注1)
本書内は、〔A〕・〔B〕の2編立て。
〔A〕は、アインシュタインのドイツ語の論文を忠実に日本語に翻訳したもの。
〔B〕は、〔A〕を初学者に取っ付きやすい言葉で書いたもの。
〝Ⅰ運動学の部〟に限って言えば、理解に使う数学は中学校1年生までのもの。(注2)
この〝Ⅰ運動学の部〟を、訳者の内山龍雄(うちやま りようゆう)は、
『これは科学論文として最高の傑作であり,その論旨の展開の美しさは芸術作品と称えても,決して過言ではない』
と書いている。
『相対性理論の原論文を〝観賞〟してもらう』
とも。
訳者補注と用語説明が大変丁寧。
ということで、〔A〕が理解できれば、〔B〕を読む必要はない。
また、〔B〕が理解できれば、〔A〕も理解できたことになる。
私は中学1年の範囲内の知識も抜けているから、〔B〕のページから読んだ。
光速度(C)は、毎秒約30万キロ。
例えば、
速度Vで進みながら、進行方向に光を発射すると、光の速度は C+V に増速
その逆方向に光を発射すると、C-V に減速
と、外にいる人に観測されるかというとそうはならない。
変わらず同じ速度C。
19世紀の終わり、精密な実験を行って得られた観測事実。
速度は、長さを時間で割ったもの。
C+V だろうと考えられるのに変わらず C ならば、
・時間の流れが遅くなった
・光の進む距離が長くなった
・そのいずれか、あるいはその両方
と考えたのがアインシュタイン。
横軸長さ、縦軸時間の直交座標に、直線が何本か引かれて説明が進む。
頭を空っぽにして、すなおに読めばいい。
赤青の色鉛筆を使うと、視覚的に理解ができる。
まァ、でも、私のガラでもない本を手にしてしまったものだ・・・
本夕、読了。
いや、読了したつもり(^^;
(注1)
特殊相対性理論は、「時間」と「長さ」の考察。
発表は1905年。
一般相対性理論は、「重力」が加えられて考察される。
発表は1916年。
なお、一般相対性理論は数学の訓練を積まないと手が出ない。
なわけで、私には一般相対性理論は永遠におあずけ(^^;
(注2)
Ⅱ電気力学の部は、義務教育の数学の範囲を超える。
〔B〕ではそこのところを、中学生に分る言葉で説明してくれる。
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