救荒食い
凶作に備えて育てる作物を救荒(きゅうこう)作物というそうだ。
育てるのに土地を選ばず世話も必要とせず、長期間の保存が可能なイモ・穀物類がそれに相当する。
日本人が救荒作物と言う時は、米の代用主食を示すことになる。
サツマイモ・カボチャ・ジャガイモが米の代用主食だったのは、それほど遠くない過去だ。
アワ・ヒエ・ソバはもう少しさかのぼった過去の代用主食。
現代日本においては、救荒作物と意識して育てられている農作物はもうない。
それはそれとして、1ヘクタール当たりの収穫量のここ数年の実績データを並べてみると、
米 5トン
サツマイモ 25トン
カボチャ 13トン
ジャガイモ 15トン
となり、確かにサツマイモ・カボチャ・ジャガイモは救荒作物としてふさわしい。(注1)
ところで、江戸時代においてさえ1ヘクタール当たり2トン程度の米がとれていたようだから、狭い余地で育てるアワ・ヒエはそれよりもはるかに高い生産性を持つのかなァと思っていたのだが、あにはからんや。
アワ・ヒエの1ヘクタール当たりの収穫量は2トン。
同じく救荒作物だったソバに至っては、1ヘクタール当たりの収量が0.8トンしかない。
希少性を高級・高価値につなげる経済原理に従えば、アワ・ヒエは高級食材、ソバは更にその上をいく贅沢食材ということになる。(注2)
【画像】
『一口目はツユをつけないで食べて下さい』という店があった。
ソバつゆと天つゆを別にして出す店があった。
が、私は私の食いかたで。
ソバつゆをジャブジャブと。
で、減った腹にガツガツ流し込む、救荒食い(^^;
10月、今日までに食べた盛り・ザル。
十割・二八・田舎・更科・ダッタン・茶・ゴマとあるのだが、私の舌では全く区別がつかぬ(^^;
(注1)
収穫できる重量と、それによって得られる熱量・栄養価は別な話。
ここに出した数字は、その別な話であるはずのものをひとくくりに考えるための目安。
(注2)
この論法は明らかに破綻している。
仮に希少性が貴重性に結びつくとしても、旨い不味いとは無関係。
が、この論法を利用した商売は利益率が高い(ことが多いように思う)(^^;
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