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2023年10月

2023年10月29日 (日)

ブナの森を歩く

拙ブログの5月14日 の記事は、『ブナの森を楽しむ』。
その記事に きーさんから いただいたコメントに、
 この秋は、ブナの実の大凶作が予想されます。
 森の動物たちは困るでしょうねェ。
とリプライした。

この秋のブナなどの木の実の凶作は、黒松内に限らず全国的。
そのせいで、エサを求めて里におりたクマがヒトに危害を与えているニュースを見聞きする。(注)

ということとは、全然関係なく、春に歩いた黒松内のブナの森を秋も歩きに。

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渓流の王様は、〝岩魚(イワナ)〟
渓流の女王は、〝山女魚(ヤマメ)〟

画像やや右は、King of Forest の〝ミズナラ〟
画像左端は、Queen of Forest の〝ブナ〟

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2005年、九州を南から北へ縦断し日本海へ抜けた台風14号は、せたな町に再上陸して東北東に北海道内を走った。
その時の暴風で倒された直径1メートルを超すブナに新しい生命が。
ヒナウオタケ。

全給水量は、
 ・250CC

下山後に食べたのは、奈川ソバ。
長野県奈川村(現 松本市
)の在来種で、現在は黒松内でしか栽培されていない(らしい)。
もっとも、味を評価できる舌を私は持っていない(^^;

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(注)
統計学的な処理ができるほどのデータが集められているのかどうか知らない。
が、ブナの実の豊・凶とクマによるヒトへの危害の少・多に相関関係はないという説が有力らしい。

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2023年10月25日 (水)

『ことばのごちそう』を読む

拙ブログの8月4日の記事は 『自炊大好き』を読む 。
そこに、6月9日号を最後に〝週刊朝日〟が休刊となったことを書いた。
私が言いたかったのは、〝週刊朝日〟に連載されていた 東海林さだお の『あれも食いたいこれも食いたい』が自動的に休載となったことがとても残念だ。
ということ。

本書は、東海林さだお が書きつづってきた印象的な描写を、食品名を項目にたてて、それを50音順に並べたもの。
アイスクリーム・味付け海苔・アジの開き と続き、綿あめ・ワニ・ワンタン で終わる。
出前・メニューなど、食品名以外の項目も いくつか。

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こんな喫茶店で読み始め。(注)

著者が言うには、本書は、長い文章のサワリ、イイトコ取り。

サワリ、イイトコ取りされた文章は、1項目 半ページから せいぜい3ページ。
これ以上 要約のしようがない。
が、そこをさらにイイトコ取りすると、例えば白湯(さゆ)は、
 白湯はひたすら沈黙を守りつづけている。
 何も発言しないし、何も主張しない。

本夕、読了。

舌にある味蕾(みらい)細胞が脳に伝えるのは〝味〟。
 甘味
 酸味
 塩味
 苦味
 うま味
は、基本五味として 誰でも知っている。
2018年に発見されたのは、味蕾から脳に〝脂肪〟の味を伝達する神経。
基本五味に〝脂肪味〟が加わって、基本六味となる可能性大。
〝カルシウム味〟も加わって、基本七味となることもありうる。

東海林さだお は、この〝脂肪味〟・〝骨味〟を50年も前から言っている。
著者の舌は確か。

(注)
ウェッジウッドのカップでコーヒーをサービスしてくれる喫茶店を またひとつ見つけた。

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2023年10月21日 (土)

『大人もぞっとする 原典「日本昔ばなし」』を読む

昔ばなしだとか童話だとかは、勧善懲悪・因果応報・いましめ・教訓。
また、美徳は勤勉・倹約・正直・親孝行。
悪徳は嫉妬・散財・怠惰。
まァ、そうだろう。
しかし、その はなしの原典、昔ばなしの そのさらに昔ばなしは、エロだったり、残酷だったり。

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こんなパン屋のイートインカウンターで読み始め。

六部殺し(ろくぶころし)、蛇の婿入り(へびのむこいり)、俵薬師(たわらくすし)など11話。

六部とは全国を行脚してまわる修行僧。
ある六部が、貧農家夫婦のもとに一夜の宿を求める。
その六部が背負ってきた荷物の中に大金があることを知った夫婦。
妻は六部に自分の体を抱かせ、寝入らせる。
寝入った六部の首を夫がカマではねる。

殺した六部のカネで裕福になった夫婦に、子が生まれる。
その子は何年たっても話さず歩かず。
ある夜、突然 話し歩き出した子の顔が あの六部の顔に。
夫は子を殺し、妻を殺し、自身は首を吊る。

本夕、読了。

信仰による救いがなく
ヒーローも現れず
偶然によってもたらされる幸せなどなく
エンドがハッピーでなく
ヒトはあっけなく死ぬ

「日本昔ばなし」の原典に書かれているのは、現実の厳しさ(^^;

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2023年10月15日 (日)

羊蹄山麓にて

芽吹きの春が奇跡の季節なら、枯れの秋は必然の季節。
秋晴れに誘われ、登山靴を持って羊蹄山(1898メートル)まで。

この時季の ここを表現するのに必要な秋色は、赤・黄・茶、そして青。
しかし、つい この間まで、暑くて熱い夏だったせいだろう。
この地の秋色は進んでいない。

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秋の濃い青空に羊蹄山。
左手の赤はサルビアの花。
右手の赤はホウキグサ。

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2023年10月14日 (土)

『さみしい男』を読む

文化審議会が答申し、内閣が告示する常用漢字表には、〝寂〟はあるが〝淋〟はない。
その〝寂〟の読みだが、
 音読みで、ジャク(静寂:セイジャク) セキ(寂莫:セキバク)
 訓読みで、さび (寂しい:さびしい 寂れる:さびれる)
〝さみ・しい〟とは読まない。

〝寂しい〟の語源は、古代の〝さぶ・し〟、〝さび・し〟。
〝さみ・しい〟という発音は比較的最近、江戸になってから。

本書名の『さみしい男』は、もっともっと最近。
21世紀の〝男〟。

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こんな飯屋で読み始め。

著者は、教育学・心理学の専門家。

〝さみしい男〟とは、
 どこにも居場所のない中年男
 女を口説けない若い男
らのこと。
 恋愛しない男
 コミュニケーションできない男
そんな〝さみしい男〟から抜け出す道を探り、これからの男たちの生きる指針を提示する。
と、著者。

本夕、読了

女性から見た男性、
 いい人は多いけれど、いい男はいなくなった
らしい。
 疲れている男、女を口説けない男は魅力がない
とも。

そんな〝さみしい男〟から抜け出すための、著者の提言は、
 自分に自信があること
 仕事ができること(打ち込んでいるものがあること)
 前向きなこと
 自分らしい生き方ができること
 自分の内心を自分の言葉で表現できること
 心からのコミュニケーションができること

と、しごく当たり前。
これができないから、さみしくなる。
で、これをできるようにする処方は書かれていない。

もっとも、そんな処方を求める男は、〝さみしい〟を通り越して〝終わってる〟(^^;

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2023年10月12日 (木)

『うまみの誕生』を読む

コンブからはグルタミン酸。
カツオブシからはイノシン酸。
シイタケからはグアニル酸。
本書には、これら うま味成分についても書かれているが、著者の専門は微生物学。
その専門知識と歴史の博識を重ね、パン・酒・漬物・お茶等々、古代から現在にまで伝わる発酵食品の話が続く。

副題が『発酵食品物語』。

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こんな喫茶店で読み始め。

一夜漬けや酢漬けなら、サラダみたいなもの。
発酵させてこそ漬物。

ニシン漬けなら北海道。
いや いや いや
海のない飛騨の国(岐阜県)のニシン漬け(にしんずし:ねずし)。
これも なかなか。

塩でしめたサバを、日本海側から京都に運んだサバ街道は有名。
同じく塩でしめたニシン。
それを飛騨に運んだニシン街道もあるはず。

本夕、読了。

茶の歴史が書かれている。
中国南部やタイやミャンマーには、乳酸発酵させた茶の漬物がある。
茶の元々は、食用だったようで、飲用の始まりは2千年ほど前かららしい。

〝お~いお茶〟の発売は1985年。
冷たいお茶を飲むようになったのは、2千年の茶の歴史の中では、ごく最近のことになる。

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2023年10月 9日 (月)

『岩魚の休日』を読む

著者は、2018年死去した 桂 歌丸。

〝岩魚〟は渓流の王様。
〝イワナ〟と読む。
一方、渓流の女王は〝山女魚〟。
〝ヤマメ〟と読む。(注)
いずれも清らかな冷流に棲み、イワナのほうが上流域に棲む。
渓流釣りの好対象魚。

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こんな飯屋で読み始め。

著者は横浜生まれ。
幼少時より、海で竿を出し、長じて船で竿を出し、ヘラブナに竿を出す。
その後、釣魚が絞られて、湖でのワカサギと渓流でのイワナ・ヤマメ。

副題は、
 釣れてよし、釣れなくてよし、人生竿一竿

 釣れなくてよし・・・

私もそう。
 釣ってりゃ楽しい、釣れりゃァなお楽しい

本夕、読了。

落語家稼業ゆえ、1年の3分の1は旅暮らし。
アッチへコッチへ。
丸々1日拘束される仕事でもないし、酒は飲まない。
で、川でも旅館の池でも、水のあるところはどこででも。

仕掛けは全て自作。
魚信を求めて、20キロを歩くことも苦にしない。

1束(そく)は、100尾のこと。
300尾なら、3束。

このヒトには、さらに上の単位が必要。
ワカサギなら10束超え。

〝釣りの合間に高座に上がる〟というのがオチ。

(注)
北海道では〝ヤマベ〟と発音するのが普通。

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2023年10月 7日 (土)

『捜索者』を読む

作は谷口ジロー。
彼の作品は、拙ブログの一昨年の10月に、
 『K』を読む
また、同年11月に、
 『猟犬探偵』を読む
として、記事にしている。

『K』にしても『猟犬探偵』にしても、作画こそ谷口ジローだが、原作者は別にいた。
が、本書『捜索者』は作・画とも谷口ジローによる。

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こんな飯屋で読み始め。

本書の発行は、つい一昨日。
10月5日。
もっとも、初出は99年でビッグコミックに連載されていた。

彩色された全1ページが、本書のスタート。
青空の雲を背に残雪の山。
手前の緑の斜面に、チョウノスケソウか。
高山植物の群落。
そこに、中原中也の詩『春と赤ン坊』の前半分の節が。
 菜の花畑で眠つてゐるのは……
 菜の花畑で吹かれてゐるのは……
 赤ン坊ではないでせうか?

本夕、読了。

山で親友が遭難死する。
幾年か後、遭難死した親友の中学生の娘が失踪する。
山で暮らしていた主人公が山をおりて、東京渋谷で その娘を探す。

山を歩く者は皆 ロマンチスト。
マンガ家も皆 ロマンチスト。

マンガ。
だからといって、主人公のとんでもない体力・知力・ケンカ強さ・打たれ強さ、ご都合主義なストーリーが許されるわけではないけれど・・・

マンガ。
だから、主人公のとんでもない体力・知力・ケンカ強さ・打たれ強さ、ご都合主義なストーリーは許される・・・

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2023年10月 1日 (日)

『皮膚のふしぎ』を読む

サハリンに住む3歳の男児コンスタンチンが、全身の80%に負った重度のやけどの治療のために札幌に緊急搬送されている。
ソ連邦の崩壊は1991年。
その前年の1990年のこと。

2019年の京都アニメーション放火殺人事件。
容疑者は、自らも重度のやけどを全身の93%に負い送院されている。

いずれも、救命された。

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こんな喫茶店で読み始め。

著者は皮膚医学者。

皮膚の最外層が角層で、その厚みは0.2ミリ。
すでに死んだ細胞だが、病原体(ウイルス・細菌・アレルゲン)や異物(花粉・ホコリ・大気汚染物質)を物理的にブロックする。
それをくぐり抜けた病原体や異物に対しては、免疫機能を活動させる。

ところで、整形外科で処方される消炎湿布薬のモーラステープ。
これは私には 素晴らしくよく効き、貼って10秒もすると筋肉にまで薬効が届く。

ブロックする仕組みは分かった。
が、本書、薬効成分を通過させる仕組みの説明はない(^^;

本夕、読了。

口から肛門までは つながった1本のクダ。
皮膚は人体の外側だが、口から肛門までのクダの内側も外側だと言えないこともない。
安部公房は、ヒトはクダのような存在だと書いている。
黒鉄ヒロシにいたっては、マンガ 赤兵衛 で、ウエットスーツを裏返すように人体を裏返ししてみせた。

本書によれば、ヒトの皮膚1センチ平方あたりには、数十万から数百万の細菌(皮膚常在菌)が棲息しているそう。
腸内細菌は40兆個。

ヒトは やはりクダなのかもしれない。
本著者は、皮膚免疫と腸内免疫の関係に触れ、皮膚常在菌と腸内細菌の相互関係の研究に深い関心を示す。

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