人生は短いが1日は長い
大したこともやらないうちに、もう1月も終わり、時間の過ぎるのは早いものだと感じている人も多いだろう。
この、〝時間の経過を早いと感じる現象〟について、昨日の読売新聞夕刊の記事『週刊KODOMO新聞』に、「子供のころに比べて、最近は1年があっという間に過ぎたように感じるのよね」という書き出しで、心理学者や脳科学者に取材した話が掲載されていた。
「食べ物や酸素の体内でのエネルギーへの変換速度の違い(子供は速い)」からと説明する説や、脳科学的に「子供は漢字や計算を学習するのみでなく、親の表情から気持ちをくみ取ったりと脳に蓄える情報量が膨大なのに対し、大人は経験・学習済みの内容が増え、海馬(脳の中央にある器官)の働く回数が減ってくるので、時間を短く感じる」と説明する説があり、海馬なんて知らなくても、素人なりにうなづけてしまう。
さて、製造業、特に金属素材会社、セメント会社、製薬会社、製粉会社などで、原料あるいは製品が粒や粉になっている物質を扱う職業の者ならば、10人に1人は知ってるという大谷・中村理論がある。
これを使えば、例えば、次のように話を進めていけるわけだ。
今、29歳の人の、これからの1年は、その人の人生にとっては1/30の期間となる。
つまり、いま29歳の人は、これからの1年間で、その人にとっての人生の1/30の経験や知識が増えることになる。
この伝でいくと、
いま39歳の人の、これからの1年は、その人の人生の1/40
いま49歳の人の、これからの1年は、その人の人生の1/50
いま59歳の人の、これからの1年は、その人の人生の1/60
いま69歳の人の、これからの1年は、その人の人生の1/70
いま79歳の人の、これからの1年は、その人の人生の1/80
経験や知識が増えることになる。
逆にたどると、
いま19歳の人の、これからの1年は、その人の人生の1/20
いま 9歳の人の、これからの1年は、その人の人生の1/10
いま 3歳の人の、これからの1年は、その人の人生の1/4
いま 1歳の人の、これからの1年は、その人の人生の1/2
となり、
たったいま生まれたばかりの子の、これからの1年は、その人の人生の1/1、つまり1
経験や知識が増えることになる。
以上から、30歳の人ならば、
1+1/2+・・・・+1/29+1/30
と足し合わせただけの経験なり知識の蓄積があるだろうと見積もれることになる。
本当は、こんな風に各年齢とも一律な考え方で蓄積量が決まるわけではないのだろうけれど、上に書いた脳科学的説明がいくらか定量化されたことになる。
1+1/2+・・・・+1/29+1/30
というところをちょっと気取って、
と書いてもいい。
と書けば、もう少しカッコいいかもしれない。
この計算結果、すなわち、経験なり知識なりの蓄積を、ここでは『知恵量』と呼ぶことにする。
後者の式での計算結果を並べてみると、
1歳で身に付く知恵量は 1
3歳 2.1
5歳 2.6
10歳 3.3
20歳 4.0
若いってことは素晴らしいことで、どんどん知恵量が増えるのだが、
30歳で身に付く知恵量は 4.4
40歳 4.7
と、このあたりになると増加率が目に見えて落ちてきて、
50歳 4.9
60歳 5.1
70歳 5.2
80歳 5.4
90歳 5.5
100歳で、 5.6
となる。
これをグラフ化したのが、下図。
で、『80歳の長老の持つ経験や知識の半分の量は9歳までに得られるのだ。子供の頃はあんなに長く感じた1年も、年を取ると短く感じるようになる。ね、このグラフでもそれが分かるだろう』というオチを、さも自分で考え出したように、したり顔で言うわけだ。
次のようなことをオチにしてもいい。
『〝三つ子の魂、百まで〟と言うけれど、確かに子供の頃に得たものは大きい』とか、『〝50、60鼻たれ小僧〟と言うけれど、確かに60歳になっても、5歳児の倍ほどの知恵も身についてない』とか、とか。
『週刊KODOMO新聞』の記事に戻ろう。
生活でイベント(食事や遊びなど)数が多い人(つまり、子供)ほど、時間を長く感じるとのこと。
ということで、1日を長くするために、釣りというイベントを入れたい。
が、本日、大シケ(^^;
《参考》
〝人生〟〝対数(logのこと)〟をキーワードにネット検索すると、大谷・中村理論を下敷きにした話がいくつもヒットする。
例えば、『人生なんてlogscale』という記事がある。
この筆者は、その内容を「とっさに思いついた」と書いているけれど、大谷・中村理論を下敷きにしているのは明らか。
千葉のM倉さんへ。
貴兄の、『人生は短いが1日は長い』というフレーズを思い出しながら書きました(^0^)
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