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2022年12月

2022年12月31日 (土)

『なぜ日本人は賽銭を投げるのか』を読む

著者は、史学を専攻した民俗学者。

ローマのトレビの泉では、噴水に背を向けてコインを投げ入れる。
岩手の龍泉洞内にある深い地底湖。
その底には、やはりコインが投げ込まれている。

キャッシュレス化が進む中国では、物乞いさえもQRコードを掲げる。
しかし、コインを受ける入れ物も置かれている。

三途の川の渡し賃は六文。
今は、棺の中に10円玉を何枚か入れる。
投げ入れはしない。

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こんな喫茶店で読み始め。

棟上(むねあげ)式でモチをまくのは普通だった。
白い紙に包まれた中には、モチと一緒に5円玉が入っているものもあった。
最後に見たのは いつのことだったろう。
ここ 20年も30年も、見ていない。

大相撲や歌舞伎。
満員御礼で関係者に配られる大入り袋。
大相撲では10円玉、歌舞伎では100円玉が入っている。
これは手渡し。
報道関係者にも配られるようで、大相撲の実況アナウンサーが、
「本日、場所三日目ですが、中入り前に大入り満員、札止め。
 我々報道陣にも大入り袋が配られました」
と。

本昼、読了。

中韓から必ず遺憾の意を表明される閣僚の靖国参拝。
祭壇に向かって二拝二拍手一拝。
その前に、確かに500円玉を賽銭箱に投げ入れる。

なぜ日本人は賽銭を投げるのか。
著者は、次のように説明する。
ナマミの人間はケガレている。
ケガレの清浄を願って、人間同様ケガレている貨幣と共に賽銭箱に投げ入れる。

この説明は説明になっていない・・・
なっていないが、日本人は賽銭を投げるために神社に向かう。
明日は、その様子がニュースになる。

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それほど悪くはなかった3割人生

1日は24時間
よって、
1年は8760時間
印象的な数字なので、忘れない。

以下、私の場合・・・
30パーセント、2600時間が睡眠。
さらに、それに増す40パーセント、3500時間を、ただただボーっと(^^;
忘我とは言うけれど、忘れる〝我〟さえない(^^;
残りは、30パーセント。
あァ、我が3割人生(^^;

そんな3割人生の日々だった今年。
まァ、しかし、それほど悪くはなかった(^^) 

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こんな好天の日、こんな海域で魚信を待った日もあった。

良いお年を。

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2022年12月29日 (木)

『重力とは何か』を読む

重力波を直接観測する設備は大規模、かつ精緻。
米国・イタリア・ドイツ・日本で、その設備の建設が進む。
設備の完成の先頭は米国。
その完成の翌々日に、重力波の検出に成功している。
その発表の翌2017年、この功績に対し、ノーベル物理学賞が与えられている。

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こんな飯屋で読み始め。

本書の初版は2012年。
重力波の直接観測の前。
重力波の直接観測の前ではあるが、その存在を微塵も疑わずにページが進む。

電磁気力は作用する相手によって強さが変わり、また遮ることができる。
対して、電磁気力に比べると はるかに弱い重力は全てのモノに等しく作用し、また遮ることができない。

この弱い力の重力がもっと弱ければ、誕生後の膨張が速すぎて宇宙が急速に冷え この世は永遠の闇。
この弱い力の重力がもう少し強ければ、誕生後の宇宙は膨張できずにつぶれる。
我々の宇宙が成り立っているのは、重力が〝ちょうどいい〟強さであるからだと著者は言う。

本夕、読了。

はたしてそれが偶然なのか、そうなる必然性を持つ原理なのか。
副題の『アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る』ことに、重力が重要なカギとなる。
で、『重力とは何か』。
我々が重力によって地面にくっ付いているのを当たり前だと感じているが、それが本当に当たり前なのかどうかは、まだわかっていないのだという。
って、分かったふうに私は書いているが、その通り 分かった〝ふう〟(^^;

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2022年12月25日 (日)

『はちみつの教科書』を読む

本書、タイトルは〝はちみつ〟だが、本文中の表記は〝ハチミツ〟と表記にブレがある。
拙ブログ記事では、以下、〝ハチミツ〟で統一する。

本書によれば、
 1位:オリーブオイル
 2位:牛乳
 3位:ハチミツ
世界のマーケットに出回っている、混ぜ物によって偽装されている食品の上位3者なのだと。
日本のマーケットに限れば、オリーブオイル・牛乳の上にハチミツだろう。

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こんな喫茶店で読み始め。

山を歩く者のザックに入っている非常食の定番は、ハチミツかコンデンスミルク。
常温下でも長期間保存がきき、重量当たりの熱量が大きく、流動性があることが山の非常食として選ばれる理由。

ハチミツの重量成分比は、大雑把に丸めると、
 果糖(フルクトース) 40%
 ブドウ糖(グルコース)30%
 水分         20%
 その他        10%
要するに、ハチミツは単糖の果糖とブドウ糖がほぼ全て。
ハチミツの腐敗しにくさ、抗菌性の高さは糖濃度の高さと水分量の低さによる。

著者は、この単糖の果糖とブドウ糖が、二糖のショ糖(スクロース:砂糖)より人体に好影響を与えることを強調する。

ところで、ショ糖は小腸にまで達すると果糖とブドウ糖に分解する。
ヒトの体は、この分解と血糖値を上げる能力が素晴らしく、山でバテた時、チョコレートやキャンディを口にすると ほんの数秒でそれを実感できる。
ハチミツの効能を言うのならば、糖としてのハチミツではなく、〝その他〟について追及してほしいと思う。

本夕、読了。

本書、落ち着いて読めるページもあるが、〝波動〟・〝周波〟・〝スピン〟などと、何だかなァのページも多い。
量子力学萌芽期ならともかく、現代量子力学で使う〝スピン〟はクルクル回る〝回転〟とは全然違う概念。
助言者、代筆者の手が入っているのかもしれない。
もし、全ページ 一人で書いたとしたら、自身の守備範囲外のところに手を突っ込み過ぎている。
分からないことは分からないでいいと思う。
知らないことは知らないでいいと思う。
なのに、書く。
で、科学性を大きく損ねているところが散見。

読み終えて感じるのは、定量性に富んだ本を読みたくなること。

私の背負うザックに入っている非常食は、コンデンスミルク。

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2022年12月22日 (木)

『北海の狩猟者』を読む

根室原野。
そこで、30頭以上の乳牛を殺したOSO18。
仕掛けたカメラがその姿をとらえている。
夜間。

仮に、OSO18の移動ルートを予測できたとして、夜間、待ち伏せして撃とうとしてもダメ。
『鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律』第三十八条は、
 日出前及び日没後においては、銃器を使用した鳥獣の捕獲等を
 してはならない
つまり、夜間は発砲できないという時間的オフサイド規制がある。
OSO18、すでに冬の眠りに入ったか・・・

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こんな飯屋で読み始め。

以前、北海道の山を駆け巡り、クマを撃ちシカを撃つ猟師を生業とするヒトの書いた『羆撃ち』を読み、えらく感動した
『羆撃ち』の著者の生年は、1947(昭和22)年。
その『羆撃ち』の著者が、本書を解説している。

一方、本書『北海の狩猟者』の著者の生年は、『羆撃ち』の著者より半世紀以上早い1892(明治25)年。
開拓期の根室原野に住み、前人未踏の地を歩いてクマを撃ち、川で竿を出す。
遠い時代の北海道。
夢のような話もある。

本夕、読了。

1日に山女魚(ヤマメ:北海道では〝ヤマベ〟と発音するのが普通)を釣りも釣ったり400尾。
それを連続30日。
17キロを超えるイトウも釣り上がる。
そんな夢のような川での釣りの話が、4つ5つ。

大グマと出会い、とても撃ち獲れないと命からがら逃げ帰る。
そんな怖い話も2つ3つ。

悲しい話もある。
猛吹雪の日、娘は学校から帰らなかった。
翌朝、娘は同級生3人と共に雪の下から冷たくなって見つかる。
娘が通う小学校と自宅の距離は、わずか60メートル。

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2022年12月18日 (日)

『「お通し」はなぜ必ず出るのか』を読む

〝お通し〟とか〝チャーム〟。
〝チャージ料〟、〝サービス料〟とは違う。
〝お通し〟は、オーダー品が出てくるまでのつなぎのツマミ。
無料ではないから、
 「頼んでいない」
 「だから、支払わない」
と、メンドクサイことを言う客もいるらしい。

ンなヒトとは、席を同じくしたくない(^^;

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こんな喫茶店で読み始め。

産業の米、鉄鋼業界の市場規模は17兆。
産業のコメ、半導体業界の市場規模は衰退著しく、4兆。
産業の血液、電力業界の市場規模は20兆。
飲食業界は、これに匹敵する20兆。
市場規模11兆のコンビニエンスストアの倍。

著者は経済学を学び、大手広告代理店で従事したのが、飲食品のマーケティング。
その後、飲食業界のプロデュース・コンサルティング会社を起業・経営しているヒト。
飲食業界で成功した店も 沈んでいく店も あまた見てきている。
なので、副題が『ビジネスは飲食店に学べ』。
だが、本書を読んでもビジネスは分からない(と思う)。
また、本書を読んだからパッとしない飲食店を繁盛する店にできるとは限らない(と思う)(^^;

本夕、読了。

普段ロクなモノを口にしていないから、鍛えられた舌を持っていない。
なヒトが、ウマい・マズいを発信するネット社会。
飲食店がなければないで とんでもなく困った事態になるわけでもないところにもってきて、ンなヒトの飲食レポ。
経営者は大変だろうと思う。

大都市のビジネス街。
営業は、平日の正午を挟んで せいぜい3時間。
メニューは、Aセット・Bセット・Cセット。
これで長いことやっていってるところがある。
何だかんだ言って、地の利は強い。

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2022年12月10日 (土)

氷かきから

夜の雨が未明の冷え込みで凍り、朝は車のウインドゥの氷かきから。
KON-chan号出航前の作業も、ウインドゥの氷かきから。

9時、出航。

南北に細長いバラ根にワームを入れる。
が、すでに西風が吹き出し、数秒で根を横切ってしまい釣りにならない。
で、東西に広い根へ。

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今日の出竿は、こんな風景の見える海域。

バラ根で時間を使い過ぎた。
日差しがあり、悪くない海況に見えるがウサギが跳び始めている。
海水温11℃。

西風いよいよ強く、我が艇の装備力では釣りどころか沖にいること自体が無謀。
で、1時間半かけて帰港。
途中、ベイトの反応があり、かなり大きな鳥山のたつ海域を通過したが、ジグの1投さえもできず(^^;

ボーズ(^^;

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2022年12月 4日 (日)

『日本語通』を読む

日本語の漢字廃止論は明治前からあった。
ひらがな・カタカナまでも廃止し、ローマ字化すべしとする論さえ、明治の政界・学界から出ている。
現在でも、ローマ字表記で出版される書籍がある。

それはしかし、文字だけのこと。
国語自体を他言語と入れ替えるべきという話はない。

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こんな飯屋で読み始め。

日本における終戦記念日は、8月15日。
対して、対日戦勝記念日は、
 英 国:8月15日
 韓 国:8月15日(光復節)
 北朝鮮:8月15日(解放記念日)
 米 国:9月2日
 ロシア:9月2日
 中 国:9月3日
米露中の対日戦勝日の認識は、降伏文書への署名が9月2日だったことに因む。
降伏文書への日本・連合国代表の署名は2日午前9時ちょっと過ぎに終わり、それから1時間も経ずして、
 「翌3日10時から、日本の公用語を英語とする」
旨の文書が、連合国(米国)から日本政府に渡されている。
連合国の要求を当時の日本政府がのまなかった(のめなかった)ことを〝幸か不幸か〟 と問われれば、〝大いに不幸〟だと私は思う。
結局、インド、フィリピンのように、現地語と英語を公用語とする 国に日本はならなかった。

表記法の若干の整備と、漢字の旧字体から新字体への整理(例:國 → 国)と、使用漢字数の制限(当用漢字、現 常用漢字)こそ成されたが、日本語は変わらずに日本語でいる。

 インド人僧侶が中国経由で渡日する過程で、漢字で表記し直したインド名
 漢字で書かれた仏経典の今に伝わる読み方
 能楽での発声
等々から、古代日本語の発音にせまる研究手法は、科学的で説得力がある。

本夕、読了。

50音表の、あ行 と や行 と わ行、
 あ い う え お
 や
 わ ゐ ゑ を 
の、
 い と と ゐ
 う と
 え と と ゑ
 お と を
のそれぞれの発音は違う。
ただし、い の発音だけは証明に足る裏付け資料が未発見なのだとか。
仮に い がなくとも、古代人は我々現代人よりも、多くの発音数を持っていたことになる。

話は元に戻る。
志賀直哉は、
 「フランス語を国語とするべき」
と主張したと本書にある。

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