北海道には、ひとつしか〝山脈〟がない。
日高振興局と十勝振興局を分ける日高山脈のみ。
北は日勝峠あたりから始まり、南は襟裳岬へ落ち込む山脈だ。
私の日高山脈入山経験は、その日高山脈最南端に近いアポイ岳(810メートル)だけ。
山脈の最高峰が日本百名山の幌尻岳(ぽろしりだけ:2052メートル)。
登山口に至るまでが難儀な山。
百名山中、最も登頂に手こずる山がそこだと言うヒトもいる。
その幌尻岳の15キロほど南、日高山脈のほぼ中間にあるのが、日高山脈第2位峰のカムイエクウチカウシ山(カムイエクウチカウシやま)、1979メートル。
北海道の山を歩く者は、この山を正式名では呼ばない。
〝カムエク〟
カムイエクウチカウシ山をカムエクと呼ぶ者で、次の二つの事件を知らない者はいない。
ひとつは、1965年。
北大山岳部6人パーティの6人全員が雪崩によって遭難死した事件。
もうひとつは、1970年。
福岡大学ワンダーフォーゲル部5人パーティ中の3人が同一個体のヒグマに襲われて死亡した事件。
こんな喫茶店で読み始め。
10月29日号の文春を買った理由は、
福岡大ワンゲル部ヒグマ襲撃「50年後の初告白」
という記事を読むため。
50年前のカムエクでの事件は、7月25日から27日にかけて起きている。
夏休みの時期であるから、カムエクには、福岡大パーティだけでなく、北海学園大・帯広畜産大・鳥取大・中央鉄道学園、そのほかのパーティが入山している。
実際、クマに付きまとわれてから以後の福岡大パーティのメンバーが、北海学園大パーティ、鳥取大パーティのメンバーと直接 会話を交わしている。
なかでも、北海学園大の5人パーティは、福岡大パーティがクマに襲われる前日、同一個体のクマに襲われている。
しかし、5人中3人がザックを奪われたものの、落命した者もケガをした者も出さなかった。
ナゼか。
50年前、37歳の社会人メンバーとして、北海学園大のパーティに参加していた岳人が文春記者に語る。
本夕、読了。
日高の山を登ることを考えていた私。
北海道庁・林野庁北海道森林管理局・道警・中札内村からの登山者へのお願いを知った。
当局のお願いとは、
カムイエクウチカウシ山への登山自粛を強くお願い
周辺の山岳でのヒグマへの十分な注意
昨夏の7月中旬と下旬。
ソロ登山者が2名、クマに襲われているようだ。
内1名は自力下山できないほどの重傷。
当該加害クマの駆除はされていない。
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