富士山を歩く
〝アタマを雲の上に出し〟という文部省唱歌『ふじの山』の歌詞は正しい。(注1)
下界は一面の雲。
そんな時でも、飛行機からは富士山々頂は見える。
深田久弥は、『日本百名山』で、富士山を、
〝ただ単純で大きい〟
と記している。
そして、
〝 大衆の山〟
〝 偉大なる通俗〟
であるとも。
要するに、富士山は俗人の山だということ。
で、私は俗人(^^;
ということで、昨日、山梨県富士吉田市富士スバルライン(2305メートル)へ。
富士山を北東側から登る。
残高1471メートル。(注2)
GPSログの始まりは、ここ。
背中に山中湖が見えているのだが、上空には笠雲。
好天とは言い難く、時々、耐風姿勢。
7合目。
標高2906メートルの山小屋に着いたのは19時近く。
すでに闇の始まり。
夕食後、しばし休憩後、23時、山歩き再開。
火口縁にて。
成層火山の場合、登山者は火口縁の一周グルリを山頂と見なす。
だから、火口縁に到達したことで、下山してもいいのだが・・・
ここは、3720メートル。
なので、火口を回って剣ヶ峰(けんがみね)まで。
下山後、振り返り見る富士山。
裾がわずかに見えるだけ。
背中は山中湖。
富士山は俗人の山。
〝ただ単純で大きい〟
〝 大衆の山〟
〝 偉大なる通俗〟
たくさんのヒトがこの山を歩いている。
私のような たくさんの俗人が (^^;
(注1)
頭を雲の上に出し
四方の山を 見おろして
かみなりさまを 下に聞く
富士は日本一の山
この歌が文部省唱歌に採用されたのは、1911(明治44)年。
それより前、1895(明治28)年には、帝国による台湾統治が始まっている。
台湾には富士山より高い山が2座あり、
・玉山(ユイシャン:新高山(にいたかやま) 3952メートル)
・雪山(シュエシャン:次高山(つぎたかやま) 3886メートル
だから、富士山が日本3位の山だった時代が半世紀ほどある。
いやいやいや。
期間は短いが、帝国が統治していたニューギニアやマレーシアには4000メートル超の山が9座ある。
〝富士は日本一の山〟と歌ってはいても、実は〝富士は日本12位の山〟だった時代があるわけだ。
(注2)
富士山は、羊蹄山に登るのと同程度の負荷。
富士山・羊蹄山とも、その生成機構が同じ成層火山で火口径もほぼ同じ700メートル。
山容の傾斜角もほぼ同じ。
だから、富士山の上半分が羊蹄山であると考えていい。
吉田ルート、5合目降車場(標高2305メートル)からの残高は1471メートル。
羊蹄山は標高で400メートルないところから脚を使わなくてはならない。
真狩コースだと、残高1590メートル。
富士山のほうが稼がなくてはならない標高差が100メートル少ない。
また、水を背負っていかねばならないのが羊蹄山。
対して、富士山には山頂付近にまで売店・山小屋があって、水も温かい食事も手に入る。
なので、ザックに入れていくのは雨具とヘッドライトくらいのもの。
羊蹄登山時よりも、背負うザック重量を2キロは減らせるだろう。
空気の薄さを言うヒトがいるが、走って登るのならともかく、私はチンタラ登山。
この程度の標高で酸素の薄さを感じなければならないほどの、運動強度の高い登山はしていない。
東京の主要ターミナルから出ている富士登山口へのバスに、日帰りに使える出発便はない。
夕刻まで登って7合目か8合目の山小屋に泊まることを前提にする便ばかり。
東京起点の登山者の多くは、登って下りてくることに2日掛ける。
それが標準的富士山行。
山小屋に入れば、食事・寝床が用意されている。
羊蹄山に一日で登って下りてこられるヒトは、富士山なら余裕で登って下りてこられる。
なお、登山口に早朝に至る手段のあるヒトなら、日帰りが可能。
コメント
おはよーございます、お疲れさまでした。
スッキリしてくることができたでしょうか。
羊蹄山、なかなか手強かったんですねえ、知りませんでした。
投稿: めりー | 2019年9月 1日 (日) 04:25
めりーさん、こんにちは
雲が湧いて山頂からの眺望はありませんでしたが、雲の下に出ても、見える山々は全て下。
スッキリしました(^^)
登っているのは半数以上が外国人。
女性も多いです。
いくら時間を掛けても、雨が降ってきても、食う寝る休むに困らない山です。
北海道の山で稼がなくてはならない標高差の大きいのは利尻富士、次が羊蹄山。
羊蹄山は森林限界を出るまでは、木の根が浮いて走っていたり、倒木や一歩ではかわせない段差があります。
富士山に登ってきたばかりで いい気分でいるので書きたくないのですが、羊蹄山のほうが数字も体感も富士山よりきついです。
その羊蹄山の山頂を、私は19回踏んでいます(^^)
投稿: KON-chan | 2019年9月 1日 (日) 05:59
こんにちは。
富士山でしたか。登頂おめでとうございます( ^)o(^ )。
富士は良いですねー。
若いころ5合目からスキーで降りてきた事があります。
中々世界遺産に認定されなかったですね。
世界中に同じ形の山がたくさんあるのも
中々なれなかった理由の一つだったらしいです。
それにしても外国人の登山者が多いようで
それも軽装の人もいるとか?。
外国人は寒さに強いですね。
私は室蘭岳から出ようとしません。
閉鎖的です(笑)。
帰宅したら、烏賊が待っておりますよー。
投稿: きーさん | 2019年9月 1日 (日) 07:41
羊蹄山に特に思い入れがあるわけではありませんでしたが、何だかチョット羊蹄山を誇らしく思えるかなーと思いました。
(利尻富士より羊蹄山というあたりが、私の行動範囲の狭さか)
その山の山頂を19回も。
20回めは、もう間もなくの話しですね。
投稿: めりー | 2019年9月 1日 (日) 12:14
きーさん、こんにちは
トイレ問題もありましたね。
垂れ流し。
捨てられたトイレットペーパーが、雪のように見えたと。
現在はバイオ処理。
水は再生。
だから、水洗水はコーヒー色をしています。
富士山を下から見るのは、冬がいいそうですね。
夏は雲が湧くので、山容全てが見える日は少ないと。
日本人は寒さに弱いですね。
皆、ずいぶん、着込んで歩いていました。
冬の富士山は、厳しいと聞いています。
その富士山で、スキーっていうのが素敵です。
今日、きーさん情報で、イカ場に行ってきました。
風・波・サメでコタコタにされてきました(^^;
投稿: KON-chan | 2019年9月 1日 (日) 17:01
利尻富士のほうが羊蹄山より稼がなくてはならない標高差が100m弱多くあります。
室蘭岳の最短コースの夏道を、登って下りて、登って下りて、登って下りてと続けて3回できたら、羊蹄山に登って下りてこられます。
羊蹄山に登って下りてこられたら、北海道の山なら だいたい歩けます。
で、羊蹄山に登って下りてこられたら、富士山には余裕で登って下りてこられます。
昨日、私が登ったルートには、15の山小屋がありました。
ソバ・ウドン・カレー・お汁粉・おでんなどを3000mより上で食べられます。
北海道の山には山小屋が少ないですから、なかなか厳しいです。
厳しいですが、20回目は間もなくのつもり(^^)
投稿: KON-chan | 2019年9月 1日 (日) 17:10
出張かと思っておりましたが、これですか~。しかも今日は海上ですか~。
言葉もない。
もしかして、双子とか(^^;
投稿: 夫婦釣り | 2019年9月 1日 (日) 18:49
夫婦釣りさん、こんにちは
穂高岳とか槍ヶ岳とかの頂上を踏んでみたいのですが、私の体力・技術ではとても無理(^^;
私が歩いているのは、ちょっと長いハイキングルート。
そんなんでも、いいですよォ。
山は、いいですよォ。
富士山は、
〝ただ単純で大きい〟
〝 大衆の山〟
〝 偉大なる通俗〟
ですが、そうであっても、いいですよォ。
と、双子の兄が言ってます。
双子の弟の私は、昨日ブラブラ過ごし、今日はイカ場で竿を出しました(^^)
投稿: KON-chan | 2019年9月 1日 (日) 20:48