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2022年8月

2022年8月29日 (月)

思っただけ

週末は雨に風。
明けて今日。
天気予報には、〝日射し〟とか〝風は弱い〟とか、釣り師に好ましいフレーズが。
あれこれあって、今日の私は公休。

サカナ釣りばかりしていると、バカになる。
で、今日は魚類ではなく、頭足類。
〝サカナ釣り〟ではなく、〝イカ付け〟。

5時、出航。

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今日の出竿は、こんな風景の見える海域。

気温14℃。
なのに、Tシャツにハーフパンツ。
それとサンダルと、マヌケファッション。
なもんだから、寒い。
8月なのに、太平洋に向かってオシッコをしたら、ブルっときた(^^;

やがて、天気予報通り〝日射し〟。
しかし、〝風は弱い〟はアタらず。
波の頭が白く崩れだした。

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これだけ上げるのがやっと。

早上がりして、波に正対して帰航。
10ノットでチンタラチンタラ噴火湾まで戻ると、〝風は弱い〟が具現。
振り返り見る海域も。おだやか。
よほど、イカ場にもどろうかと思ったが・・・
思っただけ。

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根は不釣。
50センチあるかないか。
いや、ない(^^;

 

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2022年8月27日 (土)

『サムライと英語』を読む

明治まで あと15年の1853(嘉永6)年。
ペリー率いる米国東インド艦隊の4隻の黒船が、東京湾口 浦賀沖に錨を入れる。

長崎の出島のオランダ商館を通じて、幕府は世界の近況をよく知っていた。
なので、この黒船が来ること、さらにはその来航の目的までも、幕府は1年以上も前から知っていた。

元国連事務次長の明石 康(あかし やすし )と、NHK「英語でしゃべらナイト」取材班の共著。

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こんな喫茶店で読み始め。

協働・協業の場では、組織内・間で、情報の共有、風通しの良さ、縦串を刺す、横串を刺すことの重要さが言われる。
が、今の世でも、過ぎた世でも、今後の世でも、同質の情報を上の階層から下の階層まで そろって共有できるはずがない。
そうであっていいはずもない。
下々(しもじも)は蚊帳の外。
そういう言い方が悪ければ、上位層のみが持つべき情報というものはある、と言い換えよう。

というわけで、浦賀奉行所に詰めていたサムライには、黒船が来航することは知らされていなかった。
浦賀奉行所の通詞(通訳)のサムライが使える外国語はオランダ語。
浦賀奉行所のサムライは、いかにこの事態に対峙したか。

ペリー側も、オランダ語を使える者、中国語を使える者を同行させて来ていた。
で、日米はオランダ語を介して通じ合うことになる。

本夕、読了。

艦内に招き入れられたサムライは、教養の高さをペリーらに感心される。
米国人が見せる地球儀に、サムライはワシントン・ニューヨーク・イギリス・フランス・デンマークを的確に指し示したという。
また、トンネル技術や蒸気機関のみならず、進捗中のパナマ運河の工事にまで及ぶ質問をサムライはしている。

オランダ語を学んでいたサムライが、この頃から英語へと学びの方向をシフトし、それがまたとても熱心。

シャープは台湾資本、経営トップも台湾人、
が、社内公用語は英語。
日産もルノーが筆頭株主で、トップにフランス人が就いていたこともある。
しかし、社内公用語は英語。
それらの会社が英語を使う事情は分かる。
ところで、ユニクロ(ファーストリテイリング)や楽天が社内公用語を英語とするのは、シャープや日産とは違う理由だろう。
何だかんだと提供される話題に軽さを感じさせる両社だが、トップの思いは幕末のサムライに近いのかもしれない。

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2022年8月22日 (月)

『なぜかいい町 一泊旅行』を読む

著者は、ドイツ文学者。
教授職にいた大学を56歳で早期退官、以降、フリーランスの文筆家。
著者は、長く日本全国を東に西に、北に南にと旅行してきたヒト。
本書におさめられているのは、16編、15の町と1つの村を訪れた紀行文。

本書中のイラストも著者による。
上手い絵ではない。
しかし、これがいい。

橋の欄干を支えにして、川の上流に向かって立ち、スケッチブックに筆を走らせているヒトを、私も、あの町、この町で見たことがある。

シライデザインの帆布のリュックに、折りたたみ傘と文庫本を入れて、私も随分とあちらこちらの町を歩いた。
小さなリュックだが、A5版のスケッチブックなら入るだろう。
それを背負い、私も、汽車に乗り、バスに乗ろうと思う。

北海道は3町、斜里町・上川町・岩内町を歩いた話。

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こんな喫茶店で読み始め。

東にドーンと独立峰の羊蹄山(1898メートル)。
その西に順に、
 ニセコアンヌプリ 1308メートル
 イワオヌプリ   1116メートル
 ニトヌプリ    1080メートル
 チセヌプリ    1134メートル
 シャクナゲ岳   1074メートル
 白樺山       959メートル
 前目国内岳     980メートル
 目国内岳     1220メートル
と、私が山頂に立ったニセコの山々が並ぶ。
その目国内岳の山頂に立ち、歩いてきた尾根を背にする。
と、そこに見えるのが、雷電山(1211メートル)。

著者は、この雷電山に登るため、夏に岩内町を訪れる。
そして、後年、今度は冬に岩内町を訪れる。

1954(昭和29)年9月に北海道に上陸したのは、洞爺丸台風。
洞爺丸事件の起きた同じ日、この台風の風にあおられて、いわゆる岩内大火が起きる。
本書には、以下の記述がある。
 郷土館には岩内大火を伝える新聞の切り抜きがパネルにして
 あった。<中略>小さな記事に目がとまった。火事騒ぎのさ
 なか強盗殺人事件があり、二人を殺傷して犯人は逃走中。
 <中略>とほうもない海難事故と町の大火にかくれて小さな
 かこみ記事になった。<中略>作家水上勉が、<中略>強風
 と火炎のさなかの殺人事件が、小説家の想像力を刺激したに
 ちがいない。代表作『飢餓海峡』は小さなかこみ記事から生
 まれた。

岩内町の8割を焼き、死者・不明者38名を出したのが岩内大火。
港に浮かんでいた漁船も、岩内駅も、北海道・北海道拓殖・北洋相互銀行の各岩内支店も、火葬場までが消失している。

洞爺丸遭難を伝える新聞を、私も読んだ。
確かに、紙面は洞爺丸の転覆事件の記事で埋め尽くされ、岩内大火はわずか300文字ほど。
小さなかこみ記事だと言える。

本夕、読了。

水上勉が、洞爺丸事件と岩内大火を背景に『飢餓海峡』を執筆したのは本著者が書いた通り。
しかし、『飢餓海峡』中の殺人事件は、水上勉の創作。

私が読んだのは1紙のみ。(室蘭市内からアクセスできるデータベース限界)
また、私のこと、記事の読み落としもあるだろう。
という前提で言うのだが、
 火事騒ぎのさなか強盗殺人事件があり、二人を殺傷して犯人
 は逃走中。
との、本著者が言うところの小さなかこみ記事を見つけることはできなかった。
まァ、これ以上は言うまい・・・

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2022年8月21日 (日)

画像の艇は、我が艇の2.5倍

朝の気温は16℃。
涼しいというより、肌寒い。

が、Tシャツ、ハーフパンツ、サンダルで、船を出した。

今日の日出は、4時48分。
5時15分、出航。

搭載した氷は20キロ。

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今日の出竿は、こんな風景の見える海域。

大漁情報が流れていたORION ⅡのM船長に、昨日架電して教示頂いた海域。
サンクス、M船長。
M船長、2年ぶりだか3年ぶりだか4年ぶりだか5年ぶりだかに船を出し、イッパツで決めてきたというのだから大したもの。

早い内は、底を取れないほど船が流れたが、やがて風穏やか。
良ナギとなった。

強い日射で、暑い。
帽子に替え、タオルで姉さんかぶり。

濃いベイトの反応。

しかし、イカのアタリはベタ底近く、水面下140メートルから150メートル付近。

深いから、仕掛けの沈降、巻き上げに時間がかかる。
手待ち時間が長く、効率はなはだ悪し。
竿を2本出せば、漁果は上がるだろう。

と、そんな計算通りにはいかない。
我が艇、1投目からサメにまとわりつかれる。

仕掛けの全損 1
半損 2

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30ハイに、1パイ足りない。

画像の艇Sea Dragonは、我が艇の2.5倍。

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2022年8月17日 (水)

『物理がわかる実例計算101選』を読む

長さ1メートルと1ミリ、つまり 1001ミリの針金。(図の上)
その真ん中をちょっと曲げて、両端間隔1000ミリの  の字型にする。
曲げを大げさに描くと、図の下のようになる。
 底辺が 500ミリ
 斜辺が 500.5ミリ
 高さが hミリ
の、直角三角形の背中合わせ。
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この時、
「h はいくらか」
と問われたら、この直角三角形に、〝ピタゴラスの定理〟を当てはめればいい。
ピタゴラスは2500年以上も前のヒト。
〝ピタゴラスの定理〟は、中学3年生で習う。

ところで、電卓を叩く前に、 h の大きさをイメージできるだろうか。
 2ミリ
いや、
 3ミリ
でも、
 10ミリはないだろう・・・

いやいやいや。
電卓を使い、
 500.5の2乗から500の2乗を引き
 その値の平方根を計算する
と、h は 22ミリ とちょっとになる。
この値は我々の直観より、ずっと大きくはないだろうか。

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こんな飯屋で、読み始め。

さァ、我々の数量感覚を修正するために、計算しよう。

上腕二頭筋は、チカラコブのできる筋肉。
上腕三頭筋は、上腕骨を挟んで、上腕二頭筋の反対側にある筋肉。

上腕二頭筋が縮むことで、手(前腕)が上がり
上腕三頭筋が縮むことで、手(前腕)が下がる

図は、上腕二頭筋が縮んでいる状態。

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前腕は関節を支点として上下する。
前腕を上に動かす二頭筋の付いているところは、関節から5センチの位置。
関節から35センチ先に手(のひら)が付いている。

小学6年生で習う〝てこの原理〟は、アルキメデスによる。
今から2200年以上も前のヒト。

2200年前の知識をウデに適用、
 支 点:関節
 力 点:支点から5センチ
 作用点:支点から35センチ
とすると、ヒトのウデは、筋肉の出す力の、なんと 7分の1 しか手の先に伝えることができない構造になっている。
ヒトのウデは、力で大損して、距離・速さで得をするという仕組み。
二頭筋が5センチ縮めば、手の先は 7倍 の35センチ上がる構造。

その理由の、私の理解は・・・
例えば、
 うっかり、熱いモノに触れ
 アチッ
 となったとき、力はどうでもいい。
 サッとウデを引っ込めねばならない。
 というような、生命にとって安全サイドに立った構造を、
 進化の過程で人体は獲得したのではないかと。
 
本夕、読了。

ヒトのウデは、力で大損して、距離・速さで得をする構造。
だから、懸垂や腕立て伏せがツライ運動なのも、納得できる。

我が竿に掛かるサカナが小さいのは、私の上腕二頭筋に合わせて。
ということなのかも知れない(^^;

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2022年8月14日 (日)

ンなところにいたのか

雨の日の新聞は、ポリエチレン袋に入れられて配達される。
今日の朝刊はそれ。
配達時刻頃は、雨だったのだろう。
しかし、私が新聞を取るために玄関ドアを開けた時には、すでに雨は上がっていた。

日曜版の厚い新聞を読んでから、家を出た。

8時、出航。

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今日の出竿は、こんな風景の見える海域。
良ナギ。

Tシャツ、ショートパンツ、サンダル、ツバ広帽で竿を握る。
やがて、雲が割れ青空。
日射しが痛い。

25メートルくらいまで出ると、ベイトの濃い反応。
ヒラメは20メートルより浅い海域、12メートルとか8メートルとか。
が、ベイトに付いた青モノに期待して、30メートル以深に船を進めた。

と、濃いベイトの反応の真下から魚信。

ンなところにいたのか、ヒラメ(^^) 

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12時30分、沖上がり。

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2022年8月13日 (土)

『砂戦争』を読む

中国のコンクリート消費量は、年に25億トン。
米国が20世紀の100年間に使ったコンクリートの総量は45億トン。
米国が100年かけて消費した量を、中国は2年を経ずして生産し、築港、護岸、ダム、ビル、舗装へと消費する。

これは、中国の急速な発展の証でもあるし、中国の建設能力の高さの証でもあろう。
その証拠に、地上高が300メートル以上ある超高層ビルは、世界に178本。
内、半分、88本が中国に建つ。

著者は、環境問題研究家。
新聞記者、国連職員、外交官、130ヶ国以上で調査・研究、国内外の大学で講義した経歴を持つ実務家で かつ教養人。

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こんな喫茶店で読み始め。

現代の高層建築の構造を成り立たせ、強度を担っている主要部材は鋼材。
が、基礎・地下部分はもちろん、高層階でも床材はコンクリート。

コンクリートは、セメント1に対し、砂を2~3、砂利を3~4。(重量比)
それに水を加えて練る。
その砂や砂利のことを骨材(こつざい)という。
本書では、この骨材のことを〝砂〟という言葉で代表させている。

世界で採掘される砂は、年に500億トン前後。
この7割がたが建設用コンクリートの骨材になる。
この500億トンという数字は、世界中の河川が1年間に運ぶ土砂量の2倍に相当する。
つまり、我々は自然が供給する以上の砂を消費していることになる。

国内では、良質の砂の入手は困難になっている。
 甲子園の砂は、中国産
 東京五輪ビーチバレーコートの砂は、ベトナム産

本夕、読了。

現在でありながら、すでに未来都市なのは、東の上海と西のドバイ。

中東の砂漠の国際都市、ドバイ。
地上高828メートルのブルジュ・ハリファタワーと、ペルシャ湾の人工島、それとゴルフ場のジュメイラ ゴルフエステーツが有名。
砂漠にあるゴルフ場なのに、バンカーの砂は米国から。
砂漠の砂だとサラサラしすぎて、ボールが沈んでしまうのだと。

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2022年8月11日 (木)

今日の下心は、〝はず〟・〝だろう〟

山の日。
山の日だけれど、沖へ。

日出が4時38分。
4時、出航。

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今日の出竿は、こんな風景の見える海域。
誘導してくれたのは、画像の艇、SeaDragon

船尾方向から押す風で、艇が船首方向に流れる。

だから、竿先から出たラインは船尾側に走るはず。
〝はず〟・〝だろう〟は、時にチョンボを招く。

今日の この海域、そうはならない。
ラインが前に走る。
かと思うと、巻き上げていると、いつの間にかラインが船尾側に走る。

津軽海峡を西から東へと、2ノット以上で流れる津軽暖流の影響を受けているのだろう。
舌の根の乾かぬうちに、〝だろう〟だ。

今日の下心は、〝はず〟・〝だろう〟。
 もう、イカがきているはず
 たくさん掛るだろう
と。

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あがったイカはたった1パイ(^^;

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2022年8月 5日 (金)

『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』を読む

垂直跳びの得意な遊牧民のマサイ族。
彼らの主食は牛乳と牛の生き血。
ルーマニアのドラキュラ伯爵も美女の生き血を吸うが、こちらは創作。

鳥類、1万と6百種。
このうち、吸血の記録があるのは、ガラパゴスに棲む3種とアフリカ南部に棲む2種の計5種。

ところが、著者は日本にも血を飲むトリがいることを知り、第6種目の吸血鳥を発見したと論文にする。
動物園で飼育されているニホンジカの背中をつついて皮膚を傷つけ血を飲んでいたのは、ハシブトガラス。
私の船上食の菓子パンを、2回も3回も、いや、4回も盗った あのハシブトガラスだ。

しかし、この論文は学会誌への掲載を拒否される。
理由は、生物学会誌には未発表だが、畜産業界誌には既に吸血するカラスのことが発表されていたから。
カラスが乳牛の乳房に浮き出ている血管を傷付けて吸血。
それを病因とする敗血症などで死に至る牛さえ出ていることが、北海道などの畜産業界で問題になっていたことを著者は知らなかった。

著者は、林学を学んだあとに、鳥類学に進んだ生態学者。

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こんな喫茶店で読み始め。

小笠原諸島。
 諸島北側(日本本土寄り)が、有人島のある小笠原群島
 諸島南側(赤道寄り)が、無人島群の火山列島
ここに固有種のヒヨドリが棲む。

小笠原群島に、オガサワラヒヨドリ。
火山列島に、ハシブトヒヨドリ。

トリの渡りは、南から北へ、北から南へ。
日本から遠い側の火山列島に棲むハシブトヒヨドリは、本土・伊豆諸島由来。
と、渡りの原則通り。

なのに、本土に近い側の小笠原群島に棲むオガサワラヒヨドリが、小笠原群島と同緯度はるか1800キロ西の八重山諸島由来と、渡りの方向が東西。
この原則破りの渡りを、著者らはDNA分析から明らかにする。

で、小笠原群島と火山列島間距離は160キロ。
しかし、この2種に遺伝的交流のないことも、著者らの研究で明らかになる。

本夕、読了。

みたいな、ヒヨドリの説明があるかと思えば、

上半身がヒト、下半身がトリ、背中から翼。
極楽浄土で鳴く、〝迦陵頻伽(かりょうびんが)〟。

ヒトのオンナの体に、手足先は猛禽類、後頭部から翼。
永井豪の漫画『デビルマン』に登場する、〝妖鳥シレーヌ〟。

森永のチョコボールのパッケージに描かれているトリの、〝キョロちゃん〟。

なども、本書内で話題にあがる。

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