« 2018年6月 | トップページ | 2018年8月 »

2018年7月

2018年7月30日 (月)

『テグス文化史』を読む

絹はカイコのマユからとる。

テグス(テングス)はマユを作る直前のガの幼虫からとる。
テグスをとるガは、天蚕糸蚕(テグスサン:インド・中国南部に生息)。

400ページ近くを使って、〝釣り糸〟の歴史が語られる。

Photoこんな喫茶店で読み始め。

テグスを日本にもたらしたのはポルトガル船で、17世紀もしばらく経ってから。
日本人は、かなりの期間、テグスをガからとると分からなかったらしい。

ヒトの動きのたまたまがあり、淡路島(由良地区)がテグスの集荷・出荷及び精整地となり、糸の手入れをする女工が900人。
当時の大工の手間賃の1.2倍以上の給金を、女工らは得ていたと書かれている。
また、明治の終わり頃には、淡路島から全国へテグスの通信販売も始めている。

のち化学繊維に押されていくのだが、瀬戸内海じゅうを商圏としてテグスの行商販売をする船が33隻もあったという。
行商は7、8ヶ月に及んだと書かれているが、すなわち残り4、5ヶ月は商売に出なくとも食っていけたわけで、悪い生活ではない。
この行商船、海上でも商売をしていたそうだ。

その最後のテグス行商船が商売を終えるのは、最近のこと。
1972(昭和47)年。

由良は、'55(昭和30)年、洲本市と合併。
'74(昭和49)年に、994ページの大冊、『洲本市史』が編まれている。
『洲本市史』は、テグスで潤った歴史について、ひとことも触れていない・・・

本夕、読了。

本著者、大変な量の書籍・資料を読んで、『テグス文化史』を書いている。
しかし、イメージせず、文献をただ書き写したろうと思われる文章多々。
例えば、こんな文章がある。
〝マイクロメーターによる長さの検査〟
マイクロメーターを使うなら、長さでなく直径。

〝バルブナイズした油〟
多分、本著者はこの〝油〟が何なのか、〝バルブナイズ〟とはどんなことなのかを理解していない。
などなど。

釣師(のつもり)が、釣り糸の本を読む。
しかし、こういう本を読んでも、釣果にはホンの少しも結びつかない(^^;

| コメント (2) | トラックバック (0)

2018年7月26日 (木)

『山と雪の日記』を読む

本年4月30日に弊ブログの記事にした『北の山』は、日本山岳会が創立70周年を記念して出版した『復刻 日本の山岳名著』の中の一冊。
本書も、『北の山』と同じく『復刻 日本の山岳名著』中の一冊。

著者は、板倉勝宜(いたくら かつのぶ)。
趣味登山の、日本における黎明期のヒト。
登山に、スキー・ピッケル・ザイルを用いた日本における最初の人達のひとりと目され、冬の旭岳の初登頂はこのヒトによる。

Photoこんなテラス席のある喫茶店で、読み始め。

復刻版ゆえ、装丁も当時のまま。
原本の発行は1930(昭和5)年で、当時の販価は2円。
発行部数は500。

『北の山』もそうだったが、本書も いわゆるフランス綴じ。
ペーパーナイフを持って読み進んでいく。

前書きに相当する部分に、槇有恒が〝追憶〟を、松方三郎が編集者の一人としての立場で〝この本の由来について〟を書いている。
〝この本の由来について〟に、
「板倉が生きてゐたならばこんな本は出なかつたに相違ない。」
とある。

板倉勝宜の生涯は短い。
1897(明治30)年生
1923(大正12)年没
享年27。
その死は、冬の雄山(おやま:3003メートル・北アルプス立山連峰)での遭難による。(注)

本書は板倉勝宜の遺稿を時系列順にまとめたもの。

交通網が整備され、除雪体制が整い、山に取り付くまでの苦労は小さくなった。
しかし、ひとたび山に入れば、
 1923年の山の傾斜も、2018年の山の傾斜も変わらない。
 1923年の山に射る陽光も、2018年の山に射る陽光も変わらない。
 1923年の冬の風の冷たさも、2018年の冬の風の冷たさも変わらない。

だから、旧字体漢字や旧仮名遣いであることを除けば、どの文章も、山を歩くヒトなら違和感なく山の空気を感じながら読むことだろう。

山での遭難死は、誰にも同情されない命の落とし方。

板倉勝宜は華族の生まれ。
子爵の七男坊。
かじるに十分な太いスネを持ち、かじっていても非難されない立場のヒト。

不謹慎を承知で言うのだが、こういうヒトの若死に は同情されない。
ましてや、山での遭難死。
もちろん本人は若くして命を落とすなどとはツユほどにも思っていないから、本書中に死を予感する文章はない。
同情される死ではなかったヒトの文章。
明るく健康で、生に満ちている・・・

本夕、読了。

登山もそうだが、釣りも連続した時間、それもかなり長い時間を使う。
両者とも時間に余裕のあるヒトの趣味。
と、言えば聞こえがいいが、早い話がヒマ人の遊び(^^;

オイラ、山を歩く。
釣りに出かける。

一度も、0.1秒もそれを自覚したことはないが、オイラ、ヒマ人(^^;

(注)
槇有恒・三田幸夫とパーティを組み、案内人を付けての登山時に吹雪に遭遇。
板倉のみ、疲労凍死。

| コメント (0) | トラックバック (0)

2018年7月21日 (土)

羊蹄を歩く 3

羊蹄山へ。

羊蹄山火口縁に至るルートは、
 ・喜茂別(比羅岡)
 ・京極
 ・真狩
 ・倶知安(ヒラフ)
の4つ。

喜茂別、京極と歩いたから、今日は真狩ルートで。
このルートを使って羊蹄山に上がるヒトが一番多い(ように思われる)。

理由は多分、国土地理院の2万5千分の1地形図に〝後方羊蹄山の高山植物帯〟と横書きで表記された文字列のすぐそばを、真狩ルートが通過するからだろうと愚考する次第。
羊蹄山に一度しか登らないのなら、このことをもって真狩ルートを使うというのは納得できるところ。
私が初めて羊蹄山に登ったのも、このコースを使ってだった。

真狩ルートは羊蹄山を南から北へと登るルートなので、地図表記の都合上 そのような印刷となっているだけのこと。
実際には どのルートも高山植物帯を歩く。

18072101【画像:1枚目】
四合目。
雲中登山。

背中が南。
正面右が東。

ガスを通して、太陽の気配(^o^)

【画像:2枚目】
七合目。

このあたりでガスが取れたが、20分ばかりのこと。

再び雲中登山、濃いガスで視界が閉ざされた。
湿度100%。

吹き降ろしてくる風は強いのだが、汗が飛ばない。

18072102_3

【画像:3枚目】
間もなく火口外縁。

足元にはオノエリンドウ。

【画像:4枚目】
目を上げれば、ガスを通して高山植物のお花畑。

18072103【画像:5枚目】
マッカリピーク(火口外縁)にて。
左が南、私が登ってきた斜面。

右が火口(お釜)。
正面方向へ歩いても、背中方向に歩いても、30分ほどで最高点へ至るのだが、濃いガスと強風。

ここで登山者が停滞。
ガスの晴れ待ち。
風の弱まり待ち。

【画像:6枚目】
火口内を覗く。

ガスが晴れるような気がしない(^^;
風が弱くなるような気がしない(^^;

私は先々週と先週、最高点を踏んでいる。
ということで、今日はここを山頂だということにして、10分後、下山を決断。

山歩き時間9時間00分。
19322歩。

全給水量は、
 ・500CC

 

Gpslog_2

| コメント (0) | トラックバック (0)

2018年7月18日 (水)

『文明人の生活作法』を読む

著者はフランス語通訳・翻訳家を経てのち画家。
現在は、ワイナリーオーナーでもある。

この題名から、テーブルマナーやゴルフ場のドレスコードを連想するヒトはいないだろう。
現代人の生活様式を取り上げ、ああだこうだとイジル話が書かれていると思うのではないだろうか。

Etiquetteこんな飯屋で読み始め。

イジル話はない。

書かれているのは、
 ・食卓の作法
 ・つき合いの作法
 ・装いの作法

装いの作法には、〝歩き方〟なんかもある。
しかし、新鮮な話があるわけではなく、古今東西のエチケット・マナーの寄せ集め。

240ページの本文のあとに付く、西江雅之の7ページちょっとの解説。
それを読むだけで、十分。
240ページを読んだに相当する。

〝イジル話〟を期待するってのが、そもそも〝文明人〟ではないのかも(^^;

本夕、読了。

世のエチケットとかマナーとかの大部分は、理にかなっている(と思う)。
 ・正座
 ・茶道における回し飲み、吸い切り(飲み干す時のズーズッズ)音
 ・メンを食べる時のすすり音
 ・汁モノは食器に直接 口を付ける
日本の作法。
これらは、理にかなっているか(^^;

| コメント (0) | トラックバック (0)

2018年7月16日 (月)

『決定版 日本水族館紀行』を読む

JALの機内誌は『SKYWARD』。
ANAの機内誌は『翼の王国』。

どちらもセンスに優れたヒトが編集しているようで、読みごたえ、見ごたえがある。
この2誌にJR北海道の車内誌『THE JR Hokkaido』を加えた3誌を、私は欠かさず継読している。

Aquarium_2【画像:上】
こんな喫茶店で読み始め。

本書は、『翼の王国』に連載されていたもののほかに、別途取材した何館かを加えて成書としたもの。
掲載されているのは63館。

機内誌に掲載されたものなので文章は平易、短め。
ビジュアル重視、写真は一級。
読む本ではない。
見る本。

本夕、読了。

【画像:下】
北海道で一番古い水族館は、市立室蘭水族館。
1953年の開館。

『決定版 日本水族館紀行』に掲載されている北海道の水族館は6施設。
市立室蘭水族館は掲載されていない。

貧果で上がった今日、その市立室蘭水族館へ。

円筒水槽にいるのはアブラコ・ソイ・マツカワ・アメマスなど、KON-chan号進出海域に棲息するサカナばかり。
水族館でサカナをいくら観察しても釣り上手にはなれない(^^;

| コメント (0) | トラックバック (0)

でもって〝釣れそう〟な海域へと

8時15分、出航。

良ナギ。

180716【画像:上】
地球岬から先は、濃いガスで視界が閉ざされる。
ガスの向こうは〝釣れそう〟だ。
なのだが、ガスの手前で船をとめた。

今日の出竿は、こんな風景の見える海域。

狙っているのはヒラメ。
が、ひとあたりもなし(^^;

【画像:下】
やがて、ガスが晴れベタナギ。
夏の日射が降ってきた。

でもって〝釣れそう〟な海域へと。
しかし、ギスカジカのみ(^^;

60メートルの根に寄ってから、12時30分、沖上がり。

| コメント (4) | トラックバック (0)

2018年7月14日 (土)

羊蹄を歩く 2

羊蹄山へ。

羊蹄山火口縁に至るルートは、
 ・京極
 ・喜茂別(比羅岡)
 ・真狩
 ・ヒラフ
の4つ。

先日は喜茂別ルートを歩いたので、今日は京極ルートで。

180071401_2【画像:1枚目】
暑い。
加えて、湿度が高い。
雲の上に出たかと思えば、また雲がかぶってくる。
ゴアの帽子をかぶっているが、汗が抜けず目に流れてくる。

京極ルートを登り詰めて火口縁に至る。
至ったところは、一等三角点(1893メートル)。

火口縁に出て、やっと汗を乾かす風に当たる。

【画像:2枚目】
火口縁を時計回りに最高点へ。

最高点(1898メートル)にて。
ガスの動きが速く、眺望が閉ざされる。

180071402_3

【画像:3枚目】
火口縁に座り、コーヒーを淹れる。
見えている花は、
コケモモ
メアカンキンバイ

【画像:4枚目】
背中側のガスが晴れた。
覗き込む火口(オハチ)。

180071403_3

【画像:5枚目】
前方のガスも晴れた。

【画像:6枚目】
しかし、ガスが晴れ、眺望が得られたのはわずかな時間。

下山後、振り仰ぎ見る羊蹄山は、スソが見えるだけで雲の中。

山歩き時間9時間10分。
19322歩。

全給水量は、
 ・650CC

羊蹄山最高点直下で、
 ・三喜屋珈琲  ブルーマウンテン№1 1ドリップ

Gpslog0

| コメント (0) | トラックバック (0)

2018年7月 8日 (日)

羊蹄を歩く 1

北海道の山は低い。
最高峰の旭岳でも2291メートル。
あと1000メートル。
いや そこまでは言うまい。
あと500メートル欲しい。

北海道の登山者は 気持ちの埋め合わせをしようと、
『北海道の2000メートル級の山の気象・植生は、本州の3000メートル級の山に相当する』
みたいなことを言う。
ンなことを言っても始まらない。
2000メートルは2000メートル。
3000メートルは3000メートル。

羊蹄山は富士山と相似の成層火山。
残念ながら低い。
あと500メートル高い2400メートルあれば、畑や雪原の広がるあの風景の中の独立峰だ。
さぞや見事だろうに。

しかし、1898メートルしかないおかげで、私の貧脚でも日帰り可能峰となっている。

羊蹄山へ。

羊蹄山火口縁に至るルートは、
 ・京極
 ・喜茂別(比羅岡)
 ・真狩
 ・ヒラフ
の4つ。

どのルートも登り下りとも踏んだ。

18070801【画像:1枚目】
4つのうちの、もっともマイナールートの喜茂別から入山。
4つのルートのうち、唯一ロープ場があり、それも7ヶ所もあるが、大げさ。
ロープに頼らなくても高度を上げていける。

入山時は低いところに雲があって、山容を望めない。
しかし、高度を1000メートルまで上げると、雲から抜けた。

【画像:2枚目】
どうも暑さにやられたようだ(^^;

汗が出る。
脚が動かない(^^;

1200メートルまで高度を上げたあたりで、いよいよ脚が動かなくなり、よほど引き返そうと思ったが・・・

結局、山頂まで登り詰めた。

山頂にて。
1898メートル。

私がこの岩を踏むのは、これで17度目となった(^o^)

18070802_2【画像:3枚目】
火口縁から火口(釜)内を覗く。

雲が湧いてきた。

【画像:4枚目】
何度も同じ山に登って、何が楽しいのか。
と、よくヒトに言われる。

初めて入る山、これはもう何も言うことはない。
それと同じ程度に、何度も登った山もいい。

昨日 500メートルで見た風景と、今日 500メートルで見る風景は、同じ山なのに違う。
昨日 500メートルで吹いた風と、今日 500メートルで吹く風も、同じ山なのに違う。
昨日の私と今日の私も違う。

最高点直下でコーヒーを淹れる。

見えるのは、
 町並み
 畑の焦げ茶
 緑濃い牧草地
 林

80年前に夭折した詩人の詠んだ一節、

 あヽ おまへはなにをして来たのだと・・・・
 吹き来る風が私に云ふ

なんぞと、私の口から出てくるわけがない(^^;

山の頂で詩人になるヒトはいない。
 考えず ・・・・・
 思わず ・・・・・
 ・・・・・
 ・・・・・

2000メートルから吹きおろす乾いた風に吹かれるだけ。

下山後、振り仰ぎ見る羊蹄山は雲の中で見えない。
見えないが、あと500メートル、標高が欲しい・・・
と、やはり思う。

山歩き時間10時間00分。
17788歩。

全給水量は、
 ・800CC

羊蹄山最高点直下で、
 ・三喜屋珈琲  ブルーマウンテン№1 2ドリップ
 ・柳月 あんバタサン   1個
 ・柳月 ハニーレモーネ  1個

Gpslpg1

| コメント (6) | トラックバック (0)

« 2018年6月 | トップページ | 2018年8月 »