『日本の色 十二か月』を読む
今年の箱根駅伝は、往路・復路とも青山学院大学、したがって総合優勝も青学大。
この駅伝をラジオで実況中継するNHKのアナウンサーは、青学大の襷(たすき)の色をフレッシュグリーンと表現する。
大相撲、北海道出身の現役幕内力士は一山本のみ。
彼のまわし(締込:しめこみ)の色は、JIS Z 8102で269種定めている慣用色名に照らしあわせればスカイブルー。
が、TV・ラジオともNHKのアナウンサーはンな表現は絶対にしない。
空色。
こんな喫茶店で読み始め。
青学大の襷の色は、若竹色(わかたけいろ)か若緑(わかみどり)。
5月の色。
一山本の空色は8月の色。
本書によれば、平安時代には成立していた色名(しきめい)で、『源氏物語』に、
空の色したる唐(から)の紙
という記述があると。
本夕、読了。
再び本書によれば、日本語には空の色を表現する単語が少ないらしい。
上述したJIS Z 8102の慣用色名269種中、青を表すのに英語を使う色名が、
ブルー
スカイブルー
ホリゾンブルー
ミッドナイトブルー
など、17もある。
ところで、NHK大河ドラマ『光る君へ』で演じられる平安時代の宮中人の重ね着の色の組み合わせは 時代考証が確か。
『枕草子』の一節に、
すさまじきもの
昼ほゆる犬、春の網代
三、四月の紅梅の衣
とあり、紅梅色(こうばいいろ)は2月。
桜の季節に、紅梅色の衣を着た女御・女房は確かに映らない。
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