2024年9月 8日 (日)

絵鞆マリン倶楽部 秋の釣り大会

日出が5時07分。
5時出航。

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今日の出竿は、こんな風景の見える海域。

1投目。
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3秒で、ビンゴ(^^) 
この調子だと10枚は掛かるだろう。

が、
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こんな風景の見える海域や、

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こんな風景の見える海域で出竿するも、あとが続かず(^^;

9時30分、沖上がり。

洗艇後、絵鞆マリン倶楽部 秋の釣り大会 に参加。
銘打ちは〝秋の〟だが、今日は まだ夏。
日射しは暑い。

我が釣果では、入賞寸法に10センチも足りない。
登録そのものを自粛(^^;
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コロナ以降、久しぶりのパワーランチ。

サカナには食わせられなかったが、我が消化器は すでに秋。
好食欲を発揮。
豚汁・ジンギスカン・焼き鳥・焼きソーセージ・DENEB船長差し入れのチョコレートウエハース。
食った食った、ごちそうさまでした(^^) 

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2024年9月 7日 (土)

『ヒット曲のすごい秘密』を読む

著者は中島さち子。

4半世紀ほど前のこと。
当時 高校生だった中島さち子が ζ(ゼータ)関数 について考えた文章や、それについての数学者と行った討論を載せた雑誌を読んだことがある。(注)
この高校生は、この先 いったいどんな生き方をするのだろう。
その雑誌を読んで、そう思ったのを憶えている。

本書の副題は、
 音楽の魅力を数学で新発見!

あれから、4半世紀。
彼女は、音楽で花を開かせ、数学で花を開かせた。
今現在の 中島さち子は、プロのジャズピアニストで、プロの数学者。

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こんな飯屋で読み始め。

放送日が不定期なのだが、NHKラジオ第1で流れる「Music Scrap」で大友良英が紹介する音楽は面白い。
雑音に音楽性を与えたり、そのつもりだが結局は雑音に終わったりとかの いわゆる「無調(むちょう)音楽」。

本書で扱われるのは、そんな解説されなければ解釈にアタマが届かない音楽ではなく、我々が長く親しんでいる
「調性(ちょうせい)音楽」。

 サザンの「真夏の果実」とドビッシー
 「大阪で生まれた女」と「少年時代」
 YOASOBIとバッハ
などに共通するコード進行、対称性が説明される。

説明するのは数学者だが、せいぜい 一桁の足し算・引き算、2での掛け算・割り算、3での掛け算・割り算。
数式は1本も出てこない(^^) 

本夕、読了。

以前、拙ブログで記事にしたのは、
 『音律と音階の科学』を読む
こちらは物理学者の書いた本だが、
『数学は本書(『音律と音階の科学』)のためにあるようなものだ』
と。

両書とも話の始まりは古代ギリシャの数学者のピタゴラス。
音楽と数学の相性の良さ。

って、ちょっとウィキペディアを覗いてみたら、あるンですね『音楽と数学』という項目が。

(注)
ζ 関数とは何ぞや。
と問われても、私には 何のことやら はァ(^^;

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2024年9月 1日 (日)

『生き物の死にざま』を読む

阿川佐和子のエッセーに、〝生きざま〟という言葉が使われている一文がある。
それを読んだ父の弘之は、娘の佐和子に、
 「〝生きざま〟なんて言葉を使うもんじゃない」
と言ったそうだ。
娘に 〝生きざま〟という単語を使うなと言った弘之の気分が、私には分かる。

本書は、〝生きざま〟ではなく〝死にざま〟。

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こんな飯屋で読み始め。

書かれているのは、小はアリから大はゾウまで、30ばかりの生き物の〝死にざま〟。

チャップリンの「ライムライト」の一場面が紹介されている。
生きることに絶望した若いバレリーナに主人公(チャップリン)は、
 生きていくことは美しく素晴らしいことだ。
 たとえ、クラゲであってもね。
と語りかける。

クラゲは古い生き物で、生活史は複雑。
クラゲの出現は、5億年前。
その頃から、5億年間ずっと生き続けているクラゲがいるのではないかという説があるんだと。

本夕、読了。

以前、拙ブログに、
 『身近な雑草の愉快な生き方』を読む
という記事を書いている。
同じ著者なのを本書を読み終えてから気付いた私はマヌケ。

私の〝死にざま〟はマヌケなのに違いない(^^;

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2024年8月31日 (土)

『豆腐の文化史』を読む

トウフを豆と書くのは、フグをフク(福)と書くが如し。
トウフ発祥の地 中国でも、トウフは豆
以下、拙記事は 本書の表記に従い〝豆〟で。

東京おでんと言ったら〝お多幸(おたこう)〟。
その店と関係があったのか なかったのか、我が町にも同じ店名の おでん屋があった。
お多幸お勧めのシメ飯は、〝とうめし〟。
ツユダクご飯の上に おでんの豆腐。(注) 

著者の専攻は食文化史。

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こんな飯屋で読み始め。

第1章の 「大豆から豆腐へ」から始まり、本書は9章で構成されている。
最終章の第9章は、まるまる1章を使って 「沖縄の豆腐」。

2020年度の1世帯当たりの豆腐消費額の全国平均は 5309円。
全国主要52都市の統計を見ると、消費額最多が那覇市で 6918円。
次が、盛岡市で 6388円。
52位が金沢市で 4192円。
といったこと以外にも、沖縄の豆腐事情の興味深い あれこれが記されている。

本夕、読了。

豆腐と言えば、泊まりの山行に とても便利だったのがハウスの〝ほんとうふ〟。
昨年 製造を止めてしまったのは残念。

豆腐と称するが、杏仁豆腐は本書の守備範囲外。
針供養の豆腐も、本書の範囲外。

(注) 
豆腐が、拙ブログ記事の主題。
なのだが、シメに〝とうめし〟は、私には重すぎる。
私は〝だいめし〟で。
ツユダクご飯の上に、おでんのダイコン(^^) 

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2024年8月26日 (月)

『まちがえる脳』を読む

著者は心理学を専攻した脳学者。

書名の『まちがえる脳』の〝まちがえる〟は、〝錯覚〟のことではなく、脳の〝柔軟性〟のこと。
ひとつの脳の部位が複数の機能に関わる〝柔軟性〟。
また、その個人差が大きく、しかも経験で変化する〝柔軟性〟。

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こんな飯屋で読み始め。

生理学用語に、発火(ignition)があるそう。
ニューロン(神経細胞)の機能は、情報の伝達・処理。
細胞の内側より細胞の外側が高電位。
この電位差が増すことでニューロンの活動が始まる。
それが発火。

私自身がバカだということをタナに上げて言うのだが、本書を読んでニューロンのネットワークをイメージできるヒトは、相当量の事前知識があるヒト。
そもそも、本書を読む必要のないヒトだと思う。
私の持つイメージは、NHKスペシャルの『人体』シリーズで、ニューロンのネットワークで発火がパチ・パチ・パチと起きる様子を視覚化した放映で止まったまま。
ゆえにと言うか、頭が回らないからと言うか、ページがなかなか進まなかった。

本夕、読了。

MRI(fMRI)で血流の増減を測定できる大脳皮質の最小単位の、現時点の到達点は1ミリ立方。
その範囲内に、(用語の説明抜きに記すと)
 ニューロン 10万
 シナプス  10億
 樹状突起と軸索の長さ 10キロ
で、その神経回路の動作は全く分かっていない。
更には、ニューロンのつながりで作られている脳は自発的に活動するが、ニューロン自身は自ら発火できないと。
脳の研究に必要なのは、天才ではなく根気らしい。

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2024年8月25日 (日)

20キロの氷で冷やしたのは

5時40分、出航。

Tシャツ・短パン・サンダル。
頭は、豆絞りをあねさんかぶり。

午後からは風が出る予報。

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なのに、こんな風景の見える海域で出竿したり

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こんな風景の見える海域で出竿したりで、落ち着かず。

風の吹き出しは早かった。
我が艇の装備力では釣りにならず。
9時、沖上がり。

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搭載した20キロの氷で冷やしたのは、これっぽっち(^^;

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2024年8月17日 (土)

『買い物とわたし』を読む

本書の副題は、『お伊勢丹より愛をこめて』。
週刊文春に連載していた『お伊勢丹より愛をこめて』に加筆したエッセー集。
著者は山内マリコ。
本書内の表現を使うと、美大を出て小説を書いているヒト(らしい)。

『お伊勢丹より愛をこめて』の〝お伊勢丹〟は、百貨店の伊勢丹のこと。

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こんな喫茶店で読み始め。

著者が買ったモノの、その購入動機や購入経緯が、65編のエッセーでつづられる。
必ずしも伊勢丹が購入場所ではなく、ホテルオークラだったり、ネット通販だったり、ユニクロだったり。

Made in Japan も 今や、何だかアヤしい。
 学校の所在市出身の選手が一人もいない高校野球強豪校
 化粧は偽装(かもしれない)
 警察官の調書偽造
 大手メーカーの型式指定検査不正
でも、
 カニカマボコを偽造とは言わない(ような気がする)
 回転寿司のエンガワはヒラメではないけれど、それを偽装とは
 言わない(ような気がする)
 Word・Excel の上書きは偽装とは言わない(ような気がする)
 メロンパンにメロンは使っていないけれど、偽装とは言わない
 (ような気がする)
 デジタル画像の Photoshop 加工は、修正・修整・調整
 その結果は、時に作品、時に偽造

本夕、読了。

買ったモノに、百均のプラスチック容器なんてない。
かと言って、預金残高が10桁なければ買えない、なんてモノもない。
職についているモノなら、手を出せそうなものばかり。

が、こう言ってはナンだが、この本はイヤらしいしイヤしいと思う。
書かれているモノは、幾つあっても困らないモノ。
タオル・下着・靴・花・クッキー・洋装品 等々。
購入品の評価は全て肯定的。
かつ、ブランド名はしっかり入れてある。
著者の下心が透け透けの見え見え。

彼女の買い物が、縫い針やミネラルウォーターなら、そんな気分には ならなかったと思うが。

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2024年8月12日 (月)

『食べるのが大好き』を読む

文部・労働・法務・総務大臣を歴任した鳩山邦夫の逝去は ’16年。
享年67。
邦夫は21歳の時、7歳年下、つまり14歳のタレントの高見エミリに求婚している。
そして その求婚は実り、エミリが18の年に二人は結婚した。

政治家の妻となり、二男一女の母となったエミリが本書の著者。
邦夫が政界でブイブイ言わせていた頃の本で、初版は20年以上も前になる。

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こんな飯屋で読み始め。

本書は、料理レシピ本。
自宅庭で邦夫が栽培している野菜や飼っている烏骨鶏(うこっけい)が生んだタマゴなどを使った料理が、日々のあれやこれやを交えて紹介されている。

盛り付けに使っている器は全て著者作。
掲載されている写真も全て著者の撮影。

2男1女の母でもあるし、早朝から邦夫と活動を共にする秘書らもいるので、毎朝食の準備は7、8人前。
朝食は必ず味噌汁が付いた和食。

邦夫の料理のウデも確か。
エミリ不在時の子供らの弁当は、彼が作っている。
また、丸のままのサカナをおろすのは邦夫の役目。

本夕、読了。

特に変わった食材はない。
邦夫が育てたダイコンでタクアンを作る。
キムチ、梅干しを作る。
ウナギを使うレシピもあるが、主食材が、
 白菜だったり
 豆腐だったり
 オカラだったり
 ガンモドキだったり
 イワシだったり

が、そこはそれ。
名にしおう名家の鳩山家。
小学生の息子を米国に留学させる。
その留学先の住まいで雇っていたのは、2人のフィリピン人のメイド。
彼女らに作らせたフィリピン料理(アドボ)をエミリ風にアレンジした料理が紹介されている。

名にしおう名家の鳩山家の台所で作るエミリ風アドボに必要な材料は、
 鶏モモ肉
 豚のスペアリブ
 ニンニク
 しょう油
 酢
 砂糖
 コショウ

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2024年8月11日 (日)

『おいしいアンソロジー 喫茶店』を読む

CafeRes は、喫茶店の経営を考えているヒトや現に開業しているヒトのための季刊誌。

本書は、そういうカウンターの中のヒトの本ではなく 喫茶店でサービスを受ける側のヒトの本。
おいしいアンソロジーは、
 ビール
 お弁当
 おやつ
と既刊され、本書『喫茶店』がシリーズの最新刊。

小説家・漫才師・写真家・彫刻家・役者など40人が書いた、40編のエッセーが集められている。
それらは、どれも せいぜい10ページほどの文章なのだが、編集者のウデが良く、
副題の
 少しだけ、私だけの時間
に ふさわしいものばかり。

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書名が『喫茶店』。
なので、喫茶店で読むのが いいに決まっている。
ってことで、こんな喫茶店で読み始め。

道内を走るJRの特急の車内販売品は、ビール・アイスクリーム・沿線の銘菓など。
そして、保温ポットから紙コップに注いで提供されるコーヒー。
キハ261は走る喫茶店だった。
が、その車内販売サービスは もう終わってしまった。

本夕、読了。

山ではコーヒー。
私のバカ舌でも、豆の違いによるコーヒーの味の違いは分かる。
十勝岳登山時、上ホロカメットク野営指定地で淹れたコーヒーはコピルアク

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2024年8月10日 (土)

『戦前日本の「戦争論」』を読む

1940(昭和15)年に組閣された第2次近衛内閣の閣僚は、
 総理大臣 近衛文麿
 外務大臣 松岡洋右
 内務大臣 平沼騏一郎
 陸軍大臣 東條英機
 海軍大臣 及川古志郎
ら。

この内閣が設けたのが、総理大臣直轄の総力戦研究所
その研究所において、帝国が米国に戦いを挑んだ場合のシミュレーションを行っている。
米国が原爆を完成させることまでは予測できなかったが、
 緒戦は勝利する
 長期戦になる
 ソ連が参戦する
こと、そして敗戦するのは帝国であることを史実通りに予測している。

その研究結果は、首相をはじめとする閣僚・上級官僚・陸海軍上層幹部を前にして発表されている。
帝国が英米に戦端を開く16ヶ月前のこと、すなわち、帝国敗北の60ヶ月前のことである。

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こんな飯屋で読み始め。

本書の副題は、
 「来るべき戦争」はどう論じられていたか

〝どう論じられていたか〟を、本著者は下記の出版物から拾っている。
本書の目次にある表記通りに並べると、
 われ等若し戦はば 昭和八年八月発行/講談社
 米國海軍の眞相  昭和七年十一月発行/創造社
 日米果して戦ふか 昭和六年八月発行/春秋社
 昭和十年頃に起る日本對世界戦争 昭和七年五月発行/日月社
 日本は勝つ 昭和十八年五月発行/高山書院
(上記本の著者は、今の我々には、とうに忘れられたヒトたちで、退役軍人や軍事を専門とする評論家ら)

本夕、読了。

どの本も、米国の経済力・科学力・工業力が帝国を大きく上回ることを認めていて、開戦を避けるべきという論調なのは同じ。
また、どの本も、米国が帝国を空襲することについて、史実に近い予測をしている。
よって、フィリピン・南洋諸島・小笠原が戦略上の重要地となることも同じように論じている。

実際に、米軍が帝国へ初空襲したのは、'42(昭和17)年4月。
その翌年発行の 『日本は勝つ』 に書かれているのは、
 なあに、東京が焼けても、日本にはまだ
 大阪もあれば、名古屋もあるではないか。
 といったぐらいな、太い神経の持ち主に
 ならなければ、米英相手の大戦争は勝ち
 ぬけるものではない。

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2024年8月 6日 (火)

『ジャンケン文明論』を読む

著者は、盧 泰愚(ノ・テウ )大統領時代に韓国文化部長官(文化相)だった 李 御寧(リー・オリョン)。
韓国で生まれ育ち、韓国で教育を受けた韓国人だが、本書は韓国語からの翻訳本ではない。
著者の日本語は完璧。

プロ野球。
ホームチームが後攻で、ビジター(アウェイ)チームは先攻と決まっている。

サッカーはコイントス。
テニスだとフイッチ。
いずれも、表か裏か。

高校野球。
先攻・後攻はジャンケンで。
卓球もジャンケン。

ジャンケンなので、あいこでしょ がある。
ジャンケンポン、あいこでしょ あいこでしょ と あいこでしょ が2回続くことがある。
ジャンケンポン、あいこでしょ あいこでしょ あいこでしょ と あいこでしょ が3回続くことも、時には あるだろう。

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こんな喫茶店で読み始め。

著者は西洋の 表か裏かの思想 と 日中韓の あいこ のあるジャンケンの思想を対比させて論を進める。

もっとも、三権分立や その逆の三位一体は西洋の考え方。
また、否定も肯定もしない とか ラグビーの試合終了をノーサイドと言ったりするのも西洋発祥。
東洋にも、裏か表かの思想がある。
中国には陰陽
韓国には太極
日本には丁半
とかとか、ンな身近な反例で本書の論に口をはさむのはヤボ。
著者の目の付け所の鋭さに オぉーッとなる本。

本夕、読了。

ポツダム会談に集まったのは、英米ソ3首脳。
ジャンケンをしている写真が残っている。
 チャーチルはチョキ
 トルーマンはパー
 スターリンはグー
ジャンケンで何を決めようとしたのか、本書には説明がない。

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2024年8月 4日 (日)

ヤァ、お久しぶりです、Dolphin船長

明け方まで雨。
マリーナまでの道は濡れていた。

立秋の3日前。
暑中、大暑。
なので、氷を20キロ搭載。

7時20分、出航。

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今日の出竿は、こんな風景の見える海域。
雲底が低く、空も海も暗い。
が、沖では、短パン、Tシャツ、サンダル、ツバ広帽子になった。

竿を揺らしたのは、小さなガヤ。
で、それ〝のみ〟(^^;

帰航はヒラメ場経由。
アッチのヒラメ場は、視程100メートルほどの濃いガス。
ンで、コッチで。
しかし、コッチにはサカナがいない(^^;

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ヤァ、お久しぶりです、Dolphin船長。

キープする釣果がないまま、正午、沖上がり。

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2024年7月28日 (日)

『日本FOOD紀』を読む

〝FOOD〟ではなく〝FOOD〟。

本書は、日本製粉・ヤクルト・ロッテの協賛・協力で作られ、全国の小・中学校に寄贈されたようだ。
ではあるが、カタい教育書ではない。
内容は、石器時代から現代に至るまで、日本人は何を食べてきたか。
特に、戦争前後から今に至る〝食〟と〝社会〟に多くのページが割かれている。

ウラ オモテにギッシリと書き込まれたA1サイズの年表が付録。
この年表が充実していて、これを眺めているだけで、ハラもアタマもイッパイになる情報量。

児童・生徒よりも、アタマが白くなり始めた大人が読むにふさわしい(と思う)。

Food
こんな喫茶店で読み始め。
カップは Royal Albert の bone china。

本書、1995年のページでは、マクドナルドのハンバーガーを話題にしている。
 この年は、阪神・淡路大震災、地下鉄サリン事件が起きている。
 食 に関しては、消費期限もしくは賞味期限の表示が義務付けられた年。
 円高、デフレ経済の真っただ中。

今日現在、マックのハンバーガ―は1個 170円。
1995年。
当時は210円だったのを130円に値下げしている。

本夕、読了。

マックのハンバーガ―の価格変動の振れ幅は大きい。
2000年は、平日半額で65円。
2002年には、80円に上げたところ売り上げ激減。
2ヶ月後に59円としている。

以下は、数字を並べただけ。
マックの店舗数の一番多い国は、もちろん米国で14000店強。
次が日本で3000店弱。
三番目が中国で2400店弱。

ちなみに、日本におけるケンタの店舗数は1200店弱。
中国では、マックより多い5000店を超える。

ウソかホントか、マックで働いた経験のある米国人は、人口の10パーセントを超えるらしい。

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2024年7月27日 (土)

『国鉄』を読む

義務教育で、〝三公社五現業〟を教えていた時期がある。
三公社とは、
 国鉄
 専売
 電電
五現業とは、
 郵便
 林野
 印刷
 造幣
 アルコール専売
これら八つのどれを取り上げても、その創業の理念と歴史は大変に面白い。

公社としての〝国鉄〟の発足は、1949年6月。
それが〝JR〟となったのが、1987年4月。
つまり、公社としての歴史より分割民営化後の歴史のほうが長くなる節目に今いる ということになる。

著者は、機械工学科出身のエンジニアとして鉄道マン人生をスタート、’87年分社民営化で発足したJR九州の初代社長として経営にウデをふるったヒト。

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こんな喫茶店で読み始め。

副題に、
 「日本最大の企業」の栄光と崩壊
と あるように、企業規模のワン・ツー・スリーは長いこと国鉄・電電・東電だった。
そのナンバーワン企業は、8時15分に被曝した広島において、正午過ぎには列車を走らせるほどの強靭な体力を持っていた。
また、国鉄総裁の待遇は国務大臣と同等で、ある総裁は、国会答弁で、
 「人命を預かる鉄道員が たばこ巻の専売と同じ給料なのはおかしい」
と述べるほどの高いプライドを持っていた。

が、’64年度に単年度赤字を出した国鉄は、その後23年間赤字額を積み上げ続ける。

本夕、読了。

JR北海道・四国・九州を三島(さんとう)会社と呼び、民営化スタート時点から、経営安定のための基金が用意されていた。
本著者が社長・会長として経営に当たったJR九州は、鉄道単独では赤字だった。
が、黒字事業を開拓することで上場を果たし、既に基金に頼っていない。

現在、JR北海道は札幌圏内でさえ鉄道単独では赤字。
北海道新幹線の単年度赤字額は100億。
著者は、そのJR北海道に四つの提案をする。
その提案に、廃線はない。

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2024年7月21日 (日)

『寅さんの列車旅』を読む

渥美清逝去後に作られた作品も含め、『男はつらいよ』シリーズは全50作。
その全てを観ている。
 筋書きはワンパターン
 ロケ地の観光協会の全面協力体制
 偶然シーンの頻出
 登場人物は全員 お人好し
それが、いいわけだ。

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こんな喫茶店で読み始め。

本書を作ったのは、奇数月発行の隔月刊誌『旅と鉄道』の編集部。
なので、副題は、
 『映画『男はつらいよ』の鉄道シーンを紐解く』

寅さんが柴から旅に出る。
京成電鉄の柴(又の中に〝・〟がある)駅から。
布市布院町にあっても、布院駅と書くが如し

本夕、読了。

米国々旗の星の数は50。
広い米国は50州。

狭い日本、1都1道2府43県で47。
富山県と高知県は、とうとう『男はつらいよ』のロケ地とはならなかった。

’79年封切りの『男はつらいよ 翔んでる寅次郎』。
白老町虎杖浜の太平洋側の丘にある虎杖浜神社の境内で、ネクタイを啖呵売(たんかばい)するのは寅さん。
マドンナは桃井かおり。

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2024年7月20日 (土)

『日本人が言えそうで言えない英語表現650』を読む

最近は 見なくなったが、
 『法定速度順守車 お先にどうぞ』
なかには、
 『全長18m 死ぬ気で追越せ!』
と表示されたステッカーを貼ったトレーラーが走っていた。

先日の山歩きの登りで。
英語を話す脚の速い二人パーティが私に追い付いた。
で、私、
  "After you."
返ってきたのは、
 「ドウモアリガトウ」

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こんな喫茶店で読み始め。

山の原則は、登り優先。
狭い山道では、斜面の上にいるヒトが、登るヒトに道をゆずる。
原則だから、例外多々。
私なんかは、
 「先に下りて下さい」
で、登りの足を休めるわけだ(^^;

ところで、
 「先に下りて下さい」
の時も、英語では、
  "After you."
なのだろうか。

本夕、読了。

〝お先にどうぞ〟があるなら、〝お先に失礼〟もあってしかるべき。
だが、英米国人は、〝お先に失礼〟という発想はしないようだ。
なので、本書に、
  "Before you."
などという表現は載っていない。

’16年公開の映画『世界一キライなあなたに』の原題は、〝Me Before You〟。
〝Me Before You〟は、〝あなたに会う前の私〟の意。

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2024年7月16日 (火)

『黒部源流山小屋暮らし』を読む

北海道の山には、管理者(小屋番)が常在する山小屋(避難小屋)は ごく少数。
数えるには片手もいらない。
食事を提供する小屋は ひとつもないし、里から水を背負っていかねばならない小屋もある。
北海道には、高い山がないし、営業を成り立たせるほどヒトの入る山がないからだろう。

本州の山には、宿泊場所の提供だけではなく 食事も提供する山小屋が相当数ある。
そこを、水・食料・山況情報の調達場所、休憩場所、睡眠場所、荒天時の避難場所、縦走の拠点として山を歩くわけだ。

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こんな喫茶店で読み始め。

著者は美大出のイラストレーター。
また、山小屋の支配人でもある。
小屋は、北アルプスの薬師岳(やくしだけ:2900メートル)、水晶岳(2986メートル)に近い、黒部川の源流域の沢筋に建つ。
イワナ釣りが目的の客が多い小屋。
彼女自身も、毛バリによるイワナ釣り名人。
携帯の電波は届かない。
営業は、7月のアタマから、10月のスポーツの日の3連休までの3ヶ月半。

その間の彼女の自室は、1畳と1/3。
2.2平米(注)
ここに、絵描きとしての道具も、釣り道具も、書籍も、もちろん寝床も。

本夕、読了。

NHKラジオ第1の『石丸謙二郎の山カフェ』はナマ番組。
先月末、その番組にユーコン川の川下りから帰って来たばかりだという著者が電話でゲスト出演しているのを聞いた。
こんなヒトが采配する山小屋は素敵なのに違いない。

(注)
1人用山岳テントの多くは、1メートル✖2メートル。
2.0平米。
その狭さが不満だといって、ソロなのに2人用テントを背負って山に入るヒトは結構多い。
2.2平米よりは確かに狭いが・・・

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2024年7月15日 (月)

夏山を歩く

全山、深緑。

 登り:西尾根コース
 下り:夏道コース

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ペトトル川の渡渉後、登りに取り掛かる。

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手前の木にアカゲラ。
何せレンズが17ミリ。
思いっ切りトリミングして、やっと姿が。

600メートルあたりはキジバト。
その先、山頂までウグイス。

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825メートルピークから望む山頂に、北から雲が迫ってきた。

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雲がかぶってきた稜線に夏紅葉。

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山頂寒暖計は23℃。
風穏やか。
しかし、暗い。
四周、下界ともガスに沈み、眺望を得られず。

山歩き時間3時間30分。
14930歩。

全給水量は、
 ・200CC

また、サタケのマジックライスとバーナーを持って上がったが、食欲わかず。

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2024年7月13日 (土)

『人は、こんなことで死んでしまうのか!』を読む

本著者は、2万通の死体検案書を書いた監察医。
同著者の著作は、以前にも 『解剖学はおもしろい』を読む と拙ブログの記事にしている。

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こんな喫茶店で読み始め。

本書に載せられていた一例。
胃の不調を訴えたら、胃散を処方された。
それを飲み続けた2、3日後に、突然死する。
こんな時、死因の ほとんどは心筋梗塞なのだとか。

左肩が凝(こ)る。
こんな時も、心臓発作を警戒する必要がある。
著者は、
 心臓の不調は体のどこに どういうかたちで
 あらわれるのかわからない。
と書く。
〝放散痛(ほうさんつう)〟というようだ。

本夕、読了。

私は、ひとこと・ふたこと以上を交わした間柄だったヒトの突然死を経験している。
 たった ひと晩の闘病もへずして逝った20代。
 闘病もナニも、ラグビーコート上で くずれ、そのまま
 逝った やはり20代。
いずれも、先天性の疾患とも生活習慣病とも無縁。
かつ、人並み以上の基礎体力と運動神経の持ち主だった。

〝腹上死〟は〝腹上死〟。
〝腹死〟も〝腹上死〟というのだと本書。

人は、こんなことでも死んでしまうが、あんなことでも死んでしまう。

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2024年7月 7日 (日)

『残酷な進化論』を読む

昨年度の、
 「科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞(理解増進部門)」
を受賞したのは、YouTuberのヨビノリたくみ。
彼が配信した番組の中には、カッコいい理系用語とダサい理系用語といった息抜きモノもある。

カッコいい用語の、
 1位は 赤の女王仮説
 2位は 生成消滅演算子
 3位は 宇宙際タイヒミュラー理論

ダサい用語の、
 1位は 箱ひげ図
 2位は ベン図
 3位は 井戸型ポテンシャル

ちなみに、箱ひげ図はExcelの統計グラフ内にテンプレートが用意されているし、ベン図は円の組み合わせ。
当然、Excelで描画できる。

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こんな喫茶店で読み始め。

このダサい用語の1位から3位までを決定する過程では、〝おばあちゃん細胞仮説(grandmother cell hypothesis)〟も候補にあげられていた。
おばあちゃん細胞仮説〟とは全然違う概念なのだが、本書には〝おばあさん仮説(grandmother hypothesis)〟が紹介されている。

チンパンジーの兄弟姉妹には年子がいない。
なぜなら、チンパンジーの授乳期間は4~5年と長く、それゆえ出産間隔も5~7年と長いから。
同じ理由で、ゴリラの出産間隔は4年。
オランウータンは7~9年。

ところが、ヒトは授乳期間が2~3年と短いだけではなく、授乳期間中にも次の子を産める。
父親・祖父母に限らず、血縁関係にない者さえも子育てに協力する生物的・社会的進化が あるからだろうと、本書の説明。

本夕、読了。

霊長類のメスは閉経しないで死ぬまで子を産む。
ヒトだけが閉経し、その後も長く生きる。
ヒトが共同で子育てしてきたことで得た進化の形質で、これを〝おばあさん仮説〟と言うそうな。

〝仮説〟だから、真偽不明。
本書では、ヒトは夫一妻に向かう進化傾向がありそうだ と書く。
しかし、〝おじさん仮説〟・〝おじいさん仮説〟が成立する夫一妻に進んでもいいような気がする。

また、ヒトは かなり頻繁に浮気をするので夫一妻に向いていない、という意見があるようだ。

父親が持つ遺伝子による子の遺伝性疾患の調査では、父子関係に客観性の高いデータが得られる。
上記調査によって、父子として暮らしてきたが、実はアカの他人の関係なのだと判定されるのは1~4パーセント。

浮気で子ができるのが、1~4パーセント。
火遊び浮気なら、私の根拠レスのエイヤーっ見積もりで、この20倍、20~80パーセントはあるのでは。

ヒトは夫一妻に向いていない、という意見に私は首を縦にふる(^^;

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2024年7月 6日 (土)

『旅をする木』を読む

ロシア・カムチャツカ半島の最南端にあるのがクリル湖。
面積は支笏湖とほぼ同じ。
この湖からオホーツク海に注ぐ川をサケが遡上する。
カムチャッカのヒグマは そのサケを食う。

誰が教えたのか、
星野自身が考えたことなのか、
「遡上してくるサケを狙っているので、この時期のヒグマはヒトを襲わない」

と、クリル湖畔に設営したテントで一人寝したのが本著者の星野道夫。

しかし、ヒグマが何を食おうとヒグマの気分。
星野道夫はテントを壊され、シュラフを裂かれ、ヒグマに食われる。
'96年のこと。
星野、43歳。

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こんな喫茶店で読み始め。

北海道に憧れ、やがてアラスカに憧れ。
憧れは、現実に。
アラスカに土地を買い、家を建て、その地に妻をむかえ、子を育てる。
写真を撮り、文章を書き、本を作り、TV番組を企画し、世界中を旅する。

それを33編のエッセーに。

本夕、読了。

神田の洋書専門の古本屋で、アラスカの写真集を手に入れる。
その写真集に載っていた北極圏内の村で、19歳の彼は3ヶ月暮らす。
白夜の地で、クマを狩り、アザラシを狩り、トナカイを狩り・・・

14年後、ある偶然から、彼はその写真家と会う。
「そうか、私の写真集が君の人生を変えてしまったんだね・・・
 で、後悔しているかい?」

星野は こう書く。
 人生はからくりに満ちている。
 無数の人々とすれ違いながら、私たちは
 出会うことがない。
 その根源的な悲しみは、言いかえれば、
 人と人が出会う限りない不思議さに通じ
 ている。

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2024年6月30日 (日)

『国マニア』を読む

著者は日本の大学で国際関係学を学び、香港(ホンコン)の大学へ。
卒業後は、香港で邦人向けの日刊紙・週刊誌・月刊誌の記者・編集者を勤めたヒト。

映画『人間の條件』では、工藤大尉が砲声の中、 
「国家とは何か」と叫ぶ。

かわぐちかいじのマンガ『沈黙の艦隊』では、原子力潜水艦の海江田艦長が、乗艦を「やまと」と命名する。
そして、「やまと」が国家として独立したことを宣言し、国連総会への出席を果たす。

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こんな飯屋で読み始め。

パナマ運河とその沿岸は、パナマ運河地帯と呼ばれていた時期がある。
1903年から1979年にわたってのことで、その間、米国が行政と司法の権限を持ち、必要とあらば治安出動できる権限まで有していた。
パナマは独立国だったが、パナマの憲法には、
 公安が乱れた場合には、米国が干渉できる権利
が明記されていた。

パナマ運河地帯は米国の海外領土だった。
その返還を承認したのは、カーター大統領(’77年)で、’99年末に返還を終えている。

本夕、読了。

香港・台湾とも国連加盟国ではない。
が、

 香港は、ホンコン チャイナの名で
 台湾は、チャイニーズ タイペイの名で
オリンピックに参加している。

本書に書かれていることを、そのまま引用すれば、
 国家が成立するための三要素とは、「領土・国民・主権」
 だと定義されている
とあるが・・・

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2024年6月26日 (水)

旅装を解いたのは

NHKのTV番組『ドキュメント72時間』。
毎年末、その年の放送を振り返る特番がナマで組まれる。
昨年末の特番で、視聴者に最も強い印象を与えた放送として選ばれたのは、
 『冬の北海道 村のコンビニで』
真冬の初山別のセイコーマートの72時間だった。
また、
 『礼文島 最果てのユースホステルで』
と題された回の放送も、昨年末の特番で取り上げられた。

ここで、
 〝最果てのユースホステル〟
と表現されているのが、〝桃岩荘(ももいわそう)〟。
私の礼文島での旅装は、ここ 桃岩荘で解いた。

夏。
といえば、学生を中心とした若い人たちがリュックを背負い、日本中を歩いた。
移動は、周遊券・青春18・スカイメイト・長距離フェリー・バイク・自転車・徒歩。
睡眠は、夜行列車内・駅舎のベンチ・ライダーハウス・ユースホステル。

ヒトは変わる。
社会も変わる。
今や、夜行列車は激減、周遊券の販売もない。
駅舎のベンチは個席化され、横になれない。
ライダーハウスもユースホステルも減った。

変わらないのは、桃岩荘だけ。
 アアだ・コウだ言うヒト
 高い・安いを言うヒト
 コスパ・タイパを言うヒト
 人生を語るヒト
 過去を語るヒト
そして、
 未来を語るヒトさえも、
この宿では過ごせない。

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この宿で過ごす者が考えるのは、今。
今、だけ・・・

私が、
 礼文島に到着したのは、 6月23日 16時45分
 礼文島を離れたのは、  6月26日  8時55分
ここ桃岩荘には3泊。
我が礼文島滞在は72時間に及ばず。
私の
 『礼文島 最果てのユースホステルで』
は、
 『ドキュメント64時間10分』

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礼文島を歩く

稚内の西の沖に浮かぶのは利尻島。
そのさらに西に浮かぶのが、最北の有人島の礼文島。

その礼文島に立つ頃から雨。
夜になると風も付いてきて、翌日は一日中、屋内に停滞。

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さらに翌日の25日、やっと島内を歩ける空模様に。

田中澄江著『花の百名山』で礼文島の路傍で見たと記されている18の花は、
 シシウド
 チシマフウロ
 マイズルソウ
 ガンコウラン
 コケモモ
 ツタウルシ
 レブンソウ
 エゾタカネナデシコ
 イブキトラノオ
 イワオウギ
 ミヤマキンポウゲ
 エゾスカシユリ
 ミヤマハタザオ
 エゾオトギリ
 ウメバチソウ
 ミヤマオダマキ
 エゾヨツバシオガマ
 ウルップソウ

私が見たのは、17。
 シシウド
 チシマフウロ
 リシリソウ
 エゾカンゾウ
 オオハナウド
 オオカサモチ
 ヤマブキショウマ
 ハマナス
 バイケイソウ
 ノハナショウブ
 ムスカリ
 ルピナス
 バイケイソウ
 ハクサンチドリ
 チシマアザミ
 エゾニュウ
 レブンウスユキソウ
シシウドチシマフウロが共通する。

田中澄江が見ることがなかった花、レブンアツモリソウには私も出会えず。

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島内歩きのGPSログ。
🔴ー🔴間は宗谷バスを利用した。

島内歩き時間、7時間20分。
41866歩。

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2024年6月22日 (土)

『花の百名山』を読む

北海道の山は低い。
最高峰の旭岳(大雪山)でも、2291メートル。
なので、その最高峰でも花を見る。

著者は、脚本家の田中澄江(1908年 ー 00年)。

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こんな喫茶店で読み始め。

著者は素晴らしい脚を持っている。
本書の『あとがき』は、著者 75歳の時に書かれている。
その時点での著者の山行数は、年に50座。

若い頃は、牧野 富太郎 (1862-1957)と共にした野歩きも多い。
したがって、本書で披露される植物の知識は正統で豊富。
本書内に書かれている植物名は900ほど。

本夕、読了。

著者は、3泊4日の行程で、夕張岳(1668メートル)・礼文岳(490メートル)・利尻山(1721メートル)と歩いている。
礼文岳の章に書かれている花の名は18。(注)
そして、礼文岳の章は、
 入り組む海岸線の美しさと、路傍の花々に圧倒された
と終わる。

私は思った。
 礼文島へ行こう。
 そして、路傍の花々に圧倒されよう。
と、・・・

(注)
礼文島にはアタマにレブンの付いた固有種が幾つかある。
その代表格が〝レブンアツモリソウ(ラン科)〟。

が、本著者は、この花については ひとことも触れていない。
山行とレブンアツモリソウの花期が合わなかったのだろう。
それを、
 山に来るのが早過ぎた
 山に来るのが遅すぎた
 残念だ
などと書いたりしないのが著者らしい。

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2024年6月 9日 (日)

『商人』を読む

著者は’16年逝去の永 六輔。

帯に、
 六輔ワールド、
 いよいよフィナーレ!
とあるように、本書は、『職人』・『芸人』と続く三部作の最後。

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こんな飯屋で読み始め。

著者の信条は、
 曲がったことのない街角を曲がったら
 旅が始まる
国内外アチラコチラを、ショルダーバッグひとつで歩いている。

本書には、散歩先・旅先で聞いた商人らの語録が並べられている。
そのひとつが、
 商店街だけじゃありません。
 楽な仕事なら後継者はいまっせェ、
 ・・・たとえば政治家とか、タレントとか

本夕、読了。

タモリが、笑いを取っていた さだ まさしネタは、
 ・しみったれた暗さ
 ・オチの見える歌詞展開

タモリが、笑いを取っていた 永 六輔ネタは、 
 ・しみったれた文化論
 ・オチの見える文化論展開

タモリのような回転の速い頭を持っていない私にでも、永 六輔の文化論の展開は見通せる。
例えば、本書名は〝商人〟だが、それに〝あきんど〟と ふりがはを付けたりとか。

本書内で、永 六輔は自身を〝売文商人〟と称している。
〝売文商人〟に ふりがな は付いていない。

〝ばいぶんしょうにん〟と読ませるのだろうか、〝だぶんあきんど〟と読ませるのだろうか。

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2024年6月 8日 (土)

『山嶽地帯行動ノ参考 秘』を読む

〝山嶽〟とは〝山岳〟のこと。

本書は、帝国陸軍教育総監部本部長名で各部隊に配布された原本をスキャンして復刻したもの。
原本配布は、帝国敗戦の20ヶ月前の1944(昭和19)年1月。
信州の松代町(現:長野市の一部)へ大本営及び政府機能を移す計画が持ち上がる頃。

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こんな喫茶店で読み始め。

実際に山岳地帯に部隊を展開してデータを採取、それをもとに本書がまとめ上げられている。
データ採取は、中央アルプス最高峰の木曽駒ケ岳(2956メートル)山域や富士山において。

現在の日本人男性の体重はもう少しあると思うが、本書では兵士の平均体重を60キロとしている。
で、かつぐ重量が43から49キロ。

本書に掲載のデータから、
 水平に1000メートル進んで、上がる高度が100メートル
 傾斜6°弱の時、
 行軍速度は時速2.7キロ
 なお、30分ごとに5分間の休憩

 水平に1000メートル進んで、上がる高度が500メートル
 傾斜27°弱の時、
 行軍速度は時速0.37キロ
 なお、15分ごとに5分間の休憩

本夕、読了。

上記は、体力・気力ともに優秀な者の数字と本書の記載。
また、山地では地図に記せない道の屈曲が多く、図上距離の倍になることを考慮しなければならないことが書かれている。

11時間歩いた後の備考に、
 部隊ハ 体力的二 戦闘ノ 余力ヲ 十分保持シアリ
とある。

私のテントを担いでの、1泊2日の縦走時で、背中のザック重量は16キロから18キロ。
11時間なんて歩かないが、全力を使い切る。
テント設営後は余力なし。

私は兵士になれない(^^;

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2024年6月 2日 (日)

白老牛肉まつり

オリンピックは、ごと
ごとは、おきと言い換えできる。

〝白老牛肉まつり〟で昼食をとるのが我が家の毎年の行事だった。
しかし、〝白老牛肉まつり〟の直近最後の開催は’19年。
以降 コロナ禍で休催が続き、今年再開。
ってことで、ごとでもおきでもなく、ぶりに、昼食のために〝白老牛肉まつり〟へ。
〝まつり〟と銘打っているが、要するに規模の大きな屋外食事会。

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5年前は、土日2日間のまつりでメシを食うために集まったのは万人。
そして、私が感じたのは、じき、この増加一方の人の集団をさばき切れなくなるだろう ということ。

段取り八分に作業二分。
段取りとは企画のこと。

ぶりの今回の まつりを、関係者は練りに練って企画したものと思われる。
 ・白老駅⇔会場 の大型バスによるシャトル輸送の取り止め
 ・地元ベンチャーズの演奏や地元アイドルの歌謡ショーなどの取り止め
 ・そもそも演舞台を設置しない
 ・会場面積も縮小
 ・前売り券の販売数を大きく減らした(はず)
で、集めるのは万人。

さて、関係者が企画した通りに まつりは進行したか。
私ごときが それを評価するのは生意気・身の程知らずだが・・・
企画も その遂行の作業もウマくいったものと私は思う(^^) 

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2024年6月 1日 (土)

『くすりの発明・発見史』を読む

ツムラの漢方内服薬は、
 1番の葛根湯(かっこんとう)
から、欠番なしで、
 138番の桔梗湯(ききょうとう)
まで。
このうち、
 68番の芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
は、足がツった時に効く。
漢方薬は、その薬効がジワジワ・ユックリのイメージがあるが、68番の芍薬甘草湯は即効薬。
ツったフクラハギが元に戻るまでの時間は、服用してから30秒(実体験)。

さすがは、中国四千年。

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こんな喫茶店で読み始め。

熱帯病のひとつのマラリア。
その病原体は、マラリア原虫(ヒトの赤血球中に寄生 アンパン形状 直径5ミクロンメートル)で、蚊が媒介する。
マラリアに感染する者は、年に2.5億人。
死亡する者は、年に60万人。

マラリアの特効薬に、キニーネがあるのだが・・・

本夕、読了。

映画『インディ・ジョーンズ』は、考古学者のインディが古文書を読み解くことから物語が始まる。

文化大革命中の1967年、毛沢東が立ち上げたのは、マラリア薬の開発プロジェクト
中国全土から集められた科学者が まず やったのは、インディと同じ。
古文書の調査から。
で、紀元前2世紀に、マラリア患者に青蒿(せいこう:ヨモギ属の植物 和名はクソニンジン)が使われていたことを知る。
さすがは、中国四千年。

2015年のノーベル生理学・医学賞受賞者は、
 William C. Campbell
 大村 智
 屠 呦呦(Tu Youyou)
の3人。

屠 呦呦(1930年- )こそが、文化大革命の さなか、中国全土から集められた科学者のひとり。
そして、屠 呦呦へのノーベル賞授賞理由が、

〝マラリアに対する新たな治療法に関する発見〟

彼女の業績は、青蒿から2種の薬効成分の分離・精製に成功したこと。
 ひとつは、マラリア原虫の殺虫薬剤(注)
 もうひとつは、薬剤耐性マラリアや重症マラリアの基盤薬剤

(注)
本書での説明は ほんの数行なのだが、マラリア原虫が分離させたヘモグロビン中の鉄原子に作用する成分を発見している。
この殺虫原理はたいへんに興味深い。

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2024年5月26日 (日)

『水を訪れる』を読む

著者は建設省(現 国土交通省)のキャリア官僚。
恵庭の漁川(いざりがわ)ダムの計画前調査の責任者だったヒト。
水資源開発関係の仕事が長い。

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こんな喫茶店で読み始め。

静岡県東部の丹那トンネルには、在来線が走る。
それと並んで掘られている新丹那トンネルには、新幹線が走る。
いずれも約8000メートル。

丹那トンネル掘削時には大湧水があり、その排水のための抗は本坑以上に長い。
新丹那トンネル掘削時は、湧水を丹那トンネルに流して進める工法を採用している。
この抗を使って、現在も水を排水している。

本夕、読了。

著者は、中近東・東南アジア・中国を多く歩き、また、欧州、米国を歩き、その地の人々が、いかに水を得、耕作し、家畜を飼っているのかを語る。
本書の副題は、『水利用と水資源開発の文化』
文明の発祥は大河流域、文化が栄えるには水は不可欠。

前静岡県知事が、なぜ、リニアトンネル掘削によって漏洩する大井川の水の処置に ああこう言ったのか。
真意のほどは知らない。
初選こそ僅差での当選だが、二選・三選・四選は、県民の多数支持を得て当選している。
上記、丹那トンネル掘削でその直上の地の水が抜け、水豊かだった丹那盆地が乾いた地となり、人の生活が一変した記憶があったことも その理由なのかもしれない。

さて、前知事辞任による静岡知事選投票日は今日だった。
その結果はいかに。
ただいま、23時30分。
結果が出た・・・

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2024年5月25日 (土)

『面白くて眠れなくなる人体』を読む

著者は、解剖学者。
内容は、
 ・クシャミとセキとシャックリはどう違う?
 ・鼻の孔はどうして二つある?
 ・黒い瞳と青い瞳では見えている色が違う?
等々、面白くて眠れなくなる人体のあれこれ。

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こんな喫茶店で読み始め。

小指を曲げようとする。
と、薬指まで一緒に曲がろうとする。
脳からの 小指を曲げろ との指令は、脊髄の内側の灰白質から出ている神経を通して指の筋肉に伝えられる。
ところが、指令を小指に伝える神経と薬指に伝える神経は同じ。
筋肉も くっ付いている。
というのが理由。

しかし、ピアニストは小指と薬指を別々に操作できる。
神経も鍛えられる、と著者。

本夕、読了。

眼球には6つの筋肉が付いている。
歩きながらでも、走りながらでも、ブレずに景色を見ることができる。
脳からの指令で、アタマの動きと逆方向に眼球を回転させる。
アタマの動きを知るのは三半規管。
著者は、それを手振れ防止機能と表現する。

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2024年5月18日 (土)

『動物の本能』を読む

著者は動物生理学者。

本書の「はじめに」は、
 少々腹をすえて読んでみていた
 だきたい。
で、終わり、
本書の「あとがき」は、
 苦労して読んでみたが、結局
 何もわからないとおっしゃる
 方もあるにちがいない。
という文章で始まる。

著者が言うように、本書、難しい。
私ごときが手にする本ではないような(^^;

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こんな飯屋で読み始め。

本能行動の対面は、学習行動だろう。

昆虫も学習することを証明する実験がある。
すりガラスに着色光を当て、その上にエサを置く。
ミツバチに1回学習させると、5~7日間後でも記憶している。
3回続けて学習させると、13日間後も記憶している。
1回の学習時間は、2~10秒。

本夕、読了。

働きバチの寿命は1ヶ月ほどのようで、それを考えると、13日間というのはハチの寿命全体の大部分ということになる。
ヒトの脳のニューロン(神経細胞)は、1010個。
昆虫は10個。

脳の大きさ(体積・重量)の違いのワリには、ニューロンの個数差が大きいとは思えない。
ハリウッド映画は、昆虫にさえ演技させるのだとか。
分かる気がする・・・

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2024年5月12日 (日)

『岩魚の帰る日』を読む

著作は、1970年にマンガ家デビューし、2020年に逝去した矢口高雄。
『釣りバカたち【山釣り編】』と副題が付けられ、13作が編まれている。

400ページ強に13作だから、1作30ページ。
どれも読みごたえがある。

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こんな飯屋で読み始め。

『チライ・アパッポ』は、別海町に住む夫婦の話。
札幌へ向かう特急おおぞらの描写がある。
1979年の作品だから、特急おおぞらをけん引するのはキハ80。

本夕、読了。

『チライ・アパッポ』が舞台とする川は、
  摩周の湧水に源を発し
  潺湲として原野を下り
  次第に根室湾にそそぐ
と、表現されている。

ところで、潺湲を読めるだろうか。
〝せんかん〟または〝せんえん〟と読む。
 水がさらさらと流れる様子
 涙がとめどなく流れる様子
のことなのだが、私は、読み・意味とも知らなかった(^^;

大陸で使う文字は、簡体字。
〝漢字〟は〝汉字。
〝魚〟 は〝鱼〟
と表記する。
が、その大陸でも〝潺湲〟は〝潺湲〟のまま。
大陸でも、使われることの少ない熟語なのだろう。

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2024年5月11日 (土)

『ウマは走る ヒトはコケる』を読む

著者は、
『ゾウの時間 ネズミの時間』の本川 達雄(もとかわ たつお )。

動物たちは、どのように、
 歩き
 泳ぎ
 飛ぶ
のか。

本書の理解に必要なのは、次元解析・π(パイ)定理。
ンな言葉は知らなくても、その考え方は義務教育の算数・理科の範囲内。

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こんな飯屋で読み始め。

サカナは口から入った水をエラブタから排水することで呼吸する。
水の流れは一方通行で、高効率。

泳ぐサカナの体表面の水圧を測定したデータが示されている。
口の先端が最高圧なのは当然だが、そこから体長方向に急速に圧力が下がり、エラブタ後端部で最低圧かつ負圧。
そこから尾に向かって、徐々に圧力が上がる。
よって、泳いでいない時はエラブタを動かさなくてはならないが、泳いでいる時は口を開けてさえいれば呼吸ができることになる。

口の先端から負圧のエラブタ後端までの どこかに、圧力変化のない位置がある。
それはどこか?
〝目〟の位置。

我々の水晶体は凸レンズ状。
その厚みを変えることでピント合わせをする。

サカナの水晶体は球形。
それを前後させてピント合わせをする。
泳ぐ速度が変わるたびに水晶体が前後してはピントが大きく外れる。

本著者は、泳いでも圧力変化がない位置に〝目〟があるのは納得がいく と書く。

本夕、読了。

動物生理学の権威者にタテつくのもナンだが、この説明は間違っている。
と、私は思う(^^;
それだと、水深方向で変化する圧力によるピントのズレを説明できない。

私の理解は、以下。
サカナの水晶体は、いわゆる魚眼。
焦点距離は短い、パンフォーカス。
なので、水圧変化で水晶体の多少の出入りがあってもピントのズレは小さい。
そもそも、サカナの小さな脳内の視覚野でどれほどの画像処理ができようか。

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2024年5月 8日 (水)

『オードリー・ヘップバーンの言葉』を読む

オードリー・ヘップバーンのメイクアップの特徴は眉(まゆ)。
『Sabrina(邦題:麗しのサブリナ)』の頃のオードリーの眉は、安室奈美恵の眉と対極的。

「サンダーバード 国際救助隊(International Rescue)」はトレーシー家が自費で創設した秘密組織。
そのトレーシー家の長男のスコットの眉に似ている。
スコットは、原子力推進ロケット サンダーバード1号のパイロット。

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こんな喫茶店で読み始め。

『ティファニーで朝食を』は、早朝のニューヨークを走るタクシーを映して始まる。
5番街のティファニー本店前に止まったタクシーは、60年代のアメ車の典型的フォルムのフォード・フェアレーン(FORD FAIRLANE)のセダン。
そこから降りたオードリーは、ティファニーのショーウィンドウを見ながらラスクをかじり、紙コップのコーヒーを飲む。

この映画の中で、オードリーは〝ムーンリバー〟を歌う。
が、試写会が終わるやいなや、パラマウントの幹部は、オードリーが〝ムーンリバー〟を歌うシーンを全てカットするよう注文を出す。

本夕、読了。

その場にいた彼女は、立ち上がって、
 私が生きているうちは、ぜったいにそんなことは
 させません
と言った。
と、本書。

それを何語で言ったのかまでは、本書に書かれていない。
彼女の使える言語は、英語・オランダ語・フランス語・イタリア語・ドイツ語・スペイン語。

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2024年4月29日 (月)

『世界思想 2024年春号』を読む

出版社のPR誌。
 新潮社 なら、『波』
 岩波書店なら、『図書』
 筑摩書房なら、『ちくま』
等々。
ほとんどは無料。
値が付いていても、せいぜい100円と安いが、出版社の顔。
いずれも質が高い。

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こんな飯屋で読み始め。

世界思想社なら、『世界思想』
2024年春号は、〝スポーツ〟を特集している。

全88ページ。
その内の16ページを使って、自社出版物の『居場所のなさを旅しよう』とか『ローカルボクサーと貧困世界』などが紹介されている。
残りの72ページに、14人のライターによる14本の論考文。

元陸上短距離五輪選手や元ラグビー日本代表が競技者の立場から書く論考。
スポーツを報道する立場から書く論考。
競技者を支えるマネージャーの立場から書く論考。
競技者を指導する立場から書く論考。
 ・・・・・・・・・

〝スポーツとは何か〟が
スポーツに絡めて〝多様性と社会〟が
〝現場から考える〟スポーツが
72ページで読める。

本夕、読了。

ヒトのまばたき回数は、1分間に10回。
多いヒトは30回。

スキーの回転、滑走時間は1分ほど。
大回転になると、2分ほど。
競技者は、その間、一度もまばたきをしないらしい。

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2024年4月21日 (日)

『孤独まんが』を読む

18人のマンガ家が描いた18本のマンガが、
 落伍
 無用
 風狂
 隠遁
 エピローグ
の5つに章立てされて編まれた本。
初出の早いモノは1967年、新しいモノは一昨年。
水木しげる とか かわぐちかいじ といった有名マンガ家の作品もあるが、篝ジュン(かがり じゅん)とか カシワイといったマイナーマンガ家の作品も。

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こんな喫茶店で読み始め。

〝孤独〟とあるが、〝結末〟あるいは〝日常〟と改題しても通じると思う。
〝雑踏〟でも〝希望〟でも。

 孤独を感じさせるストーリーがある
 描き手自身の孤独を感じさせるマンガがある
 救われる結末もあるが、救いのない結末もある
 結末 それ自体が見えないマンガも

本夕、読了。

〝落伍〟の章にある作品のひとつの『黒い蝶』。
作者の ハン角斉は、幕別町の整骨院長。
マンガ家デビューは一昨年、68歳で。
年のいった新人だが、絵もストーリーも新人らしい。

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2024年4月20日 (土)

『奇妙な四字熟語』を読む

大相撲。
横綱に推挙された力士のもとへ、日本相撲協会の理事と審判部長の二人がその昇進を伝達しに訪れる。
親方と おかみさんに はさまれた紋付きはかまの その力士は、
 「謹んでお受けします」
続けて、
 「横綱の名に恥じないよう、稽古に精進し相撲道に邁進します。
  本日は まことにありがとうございます」
てな、口上を述べる。
この時、第65代横綱の貴乃花光司は、
 「横綱の名を汚さぬよう、不撓不屈(ふとうふくつ)の精神で
  相撲道に不惜身命(ふしゃくしんみょう)を貫きます」
と、口上を述べた。
彼は大関昇進時にも、不撓不屈 を使っていたが、横綱昇進時に付け加えた この 不惜身命 は知るヒトの少ない四字熟語だったので、当時 話題になった。

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こんな喫茶店で読み始め。

書名は『奇妙な四字熟語』だが、二字熟語、五字熟語、どころか十二字熟語まで。

〝丿〟は〝へつ〟と読む。
〝乀〟は〝ふつ〟と読む。
二字熟語の〝丿乀〟で、〝へつふつ〟。
意味は、〝舟などが揺れ動くさま〟

十二字熟語の〝子子子子子子子子子子子子〟。
〝猫の子の子猫 獅子の子の子獅子(ねこのここねこししのここじし)〟と読む。
〝猫の子は子猫であり獅子の子は子獅子だということ〟
出典は『宇治拾遺物語』。

本夕、読了。

本著者の著作を以前にも読んだことがある。
『世界奇食大全』がそれで、拙ブログに、
 大雪山中で、『世界奇食大全』を読む
として、記事にしている。
この人の知識の守備範囲は大変に広い。

本書内に いくつか描かれている五月女 ケイ子のイラストがいい。

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2024年4月14日 (日)

『For the Future:Our Global Partnership』を読む

読んだのは、日本時間の12日早朝、米国上下両院合同会議で岸田首相が行った演説文。
演説は英語で行われたが、日本政府が翻訳を付けて その全文をマスコミに流している。
ンで、翻訳をチラチラながめながら(^^;

英文・和文あわせて、新聞見開き2ページにちょうどおさまる量。
これを岸田さんは、10回以上のスタンディング・オベーションを含め、50回ほどの拍手を受けながら、30分強の時間をかけて演説している。

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我が家の居間で読み始め。

演題の
 For the Future:Our Global Partnership
に、日本政府が付けた和訳は、
 未来に向けて~我々のグローバル・パートナーシップ~

演説の構成は、
 Introduction:はじめに
 The leadership of the United States:米国のリーダーシップ
 New Challenges:新たな挑戦
 Global Partners:グローバル・パートナー
 Conclusion:結語
の5章。

首相スピーチだから、たたき台文章を何人もの優秀な役人が寄ってたかって、練って・練って・練って、推敲を重ね・重ね・重ねしたのだろう。
よってもって演説原稿の、
 構文は義務教育範囲内
 単語も平易
 内容も ごく常識的

本夕、読了。

 ‥‥, as the United States’ closest friend, tomodachi,
 the people of Japan are with you, side by side, to
 assure the survival of liberty.
 米国の最も親しい友人、トモダチとして、日本国民は、
 自由の存続を確かなものにするために米国と共にあります。
という文章がある。

このスピーチで、 tomodachi が friend のことだと米国議員にストレートに伝わるのだろう。
米国軍は、東日本大震災の翌日から1ヶ月半にわたって、Operation Tomodachi(トモダチ作戦)を展開している。

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2024年4月13日 (土)

『人生を肯定するもの、それが音楽』を読む

多摩美大出身のミュージシャンに、
 彫刻を専攻した  小室 等
 日本画を専攻した 松任谷 由実
がいる。
天から二物を与えられたヒト。

フォークダンス曲のオブラディ・オブラダ。
フォークダンス曲だが、〝オブラディ・オブラダ〟を〝フォーク〟だと言うヒトはいないだろう。
オブラディ・オブラダよりも もっともっとスタンダードフォークダンス曲のマイム・マイム。
この〝マイム・マイム〟を〝フォーク〟だと言うヒトはいないだろう。

音楽に定義づけが必要だとは思わないが、〝歌〟がなくては〝フォーク〟にならない。
あえて言えば、〝フォーク〟とは、本書著者が歌うような曲。
本書著者は、天から二物を与えられたヒトの一人である小室 等。

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こんな飯屋で読み始め。

本書名は、著者が作曲家の武満 徹(たけみつ とおる)に言われた(注)
 ・人生そのものを否定していては、
  歌は出てこない
 ・人生を積極的に肯定する情熱が
  ない限り、歌は生まれない
に由来している。

音楽とは、かくも大上段に振りかぶって語らねばならないものらしい・・・

本夕、読了。

音楽性に大きな違いがある著者と武満 徹との出会いは、武満が小室のコンサートを聴き、それを批判的に新聞のコラムに書いたことがスタート。
ではあるが、じき、小室は武満の、武満は小室の音楽を理解し合い、2人は友情で結ばれる。
小室が武満のコンサートに連れ出した井上陽水は、武満音楽を理解しなかったことが書かれている。

(注)
武満 徹は、黛 敏郎(まゆずみ としろう)と同世代人。
二人とも、日本を代表する現代音楽の作曲家と言われる。
が、この二人の曲の1曲だけでも頭から最後まで聴き通したことがあるヒトは滅多にいない。

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2024年4月 7日 (日)

『ド・ローラ節子の和と寄り添う暮らし』を読む

20世紀の終わりを見ることなく逝ったピカソ(1881ー1973)だが、そのピカソに〝20世紀最後の巨匠〟と言わしめたのが、フランス人画家のバルテュス(1908ー2001)。
 
スイス レマン湖の東の小さな村の標高900メートルにあるグラン・シャレ(山荘)が、バルテュスの終の棲家。
山荘とはいうがスイス最大の木造建築物で、彼が住まいとする前は、部屋数50・窓数150のホテルだった。

このグラン・シャレでバルテュス と暮らし、今現在も ここに住むのはバルテュスの34年下の妻のセツコ・クロソフスカ・ド・ローラ(Setsuko Klossowska de Rola )。
彼女もまた画家。
セツコ・クロソフスカ・ド・ローラを、彼女は〝節子くろそふすかどろうら〟と署名する。
スイスでの日々を和装で過ごす日本人。

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こんなファストフード店で読み始め。

和装で花を摘み、食卓を飾る。
ジャノメの日傘で、来客を迎える。
そして、こんな色・模様の着物を着る。
 ・トルコ石色の綸子(りんず:絹織物の一種)地に黒線で
  さらりと書かれた流水
 ・岩紫紅(いわしこう:赤紫色の岩絵の具)地に浅黄群青
  (あさぎぐんじょう:青色)色の樅(もみ)の木と うす
  色の家の模様

本夕、読了。

節子が和装で過ごすのは、バルテュスの好みゆえ。
バルテュス自身も、和装を日常着としていた。


夜明け前にラクダの背に揺られて宿を出て、白足袋で降り立ったのは、朝焼けのサハラの砂の上。
深紅の紗(しゃ・うすぎぬ:絹織物の一種)に白い帯。
着物と同色の和の日傘をさして。

そして、節子は こう書く。
昇りゆく日の光は赤い衣に吸い込まれ、私の身体を火照らせて。
夢世か現世か・・・
と。

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絵鞆マリン倶楽部 安全祈願祭

新年は、正月(1月1日)から
新年度は4月1日から
中華圏の新年は、春節(旧正月:今年は2月10日)から

絵鞆の船釣り師たちの新年は、今日の安全祈願祭から。

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空は春の陽光に満ち、風は穏やか。

しかし、
 神事のあとのパワーランチも
 空高くから聞こえるヒバリのさえずりも
今日はない。

画像右手に見えているのはサクラの枝。
その花芽も、まだシッカリと固い。

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2024年3月31日 (日)

『銀座のプロは世界一』を読む

東京には、すべてが集まっている。
 ヒトも食もファッションも
 芸能も技術も知も
 富も貧も夢も絶望も

その東京の銀座には、
 ユニクロもあれば、シャネルも
 ラーメン店もあれば、ミシュラン三ッ星のフレンチレストランも

副題が、『各店を支える匠を訪ねて』。
銀座の匠は超一流。

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こんな喫茶店で読み始め。

朝鮮で使うハシは日本とほぼ同じ。
 ただし、金属
大陸で使うハシは日本とほぼ同じ。
 ただし、長い

銀座タカハシビルは雑居ビル。
B1F 花大根(はなだいこん:先月移転)
 1F 銀座夏野(なつの)
 2F 銀座すし嘉(よし)
 3F 銀座器ギャラリー門(もん)
 4F~6F 学習塾・ナイトクラブ

この銀座夏野はハシ(箸)の専門店。
ハシを展示し それを売るのは当然だが、客の要望に応じてオリジナル ハシを作ってくれる。
どころか、ハシの修理もしてくれる。

本夕、読了。

私は、ハシづかいがヘタ。
なので、塗りバシは苦手。
私が家で常用しているのは、コンビニ弁当に付いてくる あの無垢木の丸バシ(^^;

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2024年3月30日 (土)

『東京の美学』を読む

銀座丁目交差点は、〝銀座丁目交差点〟。
しかし、銀座丁目交差点は、〝数寄屋橋交差点〟と呼ぶ。
いずれも、片側4車線道路と片側3車線道路が交差する。

その数寄屋橋交差点を見下ろす位置に建つのが、地上8階・地下5階建てのソニービル。
そのビルの全階を使ってソニーの全製品が展示されていて、かつ そこでは それに自由に触れることができる。
ヘッドホンを試し聴きするだけでも、半日は過ごせるビル。

このソニービルを設計したのが、芦原義信(あしはら よしのぶ)で、本書の著者。

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こんな飯屋で読み始め。

本書、
 第一章 日本人の空間意識
  (一)日本人はなぜ靴を脱ぐのか
で、始まる。
高温多湿の気候風土のせいで、日本の住居の床は地面より一段高い。
そして靴を脱ぐ。
障子やふすまで構成される壁は 常に変化する。
〝床の建築〟である。
と、著者は書く。
対して、欧州は〝壁の建築〟である。

と、ヒネリのないストレートな論調が読みやすい。

本夕、読了。

今のApple社と同じく値引き販売なんかしなかったソニーが、いつの頃からか 量販店でオープン価格販売。
1964年竣工のソニービルは、2017年に解体された。

本著者は、ソニービルの解体を知らない。
2003年没。
享年85。

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2024年3月24日 (日)

『鉄道ひとつばなし』を読む

著者は政治学者。

初めに、
 学者が本業を放り出して、「趣味」の本を出すとは何事
 かという批判は覚悟している。
と書き、続けて、
 私にとって、鉄道は単なる趣味ではない。 それは経済
 史や経営史の研究対象となるばかりでなく、私の専門で
 ある政治思想史にとっても、テキストを読むだけでは見
 えない重要な手掛かりを与えてくれる。
と書く。

そして序章が、
 思索の源泉としての鉄道

鉄チャン・鉄子の好むトリビアが並べられているのではなく、広く深い知識と、整然とした頭の使い方で本書は書かれている。

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こんな喫茶店で読み始め。

大正天皇は その皇太子時代(1900(明治33)年~1912(大正元)年)に、沖縄を除く全ての道府県庁所在地を回っている。
1907(明治40)年、皇太子は 開通20日後の山陰本線に乗っている。
その時の、鳥取県の倉吉駅のある自治協会に残る記録が以下。

 奉迎人 倉吉駅到着は遅くも御着車時刻一時間前
 (九時五十分)とす もし同時刻を後れば構内
 に入ることを得ず

つまり、
 皇太子を乗せた列車は十時五十分に倉吉駅に着くから、
 歓迎に選ばれたものは、その一時間前の九時五十分まで
 に駅構内の指定場所に整列せよ。
 それに遅れた者は駅構内に立ち入ることを禁ずる。

数字をきれいに、九時五十分としても良さそうなものだが、一時間前は、あくまでもキッカリ一時間前。
時刻の五十分は、あくまでも五十分。

鉄道と皇族の硬い関係が見える。

本夕、読了。

ところで、本書初版は2003年9月だが、今も版を重ねている。
なお、執筆時、某大学助教授だった著者は、すでに名誉教授。

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2024年3月23日 (土)

『理系のための法律入門』を読む

 〝理系の〟
とあるが、
 知的財産法
 不正競争防止法
 製造物責任法
などが書かれている。

副題は、
 『技術者・研究者が知っておきたい権利と責任』

著者はそれについて述べるのにふさわしい経歴の持ち主。
風水力機器製造会社でエンジニアとして従事後、司法試験に合格、弁護士に転向したヒト。

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こんな喫茶店で読み始め。

昨日のニュースから ふたつ。
ひとつは、
 紅麴(べにこうじ:こうきく)を含むサプリメントを摂取した人に
 深刻な腎疾患が発症。
 製薬会社はその製品の回収を始めたというもの。
 ただし、紅麴成分と腎疾患の因果関係は不明。

もう ひとつは、
 生後9ヶ月の乳児が、ベッドからの転落を防止する柵とマットレス
 の間に挟まれて窒息死亡。
 両親がメーカーに求めた9300万円の損害賠償に対し、東京地裁
 が3500万円の賠償を命じたというもの。
 裁判所は、製品の設計に欠陥はないことを認めつつも、使用に当た
 っての警告表示が不十分だったというのが賠償額の算定根拠。

製薬に関しては、
 がん治療薬オプジーボを巡って、小野薬品が提訴された事案がある。

工業製品に関しては、
 青色発光ダイオードを巡って、日亜化学が提訴された事案がある。

いずれもノーベル賞受賞者が原告で、提訴の理由は特許使用料。
100億円を単位とする訴訟。

本夕、読了。

日本の地名が、中国で商標登録されている。
ひるがえって、日本でも、ジャガイモ・トウモロコシ・トウガラシ・シナチクなんてのが一般名詞化。
フランス・パリ・ジャワ・ワシントンが付く商品も。
ノーベル・コロンブスもそのたぐい。

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2024年3月17日 (日)

『すごいしくみ大百科』を読む

下糸を上糸がからめ上げて縫い進めるミシンのしくみを理解した日のことを覚えている。
覚えているくらいだから、それほど前のことではない。
いい大人になってから(^^;

自動車の差動歯車(デファレンシャルギア:デフ)のしくみを理解した日のことを覚えている。
覚えているくらいだから、それほど前のことではない。
いい大人になってから(^^;

ミシンも差動歯車も その発明は今から200年ほど前。
アタマのいいヒトってのはいるもンだ。

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こんな飯屋で読み始め。

チンをするときに使うラップ。
食器にピチッと張り付いて蒸気を漏らさず、かつ 蒸気圧で破れない強度が必要。
これ、某社製のラップが一番。
奥さんに、
 「ラップを買ってきて」
と、お使いを頼まれたときに、ポリエチレン製のラップなんかを買ってきてはいけない。
塩化ビニリデン  H Cl
         | |
         C=C
         | |
         H Cl
の二重結合を開いて重合させたポリ塩化ビニリデン(PVDC)製のものに限る。

本夕、読了。

ラップが食器に張り付くのは、何か粘着物質でもフイルム表面に塗布してあるのかと思っていたが、分子間力の一種(ファンデルワールス力)によるものなのだと本書に。

重力は距離の2乗に反比例
熱輻射は温度の4乗に比例
対して、
ファンデルワールス力は距離の7乗に反比例
と、ものすごく効く。

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2024年3月10日 (日)

『恐怖の正体』を読む

高所恐怖症
閉所恐怖症
対人恐怖症
先端恐怖症
なんかは、私にも何となく分かる。

モノに触れるたびにセッケンで手を洗わなくては落ち着かない潔癖症は、不潔恐怖症とでもいうのかも。

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こんな飯屋で読み始め。

著者は、甲殻類恐怖症の精神科医。
料理の中に、少しでもエビ・カニが入っていたら、それを取り除いても 既に〝汚染〟されていると感じるという。
著者が恐怖とする対象は広く、外骨格系生物は全部ダメで それは昆虫もなのだと。

〝娯楽としての恐怖〟もある。
怖いモノ知りたさで、ジェットコースターなどの絶叫マシンの乗り場の列に並ぶヒトが少なからずいる。
怖いモノ見たさで、刑場に集まるヤジ馬心理もそうだろう。

幽霊の正体見たり枯れ尾花
って、恐怖をコケにする ことわざもあるが、本書では それには触れていない。

本夕、読了。

本書には、ヒトがヒトを食うカニバリズム(cannibalism)にも言及している。
生産計画上は、
 1基でまかなえる設備を2基
 2基でまかなえる設備を3基
と配置するのを冗長(じょうちょう)設計という。
生産現場では、その余力をバックアップとか予備機とかと称するのだが、本機(常用機)がコケた場合、しばしば以下の状態におちいる。
すなわち、予備機が〝部品取り機〟となり、いつの間にか、
生産計画上は、
 1基でまかなえる設備を2基配置したのに、稼働できるのは1基のみ
 2基でまかなえる設備を3基配置したのに、稼働できるのは2基のみ
となってしまう。
これを、cannibalism maintenance(共食い整備)という。

著者は、これも恐怖としている。

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2024年3月 2日 (土)

『大名格差』を読む

北村桃児(きたむら とうじ)作詞の、
 歌謡浪曲『あゝ松の廊下』
には、以下のセリフが入る。

 放してくだされ梶川殿
 五万三千石
 家をも身をもかえりみず
 上野介(こうずけのすけ)を討つは
 将軍家の御威光と役職を笠に着て
 私利私欲に走る人非人を斬るためじゃ
 その手を放して下され梶川殿

北村桃児とは、三波春夫の作詞家としてのペンネーム。
 家をも身をもかえりみず
に吉良上野介を討とうとするのは、播磨赤穂藩 五万三千石の藩主 大名 浅野内匠頭 長矩󠄁(あさの たくみのかみ ながのり)。

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こんな飯屋で読み始め。

斬られた吉良上野介は四千二百石の旗本。

だが、官位は、
 内匠頭 従五位下(じゅごいのげ)(注)
 上野介 従四位上(じゅしいのじょう)
と、上野介が上。

 将軍家の御威光と役職を笠に着て
というセリフがこれ。

衣装、その色、江戸城入城の際にカゴから降りる場所に至るまで、大名には細かい規則で差が付けられていた。

本夕、読了。

NHK大河ドラマ『光る君へ』の舞台は平安中期。
役者も それを観る方も現代人。
なので、演出家は、
 「行っちゃおゥかなァ」
などと、平安貴族を演じる役者に現代人口調で話させる。
が、「死ぬ」を「みまかる」と言わせるところは、やはりNHK、時代考証に抜かりはない。

ところで、裳(も:平安時代の和式ロングスカート)に隠れて あらわには見えないが、まひろ(紫式部)ら平安女性は片膝をついて座っている。
いわゆる正座は もっとずっとあとの座り方で、ここにも確かな時代考証。

男は近世までアグラ。
徳川幕府は、将軍の前では大名・旗本を含む臣下の者に正座を強いた。
仮に将軍に手を出そうとしても、この座り方ではひと呼吸遅れる。

(注)

官位職を言うとき、〝従〟を〝じゅう〟と発音しては笑われる。
この場合、〝従〟の発音は〝じゅ〟。

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2024年2月24日 (土)

『文豪のすごい語彙力』を読む

本書で取り上げているのは、芥川龍之介の〝的皪(てきれき)〟から、谷崎潤一郎の〝懇親〟までの63人、63語。

海上自衛隊の行進曲は、〝軍艦マーチ(軍艦行進曲)〟。
米国海軍なら、〝錨を上げて〟。
 出航用意!
 そして、次に続くのは、
 舫い(もやい)を解け!

この、舫いを解くことを解纜(かいらん)という。
檀一雄は、『リツ子 その愛・その死』で、
 船は解纜したようだった。
 丸窓が閉ざされているので皆目外は見えないが、
 波の動揺がしきりと感じられてくる。
と、綴っている。

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こんな飯屋で読み始め。

〟は訓では、〝ともづな〟と読む。
〝ともづな〟は、〝もやいづな〟のこと。

本夕、読了。

〝ともづな〟は〝艫綱〟とも書き、〝艫(とも)〟は船尾のこと。
なので、〝ともづな〟の辞書の説明は、〝船尾から出して船を陸につなぐ綱〟。

本書者は、
〝ともづな〟の〝とも〟は、〝ともだおれ〟、〝おともする〟の〝とも〟と同じで、〝複数〟の意。であると説明する。
船と岸は、複数の綱で固定するからだ、と。
これも一理ある。

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