日記・コラム・つぶやき

2022年6月15日 (水)

『これから「正義」の話をしよう』を読む

2010年、Eテレで放送されたのが『ハーバード白熱教室』。(注)
実際の教室での講義の様子が、ほとんど無編集で放映された。
10年以上も前に見た番組だが、覚えている。

教授が学生に投げかけた質問に、学生が反応する。
その学生の反応に、教授がさらに質問を畳みかける。
教室内が、教える・教わるといった場から、議論・討論の場へと変化していく。
ハーバードの優秀な教員と学生の間で交わされるディスカッションだが、テーマはごく身近、使われる言葉も日常語。
小学生でも、このハーバードの教室内での やり取りの全てを理解できるだろう。

しかし、無編集というのは残酷だ。
投げかけられた質問に反応できず、ニヤニヤするだけの学生も映る。
アジア系。
多分、日本人留学生。

その『ハーバード白熱教室』の教授、哲学者のマイケル・サンデルが本書の著者。

本書の初版は、2010年5月25日。
それが、同年8月18日には すでに45版。
当時、この45版目の本書を買ったはいいが、40ページほど読み進めたところで放り出し。
そして、12年が経過したことになる。

副題が、『いまを生き延びるための哲学』。
さァ、いまを生き延びるために、読み直し。

Photo_20220614195501
こんな喫茶店で読み始め。

米国哲学の伝統は、実利・実践・現実・実用・分析・実際。
ヨーロッパ大陸哲学のような観念的難解さはない。
著者から提示されるテーマにも難解さはない。
 ・平等
 ・労働と自由
 ・志願と徴兵
 ・所得と課税
 ・政治
 ・道徳
等々。
アリストテレス・カントなど、古い時代の哲学者の諸々の説の紹介がある。
また、現役哲学者の説の紹介がある。

それらを紹介しつつ、「正義」についての長い長い著述が続く。
そして、
 善とは何か
 正義とは何か
それへの、著者からの解答はない。

本夕、読了。

本書では、
 4人が乗った救命ボート内での殺人と食人
 経営難に至った企業への公的支援
 ビル・ゲイツなど成功者への市民のねたみ
など、今まさに起きている事象についてもテーマとして掲げられる。
それへは、裁判の判決・政治決定・分析が示され、読者はいよいよもって現実の中で考える正義にうろたえることになる。

(注)

今年になって、直近の講義の様子が、やはりEテレで
 『マイケル・サンデルの白熱教室 2022』
と題して放映されている。

| コメント (0)

2022年6月 8日 (水)

『古代中国の24時間』を読む

本著者は、中国古代史の研究者。
著者は、
 中国古代史々料はそれほど多くなく、主要なものは
 1500万字程度。
 それは、本書(324ページ)100冊分くらいの
 漢文に相当し、まともな研究者なら10年もかけれ
 ば読み通せる。(注)
と書き、
 そこに描かれている民の日常生活をおおまかにまとめ
 て説明することは、歴史学の研究として許容されるべ
 きことであるまいか。
と、言う。
更に、遺跡・遺体・木簡・竹簡などを含め、あたうかぎり最新の学説をフォローして本書を執筆した旨を表明する。

中国古代朝の大雑把な年表は以下。
私の頭の整理用。
 BC2700ー2183三皇五帝
 BC2183ー1751  夏
 BC    ー1050  殷
 BC    ー1111  商
 BC    - 770 西周
 BC    - 403 春秋
 BC 403ー 221 戦国
 BC    ー 206  秦
 BC    ーAD 8 前漢
 AD    ー  25  新
 AD    ー 220 後漢
 AD    ー 265 三国(魏・呉・蜀)
以下、西晋・東晋・宋・隋・唐・元・明・清と続く。

本書でいう古代中国とは、いわゆる秦・時代のこと。
その説明を補足するために、それ以前の戦国 及び それ以後の三国時代についても触れられている。
中国におけるこの時代、日本は弥生時代。

Photo_20220607184201
こんな喫茶店で読み始め。

現代の官公庁・企業の高位役職者はよく働く。
ブツクサ文句を垂れタメ息をついているのは、しもじもの者たちばかり。
いや、逆かもしれない。
ブツクサ文句を垂れタメ息をついているような者は、高位役職者にはなれないだけのこと。
あァ、それはオイラのことか(^^;

ンな話は おいといて、古代中国の高級官吏もよく働いた。
最終決裁者の皇帝も同じ。
薄明から薄暮まで。
そんな彼らも酒を呑む。
当時の中国は、すでにアルコール度数3~5%の穀物酒・乳酒・ワインを醸造でき、後漢時代には それが10%にまで達していたという。
で、飲み食いする彼らには、強い酒と脂の乗った肉の過飲・過食が肥満・痛風・糖尿病の原因になると危険視する認識があったと。
中国医学三千年。
と、現代中国人が胸を張るだけのことはある。

が、庶民は1日2食だったが、皇帝・貴族らは1日3食から4食。
もっとも、庶民に ねたまれるということで、政治家の食事は質素だったようだ。

本夕、読了

現代中国人女性に、ワキ毛を処理する習慣はない(らしい)。
ところが、発掘された古代中国人女性のミイラにはワキ毛がないという。
古代中国女性は、ワキ毛を処理する習慣があったようだ。

また、現代中国人は家の中も靴履き生活だが、古代中国においては靴を脱いでいた。

トイレ。
今の中国のホテルやレストランや空港のトイレは、欧米・日本と同様。
しかし、かなり近代的オフィスの従業員トイレでも、水洗化こそされてはいても 個室化されていない いわゆるニーハオトイレが珍しくない。
かつ、しゃがんで用を足す便器。
古代中国では、腰掛式便座があったことが写真を付けて書かれている。

本書、それらこまごました古代中国人の24時間を説明するのに付けられた注記(出典)は大変に多い。
その数、891。

(注)
私も参加しての日本人と中国人による会議は何度か経験している。
その会議々事録、中国人の作るものは日本人の作るものの半分くらいの文字数になる。
漢字にはそれだけの力がある。
だから、
 漢字で1500万字程度なら、日本語なら3000万字
 著者が言う100冊分の漢文というのは邦文で200冊分
と読み替える必要がある。

| コメント (6)

2022年6月 5日 (日)

『光の量子コンピューター』を読む

第1章の 量子の不可思議な現象
から始まり、
第2章は 量子コンピューターは実現不可能か
そして、終章の
第6章は、実現へのカウントダウン

本書の『はじめに』で、著者は、量子力学や量子コンピューターの歴史について精通している者は、第1章と第2章は読み飛ばしていいと書く。
精通も何も、粗通どころか、私は全くの無知(^^;

しかし、著者は本書を読み進めるにあたって、こうも書いて私のような者を激励してくれる。
 お願いだ。
 量子という言葉に苦手意識をもたないでほしい。
 理屈はどうであれ、「実際、こういうものだ」と受け入れる気持ちを
 もつことから始めよう。

とりあえず、
 粒子と波動の二重性
 重ね合わせ
 量子のもつれ
 波束(はそく)の収縮
とは、〝こういうものだ〟と私は受け入れた(^^;

本書内で著者は、現行のコンピューターを古典コンピューターと呼ぶ。

Photo_20220602105401
こんな喫茶店で読み始め。

雨竜第一ダムを建設することで形成されたのが、面積が日本最大の人造湖の朱鞠内湖。
このダムからの水を引いて発電する雨竜発電所の常時出力は、17.5メガワット。
スペック上の最大出力で、51メガワット。

ところで、省エネ性能に優れているとの評価の高い〝富岳〟の消費電力が30メガワット。
〝富岳〟のひとつ前のモデルの〝京〟の消費電力が13メガワットだったから、〝富岳〟の後継モデルの消費電力は、雨竜発電所の最大出力を超えるに違いない。

量子コンピューターはその速さの桁違いさを言われるが、本質はそこではないと著者は言う。
著者の言う本質とは、エネルギー消費の少なさ。
理論上、量子コンピューターの排熱はゼロ。

ただし、量子を扱うことから、
 絶対零度に近い極低温環境が必要
 量子の二重性ゆえ、エラーチェックが難しい

その解決のために、著者が量子に選んだのは〝光〟。

本夕、読了。

上記は、量子とは〝こういうものだ〟と受け入れた上で書いたもの。
理解・納得できているわけでは全然ない(^^;

〝光〟を扱うので、著者の研究室の実験装置にあるのは多数のミラー。
ミラーの数だけ それを固定するマウントが必要。
そのマウントは米国企業から得ていたが、調整設定の維持が数時間しかもたない精密さ。
その会社が廃業する。

そこに手を挙げた国内企業の、ミラーマウント製作にかける思いが熱い。
今現在は、1週間は再調整せずにすむものになっているという。
回すことができ、かつ しっかり固定できるネジからの開発。

著者が、自分の20年の研究生活を振り返る。
やりたい実験、やるべき実験を果たすために行ってきたのは、
 実験装置に関する技術開発が90%
 実験結果の確認、検証が10%
だった、と。

やはり、道具・・・
が、刺さる針、切れないライン、よく曲がるロッド。
どころか、エンジン付きのボートに魚探まで使っても、我が竿にサカナは掛からない(^^;

本日、良ナギ、サカナの食いも良かった模様。
残念ながら野暮用できて、KON-chan号は沖に出られず。

| コメント (6)

2022年5月31日 (火)

『鷹将軍と鶴の味噌汁』を読む

副題は、『江戸の鳥の美食学』。
〝美食学〟には〝ガストロノミー〟とルビが振られている。
著者は民俗学者。
著者によれば、〝美食学(ガストロノミー)〟とは、
 料理をめぐる歴史や政治、社会や経済、そして文化の多局面を考究し、
 その全体像を考える総合的な学知
なんだと。

おゝ、〝考究〟に〝学知〟とな。
これまでの人生で、鉛筆でもボールペンでも書いたことがなく、キーボードで打ち込んだこともなかった単語の〝考究〟と〝学知〟。
これが、我が指による初めてタイピング(^^) 

Photo_20220531083401
こんな喫茶店で読み始め。

書名の〝鷹将軍〟とは、徳川吉宗のこと。
〝鶴の味噌汁〟は、文字通り鶴肉を具にした味噌汁のこと。
とはいっても、吉宗や鶴料理に多くの紙数がさかれているわけではない。
日本人が、いかにトリを獲り、どのようにトリを食べてきたかについて、縄文時代から近代に至るまでの、
 歴史や政治、社会や経済、そして文化の多局面を考究し、
 その全体像を考えた総合的な学知
が、述べられている。

四条流(しじょうりゅう)とは、素手で素材に触れることを一切せずに調理を進める包丁道。
平安時代に始まる。
文献で確認できるトリ料理は このあたりに始まり、江戸時代には料理法・料理屋など かなり詳しく記された文献が残っている。

綱吉によって発せられた生類憐れみの令が支配する時代にも、将軍家から宮中へトリが献上されている。
タンチョウ、ハクチョウ、カモ、カラス、スズメなど、あらゆるトリを日本人は食べてきたことが確かな裏付けのもと考証される。
しかし、どういう理由があってか、日本人がカモメ、ツバメを食べた記載はない。

本夕、読了。

皇室は鴨場を持つ。
賓客らを交え皇族が、手に持った網で狩る。

伏見稲荷大社裏参道には、スズメ(とウズラ)の姿焼きをウリにする食い物屋が店を出している。
スズメ(とウズラ)の姿焼きなら、我が町にも提供する焼き鳥屋がある。

東京新橋。
トリ料理の店、末げん(すえげん)。
1970年、陸自市ヶ谷駐屯地で割腹自殺する三島由紀夫の最後の晩餐は、ここでのトリ鍋。

1985年8月のJAL123 羽田発伊丹便の墜落事故。
現場から収容された遺体の安置所を兼ねた検視所となった体育館に集まった関係者へ、最初に配られた弁当はトリ飯。
誰も食べなかったという。

板わさ や とりわさ を肴に蕎麦屋で酒を呑む。
板わさ ならともかく、とりわさ ともなると、相当イキなオトコでないとカッコウがつかない。
もっとも、北海道の蕎麦屋で ンなものを注文しても出てはこない。

| コメント (0)

2022年5月27日 (金)

『眠れなくなるほど怖い世界史』を読む

本書の出版会社は三笠書房。
著者はフランス文学を学んだヒト。
当該出版社・著者に限らず、頭に〝眠れなくなるほど〟を付けた出版物は多い。

〝詳説〟、〝概説〟、〝よくわかる〟等々を頭に付けるのと同じ気分での命名なのだろう。

本書に書かれているのは、歴史上の事件・人物の裏話。
ネットで拾った話を並べて1冊に仕立てたというようなところはなく、裏付け文献は確か。
この類の本に多い いいかげんさはなく、著者の私見は私見と ことわって書かれている。
内容が信用でき、銘打たれているように、〝眠れなくなるほど〟に面白い。
まァ、面白いと感じるのは、私の覗き見趣味、ゴシップ趣味ゆえ(^^;

Photo_20220527072801
こんな喫茶店で読み始め。

大恐慌(1930年代)の米国で、若い男女のクライドとボニーが出会ってからの4年間に犯したのは、12件の銀行・商店強盗と、銀行員・商店主・警官など計13人の殺害。
その犯行史実をベースに脚色映画化されたのが、『俺たちに明日はない』。
ベージュ色の32年式フォードV8の外に降り立ったクライドと、助手席に座ったままのボニーが警官たちに全身に銃弾を撃ち込まれるシーンで、この映画は終わる。
ウォーレン・ベイティ演ずるクライドとフェイ・ダナウェイ演ずるボニーの短い生涯を描いたこの映画は、ドライで熱く哀しい。

米国の警察組織は地方自治体ごと。
「犯罪者の捕縛は罪を犯した州内においてのみ」
州境を越えて、それも最新式のフォードV8で逃げ去るのが犯行後のクラウドとボニーの逃走手口。
その鮮やかさに、彼らにはファンさえ付く。

検視前の遺体に集まったファンは、数百名。
そのファンがやったのは、クラウドとボニーから記念品を奪うこと。
血まみれの服を破り取り、髪を切り取り、引き金を引く人差し指を切断しようとする者も。
クラウドとボニーの遺族は、遺品を高値で売りさばき大もうけしたという。

本夕、読了。

米国初代大統領はジョージ・ワシントン。
彼は当時の歯科技術では進行を止められなかった歯周病に苦しみ、大統領の座に就いた時には自分の歯は1本しか残っていなかったそう。
時に、1789年、ジョージ・ワシントン57歳。

彼の持っていた入れ歯の人工歯は、象牙、カバ・セイウチ・ヘラジカのキバから作られたもの。
いや。
人工歯だけでなく、本物の人間の歯も。
彼は大農園主で400人からの黒人奴隷を所持。
麻酔のない時代、その奴隷たちから健康な歯を抜いては、自分の入れ歯に使っていたという。

ワシントンは独立戦争の司令官。
独立戦争の英雄のワシントンは、後に起きた北西インディアン戦争でイロコイ族を虐殺させ、その尻の皮でブーツやレギンスを作らせている。

以上も本書から。

最強通貨はドル。
その1ドル札に描かれている肖像は、口を真一文字に結んだジョージ・ワシントン。
入れ歯は見えない。

| コメント (2)

2022年5月25日 (水)

春を食う

春は奇跡の季節。
 雪解け
 芽吹き
 開花
 鳥たちの営巣

山菜の多くは芽吹き。
奇跡の芽吹きを食う。
春を食う。

2022052503
ウドの酢味噌和えとウドの天ぷら。
私の手によるもの。

ウドは、shinyaさんから頂いた。
ごちそうさまでした。

| コメント (0)

2022年5月21日 (土)

『日本語の大疑問』を読む

本書は国立国語研究所(国語研)に寄せられた質問に、37人の専門家が回答してゆく体裁の本。

国語研の研究対象は日本語のみではなく、本書で触れられているだけでも、英・仏・独・露語から、手話、絵文字までも。
言葉の研究者たちの、何と楽しく生き生きとしていることか。

Photo_20220521160501
こんな喫茶店で読み始め。

ミュールとは、女性用のファッショナブルなサンダルこと。
フランス語の mule からの借用。

本書では、日本語の〝下駄:げた〟がフランス語に借用された場合のことについて述べ、日本語が外来語を受け入れやすい構造を持っていることに言及する。
ヨーロッパ語の多くは、名詞に〝性〟を持つ。
フランス人にとっては、〝下駄〟は男性が履くものというイメージから〝男性名詞〟扱い。
かと思うと、ラテン語で〝a〟で終わる単数名詞のほとんどは〝女性名詞〟。
なので、〝下駄〟は〝女性名詞〟扱い。
と、〝男性名詞〟なのか〝女性名詞〟なのか認識が共通化してないらしい。

〝太陽〟は男性か女性か。
 仏語では、男性
 独語では、女性
 露語では、中性

で、〝月〟は〝太陽〟の逆で、
 仏語では、女性
 独語では、男性
 露語では、中性、かと思いきや 女性。

本夕、読了。

履歴書を10以上書いた。
そのうち3を郵送した。
とするのがしっくりすると本書。

は漢語で手紙・文書などを数える言葉。
は漢語で手のひらに隠れる程度の写真・名刺などを数える言葉。
は平らな形状のものなら、材質・大きさ・厚さを問わず何にでも、切手・布団、田畑にさえ、と。

しかし・・・
カレイをで数えるのは本書の説明で分かるが、ヘラブナ釣り師も釣果をで言うのは納得できない。
相撲の番付もで言う。
ヘラブナも相撲の番付も〝平らな形状〟とは言い難いが・・・(^^;

| コメント (2)

2022年5月20日 (金)

『物理学者のすごい思考法』を読む

著者は、現役の理論物理学者。
物理学に限らず、何かを成した人、何かに秀でている人の、我々凡人に対して言うこと書くことはユニークだし含蓄に富んでいる。
頭に相当な余裕があるからだろう。

本書名は『物理学者のすごい思考法』。
著者自身がどんなにうぬぼれ屋であろうと、自分自身でこんな書名を付けるはずがない。
書名は、本を売らんがために編集者がひねり出したものだろう。

内容は、物理学者の日々をつづったエッセイ集。

Photo_20220517084501
こんな喫茶店で読み始め。

花を見て、綺麗だと思う。
著者はそれを、葉が一様に単調な緑色なので花の色を引き立てているからだ、と考える。
さらに、なぜ葉は緑色かと。
葉が緑色なのは、太陽光中の緑色だけを反射し、その他の色の光を吸収しているから。
もちろん、光合成を緑葉体で行っているからなのは、誰でも知っている。
調べてみると、〝太陽からの光のうち、強すぎる緑色で植物がダメージを受けないようにしている〟との生物学研究所の論文を著者は知る。

ここからが物理学者らしい。
太陽の表面温度の6000℃から、最も強い光の波長を計算する。
マックス・プランクの黒体放射の式を使っての計算結果は、500ナノメートル。
この波長は、緑色。

他の恒星系に生まれていたら、生物の色は違っていただろう。
そう考えながら、ベランダから見る木々の緑に心を奪われる。
と、著者は書く。

本夕、読了。

左から右上へと昇る朝日を見て、著者は地球の自転軸を感じる。
随分前のこと、私にもあった〝すごい思考法〟。
KON-chan号上から、沈みゆく夕日を見て著者と同じく地球の自転を感じたことがあった。
あゝ、でもそれは、『バカ釣り師のすごい思考法』(^^;

| コメント (2)

2022年5月14日 (土)

『なぜ宇宙は存在するのか』を読む

小学生でもちょっとませた子なら以下を言う。
 宇宙はビッグバンから始まった。
 その宇宙は膨張していて空間は有限。
 
ところが、著者は、
 ビッグバン前に、原子核ほどの大きさの構造が、102 秒ほどの
 短時間のうちに、現在とほぼ同じ宇宙の大きさまでに急速に膨張
 した。
 そして、宇宙は最初から無限だった可能性がある。
と書く。

Photo_20220510150901
こんな喫茶店で読み始め。

著者は日本と米国の大学で教授・研究する日本人物理学者。

宇宙は膨張している。
発見は、1929年。
その膨張が、実は加速しているとの発見は、その70年後、20世紀も もう終わりという頃。
著者が研究者としてスタート地点に立った時のことで、その報告に衝撃を受けたという。

万有引力が支配する世界で、減速ではなく加速している。
であれば、加速させる〝何か〟があるはず。
その〝何か〟を物理学者たちはダークエネルギーと呼ぶ。

本夕、読了。

宇宙の果てが外側に出っ張った曲面(正の曲面)ならば、そこに大きく描かれた三角形の内角の和は180°を超える。
宇宙の果てが内側にくぼんだ曲面(負の曲面)ならば、そこに大きく描かれた三角形の内角の和は180°を下回る。
しかし、現在の観測では平面に描かれた三角形と同じ、180°。
宇宙の、この平坦さはビッグバンだけでは説明しきれない。
それを解決するため、ビッグバンの前に何があったのかの説明が続く。

本書は、今年3月出版の最新刊。
執筆は、コロナ渦中のこの2年半。

本書に書かれている時間のスケールは、大変に短く大変に長い。
10-38 秒 から 10100 年。
我々の人生の、何と長く何と短いことよ。

| コメント (4)

2022年5月 8日 (日)

『大相撲と鉄道』を読む

今日は、大相撲夏(五月)場所の初日。
両国 国技館。
本著者は、その大相撲の現役幕内格行司 木村銀治郎。

行司の仕事は、土俵の上での、
『はっけよい 残った 残った』
だけではない。
本書副題が、
『きっぷも座席も行司が仕切る!?』

副題の通りで、大阪・名古屋・九州場所や地方巡業の列車・飛行機・バス・タクシーの手配、席の割り振りも行司の仕事。
で、木村銀治郎、筋金入りの〝テツ〟。

Photo_20220508175601
こんな飯屋で、読み始め。

バイオリン演奏家の空路移動。
自分用に1席、楽器のために1席と、カネさえ出せば2席でも3席でも座席を確保できる。
JRでは、そうはいかない。
JR旅客営業規則によれば、
 同一人が同一区間で2枚以上の乗車券・指定席券を持っていても
 使用できるのは1枚のみ
つまり、2席分、3席分の乗車券・指定席券を持っていても、使えるのは1席のみ。

JR普通席のひじ掛けは飛行機と同じ、下げて使う。
上げれば収納される。
ところが、グリーン車の座席のひじ掛けは、席の個別化を考えてのことだろう、上げることも下げることもできない固定。
グリーン車を使うのは、協会役員や役力士。
上記したように、JR旅客営業規則は1人1席。

さてどうするかは、行司が考えなければならない。

本夕、読了。

団体列車(貸切列車)なら、上の束縛から解放される。
JR旅客営業規則で、特殊団体として配慮されているのは、5団体のみ。
 自衛隊団体
 在日米軍団体
 新規学卒就職団体
 遺族団体
そして、
 相撲協会団体

夏場所初日の今日の木村銀治郎がさばいたのは、中入り後すぐの取り組み、
 荒篤山 対 輝
 翠富士 対 一山本
の二番。
若草色の装束の木村銀治郎が上げた軍配は、いずれも西。
 輝
 一山本

| コメント (0)

より以前の記事一覧