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2007年10月27日 (土)

サケかキティホークか Ⅱ

サケか、キティホークか。
サケもキティホークもでしょう、やはり。

以下、戦争とか軍事力といった重いテーマについては触れない。
本記事は、乗り物ヲタクの目で見た船舶としてのキティホークに関する雑談。
ゆえに、釣りの話題は全く出てこない。

なお、記事中の値は、軽油の比重を0.83、その燃焼発熱量を10900kcal/kgとして計算し、概数に丸めた。

テロ特措法論議の中で、はからずも明らかになったのが空母キティホークの燃料消費量が、平均で1日に20万ガロン(75万7千リットル)だということ。
これは、軽油重量換算で630トン、すなわち1時間に26トン《注1》の消費量となる。

26トンの軽油が作り出す熱量は280ギガカロリーくらいで、これが効率100%で動力に転換されれば、450,000PS(1時間連続)程度になる。
キティホークの公開データによると、心臓の蒸気タービンは4基で280,000PS。

燃料消費量が平均で1日に20万ガロンと言っているから、エイヤーっと平均出力は0.5掛けの140,000PSと推定すると、上で計算した450,000PSと、この140,000PSという値から、タービンの熱効率《注2》は30%程度と見積もれる。
発電所の蒸気タービンのような負荷変動の少ないもので、その効率が40%くらいだそうで、まァ、上の推定はそれほど的外れではないと思う。

再び、公開データによると、キティホークの満載排水量《注3》は86,000トンで、その10%《注4》の10,000トンが燃料重量だとすれば、3週間程度は無補給で作戦行動を取れそうだ。

といったことを話しかけても全然反応のない家内と、空母キティホーク及びイージス艦フィッツジェラルドに乗艦。
Cv63_2
【画像:上】
KON-chan号船長としては、ブリッジ(空母の場合は、アイランドと呼ぶ)と機関室を見せてもらいたかったけれど、見学できるのは飛行甲板と艦載機格納庫のみ。

【画像:下】
艦載機F/A-18ホーネットのメインギア。
空母へ降りることは、着陸とは言わず着艦。
飛行甲板に張られたワイヤーに機体のフックを引っ掛けて急沈降制動させる。
従って、艦載機の降着装置は頑丈に作られている。


《注1》
大食いに見えるが、この数字は非常に優秀。
船は船幅が狭ければ狭いほど、同じ船幅ならば喫水線長が長ければ長いほど水力学的効率が飛躍的に上がることの現れ。
排水量が8,315トンと、キティホークの1/10しかない随伴のイージス艦フィッツジェラルドが搭載しているタービン出力が100,000PSとキティホークの1/4.5もあるのもその証左。

《注2》
0.5掛け出力運転時で効率30%というのは、非常にいい値である。
熱効率の例を上げれば、4サイクルのガソリンエンジンで30%程度、ディーゼルエンジンで40%程度。

《注3》
客船や貨物船の大きさを表す『総トン数』は、税金や保険料等を算定するための基準になるもので、船舶自身の重さとは全然異なる。
一方、『排水量』は船舶の重さそのもの。
『満載排水量』は艦載機、人員、食料、燃料などいっさいがっさいが含まれた重量。

《注4》
満載排水量の10%が燃料だとする見積もりは、戦艦大和の満載排水量が72,800トンで、満載燃料搭載量が6,300トン(但し、重油)だったということを根拠にした。
KON-chan号でも、満載排水量のほぼ10%に相当する重量が燃料で、このあたりは、大小問わず設計思想が符合する。
もっとも、KON-chan号の場合、エンジンを全開すると5時間で燃料が底をつく。

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