羊蹄を歩く 1
私が、足ならし・トレーニングに使っている室蘭岳の標高は911メートル。
登山口の標高が400メートルなので、山頂に立つまでに稼がねばならない高度は500メートル。
羊蹄山の標高は1898メートル。
山頂に至るルートは4本あって、どのルートも標高400メートルくらいから脚を使う。
稼がねばならない高度は1500メートル。
羊蹄山は独立峰の成層火山だから、姿が整い、遠くから見ているぶんには悪くない。
しかし、「いい山だ」と評価する登山者も多いが、「長くて大変」と言う登山者も多い。
「羊蹄に一度も登らぬバカに、二度登るバカ」という言葉があるそうな。(注1)
稼いだ高度で、満足感を得る山なのかもしれない。
登り:真狩コース
下り:倶知安(比羅夫)コース(注2)
『山と高原地図 2015年版ニセコ・羊蹄山(昭文社刊)』
と、
『羊蹄山(倶知安商工観光課)』
が、使いやすいルート案内・地図だった。
『山と高原地図』で、コースタイムを計算すると、
登り:4時間40分(標高差:1488メートル)(火口縁岩稜越えルート)(注3)
下り:4時間25分(標高差:1548メートル)(火口縁反時計回り周回含む)
【画像:1枚目】
登山口となる羊蹄山自然公園駐車場から、夜明け直後の羊蹄を仰ぎ見る。
4時30分、入山。
【画像;2枚目】
最後の噴火から数千年しか経ていない山。
なので、風化・崩落の終息がまだまだで、斜面の表面が安定していない。
山肌には、雨水による浸食初期段階のV字型の鋭い溝が数多く走る。
ルートの足元は、火山砂・火山灰土。
浮いた火山礫、大きな火山岩。
樹林帯では、地表に木の根が這い、雪の重みで根元付近から水平に曲がって育った太い幹。
滑りやすく、足元も背中も引っ掛かりやすい。
真狩コースピークの1860メートルにて。
火口縁で咲くイワザクラ(エゾノツガザクラ)越しに、最高点1898メートルを望む。
ここから、最高点に立つために、2キロ歩いて高度を38メートル上げる。
と、下山後の今だから、こういう情緒希薄な表現で言えるのだが、この山、長い。
長い。
長い。
とても長い。
【画像;3枚目】
羊蹄山最高点1898メートルにて。
【画像;4枚目】
火口を反時計回りする歩みを進め、真狩コースピークの反対側まで到達したあたりで、父釜(大火口)を左に、母釜(中火口)・子釜(小火口)を右に見るルートに入る。
倶知安コースへの分岐点近くにある避難小屋跡で、食事休憩を取って、倶知安ルートを下った。
【画像;5枚目】
下山後に仰ぎ見る羊蹄。
この画像のほぼ正面から登り、火口を左から右へと回り、左の稜線を下った。
左からの強い光は西日。
羊蹄が西日に映えている。
トータル給水量は、1100CC(内、牛乳300CC)。
(3リットル持って上がったが、最高点到達時まででの消費が0.3リットルだったので、そこで2リットル捨て、ザックを軽くした)(注4)
初めのほうで、「羊蹄に一度も登らぬバカに、二度登るバカ」という言葉があるそうだと書いた。
本日、羊蹄に一度も登らぬバカではなくなった私(^o^)
ところで、二度登るバカになってしまいそうな私がいたりする(^^;
山歩き時間10時間20分。
26792歩。
(注1)
「富士山に一度も登らぬバカに、二度登るバカ」という言い方が先にある。
(注2)
真狩コース登山口に当たる真狩野営場の駐車場に、車をデポし入山。
倶知安側に下山したのち、デポした車まで戻るにはタクシーを迎車。
(注3)
山頂まで3時間を切って登れる人は、大変な健脚と強い心肺を持っている。
相当に鍛え上げた人だ。
この山に、1時間20分だか30分だかで登ったという人を知っている。
これはもう人の域を越えている。
ヒョウの脚と馬の心肺を持つ超人。
(注4)
今時期なら、登りで消費する分の水だけ持っていけば、事足りる。
1600メートルくらいまで上がれば、残雪から水が得られる。
↓はGPSログ。
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