2024年12月 1日 (日)

『東洋医学はなぜ効くのか』を読む

中国の医学の歴史は、3千年以上もさかのぼることができる。
それが、
 中国では 中医学
 韓国では 韓医学
 日本では 漢方医学
として それぞれ発展し今に至る。

本書で書かれている東洋医学とは、日本の漢方医学のこと。

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こんな飯屋で読み始め。

副題は、
『ツボ・鍼灸・漢方薬、西洋医学で見る驚きのメカニズム』

この、
 西洋医学で見る
というのがキモ。

松尾芭蕉の、
 月日は百代の過客にして、行かふ年も又 旅人也
で始まる『奥の細道』には、
 もゝ引の破をつゞり笠の緒 付かえて、
 三里に灸するより松嶋の月・・・

と、三里のツボへ灸を施すことで、長旅の疲れをいやし 筋肉の炎症を予防することが書かれている。

本夕、読了。

灸をする三里とは、ツボの足三里(あしさんり:ひざのサラの下の くぼんだところ)のこと。

以下、本書の西洋医学の言葉での説明を抜き書きすると、
 このツボへの刺激は、
 坐骨神経・脊髄・脳幹を経て、
 遠心性迷走神経を興奮させ
 副腎髄質を活性化させる。
 それによってドーパミンが分泌。
 血液を介しマクロファージの活動が抑制され、
 よってもって、炎症性サイトカインの産生が
 減少する。

拙ブログの記事、
 『くすりの発明・発見史』を読む
で話題にした2015年のノーベル生理学・医学賞受賞者の
 屠 呦呦(Tu Youyou 1930年- 
は、中医(薬)学者。

西洋医学で見ると、東洋医学の驚きのメカニズム が浮かんでくる。

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2024年11月24日 (日)

『道鏡』を読む

現在 過去 未来 あの人に逢ったなら
私はいつまでも待ってると
誰か伝えて
           渡辺真知子

今 ここは過去と未来をつなぐ
Right NOW
Right NOW
          中島みゆき

現在。
その なんと面白いことよ。
いわんや、歴史。
その なんと面白いことよ。

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こんな喫茶店で読み始め。

本著者の大学の恩師も道鏡の研究者。
本著者は その恩師の著書『道鏡』を50年間読み続けたという。
50年読んで、本著者は恩師と同じ書名の『道鏡』を書いた。
その副題は、
 『悪僧と呼ばれた男の真実』

著者の、真実への迫り方は理詰め。
古文書を読み込む。
そして考える。
本著者は、恩師の『道鏡』へ多少なりとも抗弁できるようになった、と書く。

本夕、読了。

仏教によって国の安寧を願った(鎮護国家)奈良時代。
備忘として、その後半のトピックスを年表にすると、
 752年 東大寺大仏の開眼供養
 757年 養老律令制定
      橘奈良麻呂の乱
 764年 恵美押勝の乱
 765年 道鏡 太政大臣禅師就任
 769年 宇佐八幡宮神託事件
 770年 称徳天皇死去
      道鏡 下野(しもつけ)薬師寺(栃木県下野市)に左遷

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2024年11月23日 (土)

『路(みち)に落ちてた月』を読む

“童話集〟なのだが、“まえがきにかえて〟で、本著者は、
 教訓も、癒やしも、勝ち負けも、
 魔法も、無い。
 あるのは・・・
 何にも無くて良いです。
と書く。

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こんな喫茶店で読み始め。

 「お前はケツの穴の小さいヤツだ」
 と叱られるけど、
 「あいつはケツの穴の大きいヤツだ」
 とほめられたヒトはいるのかな?

てなハナシが100余。

本夕、読了。

20年前の出版。
某書店の書架にタナざらしになっていたものを購入。
著者はビートたけし。
キレは さほどスルドくない(^^;

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2024年11月17日 (日)

AirPods4とデバイスのペアリング

AirPods4 を入手。

ところが、従来型の AirPods3 までにあった 充電ケース背面の〝設定ボタン〟がない。
ンで、デバイス(音源)とのペアリングに大いに手間取ることに。

Airpods4
本タイプから、設定ボタンが機械式から静電容量式に変更されている。
かつ、その配置が背面から前面へ。
充電ケース前面をダブルタップする。
ギュギュっとプッシュしてはいけない。
タップを2回。

ここに至るまで、半日の半分の半分の 3時間(^^;
今。
いい音を聞きながら、この記事を(^^) 

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『ハーレムの熱い日々』を読む

本書は今年の8月の出版だが、元本の出版は半世紀も前、1972年。
書かれているのは、ケネディ・ジョンソン・ニクソン時代の米国ニューヨークの黒人街 ハーレム。

著者は1934年 室蘭に生まれ、今年の5月、89歳で亡くなった吉田ルイ子。
米国で報道写真を学んだヒト。

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こんな飯屋で読み始め。

副題は、
 BLACK IS BEAUTIFUL

だが、米国は、WASP(ワスプ:ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)が創国し、WASPが引っ張ってきた国。
多様性・平等が言われるが、それを言わなければならないのがヒト。
現在の米国においても、有色人種(カラード)は生きにくい。
ましてや50年前のニューヨークのハーレム。
格差そのもの。
分断そのもの。
ブラックは荒れ、貧し、疲れていた。

著者は、そこで生活する。
ブラックに向ける彼女のレンズは冷静。
本書に掲載された写真は確かに、
 ハーレムは熱く
 ブラックは美しい 

本夕、読了。

日本語だと白黒写真という。
英語だと Black and White。
なので、本著者はモノクロ写真のことを“黒白 〟写真と書く。

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2024年11月 9日 (土)

『41人の嵐』を読む

1982(昭和57)年は、8月になっても梅雨の明けない年だった。
その年。
台風10号は、梅雨前線を刺激しながら、8月2日0時頃に渥美半島に上陸、南アルプス・中央アルプス・北アルプスとなめ、同日午前中に能登半島沖に抜けた。

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気象庁:過去の台風資料 より】

刺激された梅雨前線は、台風通過後も大雨をもたらした。
台風による死者95名。
台風前後の大雨による被害も加えると、死者数は400超。

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こんな喫茶店で読み始め。

富士川に注ぐ支流のひとつの野呂川。
その水源は、北岳(3193メートル)、間ノ岳(3190メートル)。
野呂川の最上流部近く標高2000メートルに建つのが二階建ての両俣(りょうまた)小屋で、30人ほどが寝られる。
また、小屋の下流側500メートル離れたところに、テント場(テン場)がある。

'82年の台風10号は、テン場を土砂で埋めた。
が、テン場の2大学2パーティ 16人は小屋番との連絡が取れないままではあったが、脱出に成功。

川幅 ほんの数メートル。
それが、100メートルに広がり、小屋も1階部分が土砂で埋まった。
2階に集まったのは3大学の3パーティと社会人1パーティ。
それと小屋番の25名。
内女子11名。
靴を流された者1名。

本夕、読了。

濡れて脈をとれないほど弱った者を背負い、靴のない者を背負い、倒木をくぐり、コースタイム9時間のルートを歩く。
途中、視程10メートルの猛烈な雨。
脱出ルートは、
下図の南の🔴の
 両俣小屋  2000メートル から、
以降 尾根伝いに、
 横川岳   2478メートル
 大仙丈ケ岳 2975メートル
 仙丈ケ岳  3033メートル
 小仙丈ケ岳 2864メートル
 長衛荘   2036メートル 下図の北の🔴まで

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図中の ━ は参考に入れた線で、長さ300メートル。

著者は'80年から現在に至るまで両俣小屋番を務める女性。

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2024年11月 4日 (月)

『自閉症は津軽弁を話さない リターンズ』を読む

リターンズっていうくらいだから、前書がある。
前書、
 自閉症は津軽弁を話さない
の副題は、
 自閉スペクトラム症のことばの
 謎を読み解く

本書、
 自閉症は津軽弁を話さない リターンズ
の副題は、
 「ひとの気持ちがわかる」の
 メカニズム

以下、〝自閉症〟・〝自閉スペクトラム症〟については既知とする。

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こんな喫茶店で読み始め。

本著者は、心理学を専攻した教育学者。
その本著者の奥さんが言った、
「自閉症の子どもって津軽弁しゃべんねっきゃ(話さないよねぇ)」
に反論するための実証研究は10年に及んだ。
が、津軽弁に限らず、自閉スペクトラム症の人は方言を話さない傾向にあるということが確かめられる。

本夕、読了。

本書は、自閉症に対して、ああしよう こうしようということが書かれているわけではない。
前書に書かれた課題、
 方言を話す子も「ごっこ遊び」になると
 共通語を使う。
 我々はどうやって言葉遣いを身につけて
 いるのか?
に対する、教育現場の職員、言語学者、自閉症児の親らから得られた現実の情報を背景にして 現時点の研究成果が書かれている。
が、それは完答ではない。
なので、本書エピローグは、
 まだ続きそうだ・・・・・
で、終わる。

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船長、スイーツを作る(^^) 14

Appleにノートを発注。
その流れで、壮瞥からリンゴを。
で、アップルジャムとアップルパイを。

Applepie
西洋菓子は、サトウと油脂(バター)。
それを、罪悪感なく口にできるヒトは、血糖値調整機能・体重調整機能に優れた超現代人。
ヒトの身体の進化は、現代人の糖質・脂質摂取量に全然 追い付いていない。

が、科学技術が追いかけてきてくれる。
今の甘味料は優秀。
カロリーゼロのラカントS。

さァ、食うか。

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2024年11月 2日 (土)

『道ならぬ恋の系譜学』を読む

副題は、
 『近代作家の性愛とタブー』
その近代作家とは、
 島崎藤村
 谷崎潤一郎
 岡倉天心
 坪内逍遥
 生島治郎
 志賀直哉
 田山花袋

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こんな喫茶店で読み始め。

上記作家らの〝道ならぬ恋〟の相手は、
 上司の妻
 女中
 教え子
など。

『系譜』だから、引用元の資料・文献は多数で その内容の信頼性は高い。
注釈も丁寧で詳細。
読みやすい。
が、要するに のぞき見、男と女のゴシップ。

〟でも何でもない。
〝道ならぬ〟でも何でもない。
何のこんなことは よくあるハナシ、日常。

本夕、読了。

作家という枠を外せば、こんなハナシは身近にいくらでもある。
私が二言(ふたこと)・三言(みこと)、いやいやいやいや、百言・千言したことのある
 田舎町の詩を書く教師と やはり詩を書く人妻
 妻帯上司とその独身女性部下
 妻帯者とその同僚の妻
等々にあんなことこんなこと。

ンで、オイラは と言えば・・・
アハ(^^;

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2024年10月26日 (土)

『天文学者たちの江戸時代』を読む

今月から、NHKで放送されている
 『アニメ チ。 ー地球の運動についてー』
は、15世紀のヨーロッパを舞台とするアニメ。
当時のヨーロッパを支配していたのは天動説。

日本においても同じで、平安京に遷都後まもなく採用され、その後800年以上使われたのが中国伝来のカレンダーの宣明暦(せんみょうれき)。
この宣明暦は、17世紀末、貞享暦(じょうきょうれき)に改暦される。(注)
貞享暦を作ったのが、江戸時代の天文学者らで、この頃になって、日本のインテリは地動説を理解した。

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こんな喫茶店で読み始め。

書名は、
 『天文学者たちの江戸時代』
だが、書かれているのは、
  江戸時代の天文学者たち
のこと。

ウソかホントか。
紀元前、それも紀元前500年よりも前、古代ギリシャでは日食を予測していたとか。

今の高校生は、17世紀までの数学の成果を学ぶ。
物理だと、20世紀の初め頃までの成果を学ぶ。
その知識を使えるヒトは、何百万人もいよう。
でも、そのヒトの中に、この1000年間の日食・月食のデータが与えられたとしても、次の日食や月食を予測できるヒトが いったい どれほどいようか。

江戸の天文学者らは、日食・月食を予測した。

本夕、読了。

'18年9月6日、3時07分に発生した胆振東部地震は、まもなく北海道全域をブラックアウトさせた。
その時の当地は、雲のない晴夜だった。

東の空低くには、月齢26の痩せた下弦の月。
東南の空には、昇りゆくオリオン。
西北の空には、沈みゆく白鳥。

人工光のない夜の何と星の明るいことよ。

(注)
貞享暦を作ったのは、渋川 春海(しぶかわ はるみ)。
'12年の角川映画の『天地明察』は、その渋川 春海を描いたもの。
演じたのは岡田准一。
私が見た時は封切りから1週間ほど過ぎていたということもあるが、映画館の席に座っていたのは20人もいなかった(^^;

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2024年10月20日 (日)

『食べる西洋美術史』を読む

『食べる西洋美術史』を説明するにあたり、本書内では130ほどの絵画についてふれられている。
内、挿図されているのは121。
ただし、カラー印刷されているのは21のみ。

14世紀から19世紀へ、
 ルネサンス
 バロック
 ロココ
と つながる西洋芸術史は、芸術家のパトロンとなったキリスト教会、王族・貴族の意向そのものといっていい。

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こんな喫茶店で読み始め。

絵に何が描かれているかを知らずして、絵の鑑賞も何もない。
本書に書かれているのは、そのこと。
 聖書の記述
 僧の生活
 貴族の生活
 農民の生活
 労働者の生活
 庶民の生活

本夕、読了。

ところで、本書は韓国の出版社によって、韓国語に翻訳されて刊行されている。
そしてその韓国語版は、日本語版にはモノクローム印刷でも挿図されてない絵画も含め 130の絵画すべてがカラーで挿図されている。
韓国語を読めるなら、韓国語版を読むのが一番。
日本語版を読みながら、図は韓国語版を見るということでもいいだろう。

が、欠図もあるうえにモノクローム図の多い本書を読むことで そこそこ満足してしまうのが私。
頭の中はモノクローム(^^;

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2024年10月14日 (月)

完璧な青空

5時30分、出航。
5時46分、KON-chan進行方向正面から日が昇る。

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こんな風景の見える海域まで航海。
完璧な青空。

出竿せず。


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2024年10月 6日 (日)

付かない(^^;

氷を20キロ搭載。

今日の日出は、5時37分。
5時15分、出航。

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地球岬を背中にする頃、日が昇ってきた。
この太陽を正面 やや右に見ながらの航海しばし。
良ナギ。
やがて、水平線上に船影がいくつも。

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今日の出竿は、こんな風景の見える海域。

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背中側の空半分は低い雲。
低い雲だが雨は連れていない。

やろうとしているのはイカ付け。
が、付かない(^^;

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8ハイ。

10時30分、海域離脱。
帰航は沖根を経由して。
沖根も不釣(^^;

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2024年10月 5日 (土)

『台所に敗戦はなかった』を読む

本著者の著作は以前にも読んでいて、拙ブログに、『食べ方上手だった日本人』を読む と記事にしている。
本著者の実家は九州で百年以上続く割烹料理店。
舌は確か。

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こんな喫茶店で読み始め。

書名の『台所に敗戦はなかった』は、
 戦争に負けようが、進駐軍が来ようが、ご飯は作らにゃ
 ならん。
 腹を減らせば赤子は泣く。 あれがない、これがないと
 言ってる場合じゃない。 あるもの、手に入るものをい
 かにおいしく食べられるようにするか。
 敗戦した その日も、「この子に何か食べさせなきゃ」と
 おかあさんたちが台所に立っていたことをいう。

話は、敗戦の前後10年くらいのこと。
著者は、その頃出版の婦人雑誌の料理記事を読み解き、実際に再現調理してみる。
 お汁粉
 葡萄酒
 コーヒー
などなど。

本夕、読了。

古い婦人雑誌の料理のページを数多く読み込んでいる著者は、日本人にとって、サンドウィッチと握り寿司は同じカテゴリーの料理ではないかと書く。

 カツオブシサンド
 すき焼きサンド
 塩ザケサンド
 漬物サンド
 ・・・・・・・・

著者が言うには、
 奈良漬けを酒粕ごと はさむと、ウソ偽りなしにうまい!
とのこと。
ピクルスとクリームチーズのサンドウィッチになるらしい。

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2024年9月29日 (日)

『日本の色 十二か月』を読む

今年の箱根駅伝は、往路・復路とも青山学院大学、したがって総合優勝も青学大。
この駅伝をラジオで実況中継するNHKのアナウンサーは、青学大の襷(たすき)の色をフレッシュグリーンと表現する。

大相撲、北海道出身の現役幕内力士は一山本のみ。
彼のまわし(締込:しめこみ)の色は、JIS Z 8102で269種定めている慣用色名に照らしあわせればスカイブルー。
が、TV・ラジオともNHKのアナウンサーはンな表現は絶対にしない。
空色。

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こんな喫茶店で読み始め。

青学大の襷の色は、若竹色(わかたけいろ)か若緑(わかみどり)。
5月の色。

一山本の空色は8月の色。
本書によれば、平安時代には成立していた色名(しきめい)で、『源氏物語』に、
 空の色したる唐(から)の紙
という記述があると。

本夕、読了。

再び本書によれば、日本語には空の色を表現する単語が少ないらしい。
上述したJIS Z 8102の慣用色名269種中、青を表すのに英語を使う色名が、
 ブルー
 スカイブルー
 ホリゾンブルー
 ミッドナイトブルー
など、17もある。

ところで、NHK大河ドラマ『光る君へ』で演じられる平安時代の宮中人の重ね着の色の組み合わせは 時代考証が確か。
『枕草子』の一節に、
 すさまじきもの
 昼ほゆる犬、春の網代
 三、四月の紅梅の衣
とあり、紅梅色(こうばいいろ)は2月。

桜の季節に、紅梅色の衣を着た女御・女房は確かに映らない。

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2024年9月22日 (日)

『仕事』を読む

厚生労働省は、Ministry of Health, Labour and Welfare

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こんな喫茶店で読み始め。

新約聖書には、
 εἴ τις οὐ θέλει ἐργάζεσθαι μηδὲ ἐσθιέτω
 The one who is unwilling to work shall not eat.
 働こうとしない者は、食べることもしてはならない

ベネディクト会の信条は、〝祈り働け〟〝ora et labora

表紙のミレーの『落穂拾い』に、著者の〝仕事観〟が映っている。
旧約聖書には、
 畑から穀物を刈り取るときは、その畑の隅まで刈り尽くしては
 ならない。 収穫後の落ち穂を拾い集めてはならない。 貧し
 い者や寄留者のために残しておきなさい。


本夕、読了。

日本国憲法が定める国民の三大義務は、
 第27条 教育の義務
 第28条 勤労の義務
 第30条 納税の義務
日本国憲法の草案は、連合国軍総司令部(GHQ)による。
GHQが書いた第28条の草案は、
 All people shall have the right and the obligation to work.
で、交付された第28条は、
 すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。

GHQとは、すなわち米国。
その米国の合衆国憲法の条文に、勤労の義務 はない。

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2024年9月16日 (月)

タップを立てる

5時15分の日出とともに出航。

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今日の出竿は、こんな風景の見える海域。

空は高く澄み、濃い青。
日射は強く、沖ではTシャツ・ハーフパンツ・サンダル・ツバの広い帽子。
良ナギだが魚信は遠い。
掛かってもガヤかカジカ。

10時、沖上がり。

ところで、・・・
タモ網を交換するため、タモ枠を外したい。
が、枠と柄をつなぐネジが さび付き、焼こうが叩こうが外れそうもない。

で、ネジのアタマをドリルで削り取り。

 オネジを作るのは、〝ネジ切り〟作業。
 メネジを作るのは、〝タップ立て〟作業。

残ったボルト軸に施工したのは、タップ立て。

以上は、North Wave船長の手による。

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ネジのアタマを削り取り、部にメネジを作り、

2
網を交換、枠と柄を接続。
ということで、和了(^^) 

North Wave船長には、お手を煩わせました。
どうもありがとうございました。

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2024年9月 8日 (日)

絵鞆マリン倶楽部 秋の釣り大会

日出が5時07分。
5時出航。

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今日の出竿は、こんな風景の見える海域。

1投目。
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3秒で、ビンゴ(^^) 
この調子だと10枚は掛かるだろう。

が、
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こんな風景の見える海域や、

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こんな風景の見える海域で出竿するも、あとが続かず(^^;

9時30分、沖上がり。

洗艇後、絵鞆マリン倶楽部 秋の釣り大会 に参加。
銘打ちは〝秋の〟だが、今日は まだ夏。
日射しは暑い。

我が釣果では、入賞寸法に10センチも足りない。
登録そのものを自粛(^^;
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コロナ以降、久しぶりのパワーランチ。

サカナには食わせられなかったが、我が消化器は すでに秋。
好食欲を発揮。
豚汁・ジンギスカン・焼き鳥・焼きソーセージ・DENEB船長差し入れのチョコレートウエハース。
食った食った、ごちそうさまでした(^^) 

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2024年9月 7日 (土)

『ヒット曲のすごい秘密』を読む

著者は中島さち子。

4半世紀ほど前のこと。
当時 高校生だった中島さち子が ζ(ゼータ)関数 について考えた文章や、それについての数学者と行った討論を載せた雑誌を読んだことがある。(注)
この高校生は、この先 いったいどんな生き方をするのだろう。
その雑誌を読んで、そう思ったのを憶えている。

本書の副題は、
 音楽の魅力を数学で新発見!

あれから、4半世紀。
彼女は、音楽で花を開かせ、数学で花を開かせた。
今現在の 中島さち子は、プロのジャズピアニストで、プロの数学者。

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こんな飯屋で読み始め。

放送日が不定期なのだが、NHKラジオ第1で流れる「Music Scrap」で大友良英が紹介する音楽は面白い。
雑音に音楽性を与えたり、そのつもりだが結局は雑音に終わったりとかの いわゆる「無調(むちょう)音楽」。

本書で扱われるのは、そんな解説されなければ解釈にアタマが届かない音楽ではなく、我々が長く親しんでいる
「調性(ちょうせい)音楽」。

 サザンの「真夏の果実」とドビッシー
 「大阪で生まれた女」と「少年時代」
 YOASOBIとバッハ
などに共通するコード進行、対称性が説明される。

説明するのは数学者だが、せいぜい 一桁の足し算・引き算、2での掛け算・割り算、3での掛け算・割り算。
数式は1本も出てこない(^^) 

本夕、読了。

以前、拙ブログで記事にしたのは、
 『音律と音階の科学』を読む
こちらは物理学者の書いた本だが、
『数学は本書(『音律と音階の科学』)のためにあるようなものだ』
と。

両書とも話の始まりは古代ギリシャの数学者のピタゴラス。
音楽と数学の相性の良さ。

って、ちょっとウィキペディアを覗いてみたら、あるンですね『音楽と数学』という項目が。

(注)
ζ 関数とは何ぞや。
と問われても、私には 何のことやら はァ(^^;

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2024年9月 1日 (日)

『生き物の死にざま』を読む

阿川佐和子のエッセーに、〝生きざま〟という言葉が使われている一文がある。
それを読んだ父の弘之は、娘の佐和子に、
 「〝生きざま〟なんて言葉を使うもんじゃない」
と言ったそうだ。
娘に 〝生きざま〟という単語を使うなと言った弘之の気分が、私には分かる。

本書は、〝生きざま〟ではなく〝死にざま〟。

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こんな飯屋で読み始め。

書かれているのは、小はアリから大はゾウまで、30ばかりの生き物の〝死にざま〟。

チャップリンの「ライムライト」の一場面が紹介されている。
生きることに絶望した若いバレリーナに主人公(チャップリン)は、
 生きていくことは美しく素晴らしいことだ。
 たとえ、クラゲであってもね。
と語りかける。

クラゲは古い生き物で、生活史は複雑。
クラゲの出現は、5億年前。
その頃から、5億年間ずっと生き続けているクラゲがいるのではないかという説があるんだと。

本夕、読了。

以前、拙ブログに、
 『身近な雑草の愉快な生き方』を読む
という記事を書いている。
同じ著者なのを本書を読み終えてから気付いた私はマヌケ。

私の〝死にざま〟はマヌケなのに違いない(^^;

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2024年8月31日 (土)

『豆腐の文化史』を読む

トウフを豆と書くのは、フグをフク(福)と書くが如し。
トウフ発祥の地 中国でも、トウフは豆
以下、拙記事は 本書の表記に従い〝豆〟で。

東京おでんと言ったら〝お多幸(おたこう)〟。
その店と関係があったのか なかったのか、我が町にも同じ店名の おでん屋があった。
お多幸お勧めのシメ飯は、〝とうめし〟。
ツユダクご飯の上に おでんの豆腐。(注) 

著者の専攻は食文化史。

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こんな飯屋で読み始め。

第1章の 「大豆から豆腐へ」から始まり、本書は9章で構成されている。
最終章の第9章は、まるまる1章を使って 「沖縄の豆腐」。

2020年度の1世帯当たりの豆腐消費額の全国平均は 5309円。
全国主要52都市の統計を見ると、消費額最多が那覇市で 6918円。
次が、盛岡市で 6388円。
52位が金沢市で 4192円。
といったこと以外にも、沖縄の豆腐事情の興味深い あれこれが記されている。

本夕、読了。

豆腐と言えば、泊まりの山行に とても便利だったのがハウスの〝ほんとうふ〟。
昨年 製造を止めてしまったのは残念。

豆腐と称するが、杏仁豆腐は本書の守備範囲外。
針供養の豆腐も、本書の範囲外。

(注) 
豆腐が、拙ブログ記事の主題。
なのだが、シメに〝とうめし〟は、私には重すぎる。
私は〝だいめし〟で。
ツユダクご飯の上に、おでんのダイコン(^^) 

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2024年8月26日 (月)

『まちがえる脳』を読む

著者は心理学を専攻した脳学者。

書名の『まちがえる脳』の〝まちがえる〟は、〝錯覚〟のことではなく、脳の〝柔軟性〟のこと。
ひとつの脳の部位が複数の機能に関わる〝柔軟性〟。
また、その個人差が大きく、しかも経験で変化する〝柔軟性〟。

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こんな飯屋で読み始め。

生理学用語に、発火(ignition)があるそう。
ニューロン(神経細胞)の機能は、情報の伝達・処理。
細胞の内側より細胞の外側が高電位。
この電位差が増すことでニューロンの活動が始まる。
それが発火。

私自身がバカだということをタナに上げて言うのだが、本書を読んでニューロンのネットワークをイメージできるヒトは、相当量の事前知識があるヒト。
そもそも、本書を読む必要のないヒトだと思う。
私の持つイメージは、NHKスペシャルの『人体』シリーズで、ニューロンのネットワークで発火がパチ・パチ・パチと起きる様子を視覚化した放映で止まったまま。
ゆえにと言うか、頭が回らないからと言うか、ページがなかなか進まなかった。

本夕、読了。

MRI(fMRI)で血流の増減を測定できる大脳皮質の最小単位の、現時点の到達点は1ミリ立方。
その範囲内に、(用語の説明抜きに記すと)
 ニューロン 10万
 シナプス  10億
 樹状突起と軸索の長さ 10キロ
で、その神経回路の動作は全く分かっていない。
更には、ニューロンのつながりで作られている脳は自発的に活動するが、ニューロン自身は自ら発火できないと。
脳の研究に必要なのは、天才ではなく根気らしい。

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2024年8月25日 (日)

20キロの氷で冷やしたのは

5時40分、出航。

Tシャツ・短パン・サンダル。
頭は、豆絞りをあねさんかぶり。

午後からは風が出る予報。

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なのに、こんな風景の見える海域で出竿したり

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こんな風景の見える海域で出竿したりで、落ち着かず。

風の吹き出しは早かった。
我が艇の装備力では釣りにならず。
9時、沖上がり。

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搭載した20キロの氷で冷やしたのは、これっぽっち(^^;

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2024年8月17日 (土)

『買い物とわたし』を読む

本書の副題は、『お伊勢丹より愛をこめて』。
週刊文春に連載していた『お伊勢丹より愛をこめて』に加筆したエッセー集。
著者は山内マリコ。
本書内の表現を使うと、美大を出て小説を書いているヒト(らしい)。

『お伊勢丹より愛をこめて』の〝お伊勢丹〟は、百貨店の伊勢丹のこと。

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こんな喫茶店で読み始め。

著者が買ったモノの、その購入動機や購入経緯が、65編のエッセーでつづられる。
必ずしも伊勢丹が購入場所ではなく、ホテルオークラだったり、ネット通販だったり、ユニクロだったり。

Made in Japan も 今や、何だかアヤしい。
 学校の所在市出身の選手が一人もいない高校野球強豪校
 化粧は偽装(かもしれない)
 警察官の調書偽造
 大手メーカーの型式指定検査不正
でも、
 カニカマボコを偽造とは言わない(ような気がする)
 回転寿司のエンガワはヒラメではないけれど、それを偽装とは
 言わない(ような気がする)
 Word・Excel の上書きは偽装とは言わない(ような気がする)
 メロンパンにメロンは使っていないけれど、偽装とは言わない
 (ような気がする)
 デジタル画像の Photoshop 加工は、修正・修整・調整
 その結果は、時に作品、時に偽造

本夕、読了。

買ったモノに、百均のプラスチック容器なんてない。
かと言って、預金残高が10桁なければ買えない、なんてモノもない。
職についているモノなら、手を出せそうなものばかり。

が、こう言ってはナンだが、この本はイヤらしいしイヤしいと思う。
書かれているモノは、幾つあっても困らないモノ。
タオル・下着・靴・花・クッキー・洋装品 等々。
購入品の評価は全て肯定的。
かつ、ブランド名はしっかり入れてある。
著者の下心が透け透けの見え見え。

彼女の買い物が、縫い針やミネラルウォーターなら、そんな気分には ならなかったと思うが。

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2024年8月12日 (月)

『食べるのが大好き』を読む

文部・労働・法務・総務大臣を歴任した鳩山邦夫の逝去は ’16年。
享年67。
邦夫は21歳の時、7歳年下、つまり14歳のタレントの高見エミリに求婚している。
そして その求婚は実り、エミリが18の年に二人は結婚した。

政治家の妻となり、二男一女の母となったエミリが本書の著者。
邦夫が政界でブイブイ言わせていた頃の本で、初版は20年以上も前になる。

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こんな飯屋で読み始め。

本書は、料理レシピ本。
自宅庭で邦夫が栽培している野菜や飼っている烏骨鶏(うこっけい)が生んだタマゴなどを使った料理が、日々のあれやこれやを交えて紹介されている。

盛り付けに使っている器は全て著者作。
掲載されている写真も全て著者の撮影。

2男1女の母でもあるし、早朝から邦夫と活動を共にする秘書らもいるので、毎朝食の準備は7、8人前。
朝食は必ず味噌汁が付いた和食。

邦夫の料理のウデも確か。
エミリ不在時の子供らの弁当は、彼が作っている。
また、丸のままのサカナをおろすのは邦夫の役目。

本夕、読了。

特に変わった食材はない。
邦夫が育てたダイコンでタクアンを作る。
キムチ、梅干しを作る。
ウナギを使うレシピもあるが、主食材が、
 白菜だったり
 豆腐だったり
 オカラだったり
 ガンモドキだったり
 イワシだったり

が、そこはそれ。
名にしおう名家の鳩山家。
小学生の息子を米国に留学させる。
その留学先の住まいで雇っていたのは、2人のフィリピン人のメイド。
彼女らに作らせたフィリピン料理(アドボ)をエミリ風にアレンジした料理が紹介されている。

名にしおう名家の鳩山家の台所で作るエミリ風アドボに必要な材料は、
 鶏モモ肉
 豚のスペアリブ
 ニンニク
 しょう油
 酢
 砂糖
 コショウ

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2024年8月11日 (日)

『おいしいアンソロジー 喫茶店』を読む

CafeRes は、喫茶店の経営を考えているヒトや現に開業しているヒトのための季刊誌。

本書は、そういうカウンターの中のヒトの本ではなく 喫茶店でサービスを受ける側のヒトの本。
おいしいアンソロジーは、
 ビール
 お弁当
 おやつ
と既刊され、本書『喫茶店』がシリーズの最新刊。

小説家・漫才師・写真家・彫刻家・役者など40人が書いた、40編のエッセーが集められている。
それらは、どれも せいぜい10ページほどの文章なのだが、編集者のウデが良く、
副題の
 少しだけ、私だけの時間
に ふさわしいものばかり。

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書名が『喫茶店』。
なので、喫茶店で読むのが いいに決まっている。
ってことで、こんな喫茶店で読み始め。

道内を走るJRの特急の車内販売品は、ビール・アイスクリーム・沿線の銘菓など。
そして、保温ポットから紙コップに注いで提供されるコーヒー。
キハ261は走る喫茶店だった。
が、その車内販売サービスは もう終わってしまった。

本夕、読了。

山ではコーヒー。
私のバカ舌でも、豆の違いによるコーヒーの味の違いは分かる。
十勝岳登山時、上ホロカメットク野営指定地で淹れたコーヒーはコピルアク

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2024年8月10日 (土)

『戦前日本の「戦争論」』を読む

1940(昭和15)年に組閣された第2次近衛内閣の閣僚は、
 総理大臣 近衛文麿
 外務大臣 松岡洋右
 内務大臣 平沼騏一郎
 陸軍大臣 東條英機
 海軍大臣 及川古志郎
ら。

この内閣が設けたのが、総理大臣直轄の総力戦研究所
その研究所において、帝国が米国に戦いを挑んだ場合のシミュレーションを行っている。
米国が原爆を完成させることまでは予測できなかったが、
 緒戦は勝利する
 長期戦になる
 ソ連が参戦する
こと、そして敗戦するのは帝国であることを史実通りに予測している。

その研究結果は、首相をはじめとする閣僚・上級官僚・陸海軍上層幹部を前にして発表されている。
帝国が英米に戦端を開く16ヶ月前のこと、すなわち、帝国敗北の60ヶ月前のことである。

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こんな飯屋で読み始め。

本書の副題は、
 「来るべき戦争」はどう論じられていたか

〝どう論じられていたか〟を、本著者は下記の出版物から拾っている。
本書の目次にある表記通りに並べると、
 われ等若し戦はば 昭和八年八月発行/講談社
 米國海軍の眞相  昭和七年十一月発行/創造社
 日米果して戦ふか 昭和六年八月発行/春秋社
 昭和十年頃に起る日本對世界戦争 昭和七年五月発行/日月社
 日本は勝つ 昭和十八年五月発行/高山書院
(上記本の著者は、今の我々には、とうに忘れられたヒトたちで、退役軍人や軍事を専門とする評論家ら)

本夕、読了。

どの本も、米国の経済力・科学力・工業力が帝国を大きく上回ることを認めていて、開戦を避けるべきという論調なのは同じ。
また、どの本も、米国が帝国を空襲することについて、史実に近い予測をしている。
よって、フィリピン・南洋諸島・小笠原が戦略上の重要地となることも同じように論じている。

実際に、米軍が帝国へ初空襲したのは、'42(昭和17)年4月。
その翌年発行の 『日本は勝つ』 に書かれているのは、
 なあに、東京が焼けても、日本にはまだ
 大阪もあれば、名古屋もあるではないか。
 といったぐらいな、太い神経の持ち主に
 ならなければ、米英相手の大戦争は勝ち
 ぬけるものではない。

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2024年8月 6日 (火)

『ジャンケン文明論』を読む

著者は、盧 泰愚(ノ・テウ )大統領時代に韓国文化部長官(文化相)だった 李 御寧(リー・オリョン)。
韓国で生まれ育ち、韓国で教育を受けた韓国人だが、本書は韓国語からの翻訳本ではない。
著者の日本語は完璧。

プロ野球。
ホームチームが後攻で、ビジター(アウェイ)チームは先攻と決まっている。

サッカーはコイントス。
テニスだとフイッチ。
いずれも、表か裏か。

高校野球。
先攻・後攻はジャンケンで。
卓球もジャンケン。

ジャンケンなので、あいこでしょ がある。
ジャンケンポン、あいこでしょ あいこでしょ と あいこでしょ が2回続くことがある。
ジャンケンポン、あいこでしょ あいこでしょ あいこでしょ と あいこでしょ が3回続くことも、時には あるだろう。

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こんな喫茶店で読み始め。

著者は西洋の 表か裏かの思想 と 日中韓の あいこ のあるジャンケンの思想を対比させて論を進める。

もっとも、三権分立や その逆の三位一体は西洋の考え方。
また、否定も肯定もしない とか ラグビーの試合終了をノーサイドと言ったりするのも西洋発祥。
東洋にも、裏か表かの思想がある。
中国には陰陽
韓国には太極
日本には丁半
とかとか、ンな身近な反例で本書の論に口をはさむのはヤボ。
著者の目の付け所の鋭さに オぉーッとなる本。

本夕、読了。

ポツダム会談に集まったのは、英米ソ3首脳。
ジャンケンをしている写真が残っている。
 チャーチルはチョキ
 トルーマンはパー
 スターリンはグー
ジャンケンで何を決めようとしたのか、本書には説明がない。

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2024年8月 4日 (日)

ヤァ、お久しぶりです、Dolphin船長

明け方まで雨。
マリーナまでの道は濡れていた。

立秋の3日前。
暑中、大暑。
なので、氷を20キロ搭載。

7時20分、出航。

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今日の出竿は、こんな風景の見える海域。
雲底が低く、空も海も暗い。
が、沖では、短パン、Tシャツ、サンダル、ツバ広帽子になった。

竿を揺らしたのは、小さなガヤ。
で、それ〝のみ〟(^^;

帰航はヒラメ場経由。
アッチのヒラメ場は、視程100メートルほどの濃いガス。
ンで、コッチで。
しかし、コッチにはサカナがいない(^^;

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ヤァ、お久しぶりです、Dolphin船長。

キープする釣果がないまま、正午、沖上がり。

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2024年7月28日 (日)

『日本FOOD紀』を読む

〝FOOD〟ではなく〝FOOD〟。

本書は、日本製粉・ヤクルト・ロッテの協賛・協力で作られ、全国の小・中学校に寄贈されたようだ。
ではあるが、カタい教育書ではない。
内容は、石器時代から現代に至るまで、日本人は何を食べてきたか。
特に、戦争前後から今に至る〝食〟と〝社会〟に多くのページが割かれている。

ウラ オモテにギッシリと書き込まれたA1サイズの年表が付録。
この年表が充実していて、これを眺めているだけで、ハラもアタマもイッパイになる情報量。

児童・生徒よりも、アタマが白くなり始めた大人が読むにふさわしい(と思う)。

Food
こんな喫茶店で読み始め。
カップは Royal Albert の bone china。

本書、1995年のページでは、マクドナルドのハンバーガーを話題にしている。
 この年は、阪神・淡路大震災、地下鉄サリン事件が起きている。
 食 に関しては、消費期限もしくは賞味期限の表示が義務付けられた年。
 円高、デフレ経済の真っただ中。

今日現在、マックのハンバーガ―は1個 170円。
1995年。
当時は210円だったのを130円に値下げしている。

本夕、読了。

マックのハンバーガ―の価格変動の振れ幅は大きい。
2000年は、平日半額で65円。
2002年には、80円に上げたところ売り上げ激減。
2ヶ月後に59円としている。

以下は、数字を並べただけ。
マックの店舗数の一番多い国は、もちろん米国で14000店強。
次が日本で3000店弱。
三番目が中国で2400店弱。

ちなみに、日本におけるケンタの店舗数は1200店弱。
中国では、マックより多い5000店を超える。

ウソかホントか、マックで働いた経験のある米国人は、人口の10パーセントを超えるらしい。

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2024年7月27日 (土)

『国鉄』を読む

義務教育で、〝三公社五現業〟を教えていた時期がある。
三公社とは、
 国鉄
 専売
 電電
五現業とは、
 郵便
 林野
 印刷
 造幣
 アルコール専売
これら八つのどれを取り上げても、その創業の理念と歴史は大変に面白い。

公社としての〝国鉄〟の発足は、1949年6月。
それが〝JR〟となったのが、1987年4月。
つまり、公社としての歴史より分割民営化後の歴史のほうが長くなる節目に今いる ということになる。

著者は、機械工学科出身のエンジニアとして鉄道マン人生をスタート、’87年分社民営化で発足したJR九州の初代社長として経営にウデをふるったヒト。

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こんな喫茶店で読み始め。

副題に、
 「日本最大の企業」の栄光と崩壊
と あるように、企業規模のワン・ツー・スリーは長いこと国鉄・電電・東電だった。
そのナンバーワン企業は、8時15分に被爆した広島において、正午過ぎには列車を走らせるほどの強靭な体力を持っていた。
また、国鉄総裁の待遇は国務大臣と同等で、ある総裁は、国会答弁で、
 「人命を預かる鉄道員が たばこ巻の専売と同じ給料なのはおかしい」
と述べるほどの高いプライドを持っていた。

が、’64年度に単年度赤字を出した国鉄は、その後23年間赤字額を積み上げ続ける。

本夕、読了。

JR北海道・四国・九州を三島(さんとう)会社と呼び、民営化スタート時点から、経営安定のための基金が用意されていた。
本著者が社長・会長として経営に当たったJR九州は、鉄道単独では赤字だった。
が、黒字事業を開拓することで上場を果たし、既に基金に頼っていない。

現在、JR北海道は札幌圏内でさえ鉄道単独では赤字。
北海道新幹線の単年度赤字額は100億。
著者は、そのJR北海道に四つの提案をする。
その提案に、廃線はない。

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2024年7月21日 (日)

『寅さんの列車旅』を読む

渥美清逝去後に作られた作品も含め、『男はつらいよ』シリーズは全50作。
その全てを観ている。
 筋書きはワンパターン
 ロケ地の観光協会の全面協力体制
 偶然シーンの頻出
 登場人物は全員 お人好し
それが、いいわけだ。

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こんな喫茶店で読み始め。

本書を作ったのは、奇数月発行の隔月刊誌『旅と鉄道』の編集部。
なので、副題は、
 『映画『男はつらいよ』の鉄道シーンを紐解く』

寅さんが柴から旅に出る。
京成電鉄の柴(又の中に〝・〟がある)駅から。
布市布院町にあっても、布院駅と書くが如し

本夕、読了。

米国々旗の星の数は50。
広い米国は50州。

狭い日本、1都1道2府43県で47。
富山県と高知県は、とうとう『男はつらいよ』のロケ地とはならなかった。

’79年封切りの『男はつらいよ 翔んでる寅次郎』。
白老町虎杖浜の太平洋側の丘にある虎杖浜神社の境内で、ネクタイを啖呵売(たんかばい)するのは寅さん。
マドンナは桃井かおり。

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2024年7月20日 (土)

『日本人が言えそうで言えない英語表現650』を読む

最近は 見なくなったが、
 『法定速度順守車 お先にどうぞ』
なかには、
 『全長18m 死ぬ気で追越せ!』
と表示されたステッカーを貼ったトレーラーが走っていた。

先日の山歩きの登りで。
英語を話す脚の速い二人パーティが私に追い付いた。
で、私、
  "After you."
返ってきたのは、
 「ドウモアリガトウ」

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こんな喫茶店で読み始め。

山の原則は、登り優先。
狭い山道では、斜面の上にいるヒトが、登るヒトに道をゆずる。
原則だから、例外多々。
私なんかは、
 「先に下りて下さい」
で、登りの足を休めるわけだ(^^;

ところで、
 「先に下りて下さい」
の時も、英語では、
  "After you."
なのだろうか。

本夕、読了。

〝お先にどうぞ〟があるなら、〝お先に失礼〟もあってしかるべき。
だが、英米国人は、〝お先に失礼〟という発想はしないようだ。
なので、本書に、
  "Before you."
などという表現は載っていない。

’16年公開の映画『世界一キライなあなたに』の原題は、〝Me Before You〟。
〝Me Before You〟は、〝あなたに会う前の私〟の意。

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2024年7月16日 (火)

『黒部源流山小屋暮らし』を読む

北海道の山には、管理者(小屋番)が常在する山小屋(避難小屋)は ごく少数。
数えるには片手もいらない。
食事を提供する小屋は ひとつもないし、里から水を背負っていかねばならない小屋もある。
北海道には、高い山がないし、営業を成り立たせるほどヒトの入る山がないからだろう。

本州の山には、宿泊場所の提供だけではなく 食事も提供する山小屋が相当数ある。
そこを、水・食料・山況情報の調達場所、休憩場所、睡眠場所、荒天時の避難場所、縦走の拠点として山を歩くわけだ。

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こんな喫茶店で読み始め。

著者は美大出のイラストレーター。
また、山小屋の支配人でもある。
小屋は、北アルプスの薬師岳(やくしだけ:2900メートル)、水晶岳(2986メートル)に近い、黒部川の源流域の沢筋に建つ。
イワナ釣りが目的の客が多い小屋。
彼女自身も、毛バリによるイワナ釣り名人。
携帯の電波は届かない。
営業は、7月のアタマから、10月のスポーツの日の3連休までの3ヶ月半。

その間の彼女の自室は、1畳と1/3。
2.2平米(注)
ここに、絵描きとしての道具も、釣り道具も、書籍も、もちろん寝床も。

本夕、読了。

NHKラジオ第1の『石丸謙二郎の山カフェ』はナマ番組。
先月末、その番組にユーコン川の川下りから帰って来たばかりだという著者が電話でゲスト出演しているのを聞いた。
こんなヒトが采配する山小屋は素敵なのに違いない。

(注)
1人用山岳テントの多くは、1メートル✖2メートル。
2.0平米。
その狭さが不満だといって、ソロなのに2人用テントを背負って山に入るヒトは結構多い。
2.2平米よりは確かに狭いが・・・

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2024年7月15日 (月)

夏山を歩く

全山、深緑。

 登り:西尾根コース
 下り:夏道コース

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ペトトル川の渡渉後、登りに取り掛かる。

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手前の木にアカゲラ。
何せレンズが17ミリ。
思いっ切りトリミングして、やっと姿が。

600メートルあたりはキジバト。
その先、山頂までウグイス。

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825メートルピークから望む山頂に、北から雲が迫ってきた。

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雲がかぶってきた稜線に夏紅葉。

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山頂寒暖計は23℃。
風穏やか。
しかし、暗い。
四周、下界ともガスに沈み、眺望を得られず。

山歩き時間3時間30分。
14930歩。

全給水量は、
 ・200CC

また、サタケのマジックライスとバーナーを持って上がったが、食欲わかず。

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2024年7月13日 (土)

『人は、こんなことで死んでしまうのか!』を読む

本著者は、2万通の死体検案書を書いた監察医。
同著者の著作は、以前にも 『解剖学はおもしろい』を読む と拙ブログの記事にしている。

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こんな喫茶店で読み始め。

本書に載せられていた一例。
胃の不調を訴えたら、胃散を処方された。
それを飲み続けた2、3日後に、突然死する。
こんな時、死因の ほとんどは心筋梗塞なのだとか。

左肩が凝(こ)る。
こんな時も、心臓発作を警戒する必要がある。
著者は、
 心臓の不調は体のどこに どういうかたちで
 あらわれるのかわからない。
と書く。
〝放散痛(ほうさんつう)〟というようだ。

本夕、読了。

私は、ひとこと・ふたこと以上を交わした間柄だったヒトの突然死を経験している。
 たった ひと晩の闘病もへずして逝った20代。
 闘病もナニも、ラグビーコート上で くずれ、そのまま
 逝った やはり20代。
いずれも、先天性の疾患とも生活習慣病とも無縁。
かつ、人並み以上の基礎体力と運動神経の持ち主だった。

〝腹上死〟は〝腹上死〟。
〝腹死〟も〝腹上死〟というのだと本書。

人は、こんなことでも死んでしまうが、あんなことでも死んでしまう。

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2024年7月 7日 (日)

『残酷な進化論』を読む

昨年度の、
 「科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞(理解増進部門)」
を受賞したのは、YouTuberのヨビノリたくみ。
彼が配信した番組の中には、カッコいい理系用語とダサい理系用語といった息抜きモノもある。

カッコいい用語の、
 1位は 赤の女王仮説
 2位は 生成消滅演算子
 3位は 宇宙際タイヒミュラー理論

ダサい用語の、
 1位は 箱ひげ図
 2位は ベン図
 3位は 井戸型ポテンシャル

ちなみに、箱ひげ図はExcelの統計グラフ内にテンプレートが用意されているし、ベン図は円の組み合わせ。
当然、Excelで描画できる。

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こんな喫茶店で読み始め。

このダサい用語の1位から3位までを決定する過程では、〝おばあちゃん細胞仮説(grandmother cell hypothesis)〟も候補にあげられていた。
おばあちゃん細胞仮説〟とは全然違う概念なのだが、本書には〝おばあさん仮説(grandmother hypothesis)〟が紹介されている。

チンパンジーの兄弟姉妹には年子がいない。
なぜなら、チンパンジーの授乳期間は4~5年と長く、それゆえ出産間隔も5~7年と長いから。
同じ理由で、ゴリラの出産間隔は4年。
オランウータンは7~9年。

ところが、ヒトは授乳期間が2~3年と短いだけではなく、授乳期間中にも次の子を産める。
父親・祖父母に限らず、血縁関係にない者さえも子育てに協力する生物的・社会的進化が あるからだろうと、本書の説明。

本夕、読了。

霊長類のメスは閉経しないで死ぬまで子を産む。
ヒトだけが閉経し、その後も長く生きる。
ヒトが共同で子育てしてきたことで得た進化の形質で、これを〝おばあさん仮説〟と言うそうな。

〝仮説〟だから、真偽不明。
本書では、ヒトは夫一妻に向かう進化傾向がありそうだ と書く。
しかし、〝おじさん仮説〟・〝おじいさん仮説〟が成立する夫一妻に進んでもいいような気がする。

また、ヒトは かなり頻繁に浮気をするので夫一妻に向いていない、という意見があるようだ。

父親が持つ遺伝子による子の遺伝性疾患の調査では、父子関係に客観性の高いデータが得られる。
上記調査によって、父子として暮らしてきたが、実はアカの他人の関係なのだと判定されるのは1~4パーセント。

浮気で子ができるのが、1~4パーセント。
火遊び浮気なら、私の根拠レスのエイヤーっ見積もりで、この20倍、20~80パーセントはあるのでは。

ヒトは夫一妻に向いていない、という意見に私は首を縦にふる(^^;

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2024年7月 6日 (土)

『旅をする木』を読む

ロシア・カムチャツカ半島の最南端にあるのがクリル湖。
面積は支笏湖とほぼ同じ。
この湖からオホーツク海に注ぐ川をサケが遡上する。
カムチャッカのヒグマは そのサケを食う。

誰が教えたのか、
星野自身が考えたことなのか、
「遡上してくるサケを狙っているので、この時期のヒグマはヒトを襲わない」

と、クリル湖畔に設営したテントで一人寝したのが本著者の星野道夫。

しかし、ヒグマが何を食おうとヒグマの気分。
星野道夫はテントを壊され、シュラフを裂かれ、ヒグマに食われる。
'96年のこと。
星野、43歳。

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こんな喫茶店で読み始め。

北海道に憧れ、やがてアラスカに憧れ。
憧れは、現実に。
アラスカに土地を買い、家を建て、その地に妻をむかえ、子を育てる。
写真を撮り、文章を書き、本を作り、TV番組を企画し、世界中を旅する。

それを33編のエッセーに。

本夕、読了。

神田の洋書専門の古本屋で、アラスカの写真集を手に入れる。
その写真集に載っていた北極圏内の村で、19歳の彼は3ヶ月暮らす。
白夜の地で、クマを狩り、アザラシを狩り、トナカイを狩り・・・

14年後、ある偶然から、彼はその写真家と会う。
「そうか、私の写真集が君の人生を変えてしまったんだね・・・
 で、後悔しているかい?」

星野は こう書く。
 人生はからくりに満ちている。
 無数の人々とすれ違いながら、私たちは
 出会うことがない。
 その根源的な悲しみは、言いかえれば、
 人と人が出会う限りない不思議さに通じ
 ている。

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2024年6月30日 (日)

『国マニア』を読む

著者は日本の大学で国際関係学を学び、香港(ホンコン)の大学へ。
卒業後は、香港で邦人向けの日刊紙・週刊誌・月刊誌の記者・編集者を勤めたヒト。

映画『人間の條件』では、工藤大尉が砲声の中、 
「国家とは何か」と叫ぶ。

かわぐちかいじのマンガ『沈黙の艦隊』では、原子力潜水艦の海江田艦長が、乗艦を「やまと」と命名する。
そして、「やまと」が国家として独立したことを宣言し、国連総会への出席を果たす。

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こんな飯屋で読み始め。

パナマ運河とその沿岸は、パナマ運河地帯と呼ばれていた時期がある。
1903年から1979年にわたってのことで、その間、米国が行政と司法の権限を持ち、必要とあらば治安出動できる権限まで有していた。
パナマは独立国だったが、パナマの憲法には、
 公安が乱れた場合には、米国が干渉できる権利
が明記されていた。

パナマ運河地帯は米国の海外領土だった。
その返還を承認したのは、カーター大統領(’77年)で、’99年末に返還を終えている。

本夕、読了。

香港・台湾とも国連加盟国ではない。
が、

 香港は、ホンコン チャイナの名で
 台湾は、チャイニーズ タイペイの名で
オリンピックに参加している。

本書に書かれていることを、そのまま引用すれば、
 国家が成立するための三要素とは、「領土・国民・主権」
 だと定義されている
とあるが・・・

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2024年6月26日 (水)

旅装を解いたのは

NHKのTV番組『ドキュメント72時間』。
毎年末、その年の放送を振り返る特番がナマで組まれる。
昨年末の特番で、視聴者に最も強い印象を与えた放送として選ばれたのは、
 『冬の北海道 村のコンビニで』
真冬の初山別のセイコーマートの72時間だった。
また、
 『礼文島 最果てのユースホステルで』
と題された回の放送も、昨年末の特番で取り上げられた。

ここで、
 〝最果てのユースホステル〟
と表現されているのが、〝桃岩荘(ももいわそう)〟。
私の礼文島での旅装は、ここ 桃岩荘で解いた。

夏。
といえば、学生を中心とした若い人たちがリュックを背負い、日本中を歩いた。
移動は、周遊券・青春18・スカイメイト・長距離フェリー・バイク・自転車・徒歩。
睡眠は、夜行列車内・駅舎のベンチ・ライダーハウス・ユースホステル。

ヒトは変わる。
社会も変わる。
今や、夜行列車は激減、周遊券の販売もない。
駅舎のベンチは個席化され、横になれない。
ライダーハウスもユースホステルも減った。

変わらないのは、桃岩荘だけ。
 アアだ・コウだ言うヒト
 高い・安いを言うヒト
 コスパ・タイパを言うヒト
 人生を語るヒト
 過去を語るヒト
そして、
 未来を語るヒトさえも、
この宿では過ごせない。

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この宿で過ごす者が考えるのは、今。
今、だけ・・・

私が、
 礼文島に到着したのは、 6月23日 16時45分
 礼文島を離れたのは、  6月26日  8時55分
ここ桃岩荘には3泊。
我が礼文島滞在は72時間に及ばず。
私の
 『礼文島 最果てのユースホステルで』
は、
 『ドキュメント64時間10分』

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礼文島を歩く

稚内の西の沖に浮かぶのは利尻島。
そのさらに西に浮かぶのが、最北の有人島の礼文島。

その礼文島に立つ頃から雨。
夜になると風も付いてきて、翌日は一日中、屋内に停滞。

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さらに翌日の25日、やっと島内を歩ける空模様に。

田中澄江著『花の百名山』で礼文島の路傍で見たと記されている18の花は、
 シシウド
 チシマフウロ
 マイズルソウ
 ガンコウラン
 コケモモ
 ツタウルシ
 レブンソウ
 エゾタカネナデシコ
 イブキトラノオ
 イワオウギ
 ミヤマキンポウゲ
 エゾスカシユリ
 ミヤマハタザオ
 エゾオトギリ
 ウメバチソウ
 ミヤマオダマキ
 エゾヨツバシオガマ
 ウルップソウ

私が見たのは、17。
 シシウド
 チシマフウロ
 リシリソウ
 エゾカンゾウ
 オオハナウド
 オオカサモチ
 ヤマブキショウマ
 ハマナス
 バイケイソウ
 ノハナショウブ
 ムスカリ
 ルピナス
 バイケイソウ
 ハクサンチドリ
 チシマアザミ
 エゾニュウ
 レブンウスユキソウ
シシウドチシマフウロが共通する。

田中澄江が見ることがなかった花、レブンアツモリソウには私も出会えず。

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島内歩きのGPSログ。
🔴ー🔴間は宗谷バスを利用した。

島内歩き時間、7時間20分。
41866歩。

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2024年6月22日 (土)

『花の百名山』を読む

北海道の山は低い。
最高峰の旭岳(大雪山)でも、2291メートル。
なので、その最高峰でも花を見る。

著者は、脚本家の田中澄江(1908年 ー 00年)。

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こんな喫茶店で読み始め。

著者は素晴らしい脚を持っている。
本書の『あとがき』は、著者 75歳の時に書かれている。
その時点での著者の山行数は、年に50座。

若い頃は、牧野 富太郎 (1862-1957)と共にした野歩きも多い。
したがって、本書で披露される植物の知識は正統で豊富。
本書内に書かれている植物名は900ほど。

本夕、読了。

著者は、3泊4日の行程で、夕張岳(1668メートル)・礼文岳(490メートル)・利尻山(1721メートル)と歩いている。
礼文岳の章に書かれている花の名は18。(注)
そして、礼文岳の章は、
 入り組む海岸線の美しさと、路傍の花々に圧倒された
と終わる。

私は思った。
 礼文島へ行こう。
 そして、路傍の花々に圧倒されよう。
と、・・・

(注)
礼文島にはアタマにレブンの付いた固有種が幾つかある。
その代表格が〝レブンアツモリソウ(ラン科)〟。

が、本著者は、この花については ひとことも触れていない。
山行とレブンアツモリソウの花期が合わなかったのだろう。
それを、
 山に来るのが早過ぎた
 山に来るのが遅すぎた
 残念だ
などと書いたりしないのが著者らしい。

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2024年6月 9日 (日)

『商人』を読む

著者は’16年逝去の永 六輔。

帯に、
 六輔ワールド、
 いよいよフィナーレ!
とあるように、本書は、『職人』・『芸人』と続く三部作の最後。

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こんな飯屋で読み始め。

著者の信条は、
 曲がったことのない街角を曲がったら
 旅が始まる
国内外アチラコチラを、ショルダーバッグひとつで歩いている。

本書には、散歩先・旅先で聞いた商人らの語録が並べられている。
そのひとつが、
 商店街だけじゃありません。
 楽な仕事なら後継者はいまっせェ、
 ・・・たとえば政治家とか、タレントとか

本夕、読了。

タモリが、笑いを取っていた さだ まさしネタは、
 ・しみったれた暗さ
 ・オチの見える歌詞展開

タモリが、笑いを取っていた 永 六輔ネタは、 
 ・しみったれた文化論
 ・オチの見える文化論展開

タモリのような回転の速い頭を持っていない私にでも、永 六輔の文化論の展開は見通せる。
例えば、本書名は〝商人〟だが、それに〝あきんど〟と ふりがはを付けたりとか。

本書内で、永 六輔は自身を〝売文商人〟と称している。
〝売文商人〟に ふりがな は付いていない。

〝ばいぶんしょうにん〟と読ませるのだろうか、〝だぶんあきんど〟と読ませるのだろうか。

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2024年6月 8日 (土)

『山嶽地帯行動ノ参考 秘』を読む

〝山嶽〟とは〝山岳〟のこと。

本書は、帝国陸軍教育総監部本部長名で各部隊に配布された原本をスキャンして復刻したもの。
原本配布は、帝国敗戦の20ヶ月前の1944(昭和19)年1月。
信州の松代町(現:長野市の一部)へ大本営及び政府機能を移す計画が持ち上がる頃。

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こんな喫茶店で読み始め。

実際に山岳地帯に部隊を展開してデータを採取、それをもとに本書がまとめ上げられている。
データ採取は、中央アルプス最高峰の木曽駒ケ岳(2956メートル)山域や富士山において。

現在の日本人男性の体重はもう少しあると思うが、本書では兵士の平均体重を60キロとしている。
で、かつぐ重量が43から49キロ。

本書に掲載のデータから、
 水平に1000メートル進んで、上がる高度が100メートル
 傾斜6°弱の時、
 行軍速度は時速2.7キロ
 なお、30分ごとに5分間の休憩

 水平に1000メートル進んで、上がる高度が500メートル
 傾斜27°弱の時、
 行軍速度は時速0.37キロ
 なお、15分ごとに5分間の休憩

本夕、読了。

上記は、体力・気力ともに優秀な者の数字と本書の記載。
また、山地では地図に記せない道の屈曲が多く、図上距離の倍になることを考慮しなければならないことが書かれている。

11時間歩いた後の備考に、
 部隊ハ 体力的二 戦闘ノ 余力ヲ 十分保持シアリ
とある。

私のテントを担いでの、1泊2日の縦走時で、背中のザック重量は16キロから18キロ。
11時間なんて歩かないが、全力を使い切る。
テント設営後は余力なし。

私は兵士になれない(^^;

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2024年6月 2日 (日)

白老牛肉まつり

オリンピックは、ごと
ごとは、おきと言い換えできる。

〝白老牛肉まつり〟で昼食をとるのが我が家の毎年の行事だった。
しかし、〝白老牛肉まつり〟の直近最後の開催は’19年。
以降 コロナ禍で休催が続き、今年再開。
ってことで、ごとでもおきでもなく、ぶりに、昼食のために〝白老牛肉まつり〟へ。
〝まつり〟と銘打っているが、要するに規模の大きな屋外食事会。

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5年前は、土日2日間のまつりでメシを食うために集まったのは万人。
そして、私が感じたのは、じき、この増加一方の人の集団をさばき切れなくなるだろう ということ。

段取り八分に作業二分。
段取りとは企画のこと。

ぶりの今回の まつりを、関係者は練りに練って企画したものと思われる。
 ・白老駅⇔会場 の大型バスによるシャトル輸送の取り止め
 ・地元ベンチャーズの演奏や地元アイドルの歌謡ショーなどの取り止め
 ・そもそも演舞台を設置しない
 ・会場面積も縮小
 ・前売り券の販売数を大きく減らした(はず)
で、集めるのは万人。

さて、関係者が企画した通りに まつりは進行したか。
私ごときが それを評価するのは生意気・身の程知らずだが・・・
企画も その遂行の作業もウマくいったものと私は思う(^^) 

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2024年6月 1日 (土)

『くすりの発明・発見史』を読む

ツムラの漢方内服薬は、
 1番の葛根湯(かっこんとう)
から、欠番なしで、
 138番の桔梗湯(ききょうとう)
まで。
このうち、
 68番の芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
は、足がツった時に効く。
漢方薬は、その薬効がジワジワ・ユックリのイメージがあるが、68番の芍薬甘草湯は即効薬。
ツったフクラハギが元に戻るまでの時間は、服用してから30秒(実体験)。

さすがは、中国四千年。

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こんな喫茶店で読み始め。

熱帯病のひとつのマラリア。
その病原体は、マラリア原虫(ヒトの赤血球中に寄生 アンパン形状 直径5ミクロンメートル)で、蚊が媒介する。
マラリアに感染する者は、年に2.5億人。
死亡する者は、年に60万人。

マラリアの特効薬に、キニーネがあるのだが・・・

本夕、読了。

映画『インディ・ジョーンズ』は、考古学者のインディが古文書を読み解くことから物語が始まる。

文化大革命中の1967年、毛沢東が立ち上げたのは、マラリア薬の開発プロジェクト。

中国全土から集められた科学者が まず やったのは、インディと同じ。
古文書の調査から。
で、紀元前2世紀に、マラリア患者に青蒿(せいこう:ヨモギ属の植物 和名はクソニンジン)が使われていたことを知る。
さすがは、中国四千年。

2015年のノーベル生理学・医学賞受賞者は、
 William C. Campbell
 大村 智
 屠 呦呦(Tu Youyou)
の3人。

屠 呦呦(1930年- )こそが、文化大革命の さなか、中国全土から集められた科学者のひとり。
そして、屠 呦呦へのノーベル賞授賞理由が、

〝マラリアに対する新たな治療法に関する発見〟

彼女の業績は、青蒿から2種の薬効成分の分離・精製に成功したこと。
 ひとつは、マラリア原虫の殺虫薬剤(注)
 もうひとつは、薬剤耐性マラリアや重症マラリアの基盤薬剤

(注)
本書での説明は ほんの数行なのだが、マラリア原虫が分離させたヘモグロビン中の鉄原子に作用する成分を発見している。
この殺虫原理はたいへんに興味深い。

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2024年5月26日 (日)

『水を訪れる』を読む

著者は建設省(現 国土交通省)のキャリア官僚。
恵庭の漁川(いざりがわ)ダムの計画前調査の責任者だったヒト。
水資源開発関係の仕事が長い。

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こんな喫茶店で読み始め。

静岡県東部の丹那トンネルには、在来線が走る。
それと並んで掘られている新丹那トンネルには、新幹線が走る。
いずれも約8000メートル。

丹那トンネル掘削時には大湧水があり、その排水のための抗は本坑以上に長い。
新丹那トンネル掘削時は、湧水を丹那トンネルに流して進める工法を採用している。
この抗を使って、現在も水を排水している。

本夕、読了。

著者は、中近東・東南アジア・中国を多く歩き、また、欧州、米国を歩き、その地の人々が、いかに水を得、耕作し、家畜を飼っているのかを語る。
本書の副題は、『水利用と水資源開発の文化』
文明の発祥は大河流域、文化が栄えるには水は不可欠。

前静岡県知事が、なぜ、リニアトンネル掘削によって漏洩する大井川の水の処置に ああこう言ったのか。
真意のほどは知らない。
初選こそ僅差での当選だが、二選・三選・四選は、県民の多数支持を得て当選している。
上記、丹那トンネル掘削でその直上の地の水が抜け、水豊かだった丹那盆地が乾いた地となり、人の生活が一変した記憶があったことも その理由なのかもしれない。

さて、前知事辞任による静岡知事選投票日は今日だった。
その結果はいかに。
ただいま、23時30分。
結果が出た・・・

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2024年5月25日 (土)

『面白くて眠れなくなる人体』を読む

著者は、解剖学者。
内容は、
 ・クシャミとセキとシャックリはどう違う?
 ・鼻の孔はどうして二つある?
 ・黒い瞳と青い瞳では見えている色が違う?
等々、面白くて眠れなくなる人体のあれこれ。

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こんな喫茶店で読み始め。

小指を曲げようとする。
と、薬指まで一緒に曲がろうとする。
脳からの 小指を曲げろ との指令は、脊髄の内側の灰白質から出ている神経を通して指の筋肉に伝えられる。
ところが、指令を小指に伝える神経と薬指に伝える神経は同じ。
筋肉も くっ付いている。
というのが理由。

しかし、ピアニストは小指と薬指を別々に操作できる。
神経も鍛えられる、と著者。

本夕、読了。

眼球には6つの筋肉が付いている。
歩きながらでも、走りながらでも、ブレずに景色を見ることができる。
脳からの指令で、アタマの動きと逆方向に眼球を回転させる。
アタマの動きを知るのは三半規管。
著者は、それを手振れ防止機能と表現する。

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2024年5月18日 (土)

『動物の本能』を読む

著者は動物生理学者。

本書の「はじめに」は、
 少々腹をすえて読んでみていた
 だきたい。
で、終わり、
本書の「あとがき」は、
 苦労して読んでみたが、結局
 何もわからないとおっしゃる
 方もあるにちがいない。
という文章で始まる。

著者が言うように、本書、難しい。
私ごときが手にする本ではないような(^^;

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こんな飯屋で読み始め。

本能行動の対面は、学習行動だろう。

昆虫も学習することを証明する実験がある。
すりガラスに着色光を当て、その上にエサを置く。
ミツバチに1回学習させると、5~7日間後でも記憶している。
3回続けて学習させると、13日間後も記憶している。
1回の学習時間は、2~10秒。

本夕、読了。

働きバチの寿命は1ヶ月ほどのようで、それを考えると、13日間というのはハチの寿命全体の大部分ということになる。
ヒトの脳のニューロン(神経細胞)は、1010個。
昆虫は10個。

脳の大きさ(体積・重量)の違いのワリには、ニューロンの個数差が大きいとは思えない。
ハリウッド映画は、昆虫にさえ演技させるのだとか。
分かる気がする・・・

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2024年5月12日 (日)

『岩魚の帰る日』を読む

著作は、1970年にマンガ家デビューし、2020年に逝去した矢口高雄。
『釣りバカたち【山釣り編】』と副題が付けられ、13作が編まれている。

400ページ強に13作だから、1作30ページ。
どれも読みごたえがある。

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こんな飯屋で読み始め。

『チライ・アパッポ』は、別海町に住む夫婦の話。
札幌へ向かう特急おおぞらの描写がある。
1979年の作品だから、特急おおぞらをけん引するのはキハ80。

本夕、読了。

『チライ・アパッポ』が舞台とする川は、
  摩周の湧水に源を発し
  潺湲として原野を下り
  次第に根室湾にそそぐ
と、表現されている。

ところで、潺湲を読めるだろうか。
〝せんかん〟または〝せんえん〟と読む。
 水がさらさらと流れる様子
 涙がとめどなく流れる様子
のことなのだが、私は、読み・意味とも知らなかった(^^;

大陸で使う文字は、簡体字。
〝漢字〟は〝汉字。
〝魚〟 は〝鱼〟
と表記する。
が、その大陸でも〝潺湲〟は〝潺湲〟のまま。
大陸でも、使われることの少ない熟語なのだろう。

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