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2016年12月22日 (木)

『時計の針はなぜ右回りか』を読む

陸上トラックは左回り。
スピードスケートリンクは左回り。
野球の走塁は左回り。
マージャンは左回り。
盆踊り、太鼓やぐらを左回り。
ハンマー投げ、室伏、左回り。
室蘭水族館の豆汽車の運行は、トド池をグルリと左回り。
オイラのツムジ、左回り。
ヒトに係わることは左回りが多いような気もするが・・・

いやいや。
ラテン文字(abc)を書く時のペンの動きは左回りだけれど、ギリシア文字(αβγ)を書く時のペンの動きは右回り。
日本の国会、衆・参議決記名投票は右回り。

茶道、茶碗を右回り。
もっとも、茶碗を戻す際には左回り(^^;

カメラの交換レンズ、装着は右回り。
ニコンは、左回り。

クラッシックバレエの回転は右回り。
フィギュアスケートのトリプルアクセルは左回り。
ジルバ、これは右回りも左回りも。
競馬場、右回りもあれば左回りもある。
札幌市電ループ化完了、右回りも左回りも。

室蘭岳を西尾根から登り水元沢を下れば右回り。
水元沢から登り西尾根を下れば左回り。
羊蹄山の火口縁を巡るには、右回りでも左回りでも。
どちらの山も、右回り左回りとも歩いた(^o^)

南に向かって立てば、太陽・月・星は右回りに昇って沈む。(注)
北に向かって立てば、星の運行は北極星を中心に左回り。

日本工業規格(JIS)や電気規格調査会規格(JEC)では、
右回りを CW(lockise : 時計回り・正転・正相)
左回りを CCW(ounter lockise :時計回り・転・相)
と表記方法を規定している。

ところで、広辞苑では、
【右回り】を引くと「中心を手に見て回ること」
で、
】を引くと「を向いた時、西に当たる方」
とあるので、
】を引くと「日の出る方にむかっての方向」
となり、〝右回り〟の定義に行く着くどころか、〝右〟自体の定義がグルグル回って収束しない。
右回りでも左回りでもなく、堂々巡り(^^;

ということと、本書の間には何の関係もない。

話が脇にそれ過ぎた。(^^;

 

Clockwiseこんな喫茶店で、読み始め。

電波時計は毎日修正されるので、極めて正確。

しかし、正確さと価値は別次元。
腕時計では、高級になればなるほど時刻を正確に読み取れなくなる。

高級時計は、時針と分針だけ。
クォーツ時計や電波時計、ましてや文字盤に太陽電池を組み込んだ時計を高級時計とは言わない。
高級時計は、機械式。
文字盤は、せいぜい3・6・9・12の位置が分かるだけ。
それさえも記されてないと、高級の度合いが格段に上がる。
例えば、12と表示する代わりにダイヤモンドを埋めてあったりする程度で終わらない。

そんな時計を持っているヒトは、実は時計なんかを必要としない。
スケジュール管理を自分でする必要のないヒト。

本書内、『時計の針はなぜ右回りか』についての説明は、わずかに1ページと4行だけ。
そして、その〝なぜ右回りか〟の理由を、(北半球では)〝日時計の影が右回りだから〟と説明している。(注)
どこかで聞いたことのある説明だが、まァ、そんなことなのだろう。

著者は服部時計店(現、セイコー)で、広報・宣伝にたずさわった人。

ところで、〝脇にそれ過ぎた〟話の続き・・・

以下、左手首外側に時計をつけた場合(ごく一般的なつけ方)で考える。

親指側が6、小指側が12、竜頭が指先側
時刻を見るには、親指を下側に、前腕を右回りにねじる。

男性用腕時計の宣伝用写真。
モデルの腕は直角に曲げられて、前腕はほぼ水平。
スーツの袖からワイシャツをちょっとのぞかせ、カフスボタン(カフリンクス)を下、親指を上、小指を下にポーズを取っている。
この時の時計のつけ方は、親指側が12、小指側が6、竜頭が指先と反対側
モデル自身が時刻を知るには、腕相撲のポーズをとり、さらに前腕を左回りにねじる必要がある(^^;

電流の作る磁力線の向きは右ねじの法則、電流の進む方向に見た時に右回り。
この物理現象を使えば、堂々巡りなく〝右〟・〝右回り〟を定義できそうだ。
が、今度は磁石のN極・S極の定義が大変に面倒。
どうでもいい話だ(^^;

右回りの時計を鏡に写すと、鏡の中(鏡像)の時計は左回り。
ごくごく微小な世界では、この右回りの世界と左回りの世界とでは、異なる物理法則が観察される。
パリティ対称性の破れ(というらしい)、発見者はノーベル賞を受賞している。
何のことか私には分からない(^^;

右・左には、恐ろしく深い世界がある。

本夕、読了。

(注)
南半球でも、太陽は東から昇り西に沈むのは当然。
南に向かって立てば、左から昇り右に沈む。
ただし、南に向かって立っていると太陽は背中側を通るから、正午の太陽はのけぞらないと見ることができない。

北半球では、自分の影は自分を中心に右回り。
『時計の針はなぜ右回りか』の理由の根拠がこれ。
なお、南半球では、上記事情から、自分を中心に影は左回り。

南半球では、南に向かって立つ前提で太陽の話をするのは、どうも不自然。
だから、半球では、以下のように書き換えたほうがいいかもしれない。

に向かって立てば、太陽・月・星は回りに昇って沈む。

その次の行は北極星が見えないので書き換えが難しい。
が、〝北に向かって立てば、星の運行は左回り〟なのは南半球でも同じ。

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