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2022年10月

2022年10月29日 (土)

『日本の名列車』を読む

日本の新幹線網の総延長距離は、3千キロ。
中国の高速鉄道網(日本の新幹線に相当)の総延長距離は、3万キロ。
中国の人口は日本の10倍。
だから、日本の10倍の距離は、人口比に見合っているが、さらに万の単位で延線される計画。
日本の25倍ある中国の国土面積の大きさゆえ。

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こんな飯屋で読み始め。

ところで、日本の新幹線になくて、中国のそれにあるのは寝台車。

今、国内で定期運航する寝台列車は、
 サンライズ出雲
 サンライズ瀬戸
のみ。
本書では、今はなき、あるいは今も走る特急・急行、寝台列車が語られる。

著者は、鉄道ジャーナル社を創業、そこを経営しつつ、月刊『鉄道ジャーナル』・『旅と鉄道』の編集長を務め、2015年に死去した竹島紀元。
彼の文章を背中や脇腹にこそばゆさを感じずに読み通せるヒトは、その列車に乗った経験のあるヒトだろう。
例えば、こんな文章・・・
 旅人たちは 軽い鉄輪(わだち)の響きに身を任せて思い思いに
 かりそめの夢路を辿る。
 鉄路に星影が散る夜半(よわ)・・・、ブルートレイン<日本海>
 は暗い山河に一筋の光芒を淡く放って遥かなる北への旅路を駆け
   続ける。

本夕、読了。

国縫から瀬棚までの50キロを結んでいた瀬棚線の廃線は、1987年、国鉄がJRに移行する2週間前。
その代替として、函館バスが長万部・瀬棚間を運行している。
定期営業バスは、運輸局が許可した停留所以外では乗降できないのが決まり。
が、長万部・瀬棚間の途中の閑散部ではフリー乗降制が承認されている。
停留所以外でも、手を上げればバスは止まってくれる。

その鉄道版が、米国アラスカ鉄道。
線路脇で白い旗を振れば、列車が止まってくれる。
サントリーオールドの古いTV-CMで、その様子を見ることができる。
このCMでは、開高健が白い旗ではなく星条旗と日章旗を振って列車を止めている

私は、乗車時にどうしたことか左足の靴を車両とホームの隙間に落とし、列車の出発を止めたことがある(^^;

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2022年10月23日 (日)

『ヤンキー経済』を読む

〝イカレタ〟・〝ツッパリ〟・〝ワル〟・〝トンガリ〟の度がやや過ぎた少年少女が〝ヤンキー〟。
しかし、本書で言う〝ヤンキー〟とは、その度がかなり薄い。
著者はその層を〝マイルドヤンキー〟と呼ぶ。

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こんな、喫茶店で読み始め。

普段乗りの小さな車と、3列シート7人乗りのワンボックスカーを持っている、あるいは持ちたいと考える交友範囲の広さを持つ者たち。
手の届かないようなことは語らない。
 「月収があと5万増えれば」
と言うくらいがせいぜいのヤンキー。

ヤンキーが、決して世の消費動向のリーダーでも、世論を形成する主勢力層でもないのだが、『消費の主役・新保守層の正体』が、本書の副題。
ヤンキーは、現在の
 消費の主役
 新保守層
だと、著者は言う。

本夕、読了。

年配者は、若いヒトの考えていることが分からないと言う。
我々が若かった時も、はっきりと考え、言い、行動する者は少数だった。
そういう少数者が周りから一目置かれるかというと、そうでもなかった。
同世代層内にもギャップはある。
世代間にギャップがあるのはなおさらのこと。

著者は、博報堂の若者研究所のリーダー職。
ヤンキーが新保守層なのは、どうやら確からしい。
ヤンキーが消費の主役とまでは、さて、そこまでいっているとは思えない。
ヤンキーを消費の主役としようとする、広告代理店としての博報堂の意思表明が本書だろう。

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2022年10月15日 (土)

『ホワイトハウスの職人たち』を読む

日本国首相が住むのは、首相公邸。
執務場所は、公邸から100メートルばかりの首相官邸。
職住近接。
政権が変わっても、行政官僚は変わらない。

米国大統領が住むのは、ホワイトハウス。
執務場所も、ホワイトハウス。
職住一体。
米国大統領の任期は4年。
夏季オリンピックの年毎に選挙がある。
2選までしか許されないから、世界第1位の権力者の任期の最長は8年。
政権が変われば、行政スタッフの高位ポストに就いている者は総入れ替え。

政権が変わっても、ホワイトハウスで働き続ける者が80人ほどいるという。
 大統領一家の毎日の食事を用意する料理人
 掃除・洗濯をするメイド
 会議室に花を飾るフラワーデザイナー
その他、電気工・庭師・大工など。
それが、〝ホワイトハウスの職人たち〟。

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こんな喫茶店で読み始め。

著者は、韓国の大学を出、ソウル放送局記者を経て、日本の経済産業研究所や米国の大学などで研究員を務め、現在はワシントンに在住する韓国人ジャーナリスト。

ジェームズ・カーター
ロナルド・レーガン
ジョージ・ブッシュ(父)
ウイリアム・クリントン
ジョージ・ブッシュ(子)
の、5人の大統領とその家族のために、60歳になるまでの25年間、デザートを作り続けた菓子職人がいる。
25年間、9100日の間に作った菓子は3000種。
大統領の夏休みと外国訪問期間だけが、菓子職人の休暇。
ホワイトハウスに大統領がいる時は、前日から仕込みを始め、大統領の職務終了後に帰宅。
1日の労働時間は、16時間を超えたという。

ところで、民主党員より共和党員のほうがデザートに関心が高いと、ホワイトハウスの菓子職人談。
現米国大統領のジョー・バイデンは、民主党員。
デザートに面倒くさい注文をつけない大統領かも。

本夕、読了。

米国は移民の国。
上記の菓子職人も、フランス生まれ。
9歳でパン屋の丁稚奉公を始め、ドイツ、英国と菓子職人修行。
その間に、ドイツ語と英語と栄養学を身につけ、米国に渡り、ホワイトハウスにスカウトされる。

ホワイトハウスの菓子職人にとって、栄養学は必須の知識。
ホワイトハウスにいる間に、体重を増やした大統領はいないらしい。

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2022年10月13日 (木)

『離島を旅する』を読む

真夏の晴れた正午の砂浜。
その砂は熱く焼け、裸足ではとても歩けない。

ところが、沖縄や八重山の島々の砂浜は裸足で歩ける。
南の島々の海岸の砂は、石灰のカラを持つ生物(有孔虫)の死骸の集積。
気孔率の高いカラは蓄熱量が少ない。
加えて、日光の反射率が高い。
熱くならない。

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こんな喫茶店で読み始め。

西表(いりおもて)島は、若い島。
移住民が、ことごとくマラリアにたおれ、家系が続いていかない。
西表島でマラリアが根絶されたのは、1960年代になってから。
自然が守られた理由がそれ。

自然を求め島に来ようとするヒトは多い。
それらのヒトのための観光施設・宿泊施設ができる。
資本もそこで働く者も、多くは島外から。

本夕、読了。

朝刊に折り込まれて配達されるイオンやコープの広告。
あの大きさが、B4判。
かつて、石垣島や西表島で読まれていた『八重山新聞』が、B4版、ウラオモテ1枚ぺら。
テレビ・ラジオ番組欄に載っているのは、NHK第1と第2だけ。
民放の電波は届かない。
トップ記事が、『幼稚園に新教諭』だったり。

そんな頃の八重山の島々を、私は歩いたことがある。

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2022年10月 9日 (日)

『北のそば屋さん』を読む

収穫の秋。
新ソバで打っている旨を表示する店が そろそろ出る頃。
もっとも、私の舌は子供。
新米も古米も、新ソバも古ソバも区別できない(^^;

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こんなソバ屋で読み始め。

カラーで印刷されているのは、ソバ屋の店内外、卓上に供されたソバ。
アート紙で製本されているから、ズッシリと重い。
それがいい。
著者が、ひと押し ふた押しする道内のそば屋が120店紹介される。
北海道なら やはり札幌。
紹介されている七割がたが札幌の店。

私の昼食圏内の室蘭・登別にも すぐに思い浮かぶソバ屋が何軒かあるけれど、本書での紹介はない。
人口3万人の伊達市から2軒。

本夕、読了。

亡母の出が滋賀。
なので、長じるまで、私はソバを食べたことがなかった。
ウドン。
それも、キツネウドン。

〝ソバ〟と〝ウドン〟の合盛りは、さすがの私でも味の区別ができる。
が、いまだに、〝更科そば〟と〝田舎そば〟の合盛りの味の区別ができない(^^;

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2022年10月 8日 (土)

『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか』を読む

ロシアとは地続きのフィンランド。
接する国境線の長さは、1300キロ。
そのフィンランド、第二次世界大戦ではドイツ側に付き、ソ連と戦っている。
結果、フィンランドは第二次世界大戦の敗戦国。
戦後、フィンランドは、政治は民主主義、経済は資本主義、軍事的には中立、外交政策はソ連寄りを取ることで、かろうじてソ連の衛星国とならずにいた。
この国家運営方針を〝フィンランド化〟という。

そのフィンランドが軍事的中立政策の方針を転換、ロシアと対抗する軍事同盟のNATOの加盟国になろうとしている。
フィンランドがフィンランド化を捨てた。

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こんな飯屋で読み始め。

著者は、フィンランドに留学後、フィンランド企業に勤め、現在は在日フィンランド大使館職員。

フィンランドの国土面積は、日本とほぼ同じ。
国民数は、北海道と同じ500万とちょっと。
そんな小国だが、国際企業のノキアやメッツォはフィンランドの会社。

国内総生産(GDP)を、上から並べると、
 米国
 中国
 日本
 ドイツ
 英国
フィンランドは、46位。

しかし、これを、国民一人当たりでみると、
 ルクセンブルク
 アイルランド
 スイス
 ノルウェー
 シンガポール
日本は4万ドルで28位。
フィンランドは5万ドルで13位。

著者は、本書の初めのほうで、フィンランドについて、
 一人当たりのGDPは、日本の1.25倍
だと、強調する。

数字はそうだが、こういう論調はイヤらしい(^^;
本書に書かれているのは、国の品位、国民の感情。
その情緒・感覚を、貨幣価値や入手の困難さで評価しようというのは下品極まりない。
ンなヒトの書くフィンランド論は、しょせん、ンなヒトのフィンランド論・・・

本夕、読了。

『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか』
それは、午後4時までしか仕事をしないから。
なのに、なぜ、一人当たりのGDPで日本を上回るのか。
職能重視にプログラムされたフィンランドの教育制度。
高密度・高濃度で実務に取り組むフィンランド人の気質。

日本人気質では、それはできない(ように思う)。
日本では、
 営業活動と称する、入り口での世間バナシ、出口での飲みニケーション
 始業前後と終業前後の与太バナシ
 ダラダラ・グダラグダラとは言わないまでの、長時間だがユルユルの就業態度
 業務活動の一環としての、飲み会、ソフトボール、ボーリング、ゴルフコンペ
そんなことだから、一人当たりにしてみれば、この程度のGDP。
でも、思う。
それで、いいじゃないか、と(^^;

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2022年10月 1日 (土)

食わせられない(^^;

今日からマリーナの営業は冬時間。
9時、出航。

イカがいいと聞いていたので氷を20キロ搭載したが、イカ海域までは遠い。
この時刻だと出遅れ。
で、サバに相手をしてもらう。

大黒島を背に沖に向かうと、50メートル海域付近に船団が形成されていた。
イワシが大型魚に食い上げられたあとらしく、海中にウロコが光る。
濃いベイトの反応もある。
が、私の竿は一向に曲がらない(^^;

65メートル海域まで船を進めた。

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今日の出竿は、こんな風景の見える海域。
良ナギ。
気温も上がり、Tシャツ・ハーフパンツ・サンダル履き。

この画像の背中側では、
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トリが騒ぐ。
あちらこちらで水しぶきが上がる。
ジグを放って早曳きすると、それを追うワラササイズが見える。
しかし、私のやること。
食わせられない(^^;

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掛かったのは、サバばかり。
まァ、これがKON-chan流。
30尾ばかり掛けて、首を折って放血、氷漬けとした。

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