2024年3月 2日 (土)

『大名格差』を読む

北村桃児(きたむら とうじ)作詞の、
 歌謡浪曲『あゝ松の廊下』
には、以下のセリフが入る。

 放してくだされ梶川殿
 五万三千石
 家をも身をもかえりみず
 上野介(こうずけのすけ)を討つは
 将軍家の御威光と役職を笠に着て
 私利私欲に走る人非人を斬るためじゃ
 その手を放して下され梶川殿

北村桃児とは、三波春夫の作詞家としてのペンネーム。
 家をも身をもかえりみず
に吉良上野介を討とうとするのは、播磨赤穂藩 五万三千石の藩主 大名 浅野内匠頭 長矩󠄁(あさの たくみのかみ ながのり)。

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こんな飯屋で読み始め。

斬られた吉良上野介は四千二百石の旗本。

だが、官位は、
 内匠頭 従五位下(じゅごいのげ)(注)
 上野介 従四位上(じゅしいのじょう)
と、上野介が上。

 将軍家の御威光と役職を笠に着て
というセリフがこれ。

衣装、その色、江戸城入城の際にカゴから降りる場所に至るまで、大名には細かい規則で差が付けられていた。

本夕、読了。

NHK大河ドラマ『光る君へ』の舞台は平安中期。
役者も それを観る方も現代人。
なので、演出家は、
 「行っちゃおゥかなァ」
などと、平安貴族を演じる役者に現代人口調で話させる。
が、「死ぬ」を「みまかる」と言わせるところは、やはりNHK、時代考証に抜かりはない。

ところで、裳(も:平安時代の和式ロングスカート)に隠れて あらわには見えないが、まひろ(紫式部)ら平安女性は片膝をついて座っている。
いわゆる正座は もっとずっとあとの座り方で、ここにも確かな時代考証。

男は近世までアグラ。
徳川幕府は、将軍の前では大名・旗本を含む臣下の者に正座を強いた。
仮に将軍に手を出そうとしても、この座り方ではひと呼吸遅れる。

(注)

官位職を言うとき、〝従〟を〝じゅう〟と発音しては笑われる。
この場合、〝従〟の発音は〝じゅ〟。

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2024年2月24日 (土)

『文豪のすごい語彙力』を読む

本書で取り上げているのは、芥川龍之介の〝的皪(てきれき)〟から、谷崎潤一郎の〝懇親〟までの63人、63語。

海上自衛隊の行進曲は、〝軍艦マーチ(軍艦行進曲)〟。
米国海軍なら、〝錨を上げて〟。
 出航用意!
 そして、次に続くのは、
 舫い(もやい)を解け!

この、舫いを解くことを解纜(かいらん)という。
檀一雄は、『リツ子 その愛・その死』で、
 船は解纜したようだった。
 丸窓が閉ざされているので皆目外は見えないが、
 波の動揺がしきりと感じられてくる。
と、綴っている。

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こんな飯屋で読み始め。

〟は訓では、〝ともづな〟と読む。
〝ともづな〟は、〝もやいづな〟のこと。

本夕、読了。

〝ともづな〟は〝艫綱〟とも書き、〝艫(とも)〟は船尾のこと。
なので、〝ともづな〟の辞書の説明は、〝船尾から出して船を陸につなぐ綱〟。

本書者は、
〝ともづな〟の〝とも〟は、〝ともだおれ〟、〝おともする〟の〝とも〟と同じで、〝複数〟の意。であると説明する。
船と岸は、複数の綱で固定するからだ、と。
これも一理ある。

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2024年2月18日 (日)

『寄書の世界史』を読む

「寄書」とは、〝奇〟跡 の書でも、〝寄〟せ書きの書でもない。
「寄書」とは、〝奇〟妙な書 、〝奇〟天烈な書のこと。

国内で出版される書籍(CD・DVD なども含む)は、決められた部数を国立国会図書館におさめなければならない(国立国会図書館法:納本制度)。
国は、その販価の50パーセントを納入者に補償する。
誰でも考え付く悪知恵が、以下。
外国文字をランダムに印刷しただけの、執筆も編集工程もない書籍を納本し、50パーセントの補償でも十分過ぎる益を得る出版社が現れた。
こんなのは〝寄書〟といえるだろう。

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こんな飯屋で読み始め。

16の寄書が紹介されている。
内、ひとつが、江戸の終わり頃の椿井文書(つばいもんじょ)。
拙ブログでも 『椿井文書』を読む として記事にしたが、近畿の20の市町史編纂者が、これにコロッとだまされている。
『椿井文書』は、つい最近まで寄書ではなかった。

マルコ・ポーロの『東方見聞録』。
それには、黄金の国ジパングが記載されている。
『東方見聞録』は、世界史に残る紀行の書。
今現在でも、寄書とはいわないだろう。

紀伊國屋やジュンク堂には、『円周率1000000桁表』とか『素数表150000個』とか『自然対数の底1000000桁表』とかが売られている。
書かれている数字は正しい。
が、寄書(だと思う)。

本夕、読了。

誰でも電卓を持てるようになった頃でも、理工学書の巻末や理科年表には、平方根表や対数表や三角関数表がのせられていた。
丸善の『五桁対数表』は今でも版を重ねている。
これらは寄書とはいわない(だろう)。

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2024年2月12日 (月)

『地図バカ』を読む

電気事業法では、ある規模以上の発電設備などは、その設置を国に申請して許可を得なくてはならないとしている。
その申請資料には、設備スペックとともに、設置場所を示した国土地理院の5万分の1の地形図を添付することになっている。(注)

その添付する国土地理院の5万分の1の地形図の『室蘭』は、つまらない。
地図全体の99.9パーセントは海で、右上隅にほんの少しだけ陸地。

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こんな喫茶店で読み始め。

 1マイルは1760ヤード
 1ヤードは3フィート
 1フィートは12インチ
と、ヤード・ポンド法は10進法ではない。

バングラデシュは英国に植民されていたので、ヤード・ポンド法の国。
だから、バングラデシュ全国図の縮尺は、63万3600分の1と中途半端。
この縮尺だと、地図上での1インチが1マイル(哩:陸里 1マイルは1609メートル)となる。

宗首国だった英国では、50年前には、地図のメートル法への置き換えが終わっている。

本夕、読了。

サンスケと略称される物差しがある。
三角スケールのことで、6種の縮尺、多くは1/100、1/200、1/300、1/400、1/500、1/600 に対応する目盛りが切ってある。

ところで、建設図・構造図などはA1サイズで出図されることが多い。
この大きさでは、デスク上で使うには不便なので、これをA2やA3にダウンサイズコピーすることが多い。
例えば、元図がA1の図面をA2に落とすと、縮尺の分母は元の√2倍になる。
1/100の図面なら、1/141の図面になる。
なので、上記の目盛りの三角スケールは使えない。

図面検討会と称する会議の場に、胸ポケットにこんな三角スケールをさして出席してはマヌケ。
良くしたもので、ダウンサイズコピー用の三角スケールがある。
それを、我々はゼロックススケールと呼んでいた。

多分、ゼロックス社の社員は このことを知らないと思う。

(注)
5万分の1の地形図の『室蘭』を添付した資料を持参して、札幌の第1合同庁舎の経産局に通う仕事をしたことがあった。
今現在のことは知らないが、その当時の経産局の担当者は、添付する地図は国土地理院の5万分の1の地形図の『室蘭』でなくともいいと言っていた。

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『自転車に乗る前に読む本』を読む

ヒザに故障をかかえたランナーでも、自転車には乗れる。
ペダルを回す動作は、ヒザへの負荷が小さいから。

著者は生理学者。
その専門知識を背景にして書かれた本書の副題は、
 『生理学データで読み解く「身体と自転車の科学」』

本書には、健康に好影響を与える自転車の走らせ方が書かれている。

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こんな喫茶店で読み始め。

自転車のペダルを回す1分間の回転数(rpm)をケイデンス(cadence)と呼ぶ。
血圧の単位は水銀柱ミリメートル(mmHg)だが、それを省略し、
 上が120、下が70
などと数値のみを言うのが普通。
ケイデンスも同様。
普通、数値のみを言う。
以下、数値はケイデンスを示す。

トライアスロン競技者は、80~90
対し、
エネルギー消費量が最小になるのは、70
筋肉の疲労が最小になるのは、80~90

競技者は、エネルギーの消費量よりも、脚の疲労のしにくさを優先する。
と、思いきや、自転車を専門とする競技者は、エネルギーの消費効率の悪化も、筋肉の疲労も増えるのを分かった上で、90から110で走る。

本朝、読了。

競技者でない者は、70も回せない。
著者は、まず65を目標に、と提案する。

著者の学位論文は、
『自転車運動に対する身体適応および日常的自転車使用による健康づくりの可能性』
が、著者、自転車には乗らない。
健康づくりは、ジョギングで。
通勤は、エンジンバイク。

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2024年2月 9日 (金)

『ぼくらの近代建築デラックス!』を読む

建築基準法施行令第88条は、地震力を規定している。
〝標準〟という前提付きで書かれているその数値の最低値は、剪(せん)断力係数で0.2。
この0.2は、建物重量の20パーセント相当の力のこと。
建物の重心位置に 水平方向にこの力をかけても建物に致命的な損傷を生じさせない設計をするための目安。
この0.2には根拠がある。
関東大震災で倒れた墓石の調査結果。

新館建設のため1968年(昭和43年)に解体されたのは、1923年(大正12年)竣工のフランク・ロイド・ライト 設計の帝国ホテル(ライト館)。(注)
このライト館の完成披露パーティーの その当日に起きたのが、関東大震災。

この地震に、ライト館は耐えた。

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こんな喫茶店で読み始め。

先月 直木賞を受賞した万城目学(まきめ まなぶ)と、推理小説作家の門井慶喜(かどい よしのぶ)が、大阪・京都・神戸・横浜・東京・台湾の近代建築を訪ねる。

1931(昭和6)年竣工のモロ近代建築に外側だけ化粧をほどこした大阪城天守から、1904(明治37)年竣工の横浜正金銀行(現:神奈川県立歴史博物館)といった落ち着きと品の良さを感じさせる建物まで67棟。

文化史学を専攻した門井の近代史と建築の知識が広く深い。

本夕、読了。

東京・横浜・神戸にある近代建築は、震災と戦災をくぐってきているので それだけでも貴重。
前調べは旅をつまらなくするというヒトもいるけれど、二人とも予習、あるいは再訪しての確認十分。
訪れるのは、ヒトが作ったモノ。
かつ、作ったヒトは優秀。
予習なしでは、ポカンと口を開けるだけだろう。
私がそれ。
ポカンと口を開けて読み進めた(^^;

(注)
『フランク・ロイド・ライトの20世紀建築作品群』として、世界遺産に登録されている建物が8棟ある。

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2024年2月 4日 (日)

『将棋カメラマン』を読む

将棋は指し、碁は打つ。
でも、
 将棋指し も棋士
 碁打ち  も棋士
ところで、
 チェス  だとプレーヤー
 麻雀   だと雀士
 丁半   なら緋牡丹お竜、藤純子
 ポーカー ならルーヴル美術館のラ・トゥールの絵、
     『ダイヤのエースを持つ いかさま師』

本著者が撮るのは、将棋指し。
副題は、
 大山康晴から藤井聡太まで
 「名棋士の素顔」

その写歴は50年。

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こんな喫茶店で読み始め。

演劇場やコンサート会場では、写真撮影は原則禁止。
そんな世界の、例えば歌舞伎界には舞台専属カメラマンがいる。
専属カメラマンを持つオーケストラもある。

将棋の勝負の場にいるのは、シャッター音を消し、ストロボを発光させず、動きを殺したカメラマンの著者。

本夕、読了。

朝刊には、将棋・囲碁の観戦記が載る。
技術的なことは全然わからないが、盤外を描写した ほんの十数文字が光っている日がある。

川端康成は、自身が経験した碁の観戦を『名人』という小説に仕立てている。
書かれているのはヒト、二十一世本因坊秀哉。
先月の4日に亡くなった篠山紀信が撮ったのもヒト。
本著者の撮るのもヒト。
 対戦中の棋士
 麻雀卓を囲む棋士
 バイオリンを弾く棋士
 酒場で飲む棋士
 旅先の街路を歩く棋士
 素っ裸で鳥取砂丘に立つ棋士
 教会堂で祈りをささげる棋士
 テニスに興じる棋士

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2024年1月27日 (土)

『「悪所」の民俗誌』を読む

渋谷区松濤(しょうとう)地区に、コンビニはない。
マックもスタバもない。
ここは、商売っ気を微塵も感じさせない歴史ある高級邸宅街。

松濤の南に接続して あるのが、かつての色町 円山(まるやま)。
今はラブホテル街。
書名の「悪所」は、かつての円山のようなところをいう。

著者は社会学者で桃山学院大学で教え、学長も務めた沖浦和光(おきうら かずてる)。
副題は、
『色町・芝居町のトポロジー』

トポロジーとは位相幾何学のことだが、ここでは、〝連続している〟くらいの意味だろう。

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こんな喫茶店で読み始め。

著者は、「悪所」の特質を
 ・匿名性の高い非日常的空間
 ・新しい文化情報の発信・収集の場
 ・誰でも出入りできる場
 ・混沌(カオス)性が増殖していく場
 ・遊女が理想形となる人倫秩序の転倒した場
 ・役者が表現する場
と、まとめる。
特に、最後の〝役者〟は、
 「漂泊する神人」の影が漂い
表現するのは、
 身に潜めた呪力
であると書く。

本夕、読了。

本書、平安の世まで時代をさかのぼる。
当時の記録から、天皇・法皇に寵愛を受けた局(つぼね:宮中に自室を与えられた高位女官)のなかには、出自が遊女の者がいたことを明らかにする。
〝遊女が理想形となる人倫秩序の転倒した場〟が、ここに見える。

悪所といえば、博打場もそうだろう。
が、著者は、博打場についてはひとことも触れていない。
博打が成立するには貨幣が回る世界が必要だが、本書が広げる世界は すでに貨幣経済の時代。
著者、おそらく、競馬・パチンコ・麻雀を知らないヒトなのだと思う。

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2024年1月14日 (日)

『水素分子はかなりすごい』を読む

元素周期表は、原子番号1、原子量1.0の水素(H)から始まる。
安定した分子の水素(H2)でも、分子量は2.0。
原子番号2のヘリウム(He)の原子量が4.0だから、水素は原子でも分子でも小さい。

水素脆化(すいそぜいか)と呼ばれる金属の粘りや強度が落ちる現象(割れたり、欠けたりしやすくなる)がある。
金属結合中に水素が侵入することが悪さの原因なのは確かなのだが、脆化に至るメカニズムは はっきりしていない。
民生品として大量に使われるステンレス鋼に その現象が大きくあらわれるので、問題はやっかいだ。

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こんな喫茶店で読み始め。

著者は物性物理学者。
副題は、
 『生命科学と医療効果の最前線』

本書で言う水素は、水素イオン(H:プロトン:陽子)ではなく、水素分子(H2)。
それを水に溶かして、あるいは空気と混ぜて摂取すると、
 酸化ストレス抑制
 動脈硬化抑制
 神経性疾患抑制
  パーキンソン病
  アルツハイマー病
等に効果がある、と。

水素には、抗酸化性があるのは確かなのだが・・・

本夕、読了。

伊藤園では、310mlアルミボトル入りのミネラルウォーターを、
 水素水 2
という商品名で販売している。
この水素水、成分表を見ると、1本当たりの水素量は0.09~0.24mg。
中間値の0.17mgで計算すると、大気圧体積で2CCほどの水素ガスが含まれていることになる。

ヒトは1日に15000リットル前後の空気を吸う。
我々の吸う空気には、体積で0.00005%の水素が含まれている。
呼吸で肺に入る水素は、1日に7CCくらい。

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2024年1月 7日 (日)

『文豪たちが書いた喧嘩の名作短編集』を読む

今日の某紙朝刊日曜版。
見開き2ページで書評されていたのは8冊。
その内の1冊が、大江健三郎の『親密な手紙』。

安部公房が、
 「大江君に絶交されちゃった」
と、どこかに書いていたのに対し、
大江健三郎は、
 「安部さんに絶交された」
と、その『親密な手紙』に書いているらしい。

安部公房の生涯は、 1924年ー1993年
大江健三郎の生涯は、1935年-2023年
安部のほうが 一回り上だが、同時代人といっていいだろう。
1994年に、大江がノーベル文学賞を受賞。
もし、その年に安部が存命だったのなら、その受賞は安部だったはず。

その二人に、互いに〝絶交〟を宣するようなイザコザがあったらしい。
文豪同士の喧嘩。

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こんな飯屋で読み始め。

本書におさめられているのは、短いエッセーや短編小説16編。
書いたのは、安部公房や大江健三郎よりヒト世代さかのぼった時代の作家の太宰治、檀一雄、坂口安吾など16人。

どれもテーマは〝喧嘩〟。
喧嘩の組み合わせは、作家同士、夫婦、母娘など。
創作もあるし、事実の文章化もある。

本夕、読了。

作家は、ペンで食うヒト。
ペンだけでなく、口も達者。
だが、本書の作家は、みな運動不足。
その体に加えて、サケ・タバコ・ハイミナール(睡眠薬)・恋愛。
 私の年齢が そう感じさせるのか。
 当時の作家の不健康さが そう感じさせるのか。
そんな者同士の喧嘩は、読んでいても幼児の喧嘩ほどの迫力も感じない。

安部公房や大江健三郎は、彼らよりずっと健康そう。
でも、喧嘩は、
 「オマエの母ちゃん、デーベーソ」
レベルだったような気がする(^^;

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2024年1月 3日 (水)

『「分かりやすい説明」の技術』を読む

サンドウィッチマン富澤たけしのボケセリフは、
 『ちょっと何言ってるか分からない』

分かりやすく説明されては、
 『ちょっと何言ってるか分からない』
というセリフは出てこない。

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こんな喫茶店で読み始め。

副題は、
 『最強のプレゼンテーション15のルール』
その15とは、
 ①聞き手とのタイムラグを知れ
 ②要点を先に言え
   ・・・・
 ⑭聞き手に合わせた説明をせよ
 ⑮聞き手を逃すな

本書で取り上げているのは、話して聞いてもらうプレゼンテーション。
私は、話して聞いてもらう その前、書いて読んでもらうプレゼンテーションの段階で苦労した経験多数。
話して聞いてもらうプレゼンテーションでの成功体験がゼロなのは当然(^^;

本夕、読了。

書いて読んでもらうプレゼンテーション。
 背景
 目的
 結論
を概論・緒言で書き、そのあとに本論。

考え方(ストーリー)の正しさが全て。
本論に、所見・結言に至るストーリーを、
 鉛筆をなめる
とか、
 ウソのゴサンパチ(538)
とか とかはあるが、データ・分析を並べ、考え方の正当性を補強する(^^;
 うまくオレをダマしてくれ
と言った上司さえいた(^^;

あゝ、
 『ちょっと何言ってるか分からない』
という声が聞こえる・・・(^^;

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2024年1月 1日 (月)

あけましておめでとうございます

旧年中は、オカでも沖でも山でもネット上でもお世話になりました。
本年も、旧年と変わらぬ お付き合いのほどをオカでも沖でも山でもネット上でもよろしくお願いいたします。

随分以前、人生は短いが1日は長いという記事を拙ブログに掲載しました。
内容は、
 いま、29歳の人の、これからの1年は、その人の人生にとっては
 1/30の期間。
 つまり、いま29歳の人は、これからの1年で、その人にとっ
 の人生の1/30の経験や知識が増えることになる。


 いま39歳の人の、これからの1年は、その人の人生の1/40
 いま49歳の人の、これからの1年は、その人の人生の1/50
 いま59歳の人の、これからの1年は、その人の人生の1/60
 経験や知識が増えることになる。

 年をさかのぼって考えると、
 いま 9歳の人の、これからの1年は、その人の人生の1/10
 いま 3歳の人の、これからの1年は、その人の人生の1/4
 いま 1歳の人の、これからの1年は、その人の人生の1/2
 たったいま生まれたばかりの子の、これからの1年は、
 その人の
人生の1/1、つまり1
 経験や知識が増えることになる。

 例えば、30歳の人ならば、
 1+1/2+・・・・+1/29+1/30
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 日々、時々刻々の積み重ねで考えれば、
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 これを0歳から100歳までグラフ化すると、
Log_curve
 で、9歳までに、80歳の長老の持つ経験や知識の半分の量を得る。
 よってもって、子供の頃はあんなに長く感じた1年も、年を取ると
 短く感じる
ようになる。
 と、定量的に勘定できる。


以上は、知恵や経験のを無視した全くの数字の お遊び。
だから、赤字部はウソ八百なのですが、私はウソ八十くらいには信じていました。
でも、振り返ると短かかったけれど、6歳か7歳の子供のように、多くを経験し多くを知った昨年でした。
上のグラフ、右に行くに従って、増加速度が減じます。
しかし、昨年がそうだったように、今年も私は幼い子と同じ。

きっと、そうなるでしょう(^^) 

昨年中の、あんなことやこんなこと。
       ↓ ↓ ↓
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2023年12月31日 (日)

まァ、そんなんでも 良かったンじゃないかと

月の最終日は、晦日(みそか)。
年の最終日は、大晦日(おおみそか)。
ところで、〝晦〟は これ ひと文字で、〝みそか〟と読む。
で、分からないのは、〝晦日〟の〝日〟は何と読むのか。

〝七夕〟の〝七〟を〝たな〟、〝夕〟を〝ばた〟とは読まない。
〝七夕〟で〝たなばた〟。
〝晦日〟も同じ、〝晦日〟で〝みそか〟。

そんな、どォーでもいいことばかりを頭に浮かばせて暮らした1年でした。
ンな日々の継続。
まァ、そんなんでも 良かったンじゃないかと。

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こんな雲の下で魚信を待ったこともありました。
新しい年も、こんな雲の下で魚信を待ちたいものです。

良いお年を。

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2023年12月30日 (土)

オレだ。 ヤマダだ。

『オレだ。 オレ。 オレ』
続けて、
『会社のカネの入ったカバンを電車に置き忘れた』
とかなんとか。
で、カネをだまし取られる。
〝特殊詐欺〟

詐欺のスタートは電話で。
面と向かって、
『オレだ。オレ。 オレ』
とやられて、だまされるようなヒトはいない。
いたら、マヌケだろう。

さて・・・
今日の日暮れ。
某ホームセンターでの用が済み、出ようと。
あと2歩で自動ドアが開く、そんな場所で、
『オレだ。 ヤマダだ。』
続けて、
『パチンコで、7万やられた。  ウチの前まで乗せてくれないか』

〝ヤマダ〟という名の知り合いは いる。
でも、コイツの顔は記憶にない。
記憶力が急減速、新しいことを記憶できない。
付き合いのあった人の名前もポロポロ忘れる私。
ついに、固有名詞どころか〝顔〟も忘れるようになったかァ・・・

送り先は、私の帰り道の途中。
なので、クルマの助手席に乗せた。
車内での、短い会話は私から始めた。
『いま、何してんの』
『前と同じ、型枠工』
『フぅーン』
『そこの電柱のところで止めてくれないか。 助かったヨ。 昼飯も食ってない。
 2千円でいい、借してもらえないか』

確かに、腹が減ったような顔をしている。
私、千円札2枚と財布の中にあった小銭を全部、そのヤマダに渡した・・・

型枠工のヤマダ。
私の記憶に浮かんでこない・・・

私、〝特殊詐欺〟ではなく、〝単純詐欺〟に引っかかったマヌケ(^^;

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2023年12月24日 (日)

船長、スイーツを作る(^^) 13

久し振りの お菓子作り。

日本ではスイーツ扱いされているシュトーレン(Stollen:シュトレン)。
その生国のドイツではパンに相当し、クリスマスに近い今頃に食べるのが習わし。
そのドイツが国として認めるシュトーレンの基本レシピは、
小麦粉重量の、
 30%相当以上のバター
 60%相当以上のドライフルーツ(砂糖漬けフルーツ)
 が、使用されていること
 なお、マーガリンの使用は認めない

日本の有名洋菓子店で売られているシュトーレンのレシピを調べてみると、
小麦粉重量の、
 100%相当以上のバター
 100%相当以上のドライフルーツ
を、使って作られているようで、油脂量・カロリー量とも はなはだ大の健康度の高い食品。
そこはそれ。
シュトーレン、日持ちがする。
その長さは、〝月〟の単位で、常温でも6ヶ月は持たせることができる。
なので、時間をかけて少しずつ少しずつ食べる。

発酵工程が2回ある。

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まァ、でも完成。

我がレシピ、小麦粉重量の、
 100%相当超のバター
 120%相当超のドライフルーツ
  ドライフルーツ種は、
    レーズン
    クランベリー
    マンゴー
    パイナップル
    パパイヤ
    オレンジピール
  25%相当のアーモンド
  25%相当のクルミ

さて、食うか(^^)

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2023年12月23日 (土)

『映画を早送りで観る人たち』を読む

PISA(Program for International Student Assessment)とは、経済協力開発機構(OECD)によって行われる国際学習到達度調査のこと。
対象は15歳で、数学知識、科学知識、読解力、問題解決力が定量的評価される。
調査は3年ごとに行われ、1回目は2000年。
8回目の実施は、新型コロナ禍の影響で1年延期され昨年。
参加国・地域は81。

今月の初め、その結果が文科省から発表され、
前回(´18年)に比べ、
 数学知識が、6位から5位へ
 科学知識が、5位から2位へ
 読解力が、15位から3位へ
となったこと、特に読解力が大きく伸びたことを、マスコミは肯定的に報道した。

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こんな飯屋で読み始め。

拙ブログ、しばしば言われる。
 長すぎる。
 10行以内にまとめて欲しい。
と。
だろうなァ。
と、私も思う(^^;
書くほうは いい気になって書いているが、その駄文を読まされるほうはつらいもの。
それは読解力の問題なのではなく、駄文はどこまでいっても駄文。

同様なことは動画・楽曲についても。
どこのメーカーのブルーレイ/DVDレコーダーにも、早送り・10秒戻し・30秒送り機能が標準装備されている。
Amazonプライム、Netflixなどの定額制動画配信サービスもそう。
10秒スキップ、1.5倍速、2倍速可。

で、10秒スキップ、2倍速で飛ばし視聴。
さらには、最初と最後が分かればいい。
と。

本夕、読了。

それは、高いタイムパフォーマンス(タイパ、タムパ)なのか、幼稚化なのか。
などと、著者は論を進める。

私は、思う。
コスパがどうの、それがオトナの対応。
なんていうのより、ズッとスナオな態度なのではなかろうか、と。

ここまで読んでいただいた方、お疲れ様でした。
どうもありがとうございます。
でも、貴殿、貴女。
あなた方は読解力が豊かなのではなく、忍耐力があるだけなわけで・・・(^^;

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2023年12月17日 (日)

『サハラに死す』を読む

ノマドワーカーとは、テレワーカーと呼ばれているヒト。
最近の言葉で、20年前には聞かれなかった。
ここで、〝ノマド〟とは〝遊牧民〟のこと。
だから、ノマドワーカーは自宅だけではなく、カフェやレンタルワーキングスペースなど、気分のままに日々・時々、ノートパソコンのキーボードをたたく場所が変わる。
スターバックスやサンマルクで、MacBookのキーボードをたたいているヒトたち。
彼ら、彼女らの多くがノマドワーカー。

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(地図は、帝国書院の文科省検定済中学校社会科用より)
左のは、モーリタニアの大西洋岸の町、ヌアクショット。
右のは、スーダンの紅海岸の町、ポートスーダン。
この2点間に横たわるのがサハラ砂漠。
2点間距離は7000キロ。

本書は、1973年の12月から翌年5月まで、サハラを西から東へと(画像の地図を左のから右のへと)断しようとした青年の旅日記。

なお、
 ●は、マリのメナカ。 著者の遺体が発見された地点。
は、ナイジェリア最大の都市のラゴス。 日本大使館がある。

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義務教育の地図帳のアフリカ地図では、とても旅程を追えない。
世界大百科事典の『世界地図』を手元に置いて、読み進めた。

高校を1年で中退。
英語学校に通ったあと、ヒッチハイクで世界50ヶ国を回る。
サハラの断も2回。
著者は、自分のことを〝ノマド(本書内の表記はノーマッド)〟と呼ぶ。

本夕、読了。

サハラを2000キロ進んだところで、ラクダを死なせ、その先へは進めなくなる。
で、日本の商社・企業が数十社進出、日本大使館もあるナイジェリアのラゴスへ。

そこで、在留邦人向けのガリ版新聞を作って配達する仕事を時事通信社からもらう。

その報酬、日本の親や友人へのカネの無心、在留邦人からのカンパ。
それで、新しいラクダを買いサハラ横断旅行を再開。

旅は再開するが、その再開から幾日も経ずしてラクダに逃げられる。

自分のことを〝ノマド〟と呼んだ青年の遺体は見つかり、現地で解剖される。
胃・腸も膀胱も空っぽであることから、所見は渇死(かっし)。
22歳。

サハラの単独横断に成功した者は、今現在に至るまで いないという。

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2023年12月16日 (土)

『平成の裏仕事師列伝』を読む

知恵のある者 知恵を出せ
知恵のない者 汗を出せ
なんだと。

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さらに芸があれば、ヒトをひととき 幸せにする。

このバンドはアマチュア。
タダで聞かせてくれる。

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こんな喫茶店で読み始め。

アッチの5千円のモノをコッチへ1万円で売るのが商売。
そこから千円引き・2千円引きして買い気をあおる。

フーテンの寅さんなら、百円のモノを千円で売る。
啖呵(たんか)売りするための、口上(こうじょう)・話術が芸の域に達している必要はある。

本書で紹介されるのは、
 知恵で稼ぐ仕事
 汗で稼ぐ仕事

知恵があるなら、カード会社のシステムをハッキング。
オンラインカード詐欺。
1億。
いや、年で1億。
ただし、犯罪。

汗で稼ぐなら、原発の放射線を浴びるエリアでの作業。
同年代のサラリーマンの4倍の月収。

本夕、読了。

芸、それと容姿で稼ぐなら、浄水器の戸別訪問販売。

デブ専のホストクラブもあるようだが、やはりホストは容姿と話術。
容姿がホスト並みだとの自信があれば、昼働いて夜に寝て、土日は休める仕事がある。

ピンポーン。
で、ドアを開けさせるまでが大変だが、そのあとは水道水検査と称しアレコレ。
ンで自慢の容姿と話術で 一人でいた主婦をアヘアへと落とす。
これで、35万円の浄水器が1個売れる。

書かれているのは、そんな仕事師への対面インタビュー。
つまるところは、やはり知恵。

知恵のない私は、知恵のないサカナを相手に遊んでいるのがお似合い(^^;

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2023年12月 9日 (土)

『宇宙を支配する「定数」』を読む

1ドルが360円で固定されていた相場。
それが、変動相場制に移行したのが1973年。
以降、一度も360円より安くなることはなく、直近の昨日8日の東京市場の対ドル円の最高値は144円39銭。
変動相場制の現在、対ドルあたりの円は日々・時々刻々の変数。

1ドル360円は、固定相場制時代内に限っての定数(じょうすう、ていすう)。

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こんな飯屋で読み始め。

1ドルが75円54銭まで円高が進んだことがある。
今は昔の2011年。
その頃に円で生活していたヒトは、外国旅行先で いい思いをしたはず。

今や、往時の半分の安さになった円の国(日本)に、ウワーっと外国人が集まるオーバーツーリズム。
もっとも、輸出産業はウハウハ。

本書で話題にするのは、そんなフラフラした換算・比例係数ではなく、この宇宙を支配する不変の定数。
時間・万有引力定数・電気素量・光速など。

本夕、読了。

ニュートンが万有引力の法則を世に出したのは、17世紀末。
その万有引力定数の最新の測定値は、
 6.6743×10-11m3 kg-1s-2
と、下4ケタの精度。

18世紀末に測定された万有引力定数は、
 6.74×10-11m3 kg-1s-2
だったので、200年で やっと4ケタの精度アップ。
まァ、しかし、だからと言って私の生活には何の変化もない。

対して、時計は、この200年ほどで12ケタも精度を上げている。
重力場における時間の進みや遅れが、階段を昇ったりエレベーターを降りたりといった日常の運動レベルで測ることができるのだと。
まァ、しかし、だからと言って私の生活には何の変化もないのは同じ(^^;

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2023年12月 3日 (日)

『同調圧力』を読む

〝同調圧力〟
私の解釈では以下。
 気にそぐわない考え方や言動をする少数者を、
 多数者側の考え方や言動に合わせようとする
 雰囲気

〝同調圧力〟を感じた際に、〝同調〟しようとする者の気分は、
 長いモノには巻かれろ
 群集心理
 右へならえ

〝同調圧力〟を感じた際に、〝同調〟しまいとする者の気分は、
 負けるモノか
 屈するモノか
 正義は我にあり
本書は、〝負けるモノか〟・〝屈するモノか〟・〝正義は我にあり〟という立場のヒトが書いたもの。

〝同調圧力〟への抵抗。
それは時に、自身を英雄視し、はたからはユニーク・他人(ヒト)と違う・信念がある・個性的といった評価を得ることもある。
また それは時に、ひとりよがり・ピエロ・エキセントリック・頑固・偏屈といった評価を与えられることもある。

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こんな飯屋で読み始め。
この季節、私の読む本の しおり はミズナラの落葉。

著者は3人。
 望月衣塑子(もちづき いそこ:東京新聞記者)
 前川喜平(まえかわ きへい:元 文科省事務次官
 マーティン・ファクラー(米国人ジャーナリスト:マルチリンガル者
                                       中国語と日本語は完璧)

望月・前川は、〝同調圧力〟を自身に実際に感じた・感じている例をあげる。
彼らの言う〝同調圧力〟とは、〝国家権力〟。
〝権力〟対〝個人〟
〝権力〟対〝ジャーナリズム〟
を書く。
まァ、しかし、私ごときが言っては ナンだが、本書に限っては という前提付きで、お二人の
 被害者意識
 自意識過剰
が、鼻につく。

本夕、読了。

今年の世界180ヶ国の報道の自由度ランキングは、
  1位 ノルウェー 
  2位 アイルランド
  3位 デンマーク
   ・・・
   45位 米国
   ・・・
   68位 日本
   ・・・
 178位 ベトナム
 179位 中国
 180位 北朝鮮

報道の自由と言論の自由はリンクしていると言っていいだろう。
そして いずれの自由も、〝理性〟のコントロールがあってしかるべきだろう。
それを〝同調〟とは言わないと思う。

巻末に三人による座談が載せられている。
マーティン・ファクラーのキレが見事。

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2023年12月 2日 (土)

絵鞆マリン俱楽部 総会・納会

日本で新型コロナウイルスの感染流行が確認されたのは、'20年の初め。
よって、絵鞆マリン俱楽部の総会は'19年を最後に、'20年・'21年・'22年と書面によって。
総会直後に行っていた宿泊納会も、同期間は休会。

この年末は、久しぶりの4年ぶりに顔を合わせての総会・納会。
総会では、
 ・マリン倶楽部と無線クラブを統合
 ・釣りダービー登録方法
 ・釣り情報発信の場
 ・新会員の獲得
などを考えたいとの方針が執行部から提案され、異論なく承認。

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で、納会では年間釣りダービー入賞者の発表と表彰をサカナに、飲んで・食って・話して・聞いて。
事情があって、広い宴会場を確保できず、席の移動がままならない。
皆さんに お酌をして回れなかった ご無礼ご容赦のほど。

また、集合写真を撮れなかったことが残念。
今日の この会に集まったメンバーの年齢にもなれば、次の総会・納会までは アッという間。
今度の納会後には、K事務局長兼カメラマンに是非 集合写真を撮ってもらいましょう。

ちなみに、上の画像の背中側にもメンバー多数。
楽しいひとときでした。
ありがとうございました。

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2023年11月26日 (日)

『海を渡った「ナパーム弾の少女」』を読む

1973年の「ニュース速報部門」のピューリッツァー賞は、〝The Terror of War(戦争の恐怖)〟。
ここでいう〝War〟とは、ベトナム戦争。
写されたのは、’72年6月。

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       ―― The Terror of War ――

〝The Terror of War〟 に写る裸の少女が〝Napalm Girl〟、すなわち「ナパーム弾の少女」。
’75年4月に、この写真が撮られた場所から北東へ40キロにある南ベトナム首都のサイゴンが陥落し、ベトナム戦争が終わる 。

後遺症をともなう重度のヤケドを背中と左腕に負って火煙から逃れる この時の少女は、9歳。 
南ベトナム軍による南ベトナム集落への、ナパーム弾(焼夷弾)の誤爆によって起きた事件だった。

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こんな喫茶店で読み始め。

資本主義(南) 対 社会主義(北)の 米ソ代理戦争。
北が南を押し切り、南・北ベトナムはベトナム社会主義共和国として統一され現在に至る。

のち、優秀だった少女は医学生となるが、その優秀さゆえ、社会主義政府によって反米・反帝の広告塔とされることになる。
 ・社会主義国のキューバへの留学
 ・同じくキューバに留学していたベトナム人と結婚
 ・夫婦してのモスクワ旅行からキューバへの帰途、
  乗り継ぎ地のカナダ最東部のガンダー国際空港で
  難民申請

本夕、読了。

このヒト、よくよく考えている。
〝亡命〟ではなく、〝難民〟としての立場で行動したのも考えた末。
カナダの市民権を得、キリスト教に改宗。

ベトナムの両親をカナダに呼び寄せることもでき、自身、ベトナムを訪問できる自由も得た。

火傷痕の治療は長いこと続き、昨年完治。
治療にあたったのは米国人皮膚科医で、治療期間5年。

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2023年11月25日 (土)

『食欲の科学』を読む

日がすっかり傾いた頃、ブラブラと流し歩きの飲食店街。
焼き肉屋・天プラ屋・ウナギ屋・焼き鳥屋などの換気扇から吐き出される匂いはたまらない。
大して腹は減っていないのだが。
食っていくかァ・・・

ところで、鼻腔の後ろ、つまり口の奥のノドのほうから入ってくる匂いを感じることができる生物は ただひとつ、ヒト。
ヒトだけが、空中に ただよう匂いだけではなく、口に入った食べ物の匂いも感じることができるンだと。

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こんな飯屋で読み始め。

ヒトは〝飢え〟を克服した。
で、現代人は、空腹を満たすために食う では終わらずに、ウマい・マズい・好き・嫌いを言い、時に過食・時に拒食する生物となった。
4、50年前までの〝食欲〟とは、心理学的・行動学的研究対象。
今のそれは、〝脳〟の問題。
〝脳〟が〝食欲〟を生み出し、〝空腹〟を感じさせている。

本夕、読了。

著者は、睡眠・摂食行動などの仕組みを解き明かそうとする医学者。
プロオピオメラノコルチンとかニューロペプチドYとかという用語が40も50も出てくる。
そしてそれらの物質が、どういう理屈で人体に作用しているのかを、素人に分かるようには説明してくれない。
素人に分かるように説明できるような理屈ではないのだろう。
と、いうことで、ンなところは読み飛ばし(^^;

本書、第5章の章題は「視床下部から行動へ」。
その第5章は、19世紀のフランスのロマン主義作家の言葉、
 恋は空腹で生き、満腹になって死ぬ
で始まる。
大いに同感(^^;

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2023年11月24日 (金)

『ウイルスとは何か』を読む

ポツンと何か。
そこから枝分かれして、さらに枝分かれして、・・・
と、今の生物界に至るまでの進化を〝樹木の形〟で表現する系統樹。
DNAの配列から系統樹を考える。
著者は物理を学んだ後、統計学を有効に使うことで系統樹を定める方法を研究したヒト。

と、書いた私自身が、何を書いているのか・・・
ハテ(^^;

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こんな喫茶店で読み始め。

ウイルスは、自分自身だけでは増殖(複製)できない。
生物の細胞内に自分の遺伝情報を侵入させることで増える。
なので、細菌・動物・植物を問わず あらゆる生物のゲノムに、多くのウイルスの配列が組み込まれている。
本書には、こう書かれている。

 何千万年も前の我々の祖先もウイルスに感染した。
 それらの中には重篤な病気を引き起こしたものも
 あったかもしれない。
 そのウイルスの一部が我々のゲノムの中に残って
 いるのである。
 「ウイルスの化石」である。

本夕、読了。

本書、私程度の者には読みこなせない(^^;
それでも、用語を調べ調べしながら 何とか最終ページまでたどり着いた。

分かったフリは最低。
分かったツモリは、いくらか罪が小さいように思うが、しかし、これも大いに危険。

本書を読んでも、分かったフリもできず 分かったツモリにもならない私は、タダのバカ(^^;

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2023年11月19日 (日)

『地平の月はなぜ大きいか』を読む

太陽と月の視直径は ほとんど同じで2分の1度。
30分。

360度さえぎるモノが ない砂漠や大洋。
地(水)平線に、太陽なり月なりをギッシリ並べたら720個。

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こんな飯屋で読み始め。

イタンキ浜に立って見る、水平線から昇る太陽。
大きい。
イタンキ浜に立って見る、水平線から昇る月。
大きい。

大きく見えるが、しかし、そう見えているだけ。
大きくはない。
高いところにある太陽も月も、低いところにある太陽も月も、視直径は変わらずに2分の1度、30分。

大きく見えているだけであることの直接的証明は簡単。
昇ったばかりで大きく見える月と、その何時間か後の月を写真に撮ればいい。

本書には、こう書かれている。
 人の眼、人の心が観た太陽と満月が、物理的大きさを
   はるかに超えたものであることに気付く。
 物と心がこれほど大きく食い違う現象は他にない。

この現象を〝月の錯視〟といい、2000年も前から知られていた現象。

本夕、読了。

本記事の冒頭で、
 地(水)平線に、太陽なり月なりをギッシリ並べたら720個。
と書いた。
ここで、簡単な思考実験。
〝地平の月〟が大きいのなら、ギッシリと720個並べられないことになる。
それは おかしい・・・
てなことを2000年前のヒトも考えたに違いない。

著者は『天体錯視の研究』で、学位を得た心理学者。
ただし、著者の研究によっても、大きく見える理由が完全に解決したわけではない。

竿を曲げ、リールのドラグを鳴らす型モノが掛かる。
偏光グラス越しに見る 水面直下まで上がったサカナはデカい。
ただし、デカく見えるのはバレたサカナ。

タモにおさまるサカナは なぜか小さい(^^;
あァ、〝水中のサカナ〟の錯視(^^;

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2023年11月18日 (土)

『気になる日本地理』を読む

義務教育で習う〝地理〟(高校で習う〝地理〟も同様)は、
 気候・地形・海流などの自然科学
 生活・産業・文化などの社会科学
と、学習範囲が広い。

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こんな喫茶店で読み始め。

東京都中央区には、日本銀行本店があり、三越日本橋本店があり、銀座がある。
勤務・購買・遊興の場。
だが、昼間人口こそ多かったが、夜間人口は減り続けた。
人々が、住む場を郊外に求めたゆえの〝ドーナツ化現象〟。
1997年、ここの人口は、7.2万人にまで減った。

バブルが はじけ地価が落ち着いたことと、高層集合住宅の建設が進んだことで、ここに住もうとする人が戻ってきた。
今年の人口は、17.5万人。

札幌・大阪・福岡の中央区でも、人口が増えていると本書。
〝アンパン化現象〟と いうらしい。

本夕、読了。

北海道人で、〝愛媛〟を書け、その県庁所在地が〝松山市〟だと言えるヒトの割合は どれほどだろうか。
同じく、北海道人で、〝茨城〟を書け、〝いばら〟と発音し、かつ、その県庁所在地が〝水戸市〟だと言えるヒトの割合は どれほどだろうか。

〝地理〟の学習範囲は、漢字の読み書きにまで及ぶ。

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2023年11月12日 (日)

『「利他」の生物学』を読む

〝利〟とは、我が身の不利をかえりみない、他者への奉仕・献身。
そもそも生物は、食うか食われるかの弱肉強食の〝利〟の生存競争を生き抜くことで、種をつないできた。
弱肉強食とまで言わずとも、弱者衰退・強者繫栄・適者生存。

本書は、そんな生命観の向こう側にある生物界の現実を見せてくれる。
生物にとっての〝利〟と〝利〟は表裏一体。
どころか、表表一体、裏裏一体。

副題は、
『適者生存を超える進化のドラマ』

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こんな飯屋で読み始め。

本書は、植物学の専門家と動物学の専門家の2名による共著。
本書で言う〝利他〟とは、〝共生〟のこと。

植物と動物の違いで一番大きいのは〝葉緑体の有無〟ではなかろうか、というのが2人の生物学者の一致した結論。

ところで、砂浜に棲む体長30マイクロメートル(0.03ミリメートル)の微生物の〝ハテナ・アレ二コラ〟。(注)

〝ハテナ〟は体内に緑藻を宿す(共生している)ので、体色は緑。
緑藻の葉緑体が光合成することのみが命の元。
なので、口はない。
〝ハテナ〟は植物。

本夕、読了。

〝ハテナ〟の繁殖は分裂によるが、緑藻は分裂しない。
よって、緑藻は〝ハテナ〟の分裂した一方に残る。
分裂した もう一方の〝ハテナ〟は、体内に緑藻を持たないので無色の体となる。
で、その無色の〝ハテナ〟には〝口〟が形成され、摂食を開始する。

ということで、〝ハテナ〟は、植物にもなるし、動物にもなるンだと(@@)(驚愕)

(注)

〝ハテナ・アレ二コラ〟の発見は、日本人。
名前の〝ハテナ〟は、日本語の〝はてな:?〟に由来する。

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2023年11月11日 (土)

『設計からの発想』を読む

著者は、航空工学者の佐貫亦男(さぬき またお)。

九七式戦闘機(キ27)のプロペラの設計者として有名。
また、気象庁採用の風向風速計を設計したことでも有名。

講談社ブルーバックスシリーズには9冊上梓。
本書は、その内の1冊。

このヒトのプロフィールを、〝工学者〟と同じくらいの比重で〝作家〟と並列して紹介している文章を多く見る。
実際、工学者として高い業績を上げたヒトだが、専門分野の知識をネタにしたエッセーや そのエッセーに埋め込まれたヨーロッパ紀行文やアルプス山行記が実にいい。

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こんな喫茶店で読み始め。(注)

表紙絵の、
 機首部分は、メッサーシュミット BF109
 胴体部分は、スーパーマリン スピットファイア
 機尾部分は、零式艦上戦闘機

副題が、『比較設計学のすすめ』。
まァ、そうガチガチした比較論が展開されるわけではないが、日本人が陥りやすい設計(デザイン)のチョンボがいくつも書かれている。

本夕、読了。

著者の佐貫亦男は四半世紀前の1997年に90歳で逝去している。
で、本書の初版は1979年。
米中が国交を樹立した年で、中国では改革・開放政策が始まった直後。
すべての中国成人男子が着ていたのは人民服。

そんな当時、そろそろ日本でも現在の中国を予見していたヒトはいた。
ただし、予見の程度は ウッスラと。

それよりも更に20年も前の、1957年。
国家主席が毛沢東の大陸で、中国の気象科学技術者らと2ヶ月間仕事をした佐貫亦男は、その時に感じたことを、こう ハッキリと書いている。
 比較設計学をもっとも深刻に適用する国こそ中国であることを
   確信する。
 中国人が(他国の)発想を「横取り」するとはとうてい考えら
 れない。
 この人たちは「学習」するにちがいない。
 「横取り」と「学習」は結果こそ同じだが、その態度には大差
 があり、獲得と習得の差別となって表わされる。

     ―――――――< 中  略 >―――――――

 その巨大な人口と、柔らかい頭で、成果は期して待つべきであ
 ろう。
 いくらかの心配は、文明文化の進展とともに頭を持ち上げるか
 も知れない中華思想、中国は世界の中心であるとの発想であろ
 う。

(注)
こんなところに・・・
って、ところにあった喫茶店。
西日の射すカウンター席に置かれたカップはウェッジウッド。
この喫茶店々主は、ハンドミルで挽いた豆でコーヒーを淹れる。

佐貫亦男なら、豆を挽くその音で、ミルがドイツのコマンダンテだと聞き分けるに違いない。
彼は、毎年のようにドイツを訪れ、かの地の小さな町を歩くのが好きだったという。

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2023年11月 9日 (木)

『宇宙・0・無限大』を読む

著者は、天文学者。
〝0〟は、数学で言う〝0〟ではない。
〝無限大〟は、数学で言う〝無限大〟ではない。

宇宙の始まりが、〝0〟ではなく
宇宙の終わりが、〝無限大〟ではない
という話。

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こんな飯屋で読み始め。

内容は義務教育レベル。
なので、私のようなモノでも、最終ページまで読み進んでいける宇宙論。
義務教育レベルに落として書かれた宇宙論ではない。
書かれていることが、私のようなモノにでも読み進められること だけ だということ。

だから、だけしか書かれていない こういった本を読んで、分かったつもりになってはいけない。

本夕、読了。

いけないのだが・・・

全ての物理量が揺らいでいた(正確な値が分からない状態)この世界 の始まり。
全ての物理量とは、位置・速度・エネルギーなど。
〝時間〟もそう。
よって、時間の議論は微小な幅を持つ。
著者は、
 宇宙の誕生時を確定できない。
 いえるのは、「この宇宙は誕生した」ということだけだ。
と書く。

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2023年11月 5日 (日)

『NATIONAL GEOGRAPHIC』を読む

『NATIONAL GEOGRAPHIC』日本版11月号。
特集は、〝荒らされる水産資源 世界の漁業が危うい〟。

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こんな飯屋で読み始め。

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アラスカ ブリストル湾。
川をのぼるためにこの湾にサケが集まる。
それを獲るために数百隻の漁船が網を流す。
上空には、魚群を追う水産会社のヘリ。

本夕、読了。

本書、11月号だが、発行年は1995年。
某施設の建て替えを機に放出したのが『NATIONAL GEOGRAPHIC』。
その一部をいただいた(^^) 

1995年は、Windows95が発売された年。
政権は 自社さきがけ の連立で首相は村山富市、衆院議長は土井たか子。
1月に阪神・淡路大震災、3月に地下鉄サリン事件が発生している。

〝荒らされる水産資源 世界の漁業が危うい〟というフレーズ。
当時、〝危う〟くさせている その原因はヒトだった。
今は、それに〝気候変動〟がプラスされる。

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2023年11月 1日 (水)

『つげ忠男コレクション』を読む

つげ 義春(1937年-)、つげ 忠男(1941年-)兄弟の作風・画風はよく似る。
よく似るが、ヒトこま目を見るだけで兄弟の作風・画風の違いが分かる。

今回読んだのは、弟のほう。

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こんなパン屋のイートインカウンターで読み始め。

12編が、
 釣り師無頼
 放浪渡世
 場末と与太者
 文学遍歴
の4つの章に分けられている。

玄関を出て、30分も歩けば出会えそうな話ばかり。
なのだが、300日間歩いても出会えそうもない話ばかり。
背景は、1950年から80年くらい。
読後に、爽快感とか納得感とかは感じない。
かといって、哀感とか虚無とかも感じない。

吉田類が解説を書いている。
これが力の入れ過ぎで、むしろ滑稽。

本夕、読了。

2018年の夏、つげ忠男と吉田類の網走の喫茶店 デリカップでの対談録が巻末に載せられている。
マンガの話は出てこない。
釣りの話、育った場所の話など。
ところで、この 網走の デリカップ には私も入ったことがある。
ジャズを聴かせる店で、カップはウエッジウッド。

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2023年10月29日 (日)

ブナの森を歩く

拙ブログの5月14日 の記事は、『ブナの森を楽しむ』。
その記事に きーさんから いただいたコメントに、
 この秋は、ブナの実の大凶作が予想されます。
 森の動物たちは困るでしょうねェ。
とリプライした。

この秋のブナなどの木の実の凶作は、黒松内に限らず全国的。
そのせいで、エサを求めて里におりたクマがヒトに危害を与えているニュースを見聞きする。(注)

ということとは、全然関係なく、春に歩いた黒松内のブナの森を秋も歩きに。

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渓流の王様は、〝岩魚(イワナ)〟
渓流の女王は、〝山女魚(ヤマメ)〟

画像やや右は、King of Forest の〝ミズナラ〟
画像左端は、Queen of Forest の〝ブナ〟

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2005年、九州を南から北へ縦断し日本海へ抜けた台風14号は、せたな町に再上陸して東北東に北海道内を走った。
その時の暴風で倒された直径1メートルを超すブナに新しい生命が。
ヒナウオタケ。

全給水量は、
 ・250CC

下山後に食べたのは、奈川ソバ。
長野県奈川村(現 松本市
)の在来種で、現在は黒松内でしか栽培されていない(らしい)。
もっとも、味を評価できる舌を私は持っていない(^^;

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(注)
統計学的な処理ができるほどのデータが集められているのかどうか知らない。
が、ブナの実の豊・凶とクマによるヒトへの危害の少・多に相関関係はないという説が有力らしい。

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2023年10月25日 (水)

『ことばのごちそう』を読む

拙ブログの8月4日の記事は 『自炊大好き』を読む 。
そこに、6月9日号を最後に〝週刊朝日〟が休刊となったことを書いた。
私が言いたかったのは、〝週刊朝日〟に連載されていた 東海林さだお の『あれも食いたいこれも食いたい』が自動的に休載となったことがとても残念だ。
ということ。

本書は、東海林さだお が書きつづってきた印象的な描写を、食品名を項目にたてて、それを50音順に並べたもの。
アイスクリーム・味付け海苔・アジの開き と続き、綿あめ・ワニ・ワンタン で終わる。
出前・メニューなど、食品名以外の項目も いくつか。

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こんな喫茶店で読み始め。(注)

著者が言うには、本書は、長い文章のサワリ、イイトコ取り。

サワリ、イイトコ取りされた文章は、1項目 半ページから せいぜい3ページ。
これ以上 要約のしようがない。
が、そこをさらにイイトコ取りすると、例えば白湯(さゆ)は、
 白湯はひたすら沈黙を守りつづけている。
 何も発言しないし、何も主張しない。

本夕、読了。

舌にある味蕾(みらい)細胞が脳に伝えるのは〝味〟。
 甘味
 酸味
 塩味
 苦味
 うま味
は、基本五味として 誰でも知っている。
2018年に発見されたのは、味蕾から脳に〝脂肪〟の味を伝達する神経。
基本五味に〝脂肪味〟が加わって、基本六味となる可能性大。
〝カルシウム味〟も加わって、基本七味となることもありうる。

東海林さだお は、この〝脂肪味〟・〝骨味〟を50年も前から言っている。
著者の舌は確か。

(注)
ウェッジウッドのカップでコーヒーをサービスしてくれる喫茶店を またひとつ見つけた。

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2023年10月21日 (土)

『大人もぞっとする 原典「日本昔ばなし」』を読む

昔ばなしだとか童話だとかは、勧善懲悪・因果応報・いましめ・教訓。
また、美徳は勤勉・倹約・正直・親孝行。
悪徳は嫉妬・散財・怠惰。
まァ、そうだろう。
しかし、その はなしの原典、昔ばなしの そのさらに昔ばなしは、エロだったり、残酷だったり。

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こんなパン屋のイートインカウンターで読み始め。

六部殺し(ろくぶころし)、蛇の婿入り(へびのむこいり)、俵薬師(たわらくすし)など11話。

六部とは全国を行脚してまわる修行僧。
ある六部が、貧農家夫婦のもとに一夜の宿を求める。
その六部が背負ってきた荷物の中に大金があることを知った夫婦。
妻は六部に自分の体を抱かせ、寝入らせる。
寝入った六部の首を夫がカマではねる。

殺した六部のカネで裕福になった夫婦に、子が生まれる。
その子は何年たっても話さず歩かず。
ある夜、突然 話し歩き出した子の顔が あの六部の顔に。
夫は子を殺し、妻を殺し、自身は首を吊る。

本夕、読了。

信仰による救いがなく
ヒーローも現れず
偶然によってもたらされる幸せなどなく
エンドがハッピーでなく
ヒトはあっけなく死ぬ

「日本昔ばなし」の原典に書かれているのは、現実の厳しさ(^^;

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2023年10月15日 (日)

羊蹄山麓にて

芽吹きの春が奇跡の季節なら、枯れの秋は必然の季節。
秋晴れに誘われ、登山靴を持って羊蹄山(1898メートル)まで。

この時季の ここを表現するのに必要な秋色は、赤・黄・茶、そして青。
しかし、つい この間まで、暑くて熱い夏だったせいだろう。
この地の秋色は進んでいない。

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秋の濃い青空に羊蹄山。
左手の赤はサルビアの花。
右手の赤はホウキグサ。

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2023年10月14日 (土)

『さみしい男』を読む

文化審議会が答申し、内閣が告示する常用漢字表には、〝寂〟はあるが〝淋〟はない。
その〝寂〟の読みだが、
 音読みで、ジャク(静寂:セイジャク) セキ(寂莫:セキバク)
 訓読みで、さび (寂しい:さびしい 寂れる:さびれる)
〝さみ・しい〟とは読まない。

〝寂しい〟の語源は、古代の〝さぶ・し〟、〝さび・し〟。
〝さみ・しい〟という発音は比較的最近、江戸になってから。

本書名の『さみしい男』は、もっともっと最近。
21世紀の〝男〟。

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こんな飯屋で読み始め。

著者は、教育学・心理学の専門家。

〝さみしい男〟とは、
 どこにも居場所のない中年男
 女を口説けない若い男
らのこと。
 恋愛しない男
 コミュニケーションできない男
そんな〝さみしい男〟から抜け出す道を探り、これからの男たちの生きる指針を提示する。
と、著者。

本夕、読了

女性から見た男性、
 いい人は多いけれど、いい男はいなくなった
らしい。
 疲れている男、女を口説けない男は魅力がない
とも。

そんな〝さみしい男〟から抜け出すための、著者の提言は、
 自分に自信があること
 仕事ができること(打ち込んでいるものがあること)
 前向きなこと
 自分らしい生き方ができること
 自分の内心を自分の言葉で表現できること
 心からのコミュニケーションができること

と、しごく当たり前。
これができないから、さみしくなる。
で、これをできるようにする処方は書かれていない。

もっとも、そんな処方を求める男は、〝さみしい〟を通り越して〝終わってる〟(^^;

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2023年10月12日 (木)

『うまみの誕生』を読む

コンブからはグルタミン酸。
カツオブシからはイノシン酸。
シイタケからはグアニル酸。
本書には、これら うま味成分についても書かれているが、著者の専門は微生物学。
その専門知識と歴史の博識を重ね、パン・酒・漬物・お茶等々、古代から現在にまで伝わる発酵食品の話が続く。

副題が『発酵食品物語』。

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こんな喫茶店で読み始め。

一夜漬けや酢漬けなら、サラダみたいなもの。
発酵させてこそ漬物。

ニシン漬けなら北海道。
いや いや いや
海のない飛騨の国(岐阜県)のニシン漬け(にしんずし:ねずし)。
これも なかなか。

塩でしめたサバを、日本海側から京都に運んだサバ街道は有名。
同じく塩でしめたニシン。
それを飛騨に運んだニシン街道もあるはず。

本夕、読了。

茶の歴史が書かれている。
中国南部やタイやミャンマーには、乳酸発酵させた茶の漬物がある。
茶の元々は、食用だったようで、飲用の始まりは2千年ほど前かららしい。

〝お~いお茶〟の発売は1985年。
冷たいお茶を飲むようになったのは、2千年の茶の歴史の中では、ごく最近のことになる。

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2023年10月 9日 (月)

『岩魚の休日』を読む

著者は、2018年死去した 桂 歌丸。

〝岩魚〟は渓流の王様。
〝イワナ〟と読む。
一方、渓流の女王は〝山女魚〟。
〝ヤマメ〟と読む。(注)
いずれも清らかな冷流に棲み、イワナのほうが上流域に棲む。
渓流釣りの好対象魚。

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こんな飯屋で読み始め。

著者は横浜生まれ。
幼少時より、海で竿を出し、長じて船で竿を出し、ヘラブナに竿を出す。
その後、釣魚が絞られて、湖でのワカサギと渓流でのイワナ・ヤマメ。

副題は、
 釣れてよし、釣れなくてよし、人生竿一竿

 釣れなくてよし・・・

私もそう。
 釣ってりゃ楽しい、釣れりゃァなお楽しい

本夕、読了。

落語家稼業ゆえ、1年の3分の1は旅暮らし。
アッチへコッチへ。
丸々1日拘束される仕事でもないし、酒は飲まない。
で、川でも旅館の池でも、水のあるところはどこででも。

仕掛けは全て自作。
魚信を求めて、20キロを歩くことも苦にしない。

1束(そく)は、100尾のこと。
300尾なら、3束。

このヒトには、さらに上の単位が必要。
ワカサギなら10束超え。

〝釣りの合間に高座に上がる〟というのがオチ。

(注)
北海道では〝ヤマベ〟と発音するのが普通。

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2023年10月 7日 (土)

『捜索者』を読む

作は谷口ジロー。
彼の作品は、拙ブログの一昨年の10月に、
 『K』を読む
また、同年11月に、
 『猟犬探偵』を読む
として、記事にしている。

『K』にしても『猟犬探偵』にしても、作画こそ谷口ジローだが、原作者は別にいた。
が、本書『捜索者』は作・画とも谷口ジローによる。

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こんな飯屋で読み始め。

本書の発行は、つい一昨日。
10月5日。
もっとも、初出は99年でビッグコミックに連載されていた。

彩色された全1ページが、本書のスタート。
青空の雲を背に残雪の山。
手前の緑の斜面に、チョウノスケソウか。
高山植物の群落。
そこに、中原中也の詩『春と赤ン坊』の前半分の節が。
 菜の花畑で眠つてゐるのは……
 菜の花畑で吹かれてゐるのは……
 赤ン坊ではないでせうか?

本夕、読了。

山で親友が遭難死する。
幾年か後、遭難死した親友の中学生の娘が失踪する。
山で暮らしていた主人公が山をおりて、東京渋谷で その娘を探す。

山を歩く者は皆 ロマンチスト。
マンガ家も皆 ロマンチスト。

マンガ。
だからといって、主人公のとんでもない体力・知力・ケンカ強さ・打たれ強さ、ご都合主義なストーリーが許されるわけではないけれど・・・

マンガ。
だから、主人公のとんでもない体力・知力・ケンカ強さ・打たれ強さ、ご都合主義なストーリーは許される・・・

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2023年10月 1日 (日)

『皮膚のふしぎ』を読む

サハリンに住む3歳の男児コンスタンチンが、全身の80%に負った重度のやけどの治療のために札幌に緊急搬送されている。
ソ連邦の崩壊は1991年。
その前年の1990年のこと。

2019年の京都アニメーション放火殺人事件。
容疑者は、自らも重度のやけどを全身の93%に負い送院されている。

いずれも、救命された。

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こんな喫茶店で読み始め。

著者は皮膚医学者。

皮膚の最外層が角層で、その厚みは0.2ミリ。
すでに死んだ細胞だが、病原体(ウイルス・細菌・アレルゲン)や異物(花粉・ホコリ・大気汚染物質)を物理的にブロックする。
それをくぐり抜けた病原体や異物に対しては、免疫機能を活動させる。

ところで、整形外科で処方される消炎湿布薬のモーラステープ。
これは私には 素晴らしくよく効き、貼って10秒もすると筋肉にまで薬効が届く。

ブロックする仕組みは分かった。
が、本書、薬効成分を通過させる仕組みの説明はない(^^;

本夕、読了。

口から肛門までは つながった1本のクダ。
皮膚は人体の外側だが、口から肛門までのクダの内側も外側だと言えないこともない。
安部公房は、ヒトはクダのような存在だと書いている。
黒鉄ヒロシにいたっては、マンガ 赤兵衛 で、ウエットスーツを裏返すように人体を裏返ししてみせた。

本書によれば、ヒトの皮膚1センチ平方あたりには、数十万から数百万の細菌(皮膚常在菌)が棲息しているそう。
腸内細菌は40兆個。

ヒトは やはりクダなのかもしれない。
本著者は、皮膚免疫と腸内免疫の関係に触れ、皮膚常在菌と腸内細菌の相互関係の研究に深い関心を示す。

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2023年9月30日 (土)

『物質理論の探求』を読む

18世紀、
 ニュートン  (英:1643年ー1727年)に始まり、
 プリーストリー(英:1733年ー1804年)
 ラヴォアジエ (仏:1743年ー1794年)
 ドルトン   (英:1766年ー1844年)
らによって近代科学が構築された。
本書に書かれているのは、その18世紀の科学史。

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こんな飯屋で読み始め。

著者は科学史研究者。
専攻は化学。

例えば酸素。
 リンゴの切り口が茶色くなるのは酸素ゆえ。
 鉄がさびるのも酸素ゆえ。
 紙が燃えるのも酸素ゆえ。
 呼吸は酸素を取り込もうとするがゆえ。
その酸素を、ヒトはどのように理解してきたか。

水、電気、熱、・・・
それらを、ヒトはどのように理解してきたか。

本夕、読了。

寿命は有限。
いいとこ100年しかないのが大変にくやしい・・・
5万年先、とは言わない。
5千年先、いやいや、2千年先でいい。
その2千年先の、人類の知性の到達点を見てみたい。

その時、
物質のその先の
 生命とは何か
 時間とは何か。
我々は、それを理解した過程の科学史を読むことができるかもしれない。

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2023年9月24日 (日)

『家裁調査官は見た』を読む

日本の法曹人口の概数は、
 弁護士が3万人強
 裁判官が2千8百人弱(注)

裁判を維持するのに必要な調査を行うなどして裁判官をサポートする仕事を行うのが、裁判所調査官。
 ・最高裁判所では、判事(地方裁判所裁判官)が就く
 ・高等および地方裁判所では、知的財産の専門家と租税の専門家が就く
以上の調査官が法律家なのに対し、
 ・家庭裁判所(以下、家裁)では、カウンセラー(臨床心理士・家族心理士
  など)が就く

いずれの裁判所の調査官も、国家公務員。

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こんな飯屋で読み始め。

本著者は、社会福祉学部教授として学生を指導しているが、家裁調査官として17年間の勤務経験を持つ。
家裁が扱うのは、家庭に関する調停や少年の保護事件の審判など。
だから、家裁調査官は、家庭、家族、少年少女、その親たちに深く立ち入ることになる。

本夕、読了。

家裁調査官が大事にすることは〝聞くこと〟だ。
と、本著者。
が、そのことだけではヒトは救えないことを〝苦い思い〟として本著者は書く。

覚せい剤を使った17歳の少女が、著者にこう訴える。
「チャンスが欲しい。(少年院ではなく)社会で立ち直りたい」

で、著者の裁判官への意見具申は、
「この子を少年院に送るのは適当ではない。
 適切な環境を整えて社会の中で更生をはかるのが最善である」

その1ヶ月後、変わり果てたように目はくぼみ肌の潤いを失った少女が言う。
「ヤクザっていうのはすごいよ。
 シャブやってる女の子がいるって聞いたら、そこへサーっと集まって来るん
 だよ。 本当にすごいよ」
と。
ヤクザに連れ回され、1日に7回も覚せい剤をうたれ そのたびに性交。

女子少年院に送られることで、少女は やっと適切な環境を得る。

(注)
検事はもっと少なく、2千人弱。

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2023年9月23日 (土)

『いろは俳句絵本』を読む

〝多芸は無芸〟といい、〝天は二物を与えず〟ともいう。
いや いや いや。
多芸有芸・多芸多才、天から二物どころか三物も四物も与えられたヒトはいる。
著者はそんなヒト。

著者の本職はナンなのか。
 一級建築士
 折り紙講師
 タップダンス講師
 茶道(大和遠州流)教授
 墨戯(水墨画)講師
で、陶芸家で俳人。

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こんな飯屋で読み始め。

〝い〟をアタマに
〝ろ〟をアタマに
〝は〟をアタマに
というふうに、一ページに一句。
いろは順に俳句が並べられている。

本書は、本。
も著者による。

器用なヒト。
というには、レベルが高い。

本夕、読了。

俳句だから季語がある。
札幌在住のせいか、使っている季語に多いのは〝冬〟。
〝秋〟は少なく三句のみ。
うち一句のアタマは〝ゆ〟。
 指先の
 トンボ一会(いちえ)の
 空へ発(た)つ

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2023年9月18日 (月)

『あなたの中の異常心理』を読む

著者は精神科医。
本書には、
 〝臨床医として現代人の心の危機に向かい合う〟
と、紹介されている。

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こんな喫茶店で読み始め。

著者が、
 〝現代人の心の危機に向かい合っている〟
ことはよくわかる。
〝心の危機〟とは、〝異常心理〟のこと。

もし、
 〝異常心理〟は回避しなければならない
また、ひとたび身に付いた
 〝異常心理〟は克服しなければならない
のであれば、その
 回避法(予防法)
 克服法(療養法)
が述べられてしかるべき。
が、本書に書かれているのは、〝異常心理〟の実例(分析)ばかり。
回避法・克服法は書かれていない。

本夕、読了。

本書の論調には大いに異議あり。

表面に行動として現れて、人間関係にトラブルを発生させる〝異常行為〟ならともかく、内面に隠れて 当人のみが知る〝異常心理〟をどうしろと。
そもそもが、心理に〝異常〟とか〝正常〟とかあるのだろうか。

ウラ・オモテのないヒト
カゲ・ヒナタのないヒト
見せられない 胸の内 のないヒト

ンなヒトの心理を〝正常〟と評価してよいものだろうか。
〝無害〟
とは言えるが。

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2023年9月10日 (日)

『大人のための「中学受験の算数」』を読む

著者は、物理学と指揮を学んだ理芸両道のヒト。
現在は、数学塾の主宰者。

本書で扱っているのは、小学6年生が中学入学のために臨む試験問題。
なので、数学の本ではなく算数の本。

掲載されている算数は24題。

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こんな喫茶店で読み始め。

中学入試の出題だから、小学校6年間で習う範囲を越えない。
が、中学卒業者、高校卒業者。
どころか大学卒業者でも、さらには解答時間を5倍に延長されたとしても、満点はおろか合格水準レベルにまで到達できるだろうか。

本書名、
 『大人のための「中学受験の算数」』
副題は、
 問題解決力を最速で身につける
そして、帯には、
 難関中の入試問題は、最高の教材だ!
とある。

これから中学に入ろうとする小学校6年生の問題解決力が、大人の頭の使い方の薄さを気付かせる。

本夕、読了。

本書によれば、〝難関中〟入学を目指す小学生の多くは、3年生の2月には入塾すると。
といっても、塾で文字式や方程式など、中学校で習う学習範囲の教授なんぞはしない。
塾で扱うのは、あくまでも小学校6年間の学習範囲内。
本書で教えられるのは、10の発想法・考え方。 その10とは、
 ①逆を考える
 ②情報を図や表にする(視覚化)
 ③差や比を考える(相対化)
    ・
    ・
 ⑧対称性を使う
 ⑨言い換える
 ⑩評価する

次は、ある中学校の入試問題。
Nada
図1で、
 入射角イと反射角アは等しい
と、鏡と光の関係が説明される。
 
図2で、3辺が鏡で構成された三角形ABCと、その内部を反射しながら繰り返し同じ経路を進む光の様子が示される。

そして、
 角ウを求めよ。
なんて、問題文には書いていない。
中学の入試問題、解くのは小学6年生。
問題文に書かれているのは、
 角ウの大きさは何度ですか。

⑧の、対称性を使って考えると、
 角ウの大きさは 28°

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2023年9月 6日 (水)

『美しすぎる「数」の世界』を読む

副題は、
 「金子みすゞの詩」で語る数論(注1)

著者は数学者。
〝数の新しい世界を知ることで、目の前が開けていく感じ〟
と、
〝金子みすゞの詩が気付かせてくれる、身のまわりの世界
 の不思議〟
に共通するものを感じると言う。

30編の金子みすゞの詩に、数論を重ねていく。

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こんな喫茶店で読み始め。

金子みすゞの詩の〝そらの いろ〟

 うみは、うみは、なぜ あおい
 それは おそらが うつるから。
   < 中 略 >
 だけど おひるの おひさまは、
 あおかないのに、なぜ あおい。
 
 そらは、そらは、なぜ あおい。

に重ねて、2次式と素数が語られる。(注2)

本夕、読了。

以下、本書の記述に従って。
ここでいう 2次式 とは 
 f(x)=x
2x+A
という形。
ここで、
 A=2,3,5,11,17,41
とすると、
x=0 から A-2 までの A-1個の連続する X の値ですべて素数値をとる。
たとえば、
 A=17
のときは、
 f(x)=2x+17
とおいて、
 f(0)=  17
 f(1)=  19
 f(2)=  23
 f(3)=  29
 f(4)=  37
 f(5)=  47
 f(6)=  59
 f(7)=  73
 f(8)=  89
 f(9)= 107
 f(10)=127
 f(11)=149
 f(12)=173
 f(13)=199
 f(14)=227
 f(15)=257
と、確かに素数が並ぶ。

 A=2,3,5,11,17,41
の その先は・・・
わかっていない。
本書には、ほかにも素数を生成する2次式が紹介される。
そして、著者は こう書く。
〝2次式の素数の問題を通して、限りなく深い世界が
 広がっているのを見ることができる〟

もっとも、私の理解力では、〝限りなく深い世界が広がっている〟のを見ることができたとは とても言えない。
しかし、〝限りなく深い世界が広がっている〟のを感じることはできた・・・
ような気がする(^^;

(注1)
〝数論〟とは、
 整数(・・・,ー3,ー2,ー1,0,1,2,3,・・・)
について研究する数学の分野。

(注2)
〝素数〟とは、
 ・2 以上の自然数
 ・正の約数が 1 と自分自身のみ
な数で、無限に存在する。
2 3 5 7 ・・・ 89 97 101 ・・・ 983 991 997 ・・・

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2023年9月 3日 (日)

『加害者家族』を読む

以前、新聞で読んだ記事。
車庫出し前進時、祖父が幼い孫をひき殺してしまう。
車庫入れ後退時、母親が幼い我が子をひき殺してしまう。
いずれも過失・事故。
ひかれたほうの孫・子は害者だが、ひいたほうの祖父・母を害者とは言いづらい。

不幸。
救いようのない不幸だが、責めるべき対象は自分自身のみ。
細く暗いが 歩むべき贖の道が見えないこともない。
そもそも、〝〟ではない。
ように思う・・・

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こんな喫茶店で読み始め。

本書で扱っているのは、そんな意図しない過失・事故の話ではなく、故意の殺人。
殺されたほうには、ひとかけらの落ち度もない。

殺されたほうは害者、その家族は害者家族。
殺したほうは害者、その家族は害者家族。

害者家族は もちろん不幸。
が、害者家族にも大きな不幸が襲う。

著者はNHKの報道番組ディレクター。
書かれていることは著者自身の取材による。

害者は 小学生5人(注)
内、2人死亡
害者は、14歳、中学3年生
害者家族宅の構成は、父・母・害者・弟が2人

本夕、読了。

警察は害者家族宅に起こるだろう不幸についても配慮する。
で、家宅捜索令状呈示の その前に、2人の弟を親戚宅に避難させることを提案・協力する。

それからの日々。
父親は苦しむ。
 弟たちはどうなるのか。
 誰が遺族に詫びに行くのか。
 捨てきれない 何かの間違いであって欲しいという思い。
 
そんな父親に担当警察官は同情を示しながら、
 「あなたたち家族への厳しいマスコミ報道、連日の調書取りなど
  で、つらく苦しい気持ちはわかります」
そして、こう質問する。
 「お父さん、2月10日と3月16日に殺された被害者の名前を
  ご存知ですか?」

父親は、被害者たちの名前を知らずにいたことを指摘され愕然とする。
そして、自分たちは、害者家族としての苦痛を決して口にしてはいけないことを知る・・・

(注)
1997年の神戸連続児童殺傷事件。
いわゆる、酒鬼薔薇聖斗(さかきばら せいと)事件のこと。

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2023年9月 2日 (土)

『職人』を読む

著者は永六輔。
著者が聞いた 職人の語りの数々が並べられている。
そのひとつは、
 残らない職人の仕事ってものもあるんですよ。
 えェ、私の仕事は一つも残ってません。
 着物のしみ抜きをやってます。 着物のしみをきれいに
 抜いて、仕事の跡が残らないようにしなきゃ、私の仕事
 になりません。

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こんな飯屋で読み始め。

人間国宝のおばァちゃんが織った紬(つむぎ:絹織物)。
それと、東レ・旭化成が織った化繊の紬の違いの判別はむずかしい。
人間国宝のおばァちゃんや沢村貞子が着れば、
 「これ、ヘンだなァ」
と思えるくらい。
らしいのだと、著者。

フライフィッシャーはバンブーロッドを手にしたがる。
釣竿職人の使う素材は竹。
が、敏感、折れないのはグラスファイバーの竿。
と、著者。

本夕、読了。

著者の大ベストセラーは『大往生』。
ところで、1997年、NHKTVドラマの『大往生』。
主演の森繁久彌が演じた役は 残らない仕事をする〝しみ抜き職人〟。

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2023年8月27日 (日)

『カラスはずる賢い、ハトは頭が悪い、サメは狂暴、イルカは温厚って本当か?』を読む

題名には、
 カラスはずる賢い
 ハトは頭が悪い
 サメは狂暴
 イルカは温厚
とあるが、
 カラスがずる賢い話も
 ハトは頭が悪い話も
 サメが狂暴な話も
 イルカが温厚な話も
出てこない。

ヒトはカラスを嫌い、カモメを好む。
だから、
 カラスは追い払われ
 カモメはエサをもらえる
著者は、そんなことに理不尽さを感じながら研究活動を続けている動物行動学者。
専門は鳥類。

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こんな飯屋で読み始め。

動物を見るさいに著者が我々に望むのは、〝事実に基づく、ニュートラルさ〟。
で、書かれているのは、動物の実際の行動と そのニュートラルな解釈・理解。

本夕、読了。

鳥は、前足を犠牲にして翼にした。
コウモリは、前足だけでは足りずに、後足・尾まで連なった皮膜を張って翼とした。

著者は、こう書く。
その結果は、どうなったか。
哺乳類は4300種。
内、一番多いのがネズミ目で1400種。
次が翼手目(コウモリ)で、1000種。

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2023年8月22日 (火)

『ロバのスーコと旅をする』を読む

著者は職を辞し、ロバと一緒に、
 イラン国内を  ’22/3/ 4 ~ ’22/ 4/12  800キロ
 トルコ国内を  ’22/5/18 ~ ’22/ 7/23 1200キロ
 モロッコ国内を ’22/9/ 4 ~ ’22/12/27 1500キロ
を歩く。

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こんな飯屋で読み始め。

著者は、
「ロバが旅に出たところで馬になって帰ってくるわけではない」
という西洋のことわざを出す。
「本質は簡単に変わるものでない」
という意味だが 実際にロバと旅した著者は、半分は正しいが、半分は間違っていると書く。

ところで、著者自身はどうか。
ロバのままで帰国するのか。
それとも、馬となって帰国するのか。

以下は、全然 別な話。

馬をひき、徒歩での4ヶ月の旅。
ドイツからスイスを経由してアルプスを越え、イタリアまで。
旅人は、Dietmar Obertとその妻Midori。(注)
馬の名はGina。

旅の終わり。
自分は馬に変わっているのか、ロバのままなのか。
ンなことはどうでもいい・・・
そんな素晴らしい旅の動画は4分11秒。



(注)
Midoriとは終日(ひねもす)船長さんの娘さん。

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