『買い物とわたし』を読む
本書の副題は、『お伊勢丹より愛をこめて』。
週刊文春に連載していた『お伊勢丹より愛をこめて』に加筆したエッセー集。
著者は山内マリコ。
本書内の表現を使うと、美大を出て小説を書いているヒト(らしい)。
『お伊勢丹より愛をこめて』の〝お伊勢丹〟は、百貨店の伊勢丹のこと。
こんな喫茶店で読み始め。
著者が買ったモノの、その購入動機や購入経緯が、65編のエッセーでつづられる。
必ずしも伊勢丹が購入場所ではなく、ホテルオークラだったり、ネット通販だったり、ユニクロだったり。
Made in Japan も 今や、何だかアヤしい。
学校の所在市出身の選手が一人もいない高校野球強豪校
化粧は偽装(かもしれない)
警察官の調書偽造
大手メーカーの型式指定検査不正
でも、
カニカマボコを偽造とは言わない(ような気がする)
回転寿司のエンガワはヒラメではないけれど、それを偽装とは
言わない(ような気がする)
Word・Excel の上書きは偽装とは言わない(ような気がする)
メロンパンにメロンは使っていないけれど、偽装とは言わない
(ような気がする)
デジタル画像の Photoshop 加工は、修正・修整・調整
その結果は、時に作品、時に偽造
本夕、読了。
買ったモノに、百均のプラスチック容器なんてない。
かと言って、預金残高が10桁なければ買えない、なんてモノもない。
職についているモノなら、手を出せそうなものばかり。
が、こう言ってはナンだが、この本はイヤらしいしイヤしいと思う。
書かれているモノは、幾つあっても困らないモノ。
タオル・下着・靴・花・クッキー・洋装品 等々。
購入品の評価は全て肯定的。
かつ、ブランド名はしっかり入れてある。
著者の下心が透け透けの見え見え。
彼女の買い物が、縫い針やミネラルウォーターなら、そんな気分には ならなかったと思うが。
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