2023年9月24日 (日)

『家裁調査官は見た』を読む

日本の法曹人口の概数は、
 弁護士が3万人強
 裁判官が2千8百人弱(注)

裁判を維持するのに必要な調査を行うなどして裁判官をサポートする仕事を行うのが、裁判所調査官。
 ・最高裁判所では、判事(地方裁判所裁判官)が就く
 ・高等および地方裁判所では、知的財産の専門家と租税の専門家が就く
以上の調査官が法律家なのに対し、
 ・家庭裁判所(以下、家裁)では、カウンセラー(臨床心理士・家族心理士
  など)が就く

いずれの裁判所の調査官も、国家公務員。

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こんな飯屋で読み始め。

本著者は、社会福祉学部教授として学生を指導しているが、家裁調査官として17年間の勤務経験を持つ。
家裁が扱うのは、家庭に関する調停や少年の保護事件の審判など。
だから、家裁調査官は、家庭、家族、少年少女、その親たちに深く立ち入ることになる。

本夕、読了。

家裁調査官が大事にすることは〝聞くこと〟だ。
と、本著者。
が、そのことだけではヒトは救えないことを〝苦い思い〟として本著者は書く。

覚せい剤を使った17歳の少女が、著者にこう訴える。
「チャンスが欲しい。(少年院ではなく)社会で立ち直りたい」

で、著者の裁判官への意見具申は、
「この子を少年院に送るのは適当ではない。
 適切な環境を整えて社会の中で更生をはかるのが最善である」

その1ヶ月後、変わり果てたように目はくぼみ肌の潤いを失った少女が言う。
「ヤクザっていうのはすごいよ。
 シャブやってる女の子がいるって聞いたら、そこへサーっと集まって来るん
 だよ。 本当にすごいよ」
と。
ヤクザに連れ回され、1日に7回も覚せい剤をうたれ そのたびに性交。

女子少年院に送られることで、少女は やっと適切な環境を得る。

(注)
検事はもっと少なく、2千人弱。

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2023年9月23日 (土)

『いろは俳句絵本』を読む

〝多芸は無芸〟といい、〝天は二物を与えず〟ともいう。
いや いや いや。
多芸有芸・多芸多才、天から二物どころか三物も四物も与えられたヒトはいる。
著者はそんなヒト。

著者の本職はナンなのか。
 一級建築士
 折り紙講師
 タップダンス講師
 茶道(大和遠州流)教授
 墨戯(水墨画)講師
で、陶芸家で俳人。

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こんな飯屋で読み始め。

〝い〟をアタマに
〝ろ〟をアタマに
〝は〟をアタマに
というふうに、一ページに一句。
いろは順に俳句が並べられている。

本書は、本。
も著者による。

器用なヒト。
というには、レベルが高い。

本夕、読了。

俳句だから季語がある。
札幌在住のせいか、使っている季語に多いのは〝冬〟。
〝秋〟は少なく三句のみ。
うち一句のアタマは〝ゆ〟。
 指先の
 トンボ一会(いちえ)の
 空へ発(た)つ

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2023年9月18日 (月)

『あなたの中の異常心理』を読む

著者は精神科医。
本書には、
 〝臨床医として現代人の心の危機に向かい合う〟
と、紹介されている。

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こんな喫茶店で読み始め。

著者が、
 〝現代人の心の危機に向かい合っている〟
ことはよくわかる。
〝心の危機〟とは、〝異常心理〟のこと。

もし、
 〝異常心理〟は回避しなければならない
また、ひとたび身に付いた
 〝異常心理〟は克服しなければならない
のであれば、その
 回避法(予防法)
 克服法(療養法)
が述べられてしかるべき。
が、本書に書かれているのは、〝異常心理〟の実例(分析)ばかり。
回避法・克服法は書かれていない。

本夕、読了。

本書の論調には大いに異議あり。

表面に行動として現れて、人間関係にトラブルを発生させる〝異常行為〟ならともかく、内面に隠れて 当人のみが知る〝異常心理〟をどうしろと。
そもそもが、心理に〝異常〟とか〝正常〟とかあるのだろうか。

ウラ・オモテのないヒト
カゲ・ヒナタのないヒト
見せられない 胸の内 のないヒト

ンなヒトの心理を〝正常〟と評価してよいものだろうか。
〝無害〟
とは言えるが。

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2023年9月10日 (日)

『大人のための「中学受験の算数」』を読む

著者は、物理学と指揮を学んだ理芸両道のヒト。
現在は、数学塾の主宰者。

本書で扱っているのは、小学6年生が中学入学のために臨む試験問題。
なので、数学の本ではなく算数の本。

掲載されている算数は24題。

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こんな喫茶店で読み始め。

中学入試の出題だから、小学校6年間で習う範囲を越えない。
が、中学卒業者、高校卒業者。
どころか大学卒業者でも、さらには解答時間を5倍に延長されたとしても、満点はおろか合格水準レベルにまで到達できるだろうか。

本書名、
 『大人のための「中学受験の算数」』
副題は、
 問題解決力を最速で身につける
そして、帯には、
 難関中の入試問題は、最高の教材だ!
とある。

これから中学に入ろうとする小学校6年生の問題解決力が、大人の頭の使い方の薄さを気付かせる。

本夕、読了。

本書によれば、〝難関中〟入学を目指す小学生の多くは、3年生の2月には入塾すると。
といっても、塾で文字式や方程式など、中学校で習う学習範囲の教授なんぞはしない。
塾で扱うのは、あくまでも小学校6年間の学習範囲内。
本書で教えられるのは、10の発想法・考え方。 その10とは、
 ①逆を考える
 ②情報を図や表にする(視覚化)
 ③差や比を考える(相対化)
    ・
    ・
 ⑧対称性を使う
 ⑨言い換える
 ⑩評価する

次は、ある中学校の入試問題。
Nada
図1で、
 入射角イと反射角アは等しい
と、鏡と光の関係が説明される。
 
図2で、3辺が鏡で構成された三角形ABCと、その内部を反射しながら繰り返し同じ経路を進む光の様子が示される。

そして、
 角ウを求めよ。
なんて、問題文には書いていない。
中学の入試問題、解くのは小学6年生。
問題文に書かれているのは、
 角ウの大きさは何度ですか。

⑧の、対称性を使って考えると、
 角ウの大きさは 28°

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2023年9月 6日 (水)

『美しすぎる「数」の世界』を読む

副題は、
 「金子みすゞの詩」で語る数論(注1)

著者は数学者。
〝数の新しい世界を知ることで、目の前が開けていく感じ〟
と、
〝金子みすゞの詩が気付かせてくれる、身のまわりの世界
 の不思議〟
に共通するものを感じると言う。

30編の金子みすゞの詩に、数論を重ねていく。

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こんな喫茶店で読み始め。

金子みすゞの詩の〝そらの いろ〟

 うみは、うみは、なぜ あおい
 それは おそらが うつるから。
   < 中 略 >
 だけど おひるの おひさまは、
 あおかないのに、なぜ あおい。
 
 そらは、そらは、なぜ あおい。

に重ねて、2次式と素数が語られる。(注2)

本夕、読了。

以下、本書の記述に従って。
ここでいう 2次式 とは 
 f(x)=x
2x+A
という形。
ここで、
 A=2,3,5,11,17,41
とすると、
x=0 から A-2 までの A-1個の連続する X の値ですべて素数値をとる。
たとえば、
 A=17
のときは、
 f(x)=2x+17
とおいて、
 f(0)=  17
 f(1)=  19
 f(2)=  23
 f(3)=  29
 f(4)=  37
 f(5)=  47
 f(6)=  59
 f(7)=  73
 f(8)=  89
 f(9)= 107
 f(10)=127
 f(11)=149
 f(12)=173
 f(13)=199
 f(14)=227
 f(15)=257
と、確かに素数が並ぶ。

 A=2,3,5,11,17,41
の その先は・・・
わかっていない。
本書には、ほかにも素数を生成する2次式が紹介される。
そして、著者は こう書く。
〝2次式の素数の問題を通して、限りなく深い世界が
 広がっているのを見ることができる〟

もっとも、私の理解力では、〝限りなく深い世界が広がっている〟のを見ることができたとは とても言えない。
しかし、〝限りなく深い世界が広がっている〟のを感じることはできた・・・
ような気がする(^^;

(注1)
〝数論〟とは、
 整数(・・・,ー3,ー2,ー1,0,1,2,3,・・・)
について研究する数学の分野。

(注2)
〝素数〟とは、
 ・2 以上の自然数
 ・正の約数が 1 と自分自身のみ
な数で、無限に存在する。
2 3 5 7 ・・・ 89 97 101 ・・・ 983 991 997 ・・・

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2023年9月 3日 (日)

『加害者家族』を読む

以前、新聞で読んだ記事。
車庫出し前進時、祖父が幼い孫をひき殺してしまう。
車庫入れ後退時、母親が幼い我が子をひき殺してしまう。
いずれも過失・事故。
ひかれたほうの孫・子は害者だが、ひいたほうの祖父・母を害者とは言いづらい。

不幸。
救いようのない不幸だが、責めるべき対象は自分自身のみ。
細く暗いが 歩むべき贖の道が見えないこともない。
そもそも、〝〟ではない。
ように思う・・・

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こんな喫茶店で読み始め。

本書で扱っているのは、そんな意図しない過失・事故の話ではなく、故意の殺人。
殺されたほうには、ひとかけらの落ち度もない。

殺されたほうは害者、その家族は害者家族。
殺したほうは害者、その家族は害者家族。

害者家族は もちろん不幸。
が、害者家族にも大きな不幸が襲う。

著者はNHKの報道番組ディレクター。
書かれていることは著者自身の取材による。

害者は 小学生5人(注)
内、2人死亡
害者は、14歳、中学3年生
害者家族宅の構成は、父・母・害者・弟が2人

本夕、読了。

警察は害者家族宅に起こるだろう不幸についても配慮する。
で、家宅捜索令状呈示の その前に、2人の弟を親戚宅に避難させることを提案・協力する。

それからの日々。
父親は苦しむ。
 弟たちはどうなるのか。
 誰が遺族に詫びに行くのか。
 捨てきれない 何かの間違いであって欲しいという思い。
 
そんな父親に担当警察官は同情を示しながら、
 「あなたたち家族への厳しいマスコミ報道、連日の調書取りなど
  で、つらく苦しい気持ちはわかります」
そして、こう質問する。
 「お父さん、2月10日と3月16日に殺された被害者の名前を
  ご存知ですか?」

父親は、被害者たちの名前を知らずにいたことを指摘され愕然とする。
そして、自分たちは、害者家族としての苦痛を決して口にしてはいけないことを知る・・・

(注)
1997年の神戸連続児童殺傷事件。
いわゆる、酒鬼薔薇聖斗(さかきばら せいと)事件のこと。

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2023年9月 2日 (土)

『職人』を読む

著者は永六輔。
著者が聞いた 職人の語りの数々が並べられている。
そのひとつは、
 残らない職人の仕事ってものもあるんですよ。
 えェ、私の仕事は一つも残ってません。
 着物のしみ抜きをやってます。 着物のしみをきれいに
 抜いて、仕事の跡が残らないようにしなきゃ、私の仕事
 になりません。

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こんな飯屋で読み始め。

人間国宝のおばァちゃんが織った紬(つむぎ:絹織物)。
それと、東レ・旭化成が織った化繊の紬の違いの判別はむずかしい。
人間国宝のおばァちゃんや沢村貞子が着れば、
 「これ、ヘンだなァ」
と思えるくらい。
らしいのだと、著者。

フライフィッシャーはバンブーロッドを手にしたがる。
釣竿職人の使う素材は竹。
が、敏感、折れないのはグラスファイバーの竿。
と、著者。

本夕、読了。

著者の大ベストセラーは『大往生』。
ところで、1997年、NHKTVドラマの『大往生』。
主演の森繁久彌が演じた役は 残らない仕事をする〝しみ抜き職人〟。

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2023年8月27日 (日)

『カラスはずる賢い、ハトは頭が悪い、サメは狂暴、イルカは温厚って本当か?』を読む

題名には、
 カラスはずる賢い
 ハトは頭が悪い
 サメは狂暴
 イルカは温厚
とあるが、
 カラスがずる賢い話も
 ハトは頭が悪い話も
 サメが狂暴な話も
 イルカが温厚な話も
出てこない。

ヒトはカラスを嫌い、カモメを好む。
だから、
 カラスは追い払われ
 カモメはエサをもらえる
著者は、そんなことに理不尽さを感じながら研究活動を続けている動物行動学者。
専門は鳥類。

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こんな飯屋で読み始め。

動物を見るさいに著者が我々に望むのは、〝事実に基づく、ニュートラルさ〟。
で、書かれているのは、動物の実際の行動と そのニュートラルな解釈・理解。

本夕、読了。

鳥は、前足を犠牲にして翼にした。
コウモリは、前足だけでは足りずに、後足・尾まで連なった皮膜を張って翼とした。

著者は、こう書く。
その結果は、どうなったか。
哺乳類は4300種。
内、一番多いのがネズミ目で1400種。
次が翼手目(コウモリ)で、1000種。

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2023年8月22日 (火)

『ロバのスーコと旅をする』を読む

著者は職を辞し、ロバと一緒に、
 イラン国内を  ’22/3/ 4 ~ ’22/ 4/12  800キロ
 トルコ国内を  ’22/5/18 ~ ’22/ 7/23 1200キロ
 モロッコ国内を ’22/9/ 4 ~ ’22/12/27 1500キロ
を歩く。

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こんな飯屋で読み始め。

著者は、
「ロバが旅に出たところで馬になって帰ってくるわけではない」
という西洋のことわざを出す。
「本質は簡単に変わるものでない」
という意味だが 実際にロバと旅した著者は、半分は正しいが、半分は間違っていると書く。

ところで、著者自身はどうか。
ロバのままで帰国するのか。
それとも、馬となって帰国するのか。

以下は、全然 別な話。

馬をひき、徒歩での4ヶ月の旅。
ドイツからスイスを経由してアルプスを越え、イタリアまで。
旅人は、Dietmar Obertとその妻Midori。(注)
馬の名はGina。

旅の終わり。
自分は馬に変わっているのか、ロバのままなのか。
ンなことはどうでもいい・・・
そんな素晴らしい旅の動画は4分11秒。



(注)
Midoriとは終日(ひねもす)船長さんの娘さん。

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2023年8月13日 (日)

『読むクラシック』を読む

私、歌うことも演奏することもダメ。
しかし、聴くのは何でも。
ポップスでも浪曲でも。
メールの着信音も、カトリックの典礼聖歌も。
英国軍楽隊のバグパイプの行進曲も、2000メートルの高所に設営したテントのフライシートを叩く雨の音も。
曹洞宗の僧の読経も、アーニスのホールでの中学生の吹奏楽曲も。

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こんな飯屋で読み始め。

話題となるのは、スメタナの『わが祖国(モルダウ)』から、メシタンの『世の終わりのための四重奏曲』まで46作品。
その46曲が流れるのは、
 ときに、焼き鳥屋
 ときに、真冬のオスロ
 ときに、勤め先の工場
 ときに、コペンハーゲンのタクシーの中
 ときに、仙台の自宅

本夕、読了。

中学校の同級生の一人がクラシックを聴く男。
何度か彼の部屋に上がってレコードを聴かせてもらったことがある。
が、そこはそれ、私のこと。
レコードを聴くことよりも、彼の持つ音楽のウンチク話を聞くのが面白かった。

本書の読み進めは、
 耳は、youtubeで音源を拾いながら
 目は、中学の同級生から話を聞くノリで

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2023年8月 6日 (日)

『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』を読む

本書の著者は、ドイツ近代史を専門とする二人の日本人研究者。
本書内で使われている言葉は日常語。
文章は平易。
また、書かれている歴史事実は、私のような者でも既知。
歴史の解釈・評価もストレート。

が、学問として歴史と向かい合うヒトたちの書いた本。
大変に高い位置からの著述が続く。

上で、〝私のような者〟と書いた。
〝私のような者〟とは〝バカ〟と同義(^^;

ところで、ナチズム(独: Nationalsozialismus)を、Google翻訳で 独→日翻訳すると〝国家社会主義〟。

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こんな飯屋で読み始め。

本著者らの基本的立場は、
 ナチスは「良いこと」もした
ではなく、
 ナチスは「良いこと」をしていない

・アウトバーン
・歓喜力行団
・フォルクスワーゲン
・家族政策
・環境保護
・健康政策
をネタに、ナチスは「良いこと」をしていないと著者らは説く。

本夕、読了。

本書では、ナチズム(独: Nationalsozialismus)は、〝国家社会主義〟ではなく〝国民社会主義〟と訳すべきであるという。
ことほどさように、本書内の著述は七面倒くさい。
アタマをオーバーヒートさせないで読み進められるヒトは、強い脳ミソを持っているに違いない。

私は、読み進めるごとにアタマがクールダウンしていった。
上でも書いたように、〝バカ〟ゆえ(^^;

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2023年8月 4日 (金)

『自炊大好き』を読む

〝週刊朝日〟に1987年から連載されているのは、東海林さだお の『あれも食いたいこれも食いたい』。
連載されたコラムは、3年に2冊ほどのペースで文庫本化され、その数 50冊近い。
私は、それを全部読んでいる。

本書は、連載の選集。
〝自炊〟と書いて〝ソロメシ〟と読ませる。

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こんな喫茶店で読み始め。

『コボちゃん』の 植田まさし は天才。
『アサッテ君』の 東海林さだお も 植田まさし に並ぶ天才。

このヒト、ありとあらゆる食べ物、時には〝白湯〟さえ評論する。
いや、〝評論できる〟ヒト。

本書で、著者が作って食うのは、ピザ丼・チャーシュー・フライドポテトソバ・タコ焼き・チャーハン・カツ丼等々 30食ほど。
チャーハンやカツ丼は誰でも知っているが、ピザ丼やフライドポテトソバとなると本書を読まないと知ることはないだろう。

ぼたもち・大福からの連想で、マーマレードやリンゴジャムを具にしたオニギリをウマイと感じる舌の持ち主の私。
味覚だけは、私は 東海林さだお 並み(^^;

本夕、読了。

ところで、〝週刊朝日〟と〝サンデー毎日〟は新聞社発行の週刊誌の最古参で、ともに1922年創刊。
が、刊行100年を超えたところで、一方の雄の〝週刊朝日〟が力尽き、今年の5月30日発行の6月9日号を最後に休刊。
よってもって、1987年から〝週刊朝日〟に連載が続いていた 東海林さだお の『あれも食いたいこれも食いたい』も自動的に休載となった。

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2023年8月 2日 (水)

『日本人は、どんな肉を喰ってきたのか?』を読む

本著者は、〝くう〟に〝喰う〟を使っている。
拙記事も、〝喰う〟で統一する。

書名では〝日本人は〟とあるが、書かれているのは〝著者自身が〟喰った肉のこと。

狩り、解体し、料理し、喰う。
ただし、狩り、解体し、料理するのは著者自身ではなく、猟師。
狩りの手段は、ワナ、散弾、ライフル。

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こんな喫茶店で読み始め。

著者が喰ったのは、南は西表島のイノシシから始まって、北は礼文島沖のトドまで。
その間に、シカ・タヌキ・アナグマ・ハクビシン・カモ・クマ・ウサギ。

著者はカメラマン。

カメラを持って、著者は猟師と共に、
 山に入り
 雪の斜面を歩き
 真冬の海に乗りだす。

狩られた獲物にとどめを刺し、放血し、皮をはぎ、ハラワタを抜き、解体し、肉を分ける。
そして、焼く、煮る。
時にはナマで。

著者の撮ったそれらの写真が、本書に添えられている。

本夕、読了。

塚は多い。
一方、動物を喰ったことを示す塚は少ない。

今は どうだろう。

スーパーでは、鮮魚と精肉の売り場スペースが拮抗。
が、ハム・ソーセージ・ベーコンを含めると、ミートがやや優勢。
街なかではチキン・バーガー・牛丼が、海鮮系を圧倒。

ビジネスが我々の喰いをコントロールしている。

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2023年7月30日 (日)

『帰艦セズ』を読む

著者は吉村昭(1927年-2006年)。
私は、以前に、このヒトの遺稿集を読み、拙ブログに  『死顔』を読む  という記事にしている。

『帰艦セズ』の〝艦〟とは、帝国海軍の巡洋艦 阿武隈(あぶくま)。

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こんな喫茶店で読み始め。

阿武隈がフィリピンのネグロス島沖で米軍との戦闘のすえに沈没させられたのは、1944年10月。
その2ヶ月前。
小樽港に停泊中の阿武隈から上陸した機関兵が行方不明になり、のち死亡しているのが確認される。
『帰艦セズ』は その史実を下敷きに、創作を上塗りした作品。

著者は、もう一人、軍隊から脱走した経験を持つ人物を創作する。

本夕、読了。

著者が創作した人物は、軍隊を脱走後、北海道でタコ部屋作業員として生き延びる。
戦後は東京都下の市の公務員になり、定年まで勤めあげる。
そして、話の本題はそこから。

阿武隈に帰艦しなかった機関兵の遺族(母親・妹)、機関兵の上官に、定年退職した公務員は たどり着く。
著者に地方公務員に就いた職歴はないが、記録文学者としての自身をこの定年退職した地方公務員に重ねているのは明らか。

描かれているのは、著者自身である。

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2023年7月25日 (火)

『政治家の酒癖』を読む

米国大統領は、初代のジョージ・ワシントンから現職のジョー・バイデンまでで46代45人。
内、米国史上ただ一人 任期途中に辞任した大統領は、第37代のリチャード・ニクソン。
 ベトナム戦争からの全面撤退
 ソ連との緊張緩和(デタント)
 中国への電撃訪問
 ドルの金交換停止・ドル切り下げ(ニクソンショック)
などと、歴史的トピックスをニクソン政権は成しているが、キッシンジャーなど、側近が優秀だったから。

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こんな喫茶店で読み始め。

本書はニクソンを、
 シラフの時から「狂人」ぶりをいかんなく発揮していたが、
 酒が入ると手のつけようがなかった。
 泥酔し、無謀とも言える攻撃命令を出すことも少なくなかっ
 た。
と、評している。

ニクソン政権時の1969年4月。
31人乗り組みの米国の電子偵察機が北朝鮮に近い日本海で撃墜されている。
撃墜したのは、北朝鮮の2機の戦闘機。
で、ニクソンが軍制服組トップの統合参謀本部議長に命じたのは、北朝鮮への核爆弾の投下。

本夕、読了。

大統領補佐官だったキッシンジャーが統合参謀本部議長に連絡したのは、
 大統領は酒に酔っている。
 明日の朝まで待て。

ところで、バイデン大統領は、酒を飲まない。
プーチン大統領も飲まない。
習主席も飲まない。
菅前首相も飲まない。

現首相の岸田さんは、酒豪であることをウリにしている。

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2023年7月17日 (月)

『就職先は海上自衛隊』を読む

海上自衛官の3尉(初級幹部)への任官は、防大なり一般大なりを卒業後に広島の江田島にある幹部候補生学校での1年間の教育を終えた時点。
なお、さらにその後、実習幹部としての訓練を5ヶ月の遠洋練習航海で受ける。

〝かしま〟は、初めて女性自衛官の乗艦を可能とした練習艦。
この〝かしま〟の就役前は、女性自衛官は遠洋練習航海に参加できなかった。

127名の男性実習幹部とともに、〝かしま〟に実習幹部として乗艦して海自初の遠洋練習航海に出た女性自衛官は13名。
その13名の内のひとりだったのが、本書著者。
新造艦〝かしま〟が就役した1995年のことで、防大が初の女性卒業生を出す前の年。

著者は、一般大学文学部出身者。

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こんな喫茶店で読み始め。

本著者乗艦時の遠洋練習航海の航路は、西回りの世界一周。
 総航程 28000海里(52000km)
 総日数 157日
  航海 107日
  停泊  50日
寄港10ヶ国と12回の寄港は以下の順。
 シンガポール(シンガポール)
 ムンバイ(インド)
 アレキサンドリア(エジプト)
 イスタンブール(トルコ)
 ナポリ(イタリア)
 ルアーブル(フランス)
 ハンブルク(ドイツ)
 リスボン(ポルトガル)
 ノーフォーク(米国:バージニア州)
 バルポア(パナマ)
 サンディエゴ(米国:カリフォルニア州)
 パールハーバー(米国:ハワイ州)

・発光信号(光の長短で表したモールス信号)
・手旗信号
・旗旒(きりゅう)信号(国際信号旗の組み合わせ)
の三つの視覚信号の(発信能力はともかく)受信は、幹部自衛官に求められる能力。
幹部候補生学校で訓練され練習航海中も訓練されるが、この視覚信号の受診能力差が大きいことが大西洋航海中に問題視される。
で、リスボン入港直後に査定を行い、基準に達しない者は上陸禁止にするとの通達が出される。

著者は、能力差が大きく低い一人。
が、特訓、追試の結果、ユーラシア大陸最西端の地に立つことがかなう。

本夕、読了。

練習艦といえど、自衛艦は軍艦。
ゆえに、外国の港に接岸時においても大使館と同じ治外法権。
自衛官にパスポートは求められない。

Nipponmaru
今日の室蘭港。
中央埠頭に接岸した日本丸。
本船訓練後に受験できるのは、3級海技士・機関士。

〝かしま〟での遠洋練習航海後に受験できるのは、2級海技士・機関士。(注)
まだ1年半しか経っていないが、すでに海上自衛隊に就職した身。
2級海技士・機関士試験に落ちるわけにいかない。
訓練は厳しい。

著者の遠洋練習航海において、インド洋を夜間航海中に実習幹部の1名が行方不明になっている。

(注)
漁船・商船に関わる海技士・機関士と自衛艦に関わる海技士・機関士試験は、厳密に一致しているわけではない。

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2023年7月10日 (月)

『職業外伝』を読む

AI、DX、ビッグデータ解析。
自動化、複合化。
等々の語を枕ことばに、この先10年、30年の内になくなる職業のことが言われる。
いやいや すでに 仕事がなくなり始めている。
セルフレジは珍しくない。
NHKでは、AIアナがニュースを読む。

そして、必ず言われる。
残るのは、
 コミュニケーションを必要とする仕事
 創造性が必要な仕事
だと。

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こんな飯屋で読み始め。

菓子職人が、チョコやクリームで造形する。
それは、パティシエの技、芸の具現。
本書に書かれているのは、そんなマットウな職人ではない。

マットウな芸術家コースを歩んでいたヒト。
在籍していたのは東京芸大の彫刻科。
が、3年で中退する。

素材はアメ。
シャベクリで客を集める。
シャベリながら、アメで造形し日銭を稼ぐ香具師(やし)。

80℃に温めたアメを、こね・のばし・切り・着色し、客のリクエストにこたえ、何でも作る。
1個、500円から。

本夕、読了。

500円玉を握りしめた女の子が、彼に、
「オジサン、クモつくって。 お空の雲」
知的障害を持つ子だった。
思わず空を見上げて、
「オレもまだまだだなァ」
と。
今までで、一番うれしくて、一番悲しかった注文だったという。

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2023年7月 2日 (日)

『実戦・世界言語紀行』を読む

大阪 吹田の万博記念公園に、1977年に開館したのが国立民族学博物館。
その初代館長が、本著者の梅棹忠雄(うめさお ただお)。
館長就任から10年ほどのち64歳で著者は両眼とも失明するのだが、執筆意欲は衰えず。
著作数は むしろ失明後のほうが多い。
本書も、失明後の著書。

元々は、動物学を専攻した理学博士。
理学部在籍中から、興味の先はヒト。
それも生理学的興味ではなく、集団としてのヒト、文化的興味。

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こんな飯屋で読み始め。

書かれているのは、著者の民俗学的調査歴。
民俗学的調査だから、そのフィールドが東京やニューヨークであるはずがない。
都市から遠い奥地。
あるいは、言葉が入り混じる国境の地。

モンゴル・中国をスタートに、東南アジア、ヨーロッパ、南アメリカ、アフリカへと。
調査は、そこに住む民族の言葉の習得から始まる。
日本語で書かれた文法書も辞書もない言葉が使われている地に入ることもある。
それでも、現地に入ってから1ヶ月で、調査に不自由しない程度の会話ができるまでの現地語が身に付く。

本夕、読了。

〝現地語が身に付く〟と書いたが、もちろん受動的態度では現地語は身に付かない〟
1日にマスターする単語数は300。
語学に限らず、何事も集中力。
が、どれだけ集中しても、ダメなヒトはダメ。
オレのこと(^^;

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2023年6月25日 (日)

アタリはあったが

21日の夏至の日の日出は、3時58分だった。
この日を境に、日出時刻は遅くなる。
今日のそれは、3時59分。

4時、出航。

ベタナギ。
ベタナギなら根。

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今日の出竿は、こんな風景の見える海域。

雲が低く、空も海も暗い。
はるか東の水平線上に隙間があり、そこだけに日の気配。

ホッケがいるらしい。
が、毛バリを沈めるもスカ(^^;

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で、海域を変えて、再出竿は、こんな風景の見える海域。
しかし、ここでもスカ(^^;

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ならばと、再度海域を変えて、再々出竿は、こんな風景の見える海域。
やがて晴れわたり、刺すような日射。

横着釣法を改め、ジグを放り、底をチョンチョンと。

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アタリはあった。
アタリはあったが、こんなのが2枚。
とてもヒラメとは呼べない。
リリース。

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2023年6月24日 (土)

それだけ(^^;

家を出る時は、霧雨。
が、輪西あたりから それも上がり、路面が乾いた。

7時30分、出航。

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今日の出竿は、こんな風景の見える海域。

北海道では、ブリ・フグ・ウナギ・ヒラメを調理して出す飲食店は少ない。
それらは北海道のサカナではなく、それらを流通に乗せるだけの水揚げ量がなかったせい。
それが 近年、ブリ・フグの都道府県別漁獲高の第1位は北海道なのだそう。

私の竿にも、先日、カタのいいトラフグが掛かった。
今日は、良カタのマフグが掛かった。
それだけ(^^;

ところで、この海域に浮かぶ艇が狙うのはヒラメ。
今日、ここに浮かんだ ある艇は、2人で、22枚だか24枚だかのヒラメを掛けたんだと。

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2023年6月18日 (日)

右向き

北西の風。
その風が、交通安全旗をたなびかせ、街路樹の枝を揺らす。

いくらか 風が落ち着いた。
7時20分、出航。

沖の波は、200波に1波くらいの頻度で頭が白く崩れる。

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今日の出竿は、こんな風景の見える海域。

風と潮の合成された力で船が押される。
方向は南西。
海岸線とほぼ平行に、船が1.5ノット前後で流れる。

やがて、風の勢力が回復。
頭が白く崩れる波が10波に1波くらいの頻度に増し、釣りをする海況ではなくなった。

釣りをする海況ではなくなる前、ヒラメらしいアタリは何度か。
が、姿を見るところまで浮かせることができたのは1回のみ。

その1回。
タモに収めることができず(^^;

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結局、船のデッキに上がったのは、これ1尾だけ。
右向き。
ヒラメではなく、イシモチ(^^;

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2023年6月11日 (日)

午後の釣行

やァ、食った食った。
サカナが掛かったのではなく、私の腹が満ちたということ(^^) 
充実したパワーランチだった。

ところで、サカナ釣りのほうは早上がりだった。
で、後片付けをサボり、コソコソっと雲隠れ。

14時00分、再出航。
腹ごなし釣行。

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再出航後の出竿は、こんな風景の見える海域。

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ヒラメも腹が減っていないようだ。
小さいのが1枚(^^;

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絵鞆マリン倶楽部 春の釣り大会

新型コロナ感染拡大防止のため、多人数での集会が はばかれられていた。
絵鞆マリン倶楽部主催の釣り大会と年末の総会・納会は、しばらく中止のまま。

今日は、久しぶりの集会、春の釣り大会。

私は釣り大会への参加というよりも、パワーランチの準備への参加。
といっても、全くの出遅れ。
豚汁の ささがきゴボウに、ほんの短時間 包丁を使っただけ。

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パワーランチ。
豚汁・ジンギスカン・焼き鳥、焼きソーセージ。

ごちそうさまでした。

食えなくなった・食わなくなった。
と、いう言葉が、異口同音に。
食が細くなったのは、加齢からくるもの。
我が身も同じ(^^;

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午前の釣行

来週、21日は夏至。
今時季は だから、日出が早い。
今日の日出は、3時58分。

4時30分、出航。

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今日の出竿は、こんな風景の見える海域。

オカは風力発電のプロペラが見えないほどの濃いガス、
が、沖は気になるほどではなかった。

今日は、絵鞆マリン倶楽部 春の釣り大会。
私は、パワーランチの準備に参加するつもり。

で、9時30分、早上がり。

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画像のほかに、小さいのが1枚。
また、デカいトラフグが掛かった。

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2023年6月10日 (土)

『最期の日本史』を読む

京都から岐阜に向かっていた織田信長。
その彼を殺害するために待ち伏せし、火縄銃を撃ったのは、杉谷 善住坊(すぎたに ぜんじゅうぼう)。
撃ったのは2発。
しかし、弾は急所を外し、信長の負った傷は軽かった。
幕府は室町、足利義昭の治世。
1570(元亀元)年、戦国時代のこと。

この史実を下敷きにして描かれたのが、ゴルゴ13 第500話 『史上初の狙撃者 ザ・ファースト・スナイパー』。(注)
第500話では、善住坊を日本史上初のスナイパーだとしている。

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こんな飯屋で読み始め。

著者は、日本中世政治史を専門とする歴史学者。
本書に書かれているのは、日本史上の人物の 死に際・臨終の様子。

宇喜田直家(うきた なおいえ)は備前(岡山)のヒト。
織田信長に付いたり離れたりという立場にいたが、結局は信長側に付いた戦国大名だった。
目的のためには どんな汚い手を使ってでもという人物だったようで、史料に残る人物評価は低い。

その彼が、大量の下血をともなう病で死の床に就いた時、一番の家来に自分が死んだときに殉死を求める。
その家来、
「私は、あの世のことを知らないので、地獄にしろ極楽にしろ、
 殿の道案内をできない。
 あの世の道案内を希望なら、坊主を殺して差し上げましょう。
 殺した坊主と一緒にあの世に行かれたら、いかがですか 」

本夕、読了。

ところで、直家は敵対する大名を火縄銃で暗殺することに成功している。
善住坊が信長に発砲するより前の1566(永禄9)年のこと。
本書では、鉄砲による要人暗殺を企てた日本史上初の人物は 直家 であるとしている。

ただし、実際に火縄銃の引き金を引いたのは、直家に命じられた臣下の者。

(注)
『史上初の狙撃者 ザ・ファースト・スナイパー』 のストーリーは以下。

善住坊の子孫がゴルゴ13に ある人物の狙撃の依頼をする。
狙撃には、善住坊が使った火縄銃を使うことが条件。
善住坊が信長の狙撃に失敗した火縄銃を使いながらも、ゴルゴはミッションに成功する。

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2023年6月 6日 (火)

下心マンマンの、下品な平日午後釣行

午後いち、野暮用。
それが すぐにカタがつき、その足でマリーナへ。

14時30分、出航。

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今日の出竿は、こんな風景の見える海域。

無風。
ベタナギ。

船を押す風はないが、南から北へと走る潮は速く、船は0.7ノット前後で流れる。
ヒラメを掛けるには、悪くない雰囲気。

一投目、30秒でアタリ。
しかし、そうそうウマい話が続くわけがなく、掛かったのは手のひらサイズのヒラメの幼魚(^^;
キープサイズのアタリは遠い。

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下心マンマンの、下品な平日午後釣行。
しかし、釣果は上品。
キープサイズは2枚。

16時30分、沖上がり。

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2023年6月 4日 (日)

竿を曲げたのは やはり外道

雨が上がった。

ヤマセ(東風)が、昼には西からの強い風に変わる予報、
なのに、朝いちモタモタ。
で、8時、出航。

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今日の出竿は、こんな風景の見える海域。

一昨日だったか、先週末だったのかは聞きそびれた。
が、この海域で竿を出すと1人2ケタのヒラメが掛かったと。
何人乗ってたのか、船中70枚掛けた艇もあったらしい。

オカから沖へと船が流れ、時折 竿が曲がる。

一昨日のことは、一昨日のこと。
先週末のことは、先週末のこと。
今日 竿を曲げるのは、ギスカジカばかり(^^;

風が止まり、やがて沖へと船を押していた風が、オカへと押す風に変わった。
正午、沖上がり。

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沖上がりの直前。
竿を曲げたのは やはり外道。
マツカワ。

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2023年5月28日 (日)

むこうの海域へ

穏やかに夜が明けた。

今日の日出は、4時04分。
4時30分、出航。

アッチでもなく、コッチでもなく、むこうの海域へ。

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今日の出竿は、こんな風景の見える海域。
誘導してくれたのは、画像の艇、Sea Dragon3
サンクス。

船をオカへと流す風。

8メートルから流す。
アタルのは、6メートル。
その水深、ヒラメのほかにイシモチとギスもいて、アタリは多い。

が、目的魚のヒラメは なかなかハリ掛かりしない(^^;

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Sea Dragon3では良カタがあがったようだが、我が艇ではアオッパサイズのみ。
リリース 2尾。

左の2尾はイシモチ。
左ヒラメの右カレイ。

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2023年5月27日 (土)

アッチでスカ(^^; コッチでもスカ(^^;

雨が上がった。

てことで、サカナ釣り。
昨日、好釣だった艇がそろそろ沖上がりする頃の、8時にノコノコと出航。

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今日の出竿は、こんな風景の見える海域。

アッチで竿を出してから、コッチで竿を出した。
ナギ良く、気持ちのいい風。

掛けている艇は掛けている。
我が艇、しかし、掛けている艇のようにはいかず。
アッチでスカ(^^;
コッチでもスカ(^^;

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2023年5月21日 (日)

『ぶらりミクロ散歩』を読む

大学の解剖学教授職を定年退職後、電子顕微鏡を据えた私設研究所を開所。
そのヒトが、本書の著者。

対象を乾燥させ、さらに真空下に置くことが必要な電子顕微鏡。
そこまでの処理を必要としないのが、著者も その開発に参画した 低真空走査電子顕微鏡(低真空SEM:低真空 Scanning Electron Microscope 以下、SEM と記す)。

なお、低真空とは、大気圧(101325Pa(パスカル):丸めて 105Pa )から、下はその1/1000 までの範囲。
すなわち、105Pa から、下は 102Pa。
ちなみに、家庭用の電気掃除機で到達できるのは 10Pa くらいまで。


現在のSEMは、昆虫を生きたままで観察できるという。

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こんな飯屋で読み始め。

予備知識として、
 被写界深度が深いとは、
 ピントの合う幅が広いこと。
 絞れば絞るほど、暗くなるが、被写界深度は深くなる。
 パンフォーカスが、その典型。
 短いレンズ。

 被写界深度が浅いとは、
 ピントの合う幅が狭いこと。
 絞りを開ければ開けるほど、明るくなり、被写界深度は浅くなる。
 ピントの合った部分の前後はボケる。
 長いレンズ。

SEMは、被写界深度が深い
なので、表面の立体構造が よくわかる。

本書の第1章は、『なんでも覗いてやろう』。
 著者に痛い思いをさせた尿管結石
 自宅のタタミに生えたカビ
 ウナギ(の幼生:レプトケファレス)のウンコ
等々。
レプトケファレスを解剖して得たウンコから、幼生期のウナギの食性を突き止め、ウナギの人工養殖への足掛かりとする。

本夕、読了。

本書最終ページに、著者の私設研究所に据えられた日立製のSEMの写真が載せられている。
そのキャプションが、
 我が愛機
 死ぬときは、この装置に もたれて死にたい

素敵な言葉だ。

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2023年5月20日 (土)

お楽しみは次回に

給油。
その最中、ヒラメ名人より 、
『〇△海域で、ヒラメ。
 今朝、もう8枚釣った艇がある。
 我が艇も3枚あげたが、エンジンの警報ランプが点灯したので戻ってきた』
と。

S船長、サンクス。

8時、出航。

その〇△海域へ。
ヒラメ仕掛け一式を家に置いたまま出てきている(^^;
で、1オンスのジグヘッドに5インチのイワシ型のグラスミノーを付けて 水深9メートルの海底をチョンチョン。
1投目で、アオッパサイズながらもヒラメ。

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今日の出竿は、こんな風景の見える海域。
良ナギ。

ヒラメがいるのは分かったので、それは帰航時のお楽しみに。
ということで、根へ。

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やがて、沖は濃いガス。
加えて、風で船が流れる。

1オンスのジグヘッドでは、底を取れない(^^;
ヒラメは、次回のお楽しみにということに。

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2023年5月14日 (日)

ブナの森を楽しむ

ブナの森を楽しむ』を読んだ 。
ンで、昨日、今日と、ブナの森を楽しむために、登山靴にザックを背負って黒松内町のブナ林へ。

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黒松内には、松浦武四郎命名による地名、ブナノキタイがある。
その付近にあった中間部から折れたブナの老木。
幹にはクマゲラやアカゲラにつつかれてできた多数の穴。

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ブナの幹に、キセルガイモドキ(カタツムリ)の仲間。
 
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昨日、今日と歩いたGPSログ。

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2023年5月 9日 (火)

『ブナの森を楽しむ』を読む

夏、風になびいた葉が車体をなでそうなほど竹林が迫ってくる。
竹林が途切れると、目に入るのは山肌にブナの林。
東海道線にも山陰線にもそんなヶ所がある。

北海道には竹林はない。
ブナも温帯樹。
そのブナの北の限界は寿都と長万部を結んだ線あたり。
特に、黒松内町の歌才のブナ林は、北限だというのをウリにしている。

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こんな喫茶店で読み始め。

著者は、富良野や宮城県鳴子(なるこ)の大学演習林で研究を続けた林学者。
大学を定年退職後は、鳴子のブナ林にログハウスを建て そこを拠点に研究を続けている。

本書内に多数あるイラストは著者の手によるもの。
寿命の長い樹木を研究対象にしているだけに、著者の文章もイラストも急いで書(描)いたところがない。
かつ、低い視点・高い視点。
加えて、広い視野。
で、林に生きる動物・植物・昆虫・鳥。
それら全体を包む気象が説明される。

本書によると、
 ・雪深い日本海側斜面のブナと雪浅い太平洋側斜面のブナは違う
 ・日本のブナに巣食う昆虫とと欧州のブナに巣食う昆虫は違う

本夕、読了。

日本の林業家が共通して持つのは、山林の
 手入れを善
 放置を悪
とする観念。
著者は、それに大いに反論する。

ところで、ブナの生育北限だが、あちこちに、また本書にも書かれている寿都ー長万部ライン。
そのラインより北の札幌市内で育っているブナを、私は知っている。
樹齢50は超えていると思う。
もっとも、植林されたものだが。

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2023年5月 7日 (日)

そう うまくコトが運ぶワケはなく

7時、出航。

南東からのウネリの上に小さな波。
それが尖って硬いので、航(はし)りにくい。

その波が、沖に出れば出るほど、丸く滑らかになっていった。

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今日の出竿は、こんな風景の見える海域。
マス海域。
誘導してくれたのは画像の艇、Popeye。
サンクス。

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渡りの途中なのか、渡りの目的海域がここなのか。
群れるトリが、我が艇の進行方向に。

鳥の下には大型魚に食い上げられた小魚がいるはず。
その大型魚がマスならいいなァ。
っと、ジグを放る。
 1投目、不釣
 2投目、不釣
    ・
 9投目、ン? 掛かった!

まァ、しかし、そう うまくコトが運ぶワケはなく、掛かったのはスケソ(^^;
10時過ぎ、海域離脱。

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帰航途中に根に寄る。
ここでも、1時間以上も竿が曲がらない。
魚信が続きだしたのは、正午近くになってから。

画像の外に、
ガヤ  ×2
チビソイ×3

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2023年5月 6日 (土)

昨日の釣り

以下は昨日のこと。

風のおさまるのを待ち、出航は7時30分。

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昨日の出竿は、こんな風景の見える海域。

案内してくれたのは、SeaDragonⅢ
タナの教授はPopeyeから。
ごく浅い。

マスを掛けたいのだが、私の竿を曲げるのは、その浅いタナまで浮いたスケソ。
正午前に、海域離脱。

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帰航途中の根。
根のサカナの産卵が始まったようだ。
画像の外に、チビゾイ5。

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2023年4月30日 (日)

炭火コンロの試運転

朝のうちは風の付いた雨。
それが昼近くに上がり、日が射した。

当地、GWにサクラが間に合わない年が多い。
早くても5月に入ってから。
この春は、全国どこもそうだったように、当地のサクラも早かった。
満開。

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で、サクラを愛でつつ、『春の釣り大会』を議題に役員会。
炭火コンロの試運転。
それが問題なく終了(^^) 

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2023年4月29日 (土)

〝これぐらい〟も〝我が艇らしい〟も、〝上品〟と同義語(^^;

コープやホームストアに、白老産と記されたサクラマスが並んでいる。
獲れているようだ。

それ行け、サクラマス。

が、朝いち、グダラグダラして、出航は8時。
の前に、終日(ひねもす)船長に架電。
で、返ってきたのが、白老沖だか社台だかで船中80本。

ヤマセ(東風)が強かったが、意外なことに太平洋の波は悪くない。

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今日の出竿は、こんな風景の見える海域。
オカが煙る。

我が艇、白老沖にも社台沖にも行かず、そのはるか手前で出竿。

アタリは頻繁。
しかし、掛かるのは、水深15メートルにまで浮かんだスケソとソウハチ。
マスは掛からず(^^;

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帰港途中に寄った根もパッとせず。
画像のほかに小ぶりのソイとホッケ。

これぐらいが我が艇らしい。
〝これぐらい〟も〝我が艇らしい〟も、〝上品〟と同義語(^^;

正午、沖上がり。

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2023年4月23日 (日)

『何でも測定団が行く』を読む

かつて、ブランド名を隠してコカ・コーラとペプシ・コーラを飲み比べさせ、どちらがウマいかを言わせるTV・CMが流れていた。
この味の評価法を 〝官能評価〟 という。

JISは、アルファベット26文字からI・J・N・O・U・Vを除く20部門に分類整理されている。
 A:土木及び建築
 B:一般機械
 C:電子機器及び電気機械
    ・
    ・
    ・
で、最後が、
 Z:その他
この Z:その他 には、あらゆる測定法が記されている。
〝官能評価〟もそのひとつ。

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こんな喫茶店で読み始め。

初版発行が20年近く前。
東京都市大学が武蔵工業大学と称していた頃に、50人以上の教職員が集まって〝はかる〟をテーマに編纂した本。

〝測定する〟ことは〝評価する〟こと。

樹木の年齢は、切り株の年輪を数える。
では、木を切らずに樹齢をはかるには、
 ・樹木の芯に横方向に筒状に掘り抜くコアボウリング
 ・エックス線CT

大ゲサな方法だが、測定位置での樹齢は分かる。
しかし、その測定位置(高さ)にまで成長した年月は分からない。
それは切り株の年輪を数える場合にも生じる問題。

年輪があるのに、樹木の真の年齢を測定するのは意外に難しい。

本夕、読了。

〝総合的に考えて〟という評価法がある。
そのようにしか言えないので そのように言う。
〝官能評価〟の類だろう。

〝アンケート〟による評価法がある。
数が集まれば客観性は高そうだが、ネット上では問題も発生している。

〝経験値〟
反論のしようがない。
しかし、あんたの経験値なんて信用できない。
と、言われる可能性大(^^;

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2023年4月22日 (土)

『科学の目 科学のこころ』を読む

著者は生物学者。
文系の学生に、〝科学とは何か〟を教えるのが仕事。
その職に就いて以来、
 科学を外からながめること
 科学と社会のとの関係を考えること
が、多くなったと。

本書について、著者は、
「科学という人間の営みに関して思うこと、考えることを、書きつづった」
と書く。

とは言っても、しゃちほこばった内容はない。
寝転がってでも読み進められるエッセー集。

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こんな飯屋で読み始め。

明治になって、hydrogen や carbon という言葉が入ってきた時、それを
 hydrogen を 水素(すいそ)とする案と みずね(水根) とする案
 carbon   を 炭素(たんそ)とする案と すみね(炭根) とする案
があったそう。
結局、大和言葉の〝みずね〟ではなく 漢語の〝水素〟が採用されたように、学術用語の多くは漢語で表現される。
そんなこともあって、科学洋書の翻訳には、とんでもない間違いがあるという。

本書であげている例では、〝放射性の:radioactive〟。
〝hot〟にも 同じ意味があって、それを知らないで〝できたてほやほやの〟と翻訳された文献があるのだと。

本夕、読了。

狭い業界でしか通用しない用語があって、用語集を配布している企業も多い。
例えば、
〝伝播:でん〟。
業界・学界によっては〝でん〟と読まないと笑われる。
〝腹腔・口腔:ふっこう・こうこう〟。
業界・学界によっては〝ふっ・こう〟と読まないと笑われる。
〝抵抗値 Ω:オーム〟。
キロオームの千倍をメガオームと言うと笑われる。
オーム。
〝ステンレススチールのJIS記号:SUS〟。
エスユーエスと読むと笑われる。
サス

学術用語を、和英・英和で羅列した『学術用語集』が、文部省(現文科省)の音頭とりで編集され、出版されている。
冊子を全部集めると50センチくらいになる。
それだけの厚みがあるのに、用語が並んでいるだけで、その意味は書かれていない。
意味を書くと、厚さ10メートルでも足りないだろう。

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2023年4月21日 (金)

『最高の体調』を読む

ヒトが寒いという時は、私も寒い。
ヒトが暑いという時は、私も暑い。
何を食べてもウマイ。
ぐい呑み一杯の冷やザケがウマイ。
イタイところ、カユイところはない。
寝つきは良く、寝起きも爽快。
快便・快尿。
残便感・残尿感はない。
キレイなヒトより、カワイイ ヒトが好き。

私は、バカなのだと思う(^^;

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こんな喫茶店で読み始め。

カラダの健康法・ココロの健康法のあれこれ。
裏付け文献をあげることで、説の信頼性を高める本の構成。

 心身の緊張と弛緩
 適度な運動
 バランスの取れた食事
 暑すぎず寒すぎず静かな睡眠環境
等々・・・

本書を読まずとも、カラダの健康を保つ方法・ココロの健康を保つ方法は誰でも知っている。

本夕、読了。

今々現在の、我々の生活環境はそれほど悪くはない。
ただし、上を見なければ、横を見なければ、アッチを見なければ、コッチを見なければ。

気まま・思うがまま・自然体。
それだけで生きていけるヒトはいない。
上を見る、横を見る、アッチを見る、コッチを見るのは、ヒトの常。
強いられる緊張もある。
弛緩する時間のない日も、時にはある。
寝不足の朝も、時にはある。
カゼのせいで発熱の夜半も、時にはある。

それでも、気分の悪い時間は去っていく。
私は、バカなのだと思う(^^;

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2023年4月20日 (木)

『シニア右翼』を読む

〝シニア〟も〝右翼〟も、それを定義するのは難しい。
本書の前半は、それの定義に随分とページを使っている。
しかし、本書を読むにあたっては、そう難しく構える必要はない。

副題は、『日本の中高年はなぜ右傾化するのか』。
本書で言っているのは、年を取ると右傾化するヒトが増えるということ。

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こんな喫茶店で読み始め。

著者は、日本史を専攻したヒト。

戦後の日本が、国家として、戦争への原因の調査・総括をしなかった。
そのことで、戦前の大モノが戦後も大モノとして活動できた。
近年は、高速インターネットで、右に寄った動画の発信・受信が容易になった。
と、論が進む。
よってもって、高齢者が右傾化する。

ホントかなァ・・・

本夕、読了。

論が、一本道。
一本道の議論は、右・左問わず世にあふれている。
それはそれで、分かりやすいし正論に聞こえる。
しかし、歴史を語るのにそれでいいのだろうか。

読中も読後も、私の気分は、
ホントかなァ・・・

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2023年4月18日 (火)

『歌舞伎町と貧困女子』を読む

ラテンアルファベット26文字の始まりは A で最後は
 フェアレディ
 マジンガー  
 80

ロシア文字(キリル文字)に  はない。
なので、ロシアの戦車に描かれている は文字ではなく記号。

右手。
手のひらを上にして握る。
で、親指・人差し指・中指を伸ばすと、空間の右手系の直交座標軸を表せ、
 親指が、    X軸
 人差し指が、Y軸
 中指が、  

この伝で、
 X世代(エックスせだい)は、
 Y世代(ワイせだい)は、
 世代(ゼットせだい)は、
と、いきたいが、はしょって だけを。
世代とは、
 生まれた時からインターネットの利用が可能だった、デジタル
 ネイティブ世代のこと。
 中・高・大学生と、そのちょっと上あたりまでの世代。
 
予備知識として、トー横 を知っておく必要がある。
トー横の〝トー〟とは、
 歌舞伎町に2015年に竣工した 地上30階建ての
 新宿東宝ビル のこと。
トー横の〝〟とは、
 新宿東宝ビル周辺の路地のこと。

そこに集まる世代が、トー横キッズ

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こんな飯屋で読み始め。

石原慎太郎が東京都知事の座にいたのは4期、1999年4月から2012年10月。
この間、
 2003年のディーゼル車規制
で、東京の空気が変わり、
 2011年の暴力団排除条例
で、歌舞伎町からヤクザが姿を消した。
歌舞伎町には監視カメラの死角がない。
歌舞伎町は安全な街となった・・・

ホストクラブは、思っているより ずっと安い。
千円か2千円。
ただし、1回目だけ。

本夕、読了。

2回目、3回目・・・
そして、おかしくなる。

また、身を置いていたいと思える家庭がない。
あるいは、特段の理由もなく、トー横世代が集まる。
トー横では、女が男を食わせる。

世代とは、中・高・大学生と、そのちょっと上あたりまでの世代。
そんな、若いカラダの歌舞伎町の相場はとても安い、1万5千円。

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2023年4月15日 (土)

ハリスが持たなかった

8時、出航。

高曇り。
風穏やかで、良ナギ。

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今日の出竿は、こんな風景の見える海域。

潮が走らないせいなのか、何なのか。
1時間近く、根からの反応がない。

竿を出す海域を変えよう・・・
と、大きなアタリ。
良型のマダラが掛かった。

その後、さらに大きなアタリがあったが、ナイロン4号のハリスが持たなかった。
ラインブレーク(^^;

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画像の外に、良型のガヤが3尾。

13時、沖上がり。

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2023年4月 8日 (土)

ゆったりしたウネリに春の日射しが優しい

8時、出航。

ソウハチが欲しいとのリクエストあり。
が、防波堤を出て、さてェー(^^;
で、ラブーン船長に架電。

良ナギの海を、太陽に向かって船を航らせる。

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今日の出竿は、こんな風景の見える海域。
この海域へと案内をしてくれたラブーン船長に、多謝。

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画像のほかに、ホッケとガヤが掛かった。


さて、先日、初代アグネス船長の骨上げに参加させていただきました。
その際、火葬炉上に残った 親指と人差し指と中指でつまめるほどの量の骨灰を封筒に入れて持ち帰ってきました。
今日の釣行は、そのお骨と一緒に。
海からの、ここ、そこ、あそこの景色が見たいだろう。
と、彼が竿を出した海域の、ここ、そこ、あそこへと航海。

風穏やか。
地球岬沖はるか、眠りをじゃまされない深い海に散骨。
ゆったりしたウネリに春の日射しが優しい。

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2023年4月 2日 (日)

そのころから、根のサカナの食いがたった(^^) 

車のフロントガラスに、薄いが硬いシモ。
それをかき落として、車を出した。

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今日の日出は、5時17分。

東の空が燃え、穏やかに夜が明けた。
恵山に向かう艇を見送り、我が艇も もやいを解いた。
5時30分、出航。

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今日の出竿は、こんな風景の見える海域。

この10月から、室蘭-青森に就航する津軽海峡フェリーのブルードルフィンが、試験航海で噴火湾に入ってきた。
良ナギの海域に、ブルードルフィンの大きな引き波。
その波で大揺れするKON-chan号。
そのころから、根のサカナの食いがたった(^^) 

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根からの反応は悪くない(^^) 
正午、沖上がり。

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2023年4月 1日 (土)

『うんち学入門』を読む

脚がない上に飛べない昆虫のユープケッチャは、体長15ミリ。
丸一日かけて、その場で反時計回りにクルリと一回転する。
直径15ミリの円内が、ユープケッチャの全世界。
食べ始めは日出。
食べ終わりは日没。
その間、食べ続け、フンを出し続ける。
食べるのは、バクテリアによって養分が再生された自分のフン。

安部公房の『方舟さくら丸』は、そんな究極の自給自足で生きる フン食い虫 の話で始まる。

ただし、ユープケッチャは公房の創作。

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こんな喫茶店で読み始め。

本著者は、動物を捕獲せずに、排泄物を採取して遺伝子分析を行う生物学者。
その研究スタイルゆえ、排泄物、すなわち〝うんち〟に詳しい。

ヒトの大腸内に寄生する細菌の種類は500から1000。
数は600兆から1000兆。
重量で言えば、1から1.5キロなんだと。

ところで、うんちの8割が水分で、残りの2割のうちの、
 3分の1が、未消化物
 3分の1が、消化管からはがれた腸粘膜組織
 3分の1が、腸内細菌とその死骸

1回あたりのうんちの重さは、100から250グラム。

中間値の175グラムを使って計算すると、うんち中の
 腸粘膜組織が、12グラム
 腸内細菌とその死骸が、12グラム

ヒトは、少なくとも 毎日
 体の組織の12グラムが入れ替わり
 腸内細菌の1パーセントが入れ替わる
といえそうだ。

本夕、読了。

動物のうんちを球状にして後ろ向きになって転がす甲虫のスカラベ(フンコロガシ)は、古代エジプトでは 聖虫 とされた。
古代エジプトの墓地では、近年、スカラベのミイラさえ発掘されているくらい。

ヒトだけが、生まれるやオムツをし、最期にまたオムツをする。
発射時、船外活動時、地球帰還時の宇宙飛行士もオムツをする。
排泄は必然。
かつ、重要で困難な事項だ。

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2023年3月29日 (水)

『戦争の値段』を読む

2015年に公開された映画『ミケランジェロ・プロジェクト』の原作は、
 『The Monumennts Men;Allide Heroes,Nazi Thieves and the Greatest
       Treasure Hunt in History』。
邦題を、
 『ナチ略奪美術品を救え―特殊部隊「モニュメンツ・メン」の戦争』
として白水社から出版されている。

ナチは、占領したフランス・オランダなどから、美術品をドイツ国内に移した。
それを取り戻すために米国陸軍内に組織された「モニュメンツ・メン」が、まだ降伏前のドイツ領内に入る。
戦争に勝つにも負けるにもコストが発生するが、美術品の移送にもコストが発生し、それを取り戻そうという行為にもコストが発生する。

著者は原子核工学を学んで出版社に記者として入社、投資ファンド会社を経て独立したヒト。

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こんな喫茶店で読み始め。

本書の副題が、
『教養として身につけておきたい戦争と経済の本質』

〝教養として〟の対象は、義務教育修了レベルの私のようなヒト。
なので、比較化・一覧化・グラフ化された表示が多く、読みやすい。
特に、目新しいことは書かれてないが、〝カネ〟での表現が多い。
〝本質〟とは、本書ではコストのこと。

日清戦争・日露戦争のコストと、当時の日本の国家予算とGDPの関係。
太平洋戦争の日米経費の比較。
ベトナム戦争・湾岸戦争のコストと、米国の国家予算とGDPの関係。
フォークランド紛争経費と、英国の国家予算とGDPの関係。
戦端を開く、継戦するに至るには、ソロバン勘定ができなくてはならない。
ああだこうだ言っても、カネ。

本夕、読了。

戦争の当事者が、美術品を愛でるためにそれを奪い隠匿する。
そのコストは、本書では見積もられていない。
戦争の当事者のもう一方は、隠匿された美術品のありかをさがし、そこへの攻撃を止める。
美術品を取り戻そうとするモニュメンツ・メン部隊のコストも、本書では見積もられていない。

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2023年3月25日 (土)

下げ九分から最干潮を経て上げ一分

マリーナのクレーン下水深は7メートル。
雪代が、ここまで入ったようで、7メートル下の海底がよく見えない。

良ナギ予報。
9時、出航。

ソウハチは移動したのか、先日までの海域に出竿艇は少ない。
Uターンして、根のサカナを掛けようと。

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今日の出竿は、こんな風景の見える海域。
春らしい空気で、オカがかすむ。

サカナの食いが立つ潮位は、上げ三分に下げ七分とか。
今日の潮止まりの最干潮時刻は10時59分。
この時刻が、下げ十分、上げ零分。

下げ七分に相当する頃に根の上に浮かぶ、
魚探には、根のサカナが映る。
が、下げ七分の時間帯は不釣(^^;

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で、掛かったのは、下げ九分から最干潮を経て上げ一分の時間帯。

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2023年3月24日 (金)

『オンサイト!』を読む

site と sight は同音異義。
 on site  なら、現場で
 on sight   なら、チラ見して
くらいの意味。
競技クライミングはオンサイト(初見:on sjight) で、壁に挑む。

2000年公開の『ミッション:インポッシブル2』は、日射しを向こうから受け、オーバーハングの絶壁を登るトム・クルーズを左横から映すシーンで始まる。
右手の指をかけ、
左手の指をかけ、
オッと、指が外れる・・・
自然の壁を初トライで完登することも、オンサイト(on sjight) という。

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こんな喫茶店で読み始め。

〝針金〟とあだ名されるほどに痩せた少女の、小学生から中学生になる頃までの話。
1回の懸垂もできない ひ弱な筋肉しかないのに、ロッククライミングに臨む。

2005年、『週刊 モーニング』に連載されるも、17回目の連載を最後に途中打ち切りされたマンガ。
打ち切りの理由は、不人気。

同年、コミック版単行本『『オンサイト!1』・『『オンサイト!2』が発行されるも、間もなく絶版。
本書は、その復刻。

途中打ち切りされた話だから、張られた伏線が回収されていない。
が、作家は続きを描くつもりはないらしい。
もう、そんな体力はない、と。

本夕、読了。 

巻末に、
 復刻記念対談
 『オンサイト!』は鳩間島で生まれた
とある。
鳩間島(はとまじま)は、南も南、北緯24°。
西表島(いりおもてじま)の北、3海里にある小さな円形の島。
直径1キロ、周長3キロ。

作者はちょっとしたことで鳩間島を知り、そこに何度も通う。
鳩間島が彼の何を刺激したのか、その説明はない。
が、ここに通わなければ、『オンサイト!』は生まれなかったと。

私も立ったことがある島。

マンガも対談も中途半端。
その中途半端が心地いい。

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2023年3月21日 (火)

正午の太陽高度は48°

8時、出航。

良ナギ。
なのに、沖に行けども行けども竿を出している僚艇らの姿は見えず。

ポツンと1艇。
その艇の向こうで本船が行き交う。
ここで、我が艇の行き脚を止めた。

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今日の出竿は、こんな風景の見える海域。
本船の行き交いが終わる頃、すでに十分な釣果を上げて港へと舵を切ったのか たった1艇見えていた あの艇が姿を消した。

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春分の日。

当海域の正午の太陽高度は48°。
影の長さは、高さ÷タンジェント48°。
その正午、沖上がり。

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«その作業に、100分