『山に登る前に読む本』を読む
山歩きでは平坦水平路移動がほとんどなく、登るか下るか。
背負う重量や足元の様子や歩行速度にもよるが、
登りは平地歩行の 5 倍
下りは平地歩行の 1.5倍
の運動負荷があるようだ。
山歩きの10,000歩は、
登りは平地路5,000歩の5倍
下りは平地路の5,000歩の1.5倍
合計で3.25倍の32,500歩に相当すると言える。(注)
『山に登る前に読む本』
副題が、『運動生理学からみた科学的登山術』
講談社ブルーバックスの今年6月の新刊。
こんな喫茶店で読み始め。
著者は、医学部出身の生理学者。(スポーツ医科学講座教授)
かつ、大学の山岳部出身で、年に60日 山に入っていたという。
〝山に登る前に〟と書かれているが、初心者向けの「登りでは踏み出した足に重心を移動してから、・・・」みたいな話は出てこない。
体力のある者が高い山・険しい山に、早く・安全に登れるのだ、という基本中の基本が、この本によってひっくり返されることはない。
登山技術的な著述もない。
登山に必要なエネルギー(グリコーゲン・脂質)の燃焼過程と酸素消費量。
ミトコンドリアの劣化過程と回復、筋肉の疲労とその回復が生理学的データをもとに語られる。
要するに、結局は筋力・体力。
よって、体力のある者に向けた著述もない。
「力の弱い者は正面攻撃」が、著者の人生の基本姿勢という。
すなわち、体力のない者は体力を付けるしかないのだ。
体力のピークを過ぎた中高老年者が、より高く・より険しい山に登るために、いかに体力を付けるか・いかに筋力を上げるか。
そのために、生理学的根拠のあるインターバル速歩が、実績データとともに提案されている。
私の歩き方も変わりそうだ。
(注)
以下は私の感覚で、科学的データの裏付けはない。
なので、大ウソかもしれない(^^;
平坦路を歩くのなら、100分で10,000歩、距離約7キロ。
毎分100歩で100分だから、背中がいくらか汗ばむ程度。
登りで5,000歩
下りで5,000歩
計10,000歩というのは、私の室蘭岳登下山(夏道コース)にほぼ相当して、背中に7、8キロ背負うと歩行時間は100分くらい。
山歩きでは、特に登り時は歩幅が平坦路の7割ぐらいに縮まっているので、歩行距離は少ない。
が、ザックを背負っているし、何せ位置エネルギーを上げる作業がある。
汗の出かた(発汗量が、体温の上昇・筋肉の使用量に比例すると仮定すると)から考えると、
登りは平地歩行の 5 倍
下りは平地歩行の 1.5倍
という負荷倍率は、私の実感より少ない。
私の感覚だと、
登りは平地歩行の 6~10 倍
下りは平地歩行の 0.5~2倍
くらいに感じる。
3時間程度の山歩きをすると、1.5キロくらい体重が落ちる。
私の体力だと、
山歩きの100分は、
平坦路歩きの800分
自転車(平坦路・無風・時速18キロ)だと1200分
に、相当するといった感じ。
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コメント
かなり、エネルギー使っているのに
ぜんぜん痩せないと言うことは
降りてから、楽して、食べている
事にほかならないね。
週に2回くらい、登れば効果でそうだけど
体がもたないわぁ。
投稿: 川染 利夫 | 2014年11月 6日 (木) 23:27
それでなくても、この季節、何を食べてもうまいですしね。
カボチャとかサツマイモとかを自分からは食べてみようと思ったこともありませんでしたが、この秋はうまいなァ。
投稿: KON-chan | 2014年11月 7日 (金) 06:02