『卑日』を読む
『魏志倭人伝』に記されている「倭国の女王」とは、邪馬台国女王卑弥呼のこと。
倭は、矮小の「矮」の やへん を にんべん に置き換えた漢字。 小さな人の意。
邪は、邪魔、邪道の邪。
卑は、卑屈、卑猥の卑。
文字を持っていなかった日本を、古代中国は〝倭 〟や〝邪〟や〝卑〟を使って表現していた。
〝卑日〟は、日本人ジャーナリストによる造語。
だから、ほとんどの韓国人は〝卑日〟という語を知らないらしい。
しかし、かつて(今も)、〝用日〟・〝嫌日〟・〝克日〟と日本に対していた韓国人の新たな意識は、〝卑日〟。
本書によると、〝卑日(ビイル:日本を見下す)〟とは、
「日本を乗り越える必要はない。なぜなら、韓国がもっと上にある
からだ」と設定し、自分自身は何もする必要がないシチュエーシ
ョンを作る
という意味になる。
著者は、シンシア・リー(Sincere LEE)。
正直者の李というような意味の筆名だろう。
韓国生まれの韓国育ちで、韓国内で歯科医院を開業していたが、´17年に日本に移住。
現在は、日本への帰化を考えているという親日・好日家。
というプロフィールの人物だから、本書に書かれていることは大きく割り引いて読む必要があろう。
こんな飯屋で読み始め。
大韓民国憲法前文は、
悠久な歴史と伝統に輝く我々大韓国民は、3・1運動で建立された
大韓民国臨時政府の法統と、不義に抗拒した4・19民主理念を継
承し・・・
ここで、〝3・1運動〟とは、1919年3月1日に発生した朝鮮の大日本帝国からの独立運動のこと。
また、〝大韓民国臨時政府〟とは、3・1運動後、中国へ亡命した抗日組織のこと。
本書では、こう説明している。
「日本の反対側に立つ」、「反」「日」思想の大まかな概念は、少
なくとも大韓民国ができてから変わったことはないし、いまでも憲
法前文に韓国は抗日団体「臨時政府」の後を継ぐと明記されている。
本夕、読了。
著者は、広く深い知識に裏付けされた冷静な歴史観を持っている。
しかし、読んでいて感じるのは、本著者の目線の低さ、もっと言うと、見る目の浅ましさ・いやらしさ。
許容するしない、それは自由だとしても、せめて理解は・・・
『日本人とユダヤ人』の著者のイスラエル人のイザヤ・ベンダサンが、実は山本七平の成りすましだったように、シンシア・リーも実は・・・
のような気がする。
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