ソフトバンククリエイティブのサイエンス・アイ新書。
著者は元自衛官。
「標的を正確に撃ち抜く技術に迫る」が副題。
帯には、「1発で すべてがきまる(ゴルゴ13)」。(注1)
古い映画「西部戦線異状なし」を思い出した。(注2)
砲火の止んだつかの間。
塹壕から身を乗り出して蝶(タテハチョウに見える)を捕ろうとした若い独軍兵が、仏軍狙撃兵に撃たれる。
使われたのは、スコープ付き狙撃銃。
本を開くと、左ページが解説文。
右ページはイラスト・写真。
だから、文字を読むのは全体の半分。
相当量の予備知識のある人を読者に想定しているようだ。(注3)
私のように銃について何の知識もない者には、雰囲気だけを読んだというページが多い。
600メートル先でスコープの中心に照準が合っている(零点規正された:ゼロインされた)銃で、200メートル先の標的に当てるには112センチ下を狙う。
5.56ミリ弾(陸自の89式小銃弾)は、秒速4メートルの横風があると450メートル先で80センチ流される。
気温、上向き射撃、下向き射撃でも着弾点が変わる。
スコープに見える十字線の目盛りは、それを修正させる意味を持つ。
単位はミル(MIL)。
1ミルは間隔1メートルを1000メートル離れた位置から見たときの角度。
これくらいまでが、私の理解できたところ。
スマートフォン用の弾道計算アプリがあるそうだ。
狙撃兵ならば、距離計と弾道計算尺か計算機を持ってミッションに向かうのかもしれない。(ウソかもしれない)
(注1)
この本によると、普通の兵士のスコープなし銃での狙撃可能射程は300メートル。
ゴルゴ13の狙撃距離は1500メートル。
現実の世界は、コミックの上をいっている。
調べてみると、2000メートルを超える長距離狙撃成功例が複数あるようだ。
(注2)
「狙撃」を描いている映画はいくつもある。
思いつくままに。
狙撃に失敗する「ジャッカルの日」。
サウスポーの狙撃兵が印象的な「プライベート・ライアン」。
狙撃兵そのものが主人公の「スターリングラード」。
ラストはソ・独の狙撃兵同士の一騎打ち。
邦画だと、「凶弾」、「駅 STATION」。
(注3)
サイエンス・アイ新書の同著者既刊の「銃の科学」既読を前提としているのかもしれない。
趣味・嗜好のことは、どうでもいい人にはどうでもいいこと。
申し訳ない、私が「銃の科学」を読むことはないと思う。
ところで、『狙撃の科学』の「はじめに」に書いてあるのが、〝国民が銃の使い方を心得ておくことは民主主義の基礎です〟と、何とまァ、大上段なこと。
釣師も、同じ。
ただし、私は最下段(^^;
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