2024年5月18日 (土)

『動物の本能』を読む

著者は動物生理学者。

本書の「はじめに」は、
 少々腹をすえて読んでみていた
 だきたい。
で、終わり、
本書の「あとがき」は、
 苦労して読んでみたが、結局
 何もわからないとおっしゃる
 方もあるにちがいない。
という文章で始まる。

著者が言うように、本書、難しい。
私ごときが手にする本ではないような(^^;

Photo_20240514070701
こんな飯屋で読み始め。

本能行動の対面は、学習行動だろう。

昆虫も学習することを証明する実験がある。
すりガラスに着色光を当て、その上にエサを置く。
ミツバチに1回学習させると、5~7日間後でも記憶している。
3回続けて学習させると、13日間後も記憶している。
1回の学習時間は、2~10秒。

本夕、読了。

働きバチの寿命は1ヶ月ほどのようで、それを考えると、13日間というのはハチの寿命全体の大部分ということになる。
ヒトの脳のニューロン(神経細胞)は、1010個。
昆虫は10個。

脳の大きさ(体積・重量)の違いのワリには、ニューロンの個数差が大きいとは思えない。
ハリウッド映画は、昆虫にさえ演技させるのだとか。
分かる気がする・・・

| コメント (0)

2024年5月12日 (日)

『岩魚の帰る日』を読む

著作は、1970年にマンガ家デビューし、2020年に逝去した矢口高雄。
『釣りバカたち【山釣り編】』と副題が付けられ、13作が編まれている。

400ページ強に13作だから、1作30ページ。
どれも読みごたえがある。

Photo_20240504213801
こんな飯屋で読み始め。

『チライ・アパッポ』は、別海町に住む夫婦の話。
札幌へ向かう特急おおぞらの描写がある。
1979年の作品だから、特急おおぞらをけん引するのはキハ80。

本夕、読了。

『チライ・アパッポ』が舞台とする川は、
  摩周の湧水に源を発し
  潺湲として原野を下り
  次第に根室湾にそそぐ
と、表現されている。

ところで、潺湲を読めるだろうか。
〝せんかん〟または〝せんえん〟と読む。
 水がさらさらと流れる様子
 涙がとめどなく流れる様子
のことなのだが、私は、読み・意味とも知らなかった(^^;

大陸で使う文字は、簡体字。
〝漢字〟は〝汉字。
〝魚〟 は〝鱼〟
と表記する。
が、その大陸でも〝潺湲〟は〝潺湲〟のまま。
大陸でも、使われることの少ない熟語なのだろう。

| コメント (0)

2024年5月11日 (土)

『ウマは走る ヒトはコケる』を読む

著者は、
『ゾウの時間 ネズミの時間』の本川 達雄(もとかわ たつお )。

動物たちは、どのように、
 歩き
 泳ぎ
 飛ぶ
のか。

本書の理解に必要なのは、次元解析・π(パイ)定理。
ンな言葉は知らなくても、その考え方は義務教育の算数・理科の範囲内。

Photo_20240430205801
こんな飯屋で読み始め。

サカナは口から入った水をエラブタから排水することで呼吸する。
水の流れは一方通行で、高効率。

泳ぐサカナの体表面の水圧を測定したデータが示されている。
口の先端が最高圧なのは当然だが、そこから体長方向に急速に圧力が下がり、エラブタ後端部で最低圧かつ負圧。
そこから尾に向かって、徐々に圧力が上がる。
よって、泳いでいない時はエラブタを動かさなくてはならないが、泳いでいる時は口を開けてさえいれば呼吸ができることになる。

口の先端から負圧のエラブタ後端までの どこかに、圧力変化のない位置がある。
それはどこか?
〝目〟の位置。

我々の水晶体は凸レンズ状。
その厚みを変えることでピント合わせをする。

サカナの水晶体は球形。
それを前後させてピント合わせをする。
泳ぐ速度が変わるたびに水晶体が前後してはピントが大きく外れる。

本著者は、泳いでも圧力変化がない位置に〝目〟があるのは納得がいく と書く。

本夕、読了。

動物生理学の権威者にタテつくのもナンだが、この説明は間違っている。
と、私は思う(^^;
それだと、水深方向で変化する圧力によるピントのズレを説明できない。

私の理解は、以下。
サカナの水晶体は、いわゆる魚眼。
焦点距離は短い、パンフォーカス。
なので、水圧変化で水晶体の多少の出入りがあってもピントのズレは小さい。
そもそも、サカナの小さな脳内の視覚野でどれほどの画像処理ができようか。

| コメント (0)

2024年5月 8日 (水)

『オードリー・ヘップバーンの言葉』を読む

オードリー・ヘップバーンのメイクアップの特徴は眉(まゆ)。
『Sabrina(邦題:麗しのサブリナ)』の頃のオードリーの眉は、安室奈美恵の眉と対極的。

「サンダーバード 国際救助隊(International Rescue)」はトレーシー家が自費で創設した秘密組織。
そのトレーシー家の長男のスコットの眉に似ている。
スコットは、原子力推進ロケット サンダーバード1号のパイロット。

Photo_20240507215801
こんな喫茶店で読み始め。

『ティファニーで朝食を』は、早朝のニューヨークを走るタクシーを映して始まる。
5番街のティファニー本店前に止まったタクシーは、60年代のアメ車の典型的フォルムのフォード・フェアレーン(FORD FAIRLANE)のセダン。
そこから降りたオードリーは、ティファニーのショーウィンドウを見ながらラスクをかじり、紙コップのコーヒーを飲む。

この映画の中で、オードリーは〝ムーンリバー〟を歌う。
が、試写会が終わるやいなや、パラマウントの幹部は、オードリーが〝ムーンリバー〟を歌うシーンを全てカットするよう注文を出す。

本夕、読了。

その場にいた彼女は、立ち上がって、
 私が生きているうちは、ぜったいにそんなことは
 させません
と言った。
と、本書。

それを何語で言ったのかまでは、本書に書かれていない。
彼女の使える言語は、英語・オランダ語・フランス語・イタリア語・ドイツ語・スペイン語。

| コメント (0)

2024年4月29日 (月)

『世界思想 2024年春号』を読む

出版社のPR誌。
 新潮社 なら、『波』
 岩波書店なら、『図書』
 筑摩書房なら、『ちくま』
等々。
ほとんどは無料。
値が付いていても、せいぜい100円と安いが、出版社の顔。
いずれも質が高い。

Photo_20240429100101
こんな飯屋で読み始め。

世界思想社なら、『世界思想』
2024年春号は、〝スポーツ〟を特集している。

全88ページ。
その内の16ページを使って、自社出版物の『居場所のなさを旅しよう』とか『ローカルボクサーと貧困世界』などが紹介されている。
残りの72ページに、14人のライターによる14本の論考文。

元陸上短距離五輪選手や元ラグビー日本代表が競技者の立場から書く論考。
スポーツを報道する立場から書く論考。
競技者を支えるマネージャーの立場から書く論考。
競技者を指導する立場から書く論考。
 ・・・・・・・・・

〝スポーツとは何か〟が
スポーツに絡めて〝多様性と社会〟が
〝現場から考える〟スポーツが
72ページで読める。

本夕、読了。

ヒトのまばたき回数は、1分間に10回。
多いヒトは30回。

スキーの回転、滑走時間は1分ほど。
大回転になると、2分ほど。
競技者は、その間、一度もまばたきをしないらしい。

| コメント (0)

2024年4月21日 (日)

『孤独まんが』を読む

18人のマンガ家が描いた18本のマンガが、
 落伍
 無用
 風狂
 隠遁
 エピローグ
の5つに章立てされて編まれた本。
初出の早いモノは1967年、新しいモノは一昨年。
水木しげる とか かわぐちかいじ といった有名マンガ家の作品もあるが、篝ジュン(かがり じゅん)とか カシワイといったマイナーマンガ家の作品も。

Photo_20240420171401
こんな喫茶店で読み始め。

〝孤独〟とあるが、〝結末〟あるいは〝日常〟と改題しても通じると思う。
〝雑踏〟でも〝希望〟でも。

 孤独を感じさせるストーリーがある
 描き手自身の孤独を感じさせるマンガがある
 救われる結末もあるが、救いのない結末もある
 結末 それ自体が見えないマンガも

本夕、読了。

〝落伍〟の章にある作品のひとつの『黒い蝶』。
作者の ハン角斉は、幕別町の整骨院長。
マンガ家デビューは一昨年、68歳で。
年のいった新人だが、絵もストーリーも新人らしい。

| コメント (0)

2024年4月20日 (土)

『奇妙な四字熟語』を読む

大相撲。
横綱に推挙された力士のもとへ、日本相撲協会の理事と審判部長の二人がその昇進を伝達しに訪れる。
親方と おかみさんに はさまれた紋付きはかまの その力士は、
 「謹んでお受けします」
続けて、
 「横綱の名に恥じないよう、稽古に精進し相撲道に邁進します。
  本日は まことにありがとうございます」
てな、口上を述べる。
この時、第65代横綱の貴乃花光司は、
 「横綱の名を汚さぬよう、不撓不屈(ふとうふくつ)の精神で
  相撲道に不惜身命(ふしゃくしんみょう)を貫きます」
と、口上を述べた。
彼は大関昇進時にも、不撓不屈 を使っていたが、横綱昇進時に付け加えた この 不惜身命 は知るヒトの少ない四字熟語だったので、当時 話題になった。

Photo_20240414195501
こんな喫茶店で読み始め。

書名は『奇妙な四字熟語』だが、二字熟語、五字熟語、どころか十二字熟語まで。

〝丿〟は〝へつ〟と読む。
〝乀〟は〝ふつ〟と読む。
二字熟語の〝丿乀〟で、〝へつふつ〟。
意味は、〝舟などが揺れ動くさま〟

十二字熟語の〝子子子子子子子子子子子子〟。
〝猫の子の子猫 獅子の子の子獅子(ねこのここねこししのここじし)〟と読む。
〝猫の子は子猫であり獅子の子は子獅子だということ〟
出典は『宇治拾遺物語』。

本夕、読了。

本著者の著作を以前にも読んだことがある。
『世界奇食大全』がそれで、拙ブログに、
 大雪山中で、『世界奇食大全』を読む
として、記事にしている。
この人の知識の守備範囲は大変に広い。

本書内に いくつか描かれている五月女 ケイ子のイラストがいい。

| コメント (0)

2024年4月14日 (日)

『For the Future:Our Global Partnership』を読む

読んだのは、日本時間の12日早朝、米国上下両院合同会議で岸田首相が行った演説文。
演説は英語で行われたが、日本政府が翻訳を付けて その全文をマスコミに流している。
ンで、翻訳をチラチラながめながら(^^;

英文・和文あわせて、新聞見開き2ページにちょうどおさまる量。
これを岸田さんは、10回以上のスタンディング・オベーションを含め、50回ほどの拍手を受けながら、30分強の時間をかけて演説している。

For-the-futureour-global-partnership
我が家の居間で読み始め。

演題の
 For the Future:Our Global Partnership
に、日本政府が付けた和訳は、
 未来に向けて~我々のグローバル・パートナーシップ~

演説の構成は、
 Introduction:はじめに
 The leadership of the United States:米国のリーダーシップ
 New Challenges:新たな挑戦
 Global Partners:グローバル・パートナー
 Conclusion:結語
の5章。

首相スピーチだから、たたき台文章を何人もの優秀な役人が寄ってたかって、練って・練って・練って、推敲を重ね・重ね・重ねしたのだろう。
よってもって演説原稿の、
 構文は義務教育範囲内
 単語も平易
 内容も ごく常識的

本夕、読了。

 ‥‥, as the United States’ closest friend, tomodachi,
 the people of Japan are with you, side by side, to
 assure the survival of liberty.
 米国の最も親しい友人、トモダチとして、日本国民は、
 自由の存続を確かなものにするために米国と共にあります。
という文章がある。

このスピーチで、 tomodachi が friend のことだと米国議員にストレートに伝わるのだろう。
米国軍は、東日本大震災の翌日から1ヶ月半にわたって、Operation Tomodachi(トモダチ作戦)を展開している。

| コメント (0)

2024年4月13日 (土)

『人生を肯定するもの、それが音楽』を読む

多摩美大出身のミュージシャンに、
 彫刻を専攻した  小室 等
 日本画を専攻した 松任谷 由実
がいる。
天から二物を与えられたヒト。

フォークダンス曲のオブラディ・オブラダ。
フォークダンス曲だが、〝オブラディ・オブラダ〟を〝フォーク〟だと言うヒトはいないだろう。
オブラディ・オブラダよりも もっともっとスタンダードフォークダンス曲のマイム・マイム。
この〝マイム・マイム〟を〝フォーク〟だと言うヒトはいないだろう。

音楽に定義づけが必要だとは思わないが、〝歌〟がなくては〝フォーク〟にならない。
あえて言えば、〝フォーク〟とは、本書著者が歌うような曲。
本書著者は、天から二物を与えられたヒトの一人である小室 等。

Photo_20240413193901
こんな飯屋で読み始め。

本書名は、著者が作曲家の武満 徹(たけみつ とおる)に言われた(注)
 ・人生そのものを否定していては、
  歌は出てこない
 ・人生を積極的に肯定する情熱が
  ない限り、歌は生まれない
に由来している。

音楽とは、かくも大上段に振りかぶって語らねばならないものらしい・・・

本夕、読了。

音楽性に大きな違いがある著者と武満 徹との出会いは、武満が小室のコンサートを聴き、それを批判的に新聞のコラムに書いたことがスタート。
ではあるが、じき、小室は武満の、武満は小室の音楽を理解し合い、2人は友情で結ばれる。
小室が武満のコンサートに連れ出した井上陽水は、武満音楽をを理解しなかったことが書かれている。

(注)
武満 徹は、黛 敏郎(まゆずみ としろう)と同世代人。
二人とも、日本を代表する現代音楽の作曲家と言われる。
が、この二人の曲の1曲だけでも頭から最後まで聴き通したことがあるヒトは滅多にいない。

| コメント (0)

2024年4月 7日 (日)

『ド・ローラ節子の和と寄り添う暮らし』を読む

20世紀の終わりを見ることなく逝ったピカソ(1881ー1973)だが、そのピカソに〝20世紀最後の巨匠〟と言わしめたのが、フランス人画家のバルテュス(1908ー2001)。
 
スイス レマン湖の東の小さな村の標高900メートルにあるグラン・シャレ(山荘)が、バルテュスの終の棲家。
山荘とはいうがスイス最大の木造建築物で、彼が住まいとする前は、部屋数50・窓数150のホテルだった。

このグラン・シャレでバルテュス と暮らし、今現在も ここに住むのはバルテュスの34年下の妻のセツコ・クロソフスカ・ド・ローラ(Setsuko Klossowska de Rola )。
彼女もまた画家。
セツコ・クロソフスカ・ド・ローラを、彼女は〝節子くろそふすかどろうら〟と署名する。
スイスでの日々を和装で過ごす日本人。

Photo_20240331160001
こんなファストフード店で読み始め。

和装で花を摘み、食卓を飾る。
ジャノメの日傘で、来客を迎える。
そして、こんな色・模様の着物を着る。
 ・トルコ石色の綸子(りんず:絹織物の一種)地に黒線で
  さらりと書かれた流水
 ・岩紫紅(いわしこう:赤紫色の岩絵の具)地に浅黄群青
  (あさぎぐんじょう:青色)色の樅(もみ)の木と うす
  色の家の模様

本夕、読了。

節子が和装で過ごすのは、バルテュスの好みゆえ。
バルテュス自身も、和装を日常着としていた。


夜明け前にラクダの背に揺られて宿を出て、白足袋で降り立ったのは、朝焼けのサハラの砂の上。
深紅の紗(しゃ・うすぎぬ:絹織物の一種)に白い帯。
着物と同色の和の日傘をさして。

そして、節子は こう書く。
昇りゆく日の光は赤い衣に吸い込まれ、私の身体を火照らせて。
夢世か現世か・・・
と。

| コメント (0)

絵鞆マリン倶楽部 安全祈願祭

新年は、正月(1月1日)から
新年度は4月1日から
中華圏の新年は、春節(旧正月:今年は2月10日)から

絵鞆の船釣り師たちの新年は、今日の安全祈願祭から。

Photo_20240407152501
空は春の陽光に満ち、風は穏やか。

しかし、
 神事のあとのパワーランチも
 空高くから聞こえるヒバリのさえずりも
今日はない。

画像右手に見えているのはサクラの枝。
その花芽も、まだシッカリと固い。

| コメント (4)

2024年3月31日 (日)

『銀座のプロは世界一』を読む

東京には、すべてが集まっている。
 ヒトも食もファッションも
 芸能も技術も知も
 富も貧も夢も絶望も

その東京の銀座には、
 ユニクロもあれば、シャネルも
 ラーメン店もあれば、ミシュラン三ッ星のフレンチレストランも

副題が、『各店を支える匠を訪ねて』。
銀座の匠は超一流。

Photo_20240330180501
こんな喫茶店で読み始め。

朝鮮で使うハシは日本とほぼ同じ。
 ただし、金属
大陸で使うハシは日本とほぼ同じ。
 ただし、長い

銀座タカハシビルは雑居ビル。
B1F 花大根(はなだいこん:先月移転)
 1F 銀座夏野(なつの)
 2F 銀座すし嘉(よし)
 3F 銀座器ギャラリー門(もん)
 4F~6F 学習塾・ナイトクラブ

この銀座夏野はハシ(箸)の専門店。
ハシを展示し それを売るのは当然だが、客の要望に応じてオリジナル ハシを作ってくれる。
どころか、ハシの修理もしてくれる。

本夕、読了。

私は、ハシづかいがヘタ。
なので、塗りバシは苦手。
私が家で常用しているのは、コンビニ弁当に付いてくる あの無垢木の丸バシ(^^;

| コメント (0)

2024年3月30日 (土)

『東京の美学』を読む

銀座丁目交差点は、〝銀座丁目交差点〟。
しかし、銀座丁目交差点は、〝数寄屋橋交差点〟と呼ぶ。
いずれも、片側4車線道路と片側3車線道路が交差する。

その数寄屋橋交差点を見下ろす位置に建つのが、地上8階・地下5階建てのソニービル。
そのビルの全階を使ってソニーの全製品が展示されていて、かつ そこでは それに自由に触れることができる。
ヘッドホンを試し聴きするだけでも、半日は過ごせるビル。

このソニービルを設計したのが、芦原義信(あしはら よしのぶ)で、本書の著者。

Photo_20240329205201
こんな飯屋で読み始め。

本書、
 第一章 日本人の空間意識
  (一)日本人はなぜ靴を脱ぐのか
で、始まる。
高温多湿の気候風土のせいで、日本の住居の床は地面より一段高い。
そして靴を脱ぐ。
障子やふすまで構成される壁は 常に変化する。
〝床の建築〟である。
と、著者は書く。
対して、欧州は〝壁の建築〟である。

と、ヒネリのないストレートな論調が読みやすい。

本夕、読了。

今のApple社と同じく値引き販売なんかしなかったソニーが、いつの頃からか 量販店でオープン価格販売。
1964年竣工のソニービルは、2017年に解体された。

本著者は、ソニービルの解体を知らない。
2003年没。
享年85。

| コメント (0)

2024年3月24日 (日)

『鉄道ひとつばなし』を読む

著者は政治学者。

初めに、
 学者が本業を放り出して、「趣味」の本を出すとは何事
 かという批判は覚悟している。
と書き、続けて、
 私にとって、鉄道は単なる趣味ではない。 それは経済
 史や経営史の研究対象となるばかりでなく、私の専門で
 ある政治思想史にとっても、テキストを読むだけでは見
 えない重要な手掛かりを与えてくれる。
と書く。

そして序章が、
 思索の源泉としての鉄道

鉄チャン・鉄子の好むトリビアが並べられているのではなく、広く深い知識と、整然とした頭の使い方で本書は書かれている。

Photo_20240324082501
こんな喫茶店で読み始め。

大正天皇は その皇太子時代(1900(明治33)年~1912(大正元)年)に、沖縄を除く全ての道府県庁所在地を回っている。
1907(明治40)年、皇太子は 開通20日後の山陰本線に乗っている。
その時の、鳥取県の倉吉駅のある自治協会に残る記録が以下。

 奉迎人 倉吉駅到着は遅くも御着車時刻一時間前
 (九時五十分)とす もし同時刻を後れば構内
 に入ることを得ず

つまり、
 皇太子を乗せた列車は十時五十分に倉吉駅に着くから、
 歓迎に選ばれたものは、その一時間前の九時五十分まで
 に駅構内の指定場所に整列せよ。
 それに遅れた者は駅構内に立ち入ることを禁ずる。

数字をきれいに、九時五十分としても良さそうなものだが、一時間前は、あくまでもキッカリ一時間前。
時刻の五十分は、あくまでも五十分。

鉄道と皇族の硬い関係が見える。

本夕、読了。

ところで、本書初版は2003年9月だが、今も版を重ねている。
なお、執筆時、某大学助教授だった著者は、すでに名誉教授。

| コメント (0)

2024年3月23日 (土)

『理系のための法律入門』を読む

 〝理系の〟
とあるが、
 知的財産法
 不正競争防止法
 製造物責任法
などが書かれている。

副題は、
 『技術者・研究者が知っておきたい権利と責任』

著者はそれについて述べるのにふさわしい経歴の持ち主。
風水力機器製造会社でエンジニアとして従事後、司法試験に合格、弁護士に転向したヒト。

Photo_20240320114901
こんな喫茶店で読み始め。

昨日のニュースから ふたつ。
ひとつは、
 紅麴(べにこうじ:こうきく)を含むサプリメントを摂取した人に
 深刻な腎疾患が発症。
 製薬会社はその製品の回収を始めたというもの。
 ただし、紅麴成分と腎疾患の因果関係は不明。

もう ひとつは、
 生後9ヶ月の乳児が、ベッドからの転落を防止する柵とマットレス
 の間に挟まれて窒息死亡。
 両親がメーカーに求めた9300万円の損害賠償に対し、東京地裁
 が3500万円の賠償を命じたというもの。
 裁判所は、製品の設計に欠陥はないことを認めつつも、使用に当た
 っての警告表示が不十分だったというのが賠償額の算定根拠。

製薬に関しては、
 がん治療薬オプジーボを巡って、小野薬品が提訴された事案がある。

工業製品に関しては、
 青色発光ダイオードを巡って、日亜化学が提訴された事案がある。

いずれもノーベル賞受賞者が原告で、提訴の理由は特許使用料。
100億円を単位とする訴訟。

本夕、読了。

日本の地名が、中国で商標登録されている。
ひるがえって、日本でも、ジャガイモ・トウモロコシ・トウガラシ・シナチクなんてのが一般名詞化。
フランス・パリ・ジャワ・ワシントンが付く商品も。
ノーベル・コロンブスもそのたぐい。

| コメント (0)

2024年3月17日 (日)

『すごいしくみ大百科』を読む

下糸を上糸がからめ上げて縫い進めるミシンのしくみを理解した日のことを覚えている。
覚えているくらいだから、それほど前のことではない。
いい大人になってから(^^;

自動車の差動歯車(デファレンシャルギア:デフ)のしくみを理解した日のことを覚えている。
覚えているくらいだから、それほど前のことではない。
いい大人になってから(^^;

ミシンも差動歯車も その発明は今から200年ほど前。
アタマのいいヒトってのはいるもンだ。

Photo_20240311070601
こんな飯屋で読み始め。

チンをするときに使うラップ。
食器にピチッと張り付いて蒸気を漏らさず、かつ 蒸気圧で破れない強度が必要。
これ、某社製のラップが一番。
奥さんに、
 「ラップを買ってきて」
と、お使いを頼まれたときに、ポリエチレン製のラップなんかを買ってきてはいけない。
塩化ビニリデン  H Cl
         | |
         C=C
         | |
         H Cl
の二重結合を開いて重合させたポリ塩化ビニリデン(PVDC)製のものに限る。

本夕、読了。

ラップが食器に張り付くのは、何か粘着物質でもフイルム表面に塗布してあるのかと思っていたが、分子間力の一種(ファンデルワールス力)によるものなのだと本書に。

重力は距離の2乗に反比例
熱輻射は温度の4乗に比例
対して、
ファンデルワールス力は距離の7乗に反比例
と、ものすごく効く。

| コメント (0)

2024年3月10日 (日)

『恐怖の正体』を読む

高所恐怖症
閉所恐怖症
対人恐怖症
先端恐怖症
なんかは、私にも何となく分かる。

モノに触れるたびにセッケンで手を洗わなくては落ち着かない潔癖症は、不潔恐怖症とでもいうのかも。

Photo_20240309160601
こんな飯屋で読み始め。

著者は、甲殻類恐怖症の精神科医。
料理の中に、少しでもエビ・カニが入っていたら、それを取り除いても 既に〝汚染〟されていると感じるという。
著者が恐怖とする対象は広く、外骨格系生物は全部ダメで それは昆虫もなのだと。

〝娯楽としての恐怖〟もある。
怖いモノ知りたさで、ジェットコースターなどの絶叫マシンの乗り場の列に並ぶヒトが少なからずいる。
怖いモノ見たさで、刑場に集まるヤジ馬心理もそうだろう。

幽霊の正体見たり枯れ尾花
って、恐怖をコケにする ことわざもあるが、本書では それには触れていない。

本夕、読了。

本書には、ヒトがヒトを食うカニバリズム(cannibalism)にも言及している。
生産計画上は、
 1基でまかなえる設備を2基
 2基でまかなえる設備を3基
と配置するのを冗長(じょうちょう)設計という。
生産現場では、その余力をバックアップとか予備機とかと称するのだが、本機(常用機)がコケた場合、しばしば以下の状態におちいる。
すなわち、予備機が〝部品取り機〟となり、いつの間にか、
生産計画上は、
 1基でまかなえる設備を2基配置したのに、稼働できるのは1基のみ
 2基でまかなえる設備を3基配置したのに、稼働できるのは2基のみ
となってしまう。
これを、cannibalism maintenance(共食い整備)という。

著者は、これも恐怖としている。

| コメント (2)

2024年3月 2日 (土)

『大名格差』を読む

北村桃児(きたむら とうじ)作詞の、
 歌謡浪曲『あゝ松の廊下』
には、以下のセリフが入る。

 放してくだされ梶川殿
 五万三千石
 家をも身をもかえりみず
 上野介(こうずけのすけ)を討つは
 将軍家の御威光と役職を笠に着て
 私利私欲に走る人非人を斬るためじゃ
 その手を放して下され梶川殿

北村桃児とは、三波春夫の作詞家としてのペンネーム。
 家をも身をもかえりみず
に吉良上野介を討とうとするのは、播磨赤穂藩 五万三千石の藩主 大名 浅野内匠頭 長矩󠄁(あさの たくみのかみ ながのり)。

Photo_20240225185701 
こんな飯屋で読み始め。

斬られた吉良上野介は四千二百石の旗本。

だが、官位は、
 内匠頭 従五位下(じゅごいのげ)(注)
 上野介 従四位上(じゅしいのじょう)
と、上野介が上。

 将軍家の御威光と役職を笠に着て
というセリフがこれ。

衣装、その色、江戸城入城の際にカゴから降りる場所に至るまで、大名には細かい規則で差が付けられていた。

本夕、読了。

NHK大河ドラマ『光る君へ』の舞台は平安中期。
役者も それを観る方も現代人。
なので、演出家は、
 「行っちゃおゥかなァ」
などと、平安貴族を演じる役者に現代人口調で話させる。
が、「死ぬ」を「みまかる」と言わせるところは、やはりNHK、時代考証に抜かりはない。

ところで、裳(も:平安時代の和式ロングスカート)に隠れて あらわには見えないが、まひろ(紫式部)ら平安女性は片膝をついて座っている。
いわゆる正座は もっとずっとあとの座り方で、ここにも確かな時代考証。

男は近世までアグラ。
徳川幕府は、将軍の前では大名・旗本を含む臣下の者に正座を強いた。
仮に将軍に手を出そうとしても、この座り方ではひと呼吸遅れる。

(注)

官位職を言うとき、〝従〟を〝じゅう〟と発音しては笑われる。
この場合、〝従〟の発音は〝じゅ〟。

| コメント (0)

2024年2月24日 (土)

『文豪のすごい語彙力』を読む

本書で取り上げているのは、芥川龍之介の〝的皪(てきれき)〟から、谷崎潤一郎の〝懇親〟までの63人、63語。

海上自衛隊の行進曲は、〝軍艦マーチ(軍艦行進曲)〟。
米国海軍なら、〝錨を上げて〟。
 出航用意!
 そして、次に続くのは、
 舫い(もやい)を解け!

この、舫いを解くことを解纜(かいらん)という。
檀一雄は、『リツ子 その愛・その死』で、
 船は解纜したようだった。
 丸窓が閉ざされているので皆目外は見えないが、
 波の動揺がしきりと感じられてくる。
と、綴っている。

Photo_20240223105401
こんな飯屋で読み始め。

〟は訓では、〝ともづな〟と読む。
〝ともづな〟は、〝もやいづな〟のこと。

本夕、読了。

〝ともづな〟は〝艫綱〟とも書き、〝艫(とも)〟は船尾のこと。
なので、〝ともづな〟の辞書の説明は、〝船尾から出して船を陸につなぐ綱〟。

本書者は、
〝ともづな〟の〝とも〟は、〝ともだおれ〟、〝おともする〟の〝とも〟と同じで、〝複数〟の意。であると説明する。
船と岸は、複数の綱で固定するからだ、と。
これも一理ある。

| コメント (0)

2024年2月18日 (日)

『寄書の世界史』を読む

「寄書」とは、〝奇〟跡 の書でも、〝寄〟せ書きの書でもない。
「寄書」とは、〝奇〟妙な書 、〝奇〟天烈な書のこと。

国内で出版される書籍(CD・DVD なども含む)は、決められた部数を国立国会図書館におさめなければならない(国立国会図書館法:納本制度)。
国は、その販価の50パーセントを納入者に補償する。
誰でも考え付く悪知恵が、以下。
外国文字をランダムに印刷しただけの、執筆も編集工程もない書籍を納本し、50パーセントの補償でも十分過ぎる益を得る出版社が現れた。
こんなのは〝寄書〟といえるだろう。

Photo_20240216074701
こんな飯屋で読み始め。

16の寄書が紹介されている。
内、ひとつが、江戸の終わり頃の椿井文書(つばいもんじょ)。
拙ブログでも 『椿井文書』を読む として記事にしたが、近畿の20の市町史編纂者が、これにコロッとだまされている。
『椿井文書』は、つい最近まで寄書ではなかった。

マルコ・ポーロの『東方見聞録』。
それには、黄金の国ジパングが記載されている。
『東方見聞録』は、世界史に残る紀行の書。
今現在でも、寄書とはいわないだろう。

紀伊國屋やジュンク堂には、『円周率1000000桁表』とか『素数表150000個』とか『自然対数の底1000000桁表』とかが売られている。
書かれている数字は正しい。
が、寄書(だと思う)。

本夕、読了。

誰でも電卓を持てるようになった頃でも、理工学書の巻末や理科年表には、平方根表や対数表や三角関数表がのせられていた。
丸善の『五桁対数表』は今でも版を重ねている。
これらは寄書とはいわない(だろう)。

| コメント (0)

2024年2月12日 (月)

『地図バカ』を読む

電気事業法では、ある規模以上の発電設備などは、その設置を国に申請して許可を得なくてはならないとしている。
その申請資料には、設備スペックとともに、設置場所を示した国土地理院の5万分の1の地形図を添付することになっている。(注)

その添付する国土地理院の5万分の1の地形図の『室蘭』は、つまらない。
地図全体の99.9パーセントは海で、右上隅にほんの少しだけ陸地。

Photo_20240212102001
こんな喫茶店で読み始め。

 1マイルは1760ヤード
 1ヤードは3フィート
 1フィートは12インチ
と、ヤード・ポンド法は10進法ではない。

バングラデシュは英国に植民されていたので、ヤード・ポンド法の国。
だから、バングラデシュ全国図の縮尺は、63万3600分の1と中途半端。
この縮尺だと、地図上での1インチが1マイル(哩:陸里 1マイルは1609メートル)となる。

宗首国だった英国では、50年前には、地図のメートル法への置き換えが終わっている。

本夕、読了。

サンスケと略称される物差しがある。
三角スケールのことで、6種の縮尺、多くは1/100、1/200、1/300、1/400、1/500、1/600 に対応する目盛りが切ってある。

ところで、建設図・構造図などはA1サイズで出図されることが多い。
この大きさでは、デスク上で使うには不便なので、これをA2やA3にダウンサイズコピーすることが多い。
例えば、元図がA1の図面をA2に落とすと、縮尺の分母は元の√2倍になる。
1/100の図面なら、1/141の図面になる。
なので、上記の目盛りの三角スケールは使えない。

図面検討会と称する会議の場に、胸ポケットにこんな三角スケールをさして出席してはマヌケ。
良くしたもので、ダウンサイズコピー用の三角スケールがある。
それを、我々はゼロックススケールと呼んでいた。

多分、ゼロックス社の社員は このことを知らないと思う。

(注)
5万分の1の地形図の『室蘭』を添付した資料を持参して、札幌の第1合同庁舎の経産局に通う仕事をしたことがあった。
今現在のことは知らないが、その当時の経産局の担当者は、添付する地図は国土地理院の5万分の1の地形図の『室蘭』でなくともいいと言っていた。

| コメント (0)

『自転車に乗る前に読む本』を読む

ヒザに故障をかかえたランナーでも、自転車には乗れる。
ペダルを回す動作は、ヒザへの負荷が小さいから。

著者は生理学者。
その専門知識を背景にして書かれた本書の副題は、
 『生理学データで読み解く「身体と自転車の科学」』

本書には、健康に好影響を与える自転車の走らせ方が書かれている。

Photo_20240210181701
こんな喫茶店で読み始め。

自転車のペダルを回す1分間の回転数(rpm)をケイデンス(cadence)と呼ぶ。
血圧の単位は水銀柱ミリメートル(mmHg)だが、それを省略し、
 上が120、下が70
などと数値のみを言うのが普通。
ケイデンスも同様。
普通、数値のみを言う。
以下、数値はケイデンスを示す。

トライアスロン競技者は、80~90
対し、
エネルギー消費量が最小になるのは、70
筋肉の疲労が最小になるのは、80~90

競技者は、エネルギーの消費量よりも、脚の疲労のしにくさを優先する。
と、思いきや、自転車を専門とする競技者は、エネルギーの消費効率の悪化も、筋肉の疲労も増えるのを分かった上で、90から110で走る。

本朝、読了。

競技者でない者は、70も回せない。
著者は、まず65を目標に、と提案する。

著者の学位論文は、
『自転車運動に対する身体適応および日常的自転車使用による健康づくりの可能性』
が、著者、自転車には乗らない。
健康づくりは、ジョギングで。
通勤は、エンジンバイク。

| コメント (2)

2024年2月 9日 (金)

『ぼくらの近代建築デラックス!』を読む

建築基準法施行令第88条は、地震力を規定している。
〝標準〟という前提付きで書かれているその数値の最低値は、剪(せん)断力係数で0.2。
この0.2は、建物重量の20パーセント相当の力のこと。
建物の重心位置に 水平方向にこの力をかけても建物に致命的な損傷を生じさせない設計をするための目安。
この0.2には根拠がある。
関東大震災で倒れた墓石の調査結果。

新館建設のため1968年(昭和43年)に解体されたのは、1923年(大正12年)竣工のフランク・ロイド・ライト 設計の帝国ホテル(ライト館)。(注)
このライト館の完成披露パーティーの その当日に起きたのが、関東大震災。

この地震に、ライト館は耐えた。

Photo_20240206175001
こんな喫茶店で読み始め。

先月 直木賞を受賞した万城目学(まきめ まなぶ)と、推理小説作家の門井慶喜(かどい よしのぶ)が、大阪・京都・神戸・横浜・東京・台湾の近代建築を訪ねる。

1931(昭和6)年竣工のモロ近代建築に外側だけ化粧をほどこした大阪城天守から、1904(明治37)年竣工の横浜正金銀行(現:神奈川県立歴史博物館)といった落ち着きと品の良さを感じさせる建物まで67棟。

文化史学を専攻した門井の近代史と建築の知識が広く深い。

本夕、読了。

東京・横浜・神戸にある近代建築は、震災と戦災をくぐってきているので それだけでも貴重。
前調べは旅をつまらなくするというヒトもいるけれど、二人とも予習、あるいは再訪しての確認十分。
訪れるのは、ヒトが作ったモノ。
かつ、作ったヒトは優秀。
予習なしでは、ポカンと口を開けるだけだろう。
私がそれ。
ポカンと口を開けて読み進めた(^^;

(注)
『フランク・ロイド・ライトの20世紀建築作品群』として、世界遺産に登録されている建物が8棟ある。

| コメント (0)

2024年2月 4日 (日)

『将棋カメラマン』を読む

将棋は指し、碁は打つ。
でも、
 将棋指し も棋士
 碁打ち  も棋士
ところで、
 チェス  だとプレーヤー
 麻雀   だと雀士
 丁半   なら緋牡丹お竜、藤純子
 ポーカー ならルーヴル美術館のラ・トゥールの絵、
     『ダイヤのエースを持つ いかさま師』

本著者が撮るのは、将棋指し。
副題は、
 大山康晴から藤井聡太まで
 「名棋士の素顔」

その写歴は50年。

Photo_20240128195001
こんな喫茶店で読み始め。

演劇場やコンサート会場では、写真撮影は原則禁止。
そんな世界の、例えば歌舞伎界には舞台専属カメラマンがいる。
専属カメラマンを持つオーケストラもある。

将棋の勝負の場にいるのは、シャッター音を消し、ストロボを発光させず、動きを殺したカメラマンの著者。

本夕、読了。

朝刊には、将棋・囲碁の観戦記が載る。
技術的なことは全然わからないが、盤外を描写した ほんの十数文字が光っている日がある。

川端康成は、自身が経験した碁の観戦を『名人』という小説に仕立てている。
書かれているのはヒト、二十一世本因坊秀哉。
先月の4日に亡くなった篠山紀信が撮ったのもヒト。
本著者の撮るのもヒト。
 対戦中の棋士
 麻雀卓を囲む棋士
 バイオリンを弾く棋士
 酒場で飲む棋士
 旅先の街路を歩く棋士
 素っ裸で鳥取砂丘に立つ棋士
 教会堂で祈りをささげる棋士
 テニスに興じる棋士

| コメント (2)

2024年1月27日 (土)

『「悪所」の民俗誌』を読む

渋谷区松濤(しょうとう)地区に、コンビニはない。
マックもスタバもない。
ここは、商売っ気を微塵も感じさせない歴史ある高級邸宅街。

松濤の南に接続して あるのが、かつての色町 円山(まるやま)。
今はラブホテル街。
書名の「悪所」は、かつての円山のようなところをいう。

著者は社会学者で桃山学院大学で教え、学長も務めた沖浦和光(おきうら かずてる)。
副題は、
『色町・芝居町のトポロジー』

トポロジーとは位相幾何学のことだが、ここでは、〝連続している〟くらいの意味だろう。

Photo_20240118195301
こんな喫茶店で読み始め。

著者は、「悪所」の特質を
 ・匿名性の高い非日常的空間
 ・新しい文化情報の発信・収集の場
 ・誰でも出入りできる場
 ・混沌(カオス)性が増殖していく場
 ・遊女が理想形となる人倫秩序の転倒した場
 ・役者が表現する場
と、まとめる。
特に、最後の〝役者〟は、
 「漂泊する神人」の影が漂い
表現するのは、
 身に潜めた呪力
であると書く。

本夕、読了。

本書、平安の世まで時代をさかのぼる。
当時の記録から、天皇・法皇に寵愛を受けた局(つぼね:宮中に自室を与えられた高位女官)のなかには、出自が遊女の者がいたことを明らかにする。
〝遊女が理想形となる人倫秩序の転倒した場〟が、ここに見える。

悪所といえば、博打場もそうだろう。
が、著者は、博打場についてはひとことも触れていない。
博打が成立するには貨幣が回る世界が必要だが、本書が広げる世界は すでに貨幣経済の時代。
著者、おそらく、競馬・パチンコ・麻雀を知らないヒトなのだと思う。

| コメント (0)

2024年1月14日 (日)

『水素分子はかなりすごい』を読む

元素周期表は、原子番号1、原子量1.0の水素(H)から始まる。
安定した分子の水素(H2)でも、分子量は2.0。
原子番号2のヘリウム(He)の原子量が4.0だから、水素は原子でも分子でも小さい。

水素脆化(すいそぜいか)と呼ばれる金属の粘りや強度が落ちる現象(割れたり、欠けたりしやすくなる)がある。
金属結合中に水素が侵入することが悪さの原因なのは確かなのだが、脆化に至るメカニズムは はっきりしていない。
民生品として大量に使われるステンレス鋼に その現象が大きくあらわれるので、問題はやっかいだ。

Photo_20240114090001
こんな喫茶店で読み始め。

著者は物性物理学者。
副題は、
 『生命科学と医療効果の最前線』

本書で言う水素は、水素イオン(H:プロトン:陽子)ではなく、水素分子(H2)。
それを水に溶かして、あるいは空気と混ぜて摂取すると、
 酸化ストレス抑制
 動脈硬化抑制
 神経性疾患抑制
  パーキンソン病
  アルツハイマー病
等に効果がある、と。

水素には、抗酸化性があるのは確かなのだが・・・

本夕、読了。

伊藤園では、310mlアルミボトル入りのミネラルウォーターを、
 水素水 2
という商品名で販売している。
この水素水、成分表を見ると、1本当たりの水素量は0.09~0.24mg。
中間値の0.17mgで計算すると、大気圧体積で2CCほどの水素ガスが含まれていることになる。

ヒトは1日に15000リットル前後の空気を吸う。
我々の吸う空気には、体積で0.00005%の水素が含まれている。
呼吸で肺に入る水素は、1日に7CCくらい。

| コメント (12)

2024年1月 7日 (日)

『文豪たちが書いた喧嘩の名作短編集』を読む

今日の某紙朝刊日曜版。
見開き2ページで書評されていたのは8冊。
その内の1冊が、大江健三郎の『親密な手紙』。

安部公房が、
 「大江君に絶交されちゃった」
と、どこかに書いていたのに対し、
大江健三郎は、
 「安部さんに絶交された」
と、その『親密な手紙』に書いているらしい。

安部公房の生涯は、 1924年ー1993年
大江健三郎の生涯は、1935年-2023年
安部のほうが 一回り上だが、同時代人といっていいだろう。
1994年に、大江がノーベル文学賞を受賞。
もし、その年に安部が存命だったのなら、その受賞は安部だったはず。

その二人に、互いに〝絶交〟を宣するようなイザコザがあったらしい。
文豪同士の喧嘩。

Photo_20240106220801
こんな飯屋で読み始め。

本書におさめられているのは、短いエッセーや短編小説16編。
書いたのは、安部公房や大江健三郎よりヒト世代さかのぼった時代の作家の太宰治、檀一雄、坂口安吾など16人。

どれもテーマは〝喧嘩〟。
喧嘩の組み合わせは、作家同士、夫婦、母娘など。
創作もあるし、事実の文章化もある。

本夕、読了。

作家は、ペンで食うヒト。
ペンだけでなく、口も達者。
だが、本書の作家は、みな運動不足。
その体に加えて、サケ・タバコ・ハイミナール(睡眠薬)・恋愛。
 私の年齢が そう感じさせるのか。
 当時の作家の不健康さが そう感じさせるのか。
そんな者同士の喧嘩は、読んでいても幼児の喧嘩ほどの迫力も感じない。

安部公房や大江健三郎は、彼らよりずっと健康そう。
でも、喧嘩は、
 「オマエの母ちゃん、デーベーソ」
レベルだったような気がする(^^;

| コメント (0)

2024年1月 3日 (水)

『「分かりやすい説明」の技術』を読む

サンドウィッチマン富澤たけしのボケセリフは、
 『ちょっと何言ってるか分からない』

分かりやすく説明されては、
 『ちょっと何言ってるか分からない』
というセリフは出てこない。

Photo_20231231140401
こんな喫茶店で読み始め。

副題は、
 『最強のプレゼンテーション15のルール』
その15とは、
 ①聞き手とのタイムラグを知れ
 ②要点を先に言え
   ・・・・
 ⑭聞き手に合わせた説明をせよ
 ⑮聞き手を逃すな

本書で取り上げているのは、話して聞いてもらうプレゼンテーション。
私は、話して聞いてもらう その前、書いて読んでもらうプレゼンテーションの段階で苦労した経験多数。
話して聞いてもらうプレゼンテーションでの成功体験がゼロなのは当然(^^;

本夕、読了。

書いて読んでもらうプレゼンテーション。
 背景
 目的
 結論
を概論・緒言で書き、そのあとに本論。

考え方(ストーリー)の正しさが全て。
本論に、所見・結言に至るストーリーを、
 鉛筆をなめる
とか、
 ウソのゴサンパチ(538)
とか とかはあるが、データ・分析を並べ、考え方の正当性を補強する(^^;
 うまくオレをダマしてくれ
と言った上司さえいた(^^;

あゝ、
 『ちょっと何言ってるか分からない』
という声が聞こえる・・・(^^;

| コメント (6)

2024年1月 1日 (月)

あけましておめでとうございます

旧年中は、オカでも沖でも山でもネット上でもお世話になりました。
本年も、旧年と変わらぬ お付き合いのほどをオカでも沖でも山でもネット上でもよろしくお願いいたします。

随分以前、人生は短いが1日は長いという記事を拙ブログに掲載しました。
内容は、
 いま、29歳の人の、これからの1年は、その人の人生にとっては
 1/30の期間。
 つまり、いま29歳の人は、これからの1年で、その人にとっ
 の人生の1/30の経験や知識が増えることになる。


 いま39歳の人の、これからの1年は、その人の人生の1/40
 いま49歳の人の、これからの1年は、その人の人生の1/50
 いま59歳の人の、これからの1年は、その人の人生の1/60
 経験や知識が増えることになる。

 年をさかのぼって考えると、
 いま 9歳の人の、これからの1年は、その人の人生の1/10
 いま 3歳の人の、これからの1年は、その人の人生の1/4
 いま 1歳の人の、これからの1年は、その人の人生の1/2
 たったいま生まれたばかりの子の、これからの1年は、
 その人の
人生の1/1、つまり1
 経験や知識が増えることになる。

 例えば、30歳の人ならば、
 1+1/2+・・・・+1/29+1/30
 Photo_2 

 日々、時々刻々の積み重ねで考えれば、
 Photo_3

 これを0歳から100歳までグラフ化すると、
Log_curve
 で、9歳までに、80歳の長老の持つ経験や知識の半分の量を得る。
 よってもって、子供の頃はあんなに長く感じた1年も、年を取ると
 短く感じる
ようになる。
 と、定量的に勘定できる。


以上は、知恵や経験のを無視した全くの数字の お遊び。
だから、赤字部はウソ八百なのですが、私はウソ八十くらいには信じていました。
でも、振り返ると短かかったけれど、6歳か7歳の子供のように、多くを経験し多くを知った昨年でした。
上のグラフ、右に行くに従って、増加速度が減じます。
しかし、昨年がそうだったように、今年も私は幼い子と同じ。

きっと、そうなるでしょう(^^) 

昨年中の、あんなことやこんなこと。
       ↓ ↓ ↓
01_20231229233901

| コメント (8)

2023年12月31日 (日)

まァ、そんなんでも 良かったンじゃないかと

月の最終日は、晦日(みそか)。
年の最終日は、大晦日(おおみそか)。
ところで、〝晦〟は これ ひと文字で、〝みそか〟と読む。
で、分からないのは、〝晦日〟の〝日〟は何と読むのか。

〝七夕〟の〝七〟を〝たな〟、〝夕〟を〝ばた〟とは読まない。
〝七夕〟で〝たなばた〟。
〝晦日〟も同じ、〝晦日〟で〝みそか〟。

そんな、どォーでもいいことばかりを頭に浮かばせて暮らした1年でした。
ンな日々の継続。
まァ、そんなんでも 良かったンじゃないかと。

20231231
こんな雲の下で魚信を待ったこともありました。
新しい年も、こんな雲の下で魚信を待ちたいものです。

良いお年を。

| コメント (0)

2023年12月30日 (土)

オレだ。 ヤマダだ。

『オレだ。 オレ。 オレ』
続けて、
『会社のカネの入ったカバンを電車に置き忘れた』
とかなんとか。
で、カネをだまし取られる。
〝特殊詐欺〟

詐欺のスタートは電話で。
面と向かって、
『オレだ。オレ。 オレ』
とやられて、だまされるようなヒトはいない。
いたら、マヌケだろう。

さて・・・
今日の日暮れ。
某ホームセンターでの用が済み、出ようと。
あと2歩で自動ドアが開く、そんな場所で、
『オレだ。 ヤマダだ。』
続けて、
『パチンコで、7万やられた。  ウチの前まで乗せてくれないか』

〝ヤマダ〟という名の知り合いは いる。
でも、コイツの顔は記憶にない。
記憶力が急減速、新しいことを記憶できない。
付き合いのあった人の名前もポロポロ忘れる私。
ついに、固有名詞どころか〝顔〟も忘れるようになったかァ・・・

送り先は、私の帰り道の途中。
なので、クルマの助手席に乗せた。
車内での、短い会話は私から始めた。
『いま、何してんの』
『前と同じ、型枠工』
『フぅーン』
『そこの電柱のところで止めてくれないか。 助かったヨ。 昼飯も食ってない。
 2千円でいい、借してもらえないか』

確かに、腹が減ったような顔をしている。
私、千円札2枚と財布の中にあった小銭を全部、そのヤマダに渡した・・・

型枠工のヤマダ。
私の記憶に浮かんでこない・・・

私、〝特殊詐欺〟ではなく、〝単純詐欺〟に引っかかったマヌケ(^^;

| コメント (4)

2023年12月24日 (日)

船長、スイーツを作る(^^) 13

久し振りの お菓子作り。

日本ではスイーツ扱いされているシュトーレン(Stollen:シュトレン)。
その生国のドイツではパンに相当し、クリスマスに近い今頃に食べるのが習わし。
そのドイツが国として認めるシュトーレンの基本レシピは、
小麦粉重量の、
 30%相当以上のバター
 60%相当以上のドライフルーツ(砂糖漬けフルーツ)
 が、使用されていること
 なお、マーガリンの使用は認めない

日本の有名洋菓子店で売られているシュトーレンのレシピを調べてみると、
小麦粉重量の、
 100%相当以上のバター
 100%相当以上のドライフルーツ
を、使って作られているようで、油脂量・カロリー量とも はなはだ大の健康度の高い食品。
そこはそれ。
シュトーレン、日持ちがする。
その長さは、〝月〟の単位で、常温でも6ヶ月は持たせることができる。
なので、時間をかけて少しずつ少しずつ食べる。

発酵工程が2回ある。

Stollen_20231224165701
まァ、でも完成。

我がレシピ、小麦粉重量の、
 100%相当超のバター
 120%相当超のドライフルーツ
  ドライフルーツ種は、
    レーズン
    クランベリー
    マンゴー
    パイナップル
    パパイヤ
    オレンジピール
  25%相当のアーモンド
  25%相当のクルミ

さて、食うか(^^)

| コメント (6)

2023年12月23日 (土)

『映画を早送りで観る人たち』を読む

PISA(Program for International Student Assessment)とは、経済協力開発機構(OECD)によって行われる国際学習到達度調査のこと。
対象は15歳で、数学知識、科学知識、読解力、問題解決力が定量的評価される。
調査は3年ごとに行われ、1回目は2000年。
8回目の実施は、新型コロナ禍の影響で1年延期され昨年。
参加国・地域は81。

今月の初め、その結果が文科省から発表され、
前回(´18年)に比べ、
 数学知識が、6位から5位へ
 科学知識が、5位から2位へ
 読解力が、15位から3位へ
となったこと、特に読解力が大きく伸びたことを、マスコミは肯定的に報道した。

Photo_20231223094501
こんな飯屋で読み始め。

拙ブログ、しばしば言われる。
 長すぎる。
 10行以内にまとめて欲しい。
と。
だろうなァ。
と、私も思う(^^;
書くほうは いい気になって書いているが、その駄文を読まされるほうはつらいもの。
それは読解力の問題なのではなく、駄文はどこまでいっても駄文。

同様なことは動画・楽曲についても。
どこのメーカーのブルーレイ/DVDレコーダーにも、早送り・10秒戻し・30秒送り機能が標準装備されている。
Amazonプライム、Netflixなどの定額制動画配信サービスもそう。
10秒スキップ、1.5倍速、2倍速可。

で、10秒スキップ、2倍速で飛ばし視聴。
さらには、最初と最後が分かればいい。
と。

本夕、読了。

それは、高いタイムパフォーマンス(タイパ、タムパ)なのか、幼稚化なのか。
などと、著者は論を進める。

私は、思う。
コスパがどうの、それがオトナの対応。
なんていうのより、ズッとスナオな態度なのではなかろうか、と。

ここまで読んでいただいた方、お疲れ様でした。
どうもありがとうございます。
でも、貴殿、貴女。
あなた方は読解力が豊かなのではなく、忍耐力があるだけなわけで・・・(^^;

| コメント (2)

2023年12月17日 (日)

『サハラに死す』を読む

ノマドワーカーとは、テレワーカーと呼ばれているヒト。
最近の言葉で、20年前には聞かれなかった。
ここで、〝ノマド〟とは〝遊牧民〟のこと。
だから、ノマドワーカーは自宅だけではなく、カフェやレンタルワーキングスペースなど、気分のままに日々・時々、ノートパソコンのキーボードをたたく場所が変わる。
スターバックスやサンマルクで、MacBookのキーボードをたたいているヒトたち。
彼ら、彼女らの多くがノマドワーカー。

Route_20231217202301
(地図は、帝国書院の文科省検定済中学校社会科用より)
左のは、モーリタニアの大西洋岸の町、ヌアクショット。
右のは、スーダンの紅海岸の町、ポートスーダン。
この2点間に横たわるのがサハラ砂漠。
2点間距離は7000キロ。

本書は、1973年の12月から翌年5月まで、サハラを西から東へと(画像の地図を左のから右のへと)断しようとした青年の旅日記。

なお、
 ●は、マリのメナカ。 著者の遺体が発見された地点。
は、ナイジェリア最大の都市のラゴス。 日本大使館がある。

20231217
義務教育の地図帳のアフリカ地図では、とても旅程を追えない。
世界大百科事典の『世界地図』を手元に置いて、読み進めた。

高校を1年で中退。
英語学校に通ったあと、ヒッチハイクで世界50ヶ国を回る。
サハラの断も2回。
著者は、自分のことを〝ノマド(本書内の表記はノーマッド)〟と呼ぶ。

本夕、読了。

サハラを2000キロ進んだところで、ラクダを死なせ、その先へは進めなくなる。
で、日本の商社・企業が数十社進出、日本大使館もあるナイジェリアのラゴスへ。

そこで、在留邦人向けのガリ版新聞を作って配達する仕事を時事通信社からもらう。

その報酬、日本の親や友人へのカネの無心、在留邦人からのカンパ。
それで、新しいラクダを買いサハラ横断旅行を再開。

旅は再開するが、その再開から幾日も経ずしてラクダに逃げられる。

自分のことを〝ノマド〟と呼んだ青年の遺体は見つかり、現地で解剖される。
胃・腸も膀胱も空っぽであることから、所見は渇死(かっし)。
22歳。

サハラの単独横断に成功した者は、今現在に至るまで いないという。

| コメント (2)

2023年12月16日 (土)

『平成の裏仕事師列伝』を読む

知恵のある者 知恵を出せ
知恵のない者 汗を出せ
なんだと。

Jazz_20231216175501
さらに芸があれば、ヒトをひととき 幸せにする。

このバンドはアマチュア。
タダで聞かせてくれる。

Photo_20231210083901
こんな喫茶店で読み始め。

アッチの5千円のモノをコッチへ1万円で売るのが商売。
そこから千円引き・2千円引きして買い気をあおる。

フーテンの寅さんなら、百円のモノを千円で売る。
啖呵(たんか)売りするための、口上(こうじょう)・話術が芸の域に達している必要はある。

本書で紹介されるのは、
 知恵で稼ぐ仕事
 汗で稼ぐ仕事

知恵があるなら、カード会社のシステムをハッキング。
オンラインカード詐欺。
1億。
いや、年で1億。
ただし、犯罪。

汗で稼ぐなら、原発の放射線を浴びるエリアでの作業。
同年代のサラリーマンの4倍の月収。

本夕、読了。

芸、それと容姿で稼ぐなら、浄水器の戸別訪問販売。

デブ専のホストクラブもあるようだが、やはりホストは容姿と話術。
容姿がホスト並みだとの自信があれば、昼働いて夜に寝て、土日は休める仕事がある。

ピンポーン。
で、ドアを開けさせるまでが大変だが、そのあとは水道水検査と称しアレコレ。
ンで自慢の容姿と話術で 一人でいた主婦をアヘアへと落とす。
これで、35万円の浄水器が1個売れる。

書かれているのは、そんな仕事師への対面インタビュー。
つまるところは、やはり知恵。

知恵のない私は、知恵のないサカナを相手に遊んでいるのがお似合い(^^;

| コメント (2)

2023年12月 9日 (土)

『宇宙を支配する「定数」』を読む

1ドルが360円で固定されていた相場。
それが、変動相場制に移行したのが1973年。
以降、一度も360円より安くなることはなく、直近の昨日8日の東京市場の対ドル円の最高値は144円39銭。
変動相場制の現在、対ドルあたりの円は日々・時々刻々の変数。

1ドル360円は、固定相場制時代内に限っての定数(じょうすう、ていすう)。

Photo_20231209103901
こんな飯屋で読み始め。

1ドルが75円54銭まで円高が進んだことがある。
今は昔の2011年。
その頃に円で生活していたヒトは、外国旅行先で いい思いをしたはず。

今や、往時の半分の安さになった円の国(日本)に、ウワーっと外国人が集まるオーバーツーリズム。
もっとも、輸出産業はウハウハ。

本書で話題にするのは、そんなフラフラした換算・比例係数ではなく、この宇宙を支配する不変の定数。
時間・万有引力定数・電気素量・光速など。

本夕、読了。

ニュートンが万有引力の法則を世に出したのは、17世紀末。
その万有引力定数の最新の測定値は、
 6.6743×10-11m3 kg-1s-2
と、下4ケタの精度。

18世紀末に測定された万有引力定数は、
 6.74×10-11m3 kg-1s-2
だったので、200年で やっと2ケタの精度アップ。
まァ、しかし、だからと言って私の生活には何の変化もない。

対して、時計は、この200年ほどで12ケタも精度を上げている。
重力場における時間の進みや遅れが、階段を昇ったりエレベーターを降りたりといった日常の運動レベルで測ることができるのだと。
まァ、しかし、だからと言って私の生活には何の変化もないのは同じ(^^;

| コメント (2)

2023年12月 3日 (日)

『同調圧力』を読む

〝同調圧力〟
私の解釈では以下。
 気にそぐわない考え方や言動をする少数者を、
 多数者側の考え方や言動に合わせようとする
 雰囲気

〝同調圧力〟を感じた際に、〝同調〟しようとする者の気分は、
 長いモノには巻かれろ
 群集心理
 右へならえ

〝同調圧力〟を感じた際に、〝同調〟しまいとする者の気分は、
 負けるモノか
 屈するモノか
 正義は我にあり
本書は、〝負けるモノか〟・〝屈するモノか〟・〝正義は我にあり〟という立場のヒトが書いたもの。

〝同調圧力〟への抵抗。
それは時に、自身を英雄視し、はたからはユニーク・他人(ヒト)と違う・信念がある・個性的といった評価を得ることもある。
また それは時に、ひとりよがり・ピエロ・エキセントリック・頑固・偏屈といった評価を与えられることもある。

Photo_20231203000401
こんな飯屋で読み始め。
この季節、私の読む本の しおり はミズナラの落葉。

著者は3人。
 望月衣塑子(もちづき いそこ:東京新聞記者)
 前川喜平(まえかわ きへい:元 文科省事務次官
 マーティン・ファクラー(米国人ジャーナリスト:マルチリンガル者
                                       中国語と日本語は完璧)

望月・前川は、〝同調圧力〟を自身に実際に感じた・感じている例をあげる。
彼らの言う〝同調圧力〟とは、〝国家権力〟。
〝権力〟対〝個人〟
〝権力〟対〝ジャーナリズム〟
を書く。
まァ、しかし、私ごときが言っては ナンだが、本書に限っては という前提付きで、お二人の
 被害者意識
 自意識過剰
が、鼻につく。

本夕、読了。

今年の世界180ヶ国の報道の自由度ランキングは、
  1位 ノルウェー 
  2位 アイルランド
  3位 デンマーク
   ・・・
   45位 米国
   ・・・
   68位 日本
   ・・・
 178位 ベトナム
 179位 中国
 180位 北朝鮮

報道の自由と言論の自由はリンクしていると言っていいだろう。
そして いずれの自由も、〝理性〟のコントロールがあってしかるべきだろう。
それを〝同調〟とは言わないと思う。

巻末に三人による座談が載せられている。
マーティン・ファクラーのキレが見事。

| コメント (2)

2023年12月 2日 (土)

絵鞆マリン俱楽部 総会・納会

日本で新型コロナウイルスの感染流行が確認されたのは、'20年の初め。
よって、絵鞆マリン俱楽部の総会は'19年を最後に、'20年・'21年・'22年と書面によって。
総会直後に行っていた宿泊納会も、同期間は休会。

この年末は、久しぶりの4年ぶりに顔を合わせての総会・納会。
総会では、
 ・マリン倶楽部と無線クラブを統合
 ・釣りダービー登録方法
 ・釣り情報発信の場
 ・新会員の獲得
などを考えたいとの方針が執行部から提案され、異論なく承認。

231202
で、納会では年間釣りダービー入賞者の発表と表彰をサカナに、飲んで・食って・話して・聞いて。
事情があって、広い宴会場を確保できず、席の移動がままならない。
皆さんに お酌をして回れなかった ご無礼ご容赦のほど。

また、集合写真を撮れなかったことが残念。
今日の この会に集まったメンバーの年齢にもなれば、次の総会・納会までは アッという間。
今度の納会後には、K事務局長兼カメラマンに是非 集合写真を撮ってもらいましょう。

ちなみに、上の画像の背中側にもメンバー多数。
楽しいひとときでした。
ありがとうございました。

| コメント (6)

2023年11月26日 (日)

『海を渡った「ナパーム弾の少女」』を読む

1973年の「ニュース速報部門」のピューリッツァー賞は、〝The Terror of War(戦争の恐怖)〟。
ここでいう〝War〟とは、ベトナム戦争。
写されたのは、’72年6月。

Photo_20231125212202
       ―― The Terror of War ――

〝The Terror of War〟 に写る裸の少女が〝Napalm Girl〟、すなわち「ナパーム弾の少女」。
’75年4月に、この写真が撮られた場所から北東へ40キロにある南ベトナム首都のサイゴンが陥落し、ベトナム戦争が終わる 。

後遺症をともなう重度のヤケドを背中と左腕に負って火煙から逃れる この時の少女は、9歳。 
南ベトナム軍による南ベトナム集落への、ナパーム弾(焼夷弾)の誤爆によって起きた事件だった。

Photo_20231125212201
こんな喫茶店で読み始め。

資本主義(南) 対 社会主義(北)の 米ソ代理戦争。
北が南を押し切り、南・北ベトナムはベトナム社会主義共和国として統一され現在に至る。

のち、優秀だった少女は医学生となるが、その優秀さゆえ、社会主義政府によって反米・反帝の広告塔とされることになる。
 ・社会主義国のキューバへの留学
 ・同じくキューバに留学していたベトナム人と結婚
 ・夫婦してのモスクワ旅行からキューバへの帰途、
  乗り継ぎ地のカナダ最東部のガンダー国際空港で
  難民申請

本夕、読了。

このヒト、よくよく考えている。
〝亡命〟ではなく、〝難民〟としての立場で行動したのも考えた末。
カナダの市民権を得、キリスト教に改宗。

ベトナムの両親をカナダに呼び寄せることもでき、自身、ベトナムを訪問できる自由も得た。

火傷痕の治療は長いこと続き、昨年完治。
治療にあたったのは米国人皮膚科医で、治療期間5年。

| コメント (0)

2023年11月25日 (土)

『食欲の科学』を読む

日がすっかり傾いた頃、ブラブラと流し歩きの飲食店街。
焼き肉屋・天プラ屋・ウナギ屋・焼き鳥屋などの換気扇から吐き出される匂いはたまらない。
大して腹は減っていないのだが。
食っていくかァ・・・

ところで、鼻腔の後ろ、つまり口の奥のノドのほうから入ってくる匂いを感じることができる生物は ただひとつ、ヒト。
ヒトだけが、空中に ただよう匂いだけではなく、口に入った食べ物の匂いも感じることができるンだと。

Photo_20231125084801
こんな飯屋で読み始め。

ヒトは〝飢え〟を克服した。
で、現代人は、空腹を満たすために食う では終わらずに、ウマい・マズい・好き・嫌いを言い、時に過食・時に拒食する生物となった。
4、50年前までの〝食欲〟とは、心理学的・行動学的研究対象。
今のそれは、〝脳〟の問題。
〝脳〟が〝食欲〟を生み出し、〝空腹〟を感じさせている。

本夕、読了。

著者は、睡眠・摂食行動などの仕組みを解き明かそうとする医学者。
プロオピオメラノコルチンとかニューロペプチドYとかという用語が40も50も出てくる。
そしてそれらの物質が、どういう理屈で人体に作用しているのかを、素人に分かるようには説明してくれない。
素人に分かるように説明できるような理屈ではないのだろう。
と、いうことで、ンなところは読み飛ばし(^^;

本書、第5章の章題は「視床下部から行動へ」。
その第5章は、19世紀のフランスのロマン主義作家の言葉、
 恋は空腹で生き、満腹になって死ぬ
で始まる。
大いに同感(^^;

| コメント (0)

2023年11月24日 (金)

『ウイルスとは何か』を読む

ポツンと何か。
そこから枝分かれして、さらに枝分かれして、・・・
と、今の生物界に至るまでの進化を〝樹木の形〟で表現する系統樹。
DNAの配列から系統樹を考える。
著者は物理を学んだ後、統計学を有効に使うことで系統樹を定める方法を研究したヒト。

と、書いた私自身が、何を書いているのか・・・
ハテ(^^;

Photo_20231112185601
こんな喫茶店で読み始め。

ウイルスは、自分自身だけでは増殖(複製)できない。
生物の細胞内に自分の遺伝情報を侵入させることで増える。
なので、細菌・動物・植物を問わず あらゆる生物のゲノムに、多くのウイルスの配列が組み込まれている。
本書には、こう書かれている。

 何千万年も前の我々の祖先もウイルスに感染した。
 それらの中には重篤な病気を引き起こしたものも
 あったかもしれない。
 そのウイルスの一部が我々のゲノムの中に残って
 いるのである。
 「ウイルスの化石」である。

本夕、読了。

本書、私程度の者には読みこなせない(^^;
それでも、用語を調べ調べしながら 何とか最終ページまでたどり着いた。

分かったフリは最低。
分かったツモリは、いくらか罪が小さいように思うが、しかし、これも大いに危険。

本書を読んでも、分かったフリもできず 分かったツモリにもならない私は、タダのバカ(^^;

| コメント (0)

2023年11月19日 (日)

『地平の月はなぜ大きいか』を読む

太陽と月の視直径は ほとんど同じで2分の1度。
30分。

360度さえぎるモノが ない砂漠や大洋。
地(水)平線に、太陽なり月なりをギッシリ並べたら720個。

Photo_20231119091601
こんな飯屋で読み始め。

イタンキ浜に立って見る、水平線から昇る太陽。
大きい。
イタンキ浜に立って見る、水平線から昇る月。
大きい。

大きく見えるが、しかし、そう見えているだけ。
大きくはない。
高いところにある太陽も月も、低いところにある太陽も月も、視直径は変わらずに2分の1度、30分。

大きく見えているだけであることの直接的証明は簡単。
昇ったばかりで大きく見える月と、その何時間か後の月を写真に撮ればいい。

本書には、こう書かれている。
 人の眼、人の心が観た太陽と満月が、物理的大きさを
   はるかに超えたものであることに気付く。
 物と心がこれほど大きく食い違う現象は他にない。

この現象を〝月の錯視〟といい、2000年も前から知られていた現象。

本夕、読了。

本記事の冒頭で、
 地(水)平線に、太陽なり月なりをギッシリ並べたら720個。
と書いた。
ここで、簡単な思考実験。
〝地平の月〟が大きいのなら、ギッシリと720個並べられないことになる。
それは おかしい・・・
てなことを2000年前のヒトも考えたに違いない。

著者は『天体錯視の研究』で、学位を得た心理学者。
ただし、著者の研究によっても、大きく見える理由が完全に解決したわけではない。

竿を曲げ、リールのドラグを鳴らす型モノが掛かる。
偏光グラス越しに見る 水面直下まで上がったサカナはデカい。
ただし、デカく見えるのはバレたサカナ。

タモにおさまるサカナは なぜか小さい(^^;
あァ、〝水中のサカナ〟の錯視(^^;

| コメント (4)

2023年11月18日 (土)

『気になる日本地理』を読む

義務教育で習う〝地理〟(高校で習う〝地理〟も同様)は、
 気候・地形・海流などの自然科学
 生活・産業・文化などの社会科学
と、学習範囲が広い。

Photo_20231118192601
こんな喫茶店で読み始め。

東京都中央区には、日本銀行本店があり、三越日本橋本店があり、銀座がある。
勤務・購買・遊興の場。
だが、昼間人口こそ多かったが、夜間人口は減り続けた。
人々が、住む場を郊外に求めたゆえの〝ドーナツ化現象〟。
1997年、ここの人口は、7.2万人にまで減った。

バブルが はじけ地価が落ち着いたことと、高層集合住宅の建設が進んだことで、ここに住もうとする人が戻ってきた。
今年の人口は、17.5万人。

札幌・大阪・福岡の中央区でも、人口が増えていると本書。
〝アンパン化現象〟と いうらしい。

本夕、読了。

北海道人で、〝愛媛〟を書け、その県庁所在地が〝松山市〟だと言えるヒトの割合は どれほどだろうか。
同じく、北海道人で、〝茨城〟を書け、〝いばら〟と発音し、かつ、その県庁所在地が〝水戸市〟だと言えるヒトの割合は どれほどだろうか。

〝地理〟の学習範囲は、漢字の読み書きにまで及ぶ。

| コメント (0)

2023年11月12日 (日)

『「利他」の生物学』を読む

〝利〟とは、我が身の不利をかえりみない、他者への奉仕・献身。
そもそも生物は、食うか食われるかの弱肉強食の〝利〟の生存競争を生き抜くことで、種をつないできた。
弱肉強食とまで言わずとも、弱者衰退・強者繫栄・適者生存。

本書は、そんな生命観の向こう側にある生物界の現実を見せてくれる。
生物にとっての〝利〟と〝利〟は表裏一体。
どころか、表表一体、裏裏一体。

副題は、
『適者生存を超える進化のドラマ』

Photo_20231026065601
こんな飯屋で読み始め。

本書は、植物学の専門家と動物学の専門家の2名による共著。
本書で言う〝利他〟とは、〝共生〟のこと。

植物と動物の違いで一番大きいのは〝葉緑体の有無〟ではなかろうか、というのが2人の生物学者の一致した結論。

ところで、砂浜に棲む体長30マイクロメートル(0.03ミリメートル)の微生物の〝ハテナ・アレ二コラ〟。(注)

〝ハテナ〟は体内に緑藻を宿す(共生している)ので、体色は緑。
緑藻の葉緑体が光合成することのみが命の元。
なので、口はない。
〝ハテナ〟は植物。

本夕、読了。

〝ハテナ〟の繁殖は分裂によるが、緑藻は分裂しない。
よって、緑藻は〝ハテナ〟の分裂した一方に残る。
分裂した もう一方の〝ハテナ〟は、体内に緑藻を持たないので無色の体となる。
で、その無色の〝ハテナ〟には〝口〟が形成され、摂食を開始する。

ということで、〝ハテナ〟は、植物にもなるし、動物にもなるンだと(@@)(驚愕)

(注)

〝ハテナ・アレ二コラ〟の発見は、日本人。
名前の〝ハテナ〟は、日本語の〝はてな:?〟に由来する。

| コメント (0)

2023年11月11日 (土)

『設計からの発想』を読む

著者は、航空工学者の佐貫亦男(さぬき またお)。

九七式戦闘機(キ27)のプロペラの設計者として有名。
また、気象庁採用の風向風速計を設計したことでも有名。

講談社ブルーバックスシリーズには9冊上梓。
本書は、その内の1冊。

このヒトのプロフィールを、〝工学者〟と同じくらいの比重で〝作家〟と並列して紹介している文章を多く見る。
実際、工学者として高い業績を上げたヒトだが、専門分野の知識をネタにしたエッセーや そのエッセーに埋め込まれたヨーロッパ紀行文やアルプス山行記が実にいい。

Photo_20231111080901
こんな喫茶店で読み始め。(注)

表紙絵の、
 機首部分は、メッサーシュミット BF109
 胴体部分は、スーパーマリン スピットファイア
 機尾部分は、零式艦上戦闘機

副題が、『比較設計学のすすめ』。
まァ、そうガチガチした比較論が展開されるわけではないが、日本人が陥りやすい設計(デザイン)のチョンボがいくつも書かれている。

本夕、読了。

著者の佐貫亦男は四半世紀前の1997年に90歳で逝去している。
で、本書の初版は1979年。
米中が国交を樹立した年で、中国では改革・開放政策が始まった直後。
すべての中国成人男子が着ていたのは人民服。

そんな当時、そろそろ日本でも現在の中国を予見していたヒトはいた。
ただし、予見の程度は ウッスラと。

それよりも更に20年も前の、1957年。
国家主席が毛沢東の大陸で、中国の気象科学技術者らと2ヶ月間仕事をした佐貫亦男は、その時に感じたことを、こう ハッキリと書いている。
 比較設計学をもっとも深刻に適用する国こそ中国であることを
   確信する。
 中国人が(他国の)発想を「横取り」するとはとうてい考えら
 れない。
 この人たちは「学習」するにちがいない。
 「横取り」と「学習」は結果こそ同じだが、その態度には大差
 があり、獲得と習得の差別となって表わされる。

     ―――――――< 中  略 >―――――――

 その巨大な人口と、柔らかい頭で、成果は期して待つべきであ
 ろう。
 いくらかの心配は、文明文化の進展とともに頭を持ち上げるか
 も知れない中華思想、中国は世界の中心であるとの発想であろ
 う。

(注)
こんなところに・・・
って、ところにあった喫茶店。
西日の射すカウンター席に置かれたカップはウェッジウッド。
この喫茶店々主は、ハンドミルで挽いた豆でコーヒーを淹れる。

佐貫亦男なら、豆を挽くその音で、ミルがドイツのコマンダンテだと聞き分けるに違いない。
彼は、毎年のようにドイツを訪れ、かの地の小さな町を歩くのが好きだったという。

| コメント (0)

2023年11月 9日 (木)

『宇宙・0・無限大』を読む

著者は、天文学者。
〝0〟は、数学で言う〝0〟ではない。
〝無限大〟は、数学で言う〝無限大〟ではない。

宇宙の始まりが、〝0〟ではなく
宇宙の終わりが、〝無限大〟ではない
という話。

Photo_20231107214901
こんな飯屋で読み始め。

内容は義務教育レベル。
なので、私のようなモノでも、最終ページまで読み進んでいける宇宙論。
義務教育レベルに落として書かれた宇宙論ではない。
書かれていることが、私のようなモノにでも読み進められること だけ だということ。

だから、だけしか書かれていない こういった本を読んで、分かったつもりになってはいけない。

本夕、読了。

いけないのだが・・・

全ての物理量が揺らいでいた(正確な値が分からない状態)この世界 の始まり。
全ての物理量とは、位置・速度・エネルギーなど。
〝時間〟もそう。
よって、時間の議論は微小な幅を持つ。
著者は、
 宇宙の誕生時を確定できない。
 いえるのは、「この宇宙は誕生した」ということだけだ。
と書く。

| コメント (0)

2023年11月 5日 (日)

『NATIONAL GEOGRAPHIC』を読む

『NATIONAL GEOGRAPHIC』日本版11月号。
特集は、〝荒らされる水産資源 世界の漁業が危うい〟。

Nationalgeographic_20231105153301
こんな飯屋で読み始め。

Photo_20231105164301
アラスカ ブリストル湾。
川をのぼるためにこの湾にサケが集まる。
それを獲るために数百隻の漁船が網を流す。
上空には、魚群を追う水産会社のヘリ。

本夕、読了。

本書、11月号だが、発行年は1995年。
某施設の建て替えを機に放出したのが『NATIONAL GEOGRAPHIC』。
その一部をいただいた(^^) 

1995年は、Windows95が発売された年。
政権は 自社さきがけ の連立で首相は村山富市、衆院議長は土井たか子。
1月に阪神・淡路大震災、3月に地下鉄サリン事件が発生している。

〝荒らされる水産資源 世界の漁業が危うい〟というフレーズ。
当時、〝危う〟くさせている その原因はヒトだった。
今は、それに〝気候変動〟がプラスされる。

| コメント (2)

2023年11月 1日 (水)

『つげ忠男コレクション』を読む

つげ 義春(1937年-)、つげ 忠男(1941年-)兄弟の作風・画風はよく似る。
よく似るが、ヒトこま目を見るだけで兄弟の作風・画風の違いが分かる。

今回読んだのは、弟のほう。

Photo_20231101070301
こんなパン屋のイートインカウンターで読み始め。

12編が、
 釣り師無頼
 放浪渡世
 場末と与太者
 文学遍歴
の4つの章に分けられている。

玄関を出て、30分も歩けば出会えそうな話ばかり。
なのだが、300日間歩いても出会えそうもない話ばかり。
背景は、1950年から80年くらい。
読後に、爽快感とか納得感とかは感じない。
かといって、哀感とか虚無とかも感じない。

吉田類が解説を書いている。
これが力の入れ過ぎで、むしろ滑稽。

本夕、読了。

2018年の夏、つげ忠男と吉田類の網走の喫茶店 デリカップでの対談録が巻末に載せられている。
マンガの話は出てこない。
釣りの話、育った場所の話など。
ところで、この 網走の デリカップ には私も入ったことがある。
ジャズを聴かせる店で、カップはウエッジウッド。

| コメント (0)

2023年10月29日 (日)

ブナの森を歩く

拙ブログの5月14日 の記事は、『ブナの森を楽しむ』。
その記事に きーさんから いただいたコメントに、
 この秋は、ブナの実の大凶作が予想されます。
 森の動物たちは困るでしょうねェ。
とリプライした。

この秋のブナなどの木の実の凶作は、黒松内に限らず全国的。
そのせいで、エサを求めて里におりたクマがヒトに危害を与えているニュースを見聞きする。(注)

ということとは、全然関係なく、春に歩いた黒松内のブナの森を秋も歩きに。

2023102901
渓流の王様は、〝岩魚(イワナ)〟
渓流の女王は、〝山女魚(ヤマメ)〟

画像やや右は、King of Forest の〝ミズナラ〟
画像左端は、Queen of Forest の〝ブナ〟

2023102902
2005年、九州を南から北へ縦断し日本海へ抜けた台風14号は、せたな町に再上陸して東北東に北海道内を走った。
その時の暴風で倒された直径1メートルを超すブナに新しい生命が。
ヒナウオタケ。

全給水量は、
 ・250CC

下山後に食べたのは、奈川ソバ。
長野県奈川村(現 松本市
)の在来種で、現在は黒松内でしか栽培されていない(らしい)。
もっとも、味を評価できる舌を私は持っていない(^^;

Gpslog2

(注)
統計学的な処理ができるほどのデータが集められているのかどうか知らない。
が、ブナの実の豊・凶とクマによるヒトへの危害の少・多に相関関係はないという説が有力らしい。

| コメント (2)

2023年10月25日 (水)

『ことばのごちそう』を読む

拙ブログの8月4日の記事は 『自炊大好き』を読む 。
そこに、6月9日号を最後に〝週刊朝日〟が休刊となったことを書いた。
私が言いたかったのは、〝週刊朝日〟に連載されていた 東海林さだお の『あれも食いたいこれも食いたい』が自動的に休載となったことがとても残念だ。
ということ。

本書は、東海林さだお が書きつづってきた印象的な描写を、食品名を項目にたてて、それを50音順に並べたもの。
アイスクリーム・味付け海苔・アジの開き と続き、綿あめ・ワニ・ワンタン で終わる。
出前・メニューなど、食品名以外の項目も いくつか。

Photo_20231023185401
こんな喫茶店で読み始め。(注)

著者が言うには、本書は、長い文章のサワリ、イイトコ取り。

サワリ、イイトコ取りされた文章は、1項目 半ページから せいぜい3ページ。
これ以上 要約のしようがない。
が、そこをさらにイイトコ取りすると、例えば白湯(さゆ)は、
 白湯はひたすら沈黙を守りつづけている。
 何も発言しないし、何も主張しない。

本夕、読了。

舌にある味蕾(みらい)細胞が脳に伝えるのは〝味〟。
 甘味
 酸味
 塩味
 苦味
 うま味
は、基本五味として 誰でも知っている。
2018年に発見されたのは、味蕾から脳に〝脂肪〟の味を伝達する神経。
基本五味に〝脂肪味〟が加わって、基本六味となる可能性大。
〝カルシウム味〟も加わって、基本七味となることもありうる。

東海林さだお は、この〝脂肪味〟・〝骨味〟を50年も前から言っている。
著者の舌は確か。

(注)
ウェッジウッドのカップでコーヒーをサービスしてくれる喫茶店を またひとつ見つけた。

| コメント (2)

«『大人もぞっとする 原典「日本昔ばなし」』を読む