『督促OL 修行日記』を読む
キャッシングとは、〝借金〟。
〝ツケ〟・〝ローン〟。
某信販会社(クレジットカード会社)では、キャッシングの返済が契約支払日から遅れる人、つまり支払い遅延者が5人に1人いるのだそう。
その信販会社に、ある年に就職した新卒が100名超。
内、債権回収部署に配属されたのが、男10名・女3名の計13名。
督促とは、〝債権回収〟。
〝取立て〟・〝借金取り〟。
就職後、督促業務を見習い、時には授業料を払ってセミナーで学び、職業人としてのキャリアを積み上げていく話。
こんな喫茶店で読み始め。
著者のプロフィールがよく分からないが、文中に就職氷河期に採用されたとある。
今から15、6年前、’00年前後の入社だろう。
著者が新人OLの頃、7時から23時まで勤務したことがある。
ときには12連勤になった。
と、書いている。
しかし、その程度の勤務なら標準偏差±σの範囲。
日本中の企業が〝24時間 戦えますか〟が異常でも特殊でもなかった時代だった。
今でも、おおかたは〝22時間 戦えますか〟くらいだろう(^^;
信販会社の督促業務の現場はコールセンター。
督促電話ノルマは1時間に60本。
ほとんどの返済遅延は、うっかりミスで生じるのだと思う。
だから、大概は、
「お引き落としができませんでした。 お支払いをお忘れではございませんか」
「ハイ、申し訳ありません、ウッカリしてました。 御免なさい。 明日、銀行に入金します」
で終わるのだろうけれど、それでも1時間に60本、これはキツイだろう。
遅延が2ヶ月を越えると長期延滞者とされ、カードが停止される。
以降、カードを作れなくなることもある。
信販会社としては、それは避けたい。
建て前としては、
「お客さまが信用をなくすのはお客さまの不利益。 それは避けさせるべき」
本音としては、
「借りた金を返すのは、借りた人の義務。 回収しなければ会社の損。 カードを使ってもらえなくなれば、お客を一人減らすことになる」
実務に付いた最初の日の最初の督促電話。
「うるせぇんだよ馬鹿野郎! ちゃんと支払うっつってんだろ!」
「テメェ! 今度電話してきたらぶっ殺す!!」
督促OLの督促業務の修行が始まる。
本夕、読了。
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