ありがとうKさん、サンキューアグネス
久し振りも久し振り、5ヶ月ぶりにKON-chan号のエンジンを回したけれど、一発で始動。
空ぶかしを3回入れて、エンジンの回転数がスロットルレバーの動きに気持ち良く追従するのを確認して9時離岸。
エンジンの調子はいいし、ナギ。
体調も極めてよろしい。
だからフルスロットルでブッ飛ばして、恵山沖までイカをさがしに行っても良かったし、いい話が聞こえている近場でのんびりとヒラメのアタリを待つのも良かったけれど、久し振りにやるならやはり“根”でしょう。
『ひざし』は、『日差し』または『陽射し』と書くんだそうな。
今日の『ひざし』は『陽射し』と書くのがふさわしい。
地球岬をかわして東上しばし。
夏の『陽射し』に射されて、短い航海ののち幌別沖50m根へ。
回りに他船はいない。
10時、竿を出し、仕掛けを投入すればいいだけにして、スローで根の上に船を移動させようと、クラッチを前進にいれるのだが・・・
ンっ? 前進しない。
オイオイ、どうした後進もしないヨン。
要するにクラッチレバーを倒しても、ニュートラ状態。
プロペラを止めるシャフトエンドのナットが緩んで、プロペラが遊んでいるのかも知れないと、エンジンを切って、船外のドライブの上に乗って、短距離ランナーのクラウチングスタイル状態で腕だけ水中に入れる。
『泣きっ面に蜂』を絵に描いたように、作業体勢には無理があった。
携帯電話を海中に落とした(^^;
が、プロペラが遊んでいるのではないことは確認できたので、エンジン再始動。
出港時同様、空ぶかしを3回入れて、エンジンの回転数がスロットルレバーの動きに気持ち良く追従するのを再確認。
が、クラッチを入れても前進も後進もしないのは前と同じ。(あとから分かったのだけど、クラッチを動かす油圧回路中にあるフィルターにゴミが詰まっていた模様で、これを解消する応急方法もあるのだった)
既に漂流しているのだけど、この時点で、自分が漂流しているのだということをはっきり認識する。
さて、レスキューしてもらおうにも電話は水没。
久し振りも久し振り、エンジンを回したのも5ヶ月ぶりなら、KON-chan号海上無線局を開局するのも5ヶ月ぶり。
スキャンしてみると437.○#△MHzで交信している声が一番明瞭に聞こえる。
ハム用語でファイブ・ナインという最高の入力感度で、それもそのはず、これもあとで分かったのだけどKON-chan号からの最寄りの陸地にほど近い登別マリンパークあたりを走っていたトラックドライバー同士の交信だった。
その交信に割って入り、『申し訳ありません、このバンドお借りします』と事情を説明し、『北緯42度23分、東経141度09分でKON-chan号が立ち往生している』ことを岩佐マリンに連絡してもらう。
KON-chan号海上無線局の電波を拾ってくれたトラックドライバーのKさん、どうもありがとうございます。
のようなことになるのかなァ・・・(^^;
のようなことになるのなら曳航してもらえるだけまだいい、こちらは曳航船になるアグネスと連絡が取れない(^^;
結局、今こうして馬鹿話を打っているのだから、海上でちょっとした作業をやることで自力航行で帰ってくることができ、漂流状態にあったのは1時間半ほどだったのだが。
その1時間半ほどで私のやったこと、考えたことを多少の誇張で脚色して書くならば以下の通り。
曳航してもらうためのロープを用意したり、浅い所まで流れ着いたら入れようとアンカーを準備したりという作業を行うが、これは5分もしないで終了。
幸いにも、海上はベタナギで風もほとんどなく、船の漂流速度は北東に0.2ノット程度。
船内には非常時用のポリタンクの燃料も含めれば、200リットル以上の燃料がある。
プロペラは回らないけれど、エンジンが止まるのではないから発電はできるわけで、無線機の出力を5ワットから20ワットに上げて437.○#△MHzのトラックドライバーのKさんとの交信が途絶えないようにする。
ついで、サバイバル用品の確認。
船中には、もしもの時用にミネラルウォーター2リットルボトル3本、カップめん2食、チョコレート1枚。
ガスバーナーにボンベ2本。
釣り道具もあるし、1週間くらいならもつだろう。
もっとも、そんなこと考えるよりも、陸までは2海里くらいだから、ライフジャケットもあることだし、泳ぐべきでしょう。
泳ぐんなら、元気なうち。
ってことで、大して腹が減っているわけではないけれど、船上食として今朝買った『赤飯おにぎり』と『ゴマ昆布おにぎり』を食べる。
これがやはりどこか心細い気持ちがあるのが食を進めないようで、意外と食うのに時間がかかって、おにぎり2個に20分ほど。
こんな時じゃなければ、絶対読まない『信号紅炎の発炎方法』を読んだりもする。
画像上:漂流中、KON-chan号のすぐ横をイルカが通過。
根も外れたし、イルカがザブン・ザブンやってるようじゃ釣りにならない。
もっとも、漂流しているのに竿を出す余裕を持てるほど私の肝は太くない・・・
画像下:田中船長が舵を握るアグネスが来てくれたのはもちろん嬉しいけれど、ヤマハボートの専門家の岩佐マリンの岩佐社長が同乗していたというのが、心強い。
ところで、クラッチが入らなかった原因が分かり対応も終わったので、明日こそ、“根”だ!
コメント
良かったね~無事で良かった!
ところで、函館遠征は来るのかな?
ブリは今のところかなり薄いみたい。
イカもサメ入ってイマイチみたいです・・・。
投稿: リアル浜 | 2006年8月 7日 (月) 21:56
SAKURAさん改め、リアル浜さん、お久しぶりです。
毎度、いい釣りをされてる様子で、何よりです。
アグネスがきて、岩佐社長がKON-chan号に乗り移ってきた時は、地獄に仏を実感しましたねェ。
海上で応急処置をしたらクラッチがつながり、20ノットで帰港できましたが、曳航帰港なら、5、6時間掛かったのではないでしょうか。
Kさんと、アグネスには、こちらの都合で時間と経費を使わせてしまったわけで、今思うと、応分というには少な過ぎたのですが、形にしてお礼させていただきました。
ところで、函館、行きますヨン。
昨年は単独行で未明に出港、夜明けに大間沖で僚船と会合するなんて無謀なことをやりましたが、一人でやる航海ではありませんね。
淋しすぎます。
20日前後に船団を組んで行く話が出てます。
昨年の函館遠征ではKON-chan号でもサメを掛けてます。
こいつを掛けてしまい、仕掛けとラインとギャフを喪失しています。
胆振沖のイカも遅いですが、今年は豊漁予報が出てますから、ここ10日もすれば姿を現すでしょう。
投稿: KON-chan | 2006年8月 8日 (火) 02:51