『日本の高山植物』を読む
昨夏のこと。
20キロ近い重さのザックを背負って大雪山系に入山。
赤岳(2078メートル)・白雲岳(2230メートル )・黒岳(1984メートル )と歩いた。
赤岳の頂に立つまでに、第一花園(1654メートル)・第二花園(1768メートル)・駒草平(こまくさだいら:1817メートル)と高山植物の群生地(お花畑)を通過する。
高度を上げるに従って、群生の主はチングルマ・チョウノスケソウ・コマクサと変わり、目を楽しませてくれる。
汗を流し心拍数を上げて高度を稼いだ者のみが知る目の楽しみだ。
こんな喫茶店で読み始め。
本著者は、主に大雪山系の高山植物を研究対象とする植物学者。
研究生活は、30年以上になるという。
北海道の山は最高峰の旭岳でも2291メートルと低い。
とは言っても、日本アルプスでの森林限界標高が2500メートルくらいであるのに対し、大雪山系の森林限界は1500メートルもない。
森林限界より上の環境は過酷。
寒冷・強風・早い積雪と遅い雪解け・乾燥・永久凍土。
そんな環境に生育する高山植物の、
生き延びていける理由
多様な種が共存できる理由
キレイな花を咲かせる理由
が考察される。
本夕、読了。
昨夏の、第二花園でのこと。
キバナシャクナゲの開花数を数えている人がいた。
高山植物の若い研究者だった。
山に入って山頂に立つことに少しの興味も持たず、ただただ お花畑に向かい合う。
こういう山歩きもあるんだなァ、と。
今思うと、本著者の弟子に当たる人だったかもしれない。
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