秋夕一刻値万金
終日(ひねもす)船長から、サバが釣れたとのメールと画像をもらったのが20日のこと。
これがいいカタで、こいつを追おうと、ルアーロッドを持って夜明けと共にKON-chan号を出したのが24日の土曜日。
地球岬をかわしたあたりで鳥が騒ぐので、ジグを投げたらブルブルッと青物独特の動きが伝わってきたけれど姿を見ないうちにハズレ。
張り切って出た割には、新品のトラウトフックに付け替えたジグを全て車の中に忘れ、船の中の去年からジグに付けっぱなしにして手入れをしていないフックを使っているものだから、爪どころか人差指の皮にも引っかからずに滑るほど。
こんなんじゃダメ。
スプリットリングを割るプライヤーも車の中なので、えらい苦労して鈎を取り替えているうちに、鳥が着水、捕食行動を止めてしまう(^^;
取り敢えず、イカ海域へ。
16分から23分あたりにまで長く伸びるイカ船団に並ぶも、朝の早いうちのほんの短時間は100m付近でオモリが止まるほどだったけれど、じき、140から160mのベタ底にイカが降りてしまい、その上、波も出てきて作業効率があがらない。
まァ、それでも当面のオカズに困らないだけの数は確保できたので、再び青物海域に戻る。
朝がたに青物の反応のあった海域に寄ると、相変らずベイトの反応が濃い。
ジグを入れると、小サバよりは大きく、大サバよりは小さいといった30cmちょっとのサイズのサバが続けて2本。
2投2尾ときたので、これは爆釣かなァと気持ちがハイになったけれどこのあとが続かず、これっきり。
噴火湾に入っても頻繁にベイトの反応があり、そのたびにジグを入れ大黒島まで様子を探りながら戻ったけれど、これらは全てスカ。
と、終日船長からのメールが携帯に転送されてきて、『イタンキ沖でサバ』。
ウ~ン、さっきの海域だったンだなァ、やはり。
さて、マリーナに戻ると、函館のY氏、H嬢乗船のShihonoとF氏艇のBAYTRAMⅡが桟橋に着けてあり、秋の最高の陽射しを浴びてデッキで昼寝中。
900年も前、中国の文人は、春宵一刻値千金(しゅんしょう いっこく あたいせんきん:春の夜のひと時は千金に値する)と詩につづったそうだが、この秋の陽を浴びる思いの良さを知っていれば、私でも漢詩が書ける・・・〝秋夕一刻値万金〟(^^;
というわけで、昼寝中の船長らには声を掛けずに、私は、一旦、家に戻ってイカの処理をする時間をもらうことに。
で、日も落ちてから、中央町の〝鳥辰本店〟で再会の乾杯。
〝鳥辰本店〟には、函館一映マリーナで一緒に碇泊したKu船長に、さらにはF氏の同僚氏が水平対向2気筒エンジンのロシア製の大型バイクを転がして来てくれた。
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エンルムまでの航海途中、戸井沖の厳しい海況でBAYTRAMⅡの2重反転プロペラに流れ網が噛んで大変な思いをしてそれを取る作業があったようで、あの昼寝は、消耗した体力の回復にはどうして必要な時間だったのかもネ。
『函館新聞』に大きく掲載されているのが、函館山裏でBAYTRAMⅡが掛けた12kgのブリの記事。
新聞紙上のブリだけど、酒の肴には十分。
みたいな話で盛り上がって、まさに〝秋夕一刻値万金〟の夜だったのだが・・・・・
翌25日早朝、函館に向けて出航したShihonoとBAYTRAMⅡだが、恵山沖で東風に吹かれ、椴法華に避港したとのこと。
それでもBAYTRAMⅡは風の変わり目を狙って再出航して函館までたどり着いたようだが、Shihonoは椴法華に船を置いたままにして車で函館に戻ったと連絡。
秋はシケっ早いからなァ。
こんな状況時に、漢詩を詠むのもナンだけど、〝秋天一転大時化 要確認海域天候〟(^^;
上左:エンルムマリーナでもやう、Shihonoと手前BAYTRAMⅡ。
上右:デッキ上での昼寝。
下左:函館新聞に掲載されたBAYTRAM艇長の釣果記事。
下右:ロシア製のサイドカー付きバイクで駆け付けたF氏の同僚氏。
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