『旅の理不尽』を読む
副題は『アジア悶絶編』。
『アジア悶絶編』があるのだから、続著に『ヨーロッパ悶絶編』や『アフリカ悶絶編』があるのかと思いきや無い。
『アジア悶絶編』のみ。
著者は土木工学を学んだのち、不動産業に携わり、編集職を経て文筆家となった人。
本書は、サラリーマン生活のかたわら、時間を作って各地に出かけた旅行の記。
当初自費出版されたものが、その後 商業出版されたもの。
こんな喫茶店で読み始め。
16の旅行記がおさめられているが、内ひとつが八ヶ岳冬季登山、残り15が海外旅行。
長い旅行ができるのは、学生の特権。
書かれているのはサラリーマンの旅行。
だから、夏季休暇・年末年始休暇・有給休暇・出張を利用しての旅行で、どれも短いはず。
しかし、旅程は書かれていない。
旅先で、あれを見た、これを食ったみたいな旅行雑誌やネットで拾えるような話も書かれていない。
短い時間で動かなければならない旅行だから、計画は綿密なのだろうが、そんなことも書かれていない。
英語圏でない国で、宿探しをしたり、現地の家庭に招かれて食事ができるくらいだから、現地語の単語をおそらく1000個は頭に入れて出国しているはずだが、そんなことも書かれていない。
中国人女性と同じ部屋に泊まることになる。
結婚を迫られ、キスをし、胸をさわるところまでいく。
今もそんな表現があるのかどうか知らないが、〝B〟までいくわけだ。
いざ・・・
その中国人女性が言う、「わたし、カトリックだから」
死海につかって浮力の大きさを知る。
痔でもないのに肛門が痛む。
それほど塩分が濃いことを知る。
5行ごとくらいに、おふざけ・ギャグ。
現在の著者は50歳を超えている。
しかし、20台の彼の〝旅〟は、確かに〝旅〟だった。
てなことを言うようでは、甘い(^^;
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コメント
こんにちは。
毎回面白そうな本を
読まれておりますようで。
当方もリタイアしてから、本を読む時間が
増えて、嬉しい限りです。
投稿: きーさんの・・・ | 2015年10月15日 (木) 13:20
きーさん、こんにちは
きーさんは、お弟子さんを育てなくてはならないし、魚は釣らなきゃならないしで、職こそ離れてもお忙しいようで。
私は長い小説なんかはもう読めなくなりましたね。
私が手にするのは読み放し、読み捨ててもいいような本ばかりです。
職住に距離のある東京のサラリーマンのように通勤に電車を使うような人は年間読書量は相当ありそうですが、職住近接の上に車で通勤なんてしているといよいよもって本から遠ざかります。
ホントのことを言うとドストエフスキーとかサルトルってところに手を伸ばしてみたいと思ったこともあるのですが、今さらねェ(^^;
投稿: KON-chan | 2015年10月15日 (木) 19:07