『物理がわかる実例計算101選』を読む
長さ1メートルと1ミリ、つまり 1001ミリの針金。(図の上)
その真ん中をちょっと曲げて、両端間隔1000ミリの へ の字型にする。
曲げを大げさに描くと、図の下のようになる。
底辺が 500ミリ
斜辺が 500.5ミリ
高さが hミリ
の、直角三角形の背中合わせ。
この時、
「h はいくらか」
と問われたら、この直角三角形に、〝ピタゴラスの定理〟を当てはめればいい。
ピタゴラスは2500年以上も前のヒト。
〝ピタゴラスの定理〟は、中学3年生で習う。
ところで、電卓を叩く前に、 h の大きさをイメージできるだろうか。
2ミリ
いや、
3ミリ
でも、
10ミリはないだろう・・・
いやいやいや。
電卓を使い、
500.5の2乗から500の2乗を引き
その値の平方根を計算する
と、h は 22ミリ とちょっとになる。
この値は我々の直観より、ずっと大きくはないだろうか。
こんな飯屋で、読み始め。
さァ、我々の数量感覚を修正するために、計算しよう。
上腕二頭筋は、チカラコブのできる筋肉。
上腕三頭筋は、上腕骨を挟んで、上腕二頭筋の反対側にある筋肉。
上腕二頭筋が縮むことで、手(前腕)が上がり
上腕三頭筋が縮むことで、手(前腕)が下がる
図は、上腕二頭筋が縮んでいる状態。
前腕は関節を支点として上下する。
前腕を上に動かす二頭筋の付いているところは、関節から5センチの位置。
関節から35センチ先に手(のひら)が付いている。
小学6年生で習う〝てこの原理〟は、アルキメデスによる。
今から2200年以上も前のヒト。
2200年前の知識をウデに適用すると、
支 点:関節
力 点:支点から5センチ
作用点:支点から35センチ
とすると、ヒトのウデは、筋肉の出す力の、なんと 7分の1 しか手の先に伝えることができない構造になっている。
ヒトのウデは、力で大損して、距離・速さで得をするという仕組み。
二頭筋が5センチ縮めば、手の先は 7倍 の35センチ上がる構造。
その理由の、私の理解は・・・
例えば、
うっかり、熱いモノに触れ
アチッ
となったとき、力はどうでもいい。
サッとウデを引っ込めねばならない。
というような、生命にとって安全サイドに立った構造を、
進化の過程で人体は獲得したのではないかと。
本夕、読了。
ヒトのウデは、力で大損して、距離・速さで得をする構造。
だから、懸垂や腕立て伏せがツライ運動なのも、納得できる。
我が竿に掛かるサカナが小さいのは、私の上腕二頭筋に合わせて。
ということなのかも知れない(^^;
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