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2017年12月22日 (金)

『遠い山なみの光』を読む

Kazuo Ishiguro の長編デビュー作。

原題は『A Pale View of Hills』。

Ishiguroこんな喫茶店で、読み始め。

章が変わると舞台・時代が変わる。
時には、1行の空白ののち、舞台・時代が変わる。

その舞台とは、長崎と英国。
その時代とは、'55年頃と現在。(注1)

訳者と池澤夏樹の解説が付いていて、それはそれで納得できるもの。
ただし、解説を読んだあとであっても、本書のストーリーを言うのもテーマを言うのも難しい。
解説には〝不条理〟だとか〝価値観〟だとか〝薄明〟という言葉が出てくる。
が、ンな言葉、どうでもいいこと。
私がああこう言うのは僭越至極だが、解説のンな言葉にとらわれないほうがいい(^^;

悦子と日本人の夫との娘の景子。(注2)
悦子と英国人の夫との娘のNiki。
佐知子とその娘の万里子。

悦子と日本人の夫との別離については書かれていない。
悦子と英国人の夫との出会いについては書かれていない。
悦子が日本を離れ英国で暮らす経緯については書かれていない。
米国に移り住もうとする佐知子母娘が米国に渡れたのかについては書かれていない。
悦子の脚にからまった縄をどうしたのかについては書かれていない。

私もこれ以上 書かない・・・(^^;

本夕、読了。

日本語訳は、初め『女たちの遠い夏』として出版。
のち、より原題に近い『遠い山なみの光』に改題されている。

原題の『A Pale View of Hills』を見て、石坂洋次郎の『青い山脈』を連想しないだろうか。
ところが、『青い山脈』のほうは、『The Green Mountains』とか『Blue Mountain Range』と英訳されているようだ。

本書の原題に〝Mountain〟ではなく〝Hill〟を使っている理由は、この本を読むのが山を歩くヒトなら分かるだろう。

(注1)
創作だから、どうでもいいことだが・・・

朝鮮戦争、平和記念像、稲佐山(いなさやま;長崎市を見下ろす標高333メートルの小山)のロープウェイ(本書内ではケーブルカーと表記)が同時に出てくる。

朝鮮戦争は'50~'53年
平和記念像の完成は'55年
稲佐山のロープウェイ)の開業は'59年
だから、この三つは同時には存在しえない。

(注2)
原書は英文だから、その中での名前の表記は、Etsuko・Keiko・・・。
訳者が、それを悦子・景子・・・と漢字を当てはめている。

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