表大雪を歩く 3-1
【本記事は昨日のこと】
『北海道 夏山ガイド(北海道新聞社刊)』シリーズは登山計画を練るのに便利な本。
このシリーズには、コースタイム(踏破に要する時間。休憩・食事時間は含まない)が記載されているが、その設定値は甘めだというのが大方の登山者の意見。
確かに、シリーズ第1巻目の〝道央の山々〟に収録されているニセコの山々や羊蹄のコースタイムは、私の脚でも余裕を持ってクリアできる。
ところがシリーズ第2巻目の〝表大雪の山々〟に書かれているコースタイムの設定値は かなり厳しめで、私の脚だと それほどの余裕時間は出てこない。
シリーズ第2巻目を使って、
縦走 旭岳→黒岳
折り返して
縦走 黒岳→旭岳
するコースタイムを計算してみると12時間。
長さのことはさておいて、室蘭岳も含め私の歩いた範囲の山の中では、大雪山系が一番歩きやすい。
ニセコの山々や羊蹄山には、一歩では越えられない深い段差や手も使わなければかわせない巨岩が多いが、大雪山系にはない。(注1)
なので、私の脚でも、12時間くらいなら表大雪を歩いていられると思う。
が、大雪山旭岳ロープウェイの9月の営業時間は、平日で11時間、土日祝日で11時間30分。
ということで、
縦走 旭岳→黒岳
山中泊
縦走 黒岳→旭岳
と1泊2日で歩くことに。
ただし、往路と復路の縦走ルートを変えてみた。
【画像:1枚目】
前夜から土砂降り。
朝方になってシトシト雨に変わったが、旭岳の山容は雲で全く見えない。
6時始発のロープウェイを2便見送って、標高1610メートルの姿見駅へ。
定員101名のゴンドラに、乗客は私を含め2人(^^;
視程100メートルほどの濃いガス。
左から右へ強風。
その風に乗って、地獄谷からの硫化物の臭いに混じって雨。
高度を上げるに従って、雲自体の厚みは変わらなくとも、頭上にある分は減る。
雨粒が小さくなってゆく。
標高2291メートル。
旭岳山頂にて。
眺望は全くない(^^;
【画像:2枚目】
標高2183メートルの荒井岳
標高2136メートルの松田岳
の2つのピークを踏んだはずだが、雲中歩き。
気付かぬうちに通過したようだ(^^;
標高2149メートル。
北海岳山頂にて。
【画像:3枚目】
御鉢平(おはちだいら)の最西部に源を持つ5つの沢が合流して東へ流れる。
赤石川だ。(注2)
その赤石川を渡渉する。
【画像:4枚目】
標高1984メートル。
黒岳山頂にて。
【画像:5枚目】
黒岳山頂を踏んだのち登ってきたルートを下り、黒岳避難小屋の石室(いしむろ)へ。
そこを昨夜の宿とした。
やっと、雨が上がった。
もうひと登り。
標高1938メートル。
桂月岳山頂にて。
山歩き時間5時間40分。
27042歩。
全給水量は、
・500CC
石室で昼食兼夕食として、
・日糧製パン 絹艶 2枚
・コープ ミートソース 1パック
・コープ ナポリタン 1パック
・グリコ アーモンド効果200CC
・グリコ アーモンド効果(香ばし大麦)200CC
(注1)
おそらく、大雪山系は造山過程の末期に大量の火山礫・砂・灰を噴いて、噴石・溶岩の上に積もったのだろう。
大雪山系を雄大だと表現する登山者は多い。
加えて、女性的な山だと言う人は多いが、男性的だと言う人はいない。
そのゆえんは、そんな歩きやすい山肌からもきているのかも知れない。
(注2)
大雪山系中には雪渓を源とする流れや池がたくさんあり、名の付いている沢・川・池もある。
赤石川もそれで、層雲峡まで下って石狩川に注ぐ。
地図には、〝増水時渡渉注意〟とある。
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